小学校・中学校及び高等学校の各学年の課程を終了したと認定するかどうかは、
学校長の裁量権の範囲内にある。
また、小学校・中学校及び高等学校の卒業の認定に関しても同様である。
簡単に言うと、上級の学年に進級できるかどうか、および卒業できるかどうかは、
校長先生が判断するということである。
では、どのように校長先生は、判断するのだろうか?
学校教育法施行規則第27条には、
児童の平素の成績を評価して」判断しなさい、と定めてあるだけである。
”平素の成績とは一体何をさすものであるのか?”という非常に難しい問題が、
存在するわけであるが、法律上は、
出席日数そのものは、進級や卒業の要件とはされていない。
もちろん、
平素の成績”の中には、授業態度なども含まれると思われるため、出席日数も、
”平素の成績”を評価するにあたっては、勘案してもよい事象であろうが、
出席日数そのものが進級・卒業するために必要な絶対的な基準ではなく
平素の成績”を勘案するための一つの事象に過ぎない。
(勘案の対象となる事象にもならないかもしれないが・・・・)

いずれにしても、
不登校のため、出席日数がケタ違いに多くても、”(その他の)平素の成績”が良ければ、
当然に法律上は公立の小学校・中学校は進級・卒業できることになる。
(進級・卒業できなければ、校長先生に平素の成績が悪いことを証明してもらおう! ^^;)

さて、
現在の日本には、約1万3000人(2004年度8月文部科学省発表)の不登校児童生徒が
いるわけであるが、この不登校児童生徒は、100%の割合で進級・卒業している、と思われる。
(小中学校の計9年間ほとんど通学していなくても・・・15歳で中学校を卒業しているはず・・です)

このことは、小学校・中学校の場合には、出席日数が極端に少なくとも、
少々勉強ができなくても精神的発達がみられれば、進級・卒業させるということなのであろう。
つまり、現在の学校の”平素の成績”の考え方は、何らかの人間的成長が見られれば、
”平素の成績”が良いものとして評価され、進級・卒業できるということなのであろう。
これが、現在の日本の小学校・中学校の進級・卒業の基準となっているようだ。

(日本に飛び級制度・落第制度が存在していないのは、
                    学力よりも精神的発達を重視しているためであろう)

もちろん、(事の是非は別にして)別の基準によって、学校長が進級・卒業の基準を設ける場合も
考えられる。現に、2004年3月には、ある小学校の校長が、不登校児童の小学校卒業認定の
条件として、”3日間校長室で勉強すること”という条件を附した、との報道がなされていた。


おまけー高等学校編ー
驚くべきことに、学校教育法施行規則27条が準用されるため、
高等学校においても、進級、卒業は”平素の成績を評価して”認定されることになる。
つまり・・・・
高等学校においても、出席日数(出席授業時間)は、小学校・中学校と同様に、
法律上は、進級・卒業の条件とはされていないようだ。
しかし、高等学校の場合には、出席日数が極端に少ないと、
進級・卒業できないのが通例である。
その理由として考えられるのが、単位認定に関する事項を学則に記載する義務、および
その学則に定めた条件を満たした者に単位認定を行う義務が高等学校にあるためであろう。
より具体的には、下記のとおりなのではないだろうか?
(私の想像だが・・間違いなら指摘してください)

学校教育法施行規則第3条第4号及び第4条第5号には、
「高等学校にあっては、”学習の評価及び課程修了の認定に関する事項”を学則として定め、
都道府県知事に提出し、認可を受けなければならない」と定められている。

そのため、
「出席日数が極端に少ない者も卒業させる」旨の学則を定めたとしても、
そのような学則は知事の認可を受けることができず、
「出席日数が多い者のみを卒業させる」旨の学則を定めた場合にのみ
知事の認可が下りる現状があるのであろう。
結果として、高校は知事の認可を受けられる学則を作成し、
その学則にしたがって卒業の認定を行うため、
出席日数が少ない者は高校を卒業(進級)できないだけだ、と思われる。
つまり、
高校の場合には法律の壁ではなく、認可の壁があるため、出席日数が少ない者は、
高校を卒業(進級)できない状態になる、と思われる。

おそらく、
どうしても出席日数が極端に少ない者を卒業認定したければ
”全日制高校ではなく、通信制高校を設立しなさい”ということなのであろうが、
法律上は、出席日数が少ない者も卒業が可能であるのであるから、
出席日数を卒業の条件としない学則を認可する知事が出てくる
ことを期待してみたりもする。


<参考法令>

学校教育法施行規則第27条【終了卒業の認定】
 小学校において、各学年の課程の修了又は卒業を認めるに当つては、
 児童の平素の成績を評価して、これを定めなければならない。

学校教育法施行規則第55条【中学校の準用規定】
 第17条、第18条、第22条の2から第22条の6まで、第23条の2、第23条の3、
 第24条第2項、第26条から第28条まで、第42条から第44条まで
 及び第46条から第49条までの規定は、中学校に、これを準用する。
 この場合において、第18条中「五学級」とあるのは「二学級」と読み替えるものとする。

学校教育法施行規則第65条【高等学校の準用規定】
 第22条の2から第22条の4まで、第22条の6、第23条の2、第23条の3、
 第26条から第28条まで(第26条の2を除く。)、第44条、第46条から第49条まで、
 第52条の2及び第52条の3の規定は、高等学校に、これを準用する。



学校教育法施行規則第65条の10【中等教育学校の準用規定】
 第22条の2から第22条の4まで、第22条の6、第23条の2、第23条の3、
 第26条、第27条、第28条、第44条、第46条から第49条まで、
 第52条の2及び第52条の3の規定は、第56条の3、
 第60条及び第62条の規定は、中等教育学校に、これを準用する。


学校教育法施行規則第3条【設置認可の届け出】
 学校の設置についての認可の申請又は届出は、それぞれ認可申請書又は届出書に、次の事項
 (市(特別区を含む以下同じ)町村立の小学校及び中学校については第4号及び第5号の事項を除く)
 を記載した書類及び校地、校舎その他直接保育又は教育の用に供する土地及び建物
 (以下「校地校舎等」という)の図面を添えてしなければならない。
 一 目的
 二 名称
 三 位置
 四 学則
 五 経費の見積り及び維持方法
 六 開設の時期

学校教育法施行規則第4条【学則に記載すべき事項】
 前条の学則中には、少くとも、次の事項を記載しなければならない。
 一 修業年限、学年、学期及び授業を行わない日(以下「休業日」という。)に関する事項
 二 部科及び課程の組織に関する事項
 三 教育課程及び授業日時数に関する事項
 四 学習の評価及び課程修了の認定に関する事項
 五 収容定員及び職員組織に関する事項
 六 入学、退学、転学、休学及び卒業に関する事項
 七 授業料、入学料その他の費用徴収に関する事項
 八 賞罰に関する事項
 九 寄宿舎に関する事項