たどればトンチンカン(第27回特総研理事長賞受賞作品)

審査員より、「特別な技能を駆使したわけでも、膨大な時間やお金をかけたわけでもない、だれにでも作れないことない教材ではあるが、細かい工夫もしてあり、何よりこの教材で勉強している子供の笑顔が浮かんでくる作品・・・」と、誉められました。

http://www.nise.go.jp/soumuka/shomu/kyozai/27th/nyusho.html


 全盲で体幹機能障害をあわせもつ幼児に、指先でかるく線をたどる感覚を習得させる目的で作った教具です。
 8mmのビー玉を穴に乗せ、幼児が左から右に指をすべらせると、ビー玉が共鳴箱の中に落ちて、トン、チン、カンとかわいい音が聞こえてきます。
 上板は4枚、正方形なので、4×4通り提示できます。
 共鳴箱の内部です。幼稚部財産のオルフの鉄琴を借りて、並べてみました。カラーの鉄棒は壊れたおもちゃの鉄琴をばらしました。
ビー玉がどこに落ちても鳴るように、ひっかからないで出てくるように並べました。ただし、ビー玉が小さくて軽いので、頼りない音しか出ません。パチンコ玉ならいい音が出ますが、幼児の指に合わないので断念しました。
板の裏側です。指をすべらせる感覚をつかませたいので、ビー玉を半分以上沈めてセットできるように、穴の裏側にゴムをとりつけて支えるようにしました。左から右に指をすべらせた時に落ちるように、穴の右側を彫刻刀で彫りました。指を上下に動かしたり、反対方向に動かしたのでは、ビー玉がゴムにはね返されて、落ちない仕組みです。
ちなみに赤いゴムは、6月に梅もぎに行った時のお弁当に付いていたのを集めておいたものです。


応募票より抜粋
 1作品のねらいと工夫点
  @ねらい
    ・視覚障害と体幹機能障害をあわせもつ幼児に人差し指一本を使ってはみ出さないで線たどりを     させる。       
    ・正しくたどれているかどうか幼児自身が音で確認しながら腕や手指の動きを調整させる。
  A工夫点
    ・正しく左から右にたどった時にビー玉が落ちるように穴の下にゴム受けや溝を彫った。
    ・強く押しても1回しか鳴らず、線をたどっていくと次々と音が聞けるように、電気回路を使用せず     ビー玉が落ちるようにした。
    ・押し込まないでも指を横にすべらせるだけで落ちるように、また幼児の指に合うビー玉の大きさ    を選択した。
 2使用方法
    ・幼児の正面におき、左手で軽く箱を押さえて、右手の人差し指だけでたどらせる。
    ・ビー玉の出口を右側にして、教師が次の課題の準備をする。何枚かローテーションしながら実施    すると効率的。正方形なので回転して向きを替えて提示する。
 3作品を使用した結果
  @対象児
     4歳 男児 視覚障害(右:光覚 左:0) 体幹機能障害
  A使用効果
    ・電気回路を使って音楽が流れるようにした教材では、1カ所を強く押してしまったが、本教材では    たどろうとした。
    ・軽い力でビー玉が落ちるので力のコントロールが上手になり、押すのではなくたどる感覚が分か    ってきた。
    ・人差し指だけでたどろうとした。
 4その他(問題点、改善点など)
    ・ビー玉が小さいので幼児が自分でセットするのは難しい。
    ・セットに時間がかかったり、ビー玉がなくなったりしやすい。

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