保健室登校とは?
  保健室登校とは、学校には来るが、教室に行けず、保健室ですごす子供達をいう。不登校の児童生徒が増え、社会問題化したが、不登校とは違う。不登校の児童生徒が学校に戻ってくる直前の段階といわれた時期もあるが、現在は、不登校になる直前の児童生徒が多い。
 一見、普通の児童生徒と変わらないため、教師が誤解することが多く、教師の対応に差が生じている。保健室登校の児童生徒の中には、「怠け」から保健室に来ているものがあるため、一層の混乱が生じている。
 保健室登校かどうかを見極めるには、その児童生徒と多くの時間を共有し、話をする必要がある。しかし、中には、本人にも怠けかどうか、わからないことがあり、難しい問題である。


ある学校の対応
  保健室に来る児童生徒は「怠け」であり、そういった児童生徒が保健室に来るのは許せない。教室に戻すべきである。よって、保健室には鍵がかかっており、保健室に行く児童生徒は担任の許可を経てから行くようになっている。

ある学校の対応
  児童生徒は多くの悩みやまたいろいろな悩みを抱えており、保健室に救いを求めるのは当然なことである。よって、保健室を改造し、児童生徒がリラックスできるようにし、できる限り話を聞くようにしている。

感想
  不登校・保健室登校が問題になってきている現在、多くの学校は保健室登校を認めていない。なぜなら、保健室登校の児童生徒の対応には多くの時間と労力を必要とするからである。また、それに見合う人員も配置されていないし、一見サボっているとしか思えない児童生徒が多いからである。また、保健室登校にかこつけてサボる児童生徒が多いのも事実である。また、保護者の中には保健室登校をしている子供が悪いのではなく、甘やかしている学校に責任があると行って来ることも多い。こういった事情の中では、保健室登校を認めないという対応は、実に楽であるし、余分な労力をかけずに済むし、批判を受けなくても済む。
  しかし、実際、保健室登校の子供達と話をすると口には出さないが多くの悩みを持っていることも事実であり、教室にはいると体の変調を訴えて、体調を崩す生徒もいる。
  さて、あなたはどちらの対応に賛成しますか?
 
保健室登校の事例を上げてみます。

事例1
 A子は、入学当初、普通に登校していた。クラブも参加し、目立った行動はなかった。
しかし、5月頃から保健室に行くことが多くなり、ついには教室に行くことがなくなった。
母親と連絡を取るが、怠けているだけだから、教室に入れるように言われる。
しかし、本人は拒否。
母親に事情を話しても怠けているの一点張りである。
学校の対応に問題があるとしか考えないため、教育相談を受けるように話をするが、
うちの子は精神病でないと言い張る。精神病ではないと説明するが、納得がいかない。
本人に家庭での様子を聞くと、父親・母親とも口をきかないようである。
学校で孤立し、家庭でも孤立している。

学校の対応
無理矢理教室に連れて行くことができないと母親にいう。
どうしても教室に入れたかったら、親の方で入れて下さいと話をする。
これに対して、親は実行せず。学校が、子供を甘やかしているとしか考えない。
本人とねばり強く話を続けているうちに、教室に行きたくない理由として、みんなの目が怖いという。
詳しくきくと、小学校時代からいじめられていたという。
いじめの背景の一つとして、小学校入学時に転校してきている。

クラスでの対応
問題の根が深いため、学級会で話をしても、かえって悪化すると判断。
保健室で、学習できるように、空き時間の教師を割り当てたり、課題を出すようにした。

保護者の説得を続け、クラス替えを待つことにする。
保護者が子供の考えを理解できるようにならないと問題が解決できない。
また、クラス替えの時に、友達関係を配慮することにする。

事例2
  B子の場合は、「怠学」がしめる部分が大半である。
  3人姉妹の末っ子に生まれ、勉強は苦手であり、小学校の時から、授業を抜け出し、保健室に通っていた。両親が共稼ぎで、小さい頃から、家庭ではかまってもらえないようであった。
  学力は低く、読解力も、小学校低学年程度である。家庭では、本を読まず、ゲームばかりしていた。小学校の時、面倒を見てくれた養護教員が、中学校に異動したこともあって、保健室に来る回数が増え、最終的には保健室にいる。 この子の場合も、学力が低いため、言動が幼稚でクラスで浮いた存在となり、いじめを受けることもあった。また、保健室登校を学校が認めているということを知り、その制度を利用しようとする態度がありありとわかる。
  しかし、この子の場合、教室に戻しても、授業にはついていけないため、保健室で課題を与えたり、簡単な作業をさせることにした。