ヘビの生態 
 
ヘビの生態
1.感覚機能
人間を含めたすべての動物は、目・鼻・耳・舌・皮膚等の感覚器官によって行動します。ヘビも同様ですのでその感覚機能を知る事により、
その生態的特徴をつかみ、捕獲法や駆除法に役立てる事ができます。
T.目(視覚) 
まぶたが無く、ウロコの変化した透明なメガネと呼ばれるものに覆われ、目は開いたままの様になっています。
目の位置から判断して前方60度程度しか見えていないと考えられています。視力については良く分かっていませんがエサを獲る時や攻撃
する時などの敏速な行動から近くは良く見えているのでしょう。逆に上や後ろはあまり見えていません。
U.耳(聴覚)
ヘビの耳は皮膚内にうもれて鼓膜、鼓空などを欠き挫骨の一端は方骨に接し、もう一方は前耳骨にはまって内耳に接しているので空中を
伝わる音波は感じません。ヘビの近くで騒いでも特に問題はありませんが視覚の中にいる1番近いものにヘビは警戒しますのでヘビを見
つけたらすぐに離れた方が良いでしょう。また、聴覚の変わりに皮膚感覚を発達させています。
V.皮膚(皮膚感覚) 
聴覚が弱い変わりに皮膚から伝わる地面の振動などは良く感じるようです。地面から伝わる人やネズミの歩く振動音は皮膚で感じていま
す。特に頭部は効果的に敵や獲物の足音(振動)を感じる事ができます。ただ人はゴム底のくつをはいてそ−っと近づけばきずかれにくい
ので容易に捕らえられます。
W.舌・鼻(味・嗅覚)
ヘビの味覚、臭覚器官は口の中の上部にヤコブソン器官と言われる特有のものがありこれにより司られている事が解剖実験学上分かって
います。一般に良く知られるようにヘビは絶えず長い舌をチョロチョロ出していますがこれは単なる癖ではなく空気中のにおいや味を舌でと
らえ、ヤコブソン器官に送り判断していると言われます。ネズミの通った後を舌先で捕らえ追跡したり交尾期に相手を探すのもこの器官に
よると考えられています。嗅覚は発達し、鼻孔の口腔に通じる部分のふくらみにあります。ヤコブソン器官に神経が分布し舌とあいまって嗅
覚を司っています。また、舌の前部はふたまたに分かれこれで空中にただようにおいを吸着させ舌を口に納めると先端がヤコブソン器官に
差し込まれ嗅覚を助けます。舌は空中の震動も感じます。
X.ピット器官(温・距離感)
ヘビの第6感器官で目と鼻孔の間にある一対の窩(頬窩器官)でニシキヘビ科の多くの種とクサリヘビ亜科のヘビが持っています。ここには
多くの神経、毛細血管が集まっていてわずかの熱(赤外線)を感じ取る事ができます。ヘビの目を覆い熱を持った電球やゴム球を近づけると
正確に飛びつき咬みつきますが熱のない物を近づけても反応はありません。生きた温血動物をエサとし、敵を一撃で倒す為に発達した器官
です。
2.生息場所と食性
ヘビは変温動物です。哺乳動物のように体温調節はできません。従って活動できる体温は外界の温度に左右されます。温度の低い冬季に
は冬眠するのはこのためです。逆に熱帯地方のヘビは熱を避けるために夏眠する場合もあります。
太陽の当る暖かい所を求めたり、避けたりする、また環境的に暖かいところを選んだりして自分の体を好適な温度域に移動させ体温の調整
をはかり行動しているのです。一日の行動の中でも必要に応じて涼しいところと暖かいところを交互に移動し最適の温度に保てるように行
動しています。種類により最適の温度範囲は異なります。すべて気温が左右するためにヘビの活動期間にも差が生じます。
さらに、食性によっても水辺を好むもの、山野・森林を好むものとに分かれ、地下に潜るものは柔らかい土の中や倒木の下、など天敵に襲わ
れにくい場所を選びます。生息場所は生存のための温度、湿度等の物理的条件だけでなく食性の嗜好、環境条件にも左右されます。
越冬については南向きの温かい斜面など特定の場所に集団をつくると言われています。
ヘビの食べ物は生きた動物ですが一般的にはかなり広範囲の動物を食べます。よくヘビの餌といえばカエルが挙げられますがカエルを好
むヘビはヤマカガシやヒバカリ、シマヘビなどで他の多くの種はネズミや鳥などの温血動物を好んでいるようです。
アオダイショウのように木登りが得意なヘビは鳥を襲うことが多く、地上性のマムシなどはネズミ類を多く獲っているのが現実です。
なお、ヤマカガシやヒバカリは小魚やドジョウも食べています。このように種類によりうまく住み分けています。
3.その他
自分の体より大きな物を大きな口を開け、呑みこむ姿はヘビ特有のものです。上下に大きく開き顎の左右が別々に動く様になっているので
大きな動物を呑み込む事ができるのです。無毒蛇の場合相手が強い場合は敏速にぐるぐるに巻きつけ締めつけ窒息死させた後ゆっくり呑
み込むことが多く毒蛇は獲物に毒を注入し、たとえ相手に逃げられても後を追い倒れた後に呑みこみます。
ヘビのウロコは魚のように沢山の爪状のものが重なっているのではなく1枚の皮膚のヒダでできています。脱皮はヘビの種類によって時期
は違いますが年に2〜3回周期的に行います。脱皮する場所は水たまりの回りが多く岩などにこすり付けて約50分で終わります。
またヘビ類は体内受精を行い、産卵前に受精します。精子は雌の体内で数年間生存しています。 産卵数は数個〜100個くらい、孵化日
数は数時間から9ヶ月くらいです。ヘビの3/4は卵生残りは卵胎生で卵は輪卵管内で発育し幼蛇となって産まれます。
 
もくじ 
 
 
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