雷について・発生条件・予測・避け方・対処など  20070725,
 昨24日に近畿の梅雨明け宣言が出されまして、そろそろ関東も、という時期です。
あおば屋の落雷事故リスト→http://www.aobaya.jp/rakuraijiko.html
夏になりますと山での落雷事故が発生しますが、雷の発生、避け方、対処についてページをつくります。
以下に基本の項目をつくりますので、今までの体験など書き込んでいってください。
(1)参考になる文献・またはホームページ
@ヤマケイ・レスキューハンドブックP126~128
Aヤマケイ・救急医療ハンドブックP86~87
Bヤマケイ登山全書H登山医学入門P34
Cヤマケイ登山全書I山岳気象入門P64~65
(2)雷の発生・積乱雲が発生する条件は地表と上空の温度差の2つ。通常は1000mあたり6℃の減少率ですから
富士山頂と御前崎の温度差が23℃程度ですがこれよりも差が大きければ上空に寒気があると考えられます。
@雷の種類には地表が温められる「熱雷」、寒冷気団や上空の寒気など気団境界にともなう「界雷」、両方の条件が
 合わさった「熱界雷」に分類されています。
A発生の条件を考え、天気図・警報に注意しましょう。
 また、山地は地表と異なるので地表より発生しやすいことを考慮しましょう。
 ●南斜面は太陽放射と直交するので温められやすい。
 ●地表の風は水平だが山地では斜面を這い上がるので上昇気流を強めやすい。
 ●樹木がなく岩であれば当然のこと比熱は小さいので気温上昇は大きい。逃げ場もない。
(3)雷雲の発生と接近を予測する
夏の高山は「早出早着」が原則といわれます。午後2時には小屋など安全な場所に着くように、などと言われます。
でも気象条件によっては12時前に雷が発生することもあり、寒冷前線があればどんな時間にも発生しますね。
雷雲の接近はラジオの電波が乱れてガリガリ音が入ることで知る、とか、この原理で感度を上げた警報機もあります。
あおば屋のストライクアラート →http://www.aobaya.jp/index.html#sa
(4)落雷からのがれる
 平地では雷雲に近い点(=高いところ)に落雷する。山地でも同様。
ただ高山では横から来ることもあるし雷雲の中では四方八方から来ることになる。

直撃を避けるには這いつくばるなどして周りより姿勢を低くする。
近くに高い木があればそっちに落ちる。木のてっぺんから45度の円錐より外だと直撃を受けやすい。

直撃を受けなくても、人体の70%は水ですので岩や樹木を直撃した電流が木の枝先などから人間を側撃することがある。
樹木の先端から45度の円錐内部に入れば直撃は避けられるが、岩・幹や枝先から2mとか4mとか離れろということ。

側撃に似たことだが直撃された人から地面を通って離れた人に伝わったということもある。
1967年8月1日松本深志高校の電撃死9名、ショック死2名、重軽傷13名の事故は接近しすぎていたという要素もあろう。

身に着けた金属を捨てる・とか、雨具が濡れていると雨具の表面を電気が通ってくれるなんていうけどどうなんだろう。
「桑原桑原」というお祈りが効くかどうかは疑問だが、身をかがめた低いお祈りの姿勢は直撃回避には有効でしょう。
「だるまさんが転んだ」式に、落雷の間隙である5秒から10秒の間により安全な場所に移動することも逃げ方として有効。
(5)感電の対処
 落雷による死亡率は30%ほどであり、大部分は心室細動・心静止からの心停止による「即死」である。
電撃直後に心停止に至らなかった場合や救命措置で心拍が再開すれば救命でき、後遺症を残さない可能性が高い。
あきらめないで心肺蘇生を続けることが大切である。電撃が通った皮膚にやけどがある場合はやけどの措置をする。
(6)事故分析・最近のものを2つ紹介しますが、その他の事故分析はB以降にどうぞ。
@20020802塩見岳落雷・新聞報道→http://www.big.or.jp/~arimochi/info.02.09.04.07.html
塩見岳の落雷は、私も前日に農鳥小屋から奈良田に下山したので覚えていますが、大気が不安定で雷雲の発生は予想できたのに、
メンバーの1人がかなり遅れたためにツアー全体が遅れて樹林に入る手前で事故にあったものだと記憶しています。
問題点・三伏峠小屋4:35早出は良いとしても塩見岳10:05は遅すぎ。45分間も休みすぎ。塩見小屋まで85分も遅すぎ。
最後、本谷山手前での事故はシラビソの下にいた人が幹からの側撃で死亡。これは知識不足。

気象条件・8月1日は本州は高気圧に覆われて晴天で地表はすごく暑かった。
1日の夕方は農鳥小屋から鳳凰方面を眺めると激しい雷がビカビカ光っていたが、これは毎度の「熱雷」。
北海道の低気圧から日本海に寒冷前線が伸びており、2日にはこの前線が南下して寒気が流入して熱界雷の条件となった。

A20040724は帝釈山で死亡事故がありました。
 この前後には各地で雷が発生していました。
私も翌25日に白毛門手前で危険を感じて撤退。雷雨で上越線が止まったっけ。空気がよどんで湿度が高く不気味な天気だった。
帝釈山の事故は雷雨に見舞われ、リーダーの判断で大きな岩の陰に避難したつもりが、その岩の傍の木に落雷し、
側撃を受けました。ヤマケイにも事故分析がされていました。(2004年10月号)
事故発生が午後3時半ころということですと行程自体にも問題があるでしょう。   
かわもとさんの見解→http://www5a.biglobe.ne.jp/~katsuaki/heta026.html
(7)ヒヤリハット体験      ・・みなさんの体験を教えてください
@2005年8月7日夜は日光湯元の広々としたスキー場にテントを張っていたが夜半から雷鳴が鳴る。上空に寒気があった。
 結局は近くに落雷はなかったが怖かった。テントを樹林まで運ぶのは面倒だったのでリフトのケーブルの下に移動した。
 これは「電線の下はある程度安全」ということに期待したものだが・・、どうだったのだろ
 
A2005年6月20日。梅雨の合間の女峰山。晴れるとの予報で行ったが霧が出てきて唐沢小屋の先で12:50雷鳴接近のため撤退。
 下山途中で頭の上で雷が鳴りどしゃ降り。樹林に飛び込みしゃがんでやりすごす。
 その時は30分ほどで雷鳴は遠ざかったので、今にして思えば、唐沢小屋でじっとしていた方が良かったかな、と思う。