
3時頃目を覚ます。外をヘッドランプで照らしてみる。ガスが流れているばかり。昨日の晴天が嘘のよう。
4時、再び起きる。外を見ると、少し明るい。晴れそうな気がする。部屋に引き返しサブザックをかつぐと外に飛び出し、山頂に向かう。 太陽よ、まだ顔を出すな!
山頂に急ぐ。 ガスが猛烈な勢いで吹き上げている。 紫色に染まる。 だめかもしれない、でも見上げると青空。流れるガス。
突然吹き消され、雲海があらわれた。ガスは吹き上げてきては消え、消えては吹き上げる。
雲海の一点が輝き出す。御来光。
はてしなく広がる雲海。
ガスが吹き上げ視界を閉ざす。
6時、山荘を出る。凄い風。かなり強さを増している。互いにロープで結びあっている人、しゃがみこんでいる人、動けない人、、、、
大澤は大雪溪を下ることを主張。鑓温泉まわりを説得。鑓に向かう。 猛烈な風。ますます強さを増す。ガスは凄まじい音をたてて、真横に流れる。まるで激流のよう。
吹きさらしで立っては歩けない。はって進む。風で空気が飛ばされ、風上に顔を向けると息ができない。風下に向け、呼吸。
8時、鑓。あとは下るだけ。
お花畑まで降りると、風は弱まりほっとする。
もう1日早ければ、台風にあわずに済んだのに。でも、一味違うもてなしに感激。その方が大きかった今回の登山だった。

1983.8.14-15 白馬登山