送電鉄塔シリーズ 起点から歩く
新秦野変電所−送電鉄塔NO1〜NO5−蓑毛・・・
2008年6月14日(土)


新秦野変電所




2008年6月14日(土)、東丹沢:新秦野変電所−送電鉄塔NO5−蓑毛−聖峰を歩いてきました。
送電鉄塔シリーズの起点には、山を開いた巨大な変電施設が低いうなりを上げていました。
蓑毛からは「野菊と信仰の道」を辿って聖峰へ・・。バスの時刻が合わず、伊勢原駅まで歩いて
しまいました。
(「野菊と信仰の道」については、通過時刻の記録のみです。時間のとれる時を見つけて少しず
つ書き足していきます。)


【登山日】 2008年6月14日(土)  天気 晴れ

【マップ】 山と高原地図(昭文社):「丹沢」
      はだのハイキングマップ(秦野市商工観光課)

【行 程】 秦野駅8:37=バス=朝日神社前8:53…新秦野変電所(正面玄関)9:27…
      新多摩線1号鉄塔9:37…(新秦野線周辺探索)…2号鉄塔10:00…
      3号鉄塔10:10…県道70号線10:40…4号鉄塔10:50…5号鉄塔11:01…
      蓑毛11:56

      <野菊と信仰の道>
      小蓑毛12:14…不動越12:58…高取山13:22/13:26…
      聖峰13:50/13:55…神戸バス停14:50…伊勢原駅15:21

【メンバー】 単独




 ヤビツ峠行きのバスターミナルには20人程の行列ができていた。その後ろに並ぼうとした時、入ってきたバスがあった。藤棚行きだ。ヤビツでも蓑毛でも藤棚でも。新秦野変電所に近いバス停で下りればいいのだから・・・と車内に入る。乗車と同時に発車した。待ち時間ゼロ。夕方から用事のある今日、幸先の良いスタートを切ることができた。

 ところで乗ったバスの終点は藤棚だが、どこで下りたらよいのか分からない。246号を横切り、くずは台を過ぎる頃から車窓の特に送電鉄塔の行方に目を配る。バスが大きく右に曲がった先に高取山が見えてきたころ、適当なバス停で降車ブザーを鳴らした。朝日神社前というバス停だった。「歴史と伝説の道」という道標が立てられていた。進行方向左手に参道と鳥居が見えた。


 バス通りをそのまま進行方向に歩く。左の丘陵帯が開け、道の両側に水田が開けてきた。左手丘陵の上に送電鉄塔が何本も見えた。あの辺りだ。入る道はないだろうか。

 前方に信号が見え「東公民館前」と読めた。公民館の手前が十字路になっていて、「↓東田原神社 源実朝首塚 ←蓑毛」と書かれた道標があった。

 左(北)・蓑毛方向に向かう。来た方向を振り返ると薄く霞む富士山が見えた。
丘陵上に集まる送電鉄塔


  十字路から100mほど進んで左に曲がる。道はゆるく右にカーブしながら丘陵を上っていく。その先に大きな送電鉄塔が見えてきた。

 舗装路からそれて鉄塔に近づいてみた。「田代幹線421」と読めた。
 この名称に記憶がある。西丹沢「不老の活路」や「谷ヶ山」、「高松山」を歩いた時に横切っている送電線だ。その番号がそれぞれ340、344、369だったから、山梨県早川発電所で作られた電気は新富士変電所を経由して送られてきたことになる。

 フフッ、こんなことが分かるのも「送電鉄塔物語」を読んでいたおかげだね。
※送電鉄塔の番号は、基本的には電気が流れる方向(電気を運ぶ方向)に沿って付けられている。(送電鉄塔物語「第4話」備考より)
巨大な鉄塔の下に立つ


 舗装路に戻り道なりに進む。T字路に出た。道標があり「↓源実朝公御首塚田原ふれあい農園 ←金剛寺 田原ふれあい公園」と書いてあった。

 その道標の向こうに牝鹿がいた。一瞬どうしてこんなところに鹿の飾り物が?・・・と思えるほど、ジーッとこちらを見つめていた。数十秒後、彼女は身を翻し白い尻毛を見せながら奥の林に消えた。長いようだったが一瞬の出来事だったのかもしれない。
鹿だ。塑像のようにジッと、こちらを見ている


 右に進む。

 左の小高い丘に「緑を大切に」の看板と巡視路が見えた。上ってみると田代幹線422の送電鉄塔があり、その裏はフェンスで囲まれた新秦野変電所だった。フェンス越しに巨大な変圧器が見えた。

 すぐ近くに少し小振りの送電鉄塔が建っていた。湘南線1と書かれていた。
左手、丘の上に看板が見えた


 舗装路に下り、左に新秦野変電所の丘陵に沿うように進む。どこか全容を見ることのできる場所はないだろうか。

 緩い上りの道。正面と右側が開けてきた。大山〜高取山〜念仏山にかけての稜線がさえぎるものもなくすっきりと見えた。
高取山方面がすっきり見えた


 この左後方に新秦野変電所の正門があった。すぐ手前に新秦野変電所案内板が立てられていて、閉じた門の奥に巨大な変圧器の何台も並んでいる様子が見えた。

 見えている鉄塔が新秦野線と新多摩線か。これは後で確認することになる。
案内看板があった 奥に見える鉄塔は、新秦野線と新多摩線か


 フェンスに沿う右手の道を進む。変電所は右側(北側)にある尾根の中腹を切り開いた形で建てられている。

 その尾根に巨大な鉄塔が見えた。「秦浜線NO1」と書かれていた。京浜変電所と結ぶ送電線の最初の鉄塔。その先に更に2本の送電鉄塔が見えた。あれが目ざす新多摩線の送電鉄塔か。

 左はフェンス越しに巨大な変圧器群。
巨大な変圧器群 秦浜線と、奥に新秦野線、新多摩線の送電鉄塔


 道なりに進んで変電所の最上部に出る。フェンスの内側に鉄塔があった。すぐ下の看板に「新多摩線 1」と書いてあった。つまりここが新多摩変電所に向かう新多摩線の「始めの一歩」。電気を送り出す側にあたることになる。

 その奥に丘陵を開いた変電所施設の一部が見えた。段差もあって全容を一度に見ることができない。それほど大きい施設だった。
新多摩線送電鉄塔NO1 巨大な施設を俯瞰する


 さてこの附近で道は2分し、一方は北に上り、もう一方は変電所の西側を巻くように南に下っている。

 南に下る林道をわずかにすすむと、右に「緑を大切に 新秦野線NO57」の黄色い看板が見えた。行ってみよう。

 すぐに新秦野線NO57鉄塔。鉄骨の間から富士山が霞んで見えた。いったん北に伸びた送電線が次の鉄塔でクッと左(西)に向かっている様子も見えた。
新秦野線NO57鉄塔(奥に56号鉄塔)


 先ほどの林道まで戻りわずかに下ると、左手フェンス越しに変電施設が見えた。さっきの新秦野線送電鉄塔の番号が57だったから、ここが新富士変電所新から来る電気の入口にあたることになる。

 遠く柏崎、あるいは福島で作られた電気がここにきて、再び送り出されていく。ライフラインを支える壮大な、しかしあまり知られることのないロマンがここにある。
目の前に巨大な変電所の設備


 元に戻り、2分する林道を北に向かう。頭上、木々の間に送電線を追いながら歩く。林道の右に分岐、すぐ先で左に分岐を見る。しかしボクは送電線の行方を追って直進を続ける。

 左手の尾根に鉄塔が見えてきた。適当な斜面を上って鉄塔の基部に近づく。「新秦野線NO56」の標識があった。見上げると、送電線はこの鉄塔でクッと折れ、西に延びていく様子が見えた。
新秦野線NO56。送電線がクッと折れ西に延びる


 林道をはさんで70mほど先に新多摩線NO2鉄塔(以降○号鉄塔との表記は新多摩線を表す)を見る。

 少し先に進んで振り返ると1号鉄塔と送電線が見えた。あの巨大な変電施設は、もう森の影に隠れて見ることはできなかった。
2号鉄塔(手前)と1号鉄塔(奥)


 この鉄塔から1〜2分先で、林道は2分する。その真ん中に「新多摩線3号に至る」と書かれた巡視路入口を示す黄色い標柱があった。

 林道を離れ正面の巡視路に入る。道は斜め左上に向かい2分ほどで尾根の背に出る。

 尾根の背から少し戻ると3号鉄塔があった。杉などが植林されている薄暗い尾根上の、鉄塔部分だけが明るい広葉樹におおわれていた。
巡視路に入る 3号鉄塔


 尾根の反対側に、先ほど右に分かれた林道が折り返している。ヤブの薄い斜面を下って林道に降り立つ。

 西に向かい淡々と歩く。左山腹に新秦野線NO55、続いてNO54鉄塔への入口を見る。

 右が開けた先に、谷をはさんで4号鉄塔が見えた。ここからわずかで県道秦野清川線に出る。
荒れた林道に出る 谷をはさんで4号鉄塔を見る


 この山岳道路、車が多いが、自転車でのツーリングも結構多い。坂道をウイグイこいでいく彼らのパワーは、ボクが日常使っている50ccバイクよりも大きいようにさえ思えた。


 4〜5分蓑毛方向に下る。右(東)に伸びる尾根に林道があり、その先に送電鉄塔が見えた。谷をはさんで遠くに感じた4号鉄塔は、実際に歩けばわずかの時間だった。

 その基部に立って3号鉄塔を見る。送電線の自然の重みが美しい放物線を描いて4号鉄塔に続いていた。

 その送電線の先を追う。木々の間から5号、6号・・へと続く送電鉄塔群が見えた。
4号鉄塔が近づいてくる 3号鉄塔を振り返る


 林道を県道まで引き返し、道なりに下っていく。県道が左に大きくカーブする頂点あたりに鉄塔が見えた。

 ガードレールを越え20mほど下った先に5号鉄塔。基部はヤブにおおわれている。

 その一画に立って送電線の行方を追う。6号、7号、8号、9号鉄塔まで全て視認することができた。
6号、7号、8号、9号鉄塔を見る 5号鉄塔


 登りに変わる送電鉄塔巡りも今日はここまで。蓑毛までゆっくり下る。

 バス停にはバスが待っていた。だがまだ11時56分だ。夕方からの用事にはだいぶ間がある。少し欲張って「野菊と信仰のみち」を歩くことにしよう。ボクはそのまま車道を小蓑毛方面に向かう。
蓑毛バス停




<野菊と信仰の道>
野菊と信仰の道入口12:18…不動越12:58…高取山13:22/13:26…
聖峰13:50/13:55…神戸バス停14:50…伊勢原駅15:21


 小蓑毛に向かうゆるい下り坂。ゆったり歩くボクを先ほどのバスが抜いて行った。ひょっとしたらあの中にいたかも知れない3人ほどの乗客が見えた。
 左に水車小屋と「自然観察の森」の看板を見る。山法師の道、すずたけの道、もみの道・・・。幾本もの自然観察路が書かれている。春や秋、冬に、こんな散歩道をたどるのもいいナ。でも今日は看板を読んだだけ。

 バス道路の真ん中にある大鳥居。くぐって振り返れば額に「阿夫利神社」と掲げてあり、その先になだらかな大山が見えた。大山講は伊勢原側の表参道が有名だが、ここ秦野市蓑毛からの道も、かなり賑わっていたのかもしれない。
車道の真ん中に大鳥居を見る


 頭上に送電線(秦浜線)を見送れば小蓑毛。バス停から2〜3分ほど進み、道路の左に「野菊と信仰のみち(秦野市)」の道標を見る。「大山7.5KM 鶴巻9KM 弘法山7KM」と書かれていた。道標に従って左(東)に折れる。

 舗装された道。分岐には必ず道標がある。それに途中までは「手打ちそば」屋の看板も出ている。少し高度を上げてきた。振り返った丘陵上、新秦野変電所に何本もの送電鉄塔の集中している様子が見えた。
新秦野変電所に送電鉄塔群を見る


 久保橋の先で右に東京ゴルフ場のフェンスを見る。舗装路から山道に変わる附近にお堂があり、中に「右大山道」と書かれた石柱が見えた。

 右に広々と開けたゴルフ場を見ながら竹のおおいかぶさる山の道を進む。途中でゴルフボールを2個拾った。ゴルファーの打ち損じたボールが、ハイキングコースに飛び込んできたら怖いな・・。

 やがて左から上って来る舗装された林道の終点附近に出る。ここにも道標があり、指す方向に従って右の山道を更に進む。右にプレーする人たち。その背後に新秦野変電所と何本もの送電鉄塔群が見えた。あの変電所を出発点とし、グルーっと回って今ここにいる。ゴルフ場は広いけれど、ボクはもっともっと広いフィールドを歩いているのだゾ。

 しかし暑いね!
プレーする人たちの背後に新秦野変電所


 ゴルフ場の上部から折り返すように上って稜線に出る。秦野市の道標の少し大山よりに二つに折れた「不動明王」の石版がある。ここが不動越。12時58分。木陰を吹き抜ける風が心地よかった。一呼吸おいただけですぐに歩き出す。

 やや急登の後平坦になり、2〜3分で鶴丸分岐。「←大山山頂5.7km 蓑毛分岐2.7km →高取山0.9km 聖峰2.0km 弘法山4.8km」の道標がある。左に下る踏み跡入口には「山火事注意 伊勢原市消防署」の立て札があり、支柱に「通報番号39」と書かれていた。また札の裏側にはマジックで「←三の宮へ」と書いてあった。
欠けたままの「不動明王」石標


 ここからひと登り。13時22分高取山。山頂のベンチにはそれぞれ単独の二人の登山者が休んでいた。今まで誰にも会わなかったからちょっと驚いた。けれど、今日は土曜日だ。ハイキングコースで人と会うのは珍しくないはず・・と思い直す。

 奥にあるNHKの大山無線中継所の写真を撮っている間に、一人の登山者は南に向けて下っていった。さて、ボクはどうしよう。鶴巻温泉に下って弘法の湯に寄れば夕方の用事に間に合わなくなる。だったら最も距離の短い聖峰−神戸ルートにしようか。

 めまぐるしく考えて決断。そして13時26分即実行。高取山での滞在はわずか4分間だけだった。
高取山


 急な道を下る。やや平坦になると左に聖峰への道を分ける。もちろん道標もある。「聖峰25分 神戸バス停1時間20分」。ゆったり歩いても大丈夫だナ。

 道標を見ていたら念仏山方面から上ってくる単独の登山者がいた。軽く会釈を交わしてボクは左へ聖峰に向かう。急な階段状の坂を下る。どんどん下る。いい加減イヤになるほど下ってやや平坦になったあたりで、上ってくる二人のハイカーに会う。今日は休日。暑い日だけど、歩いている人はやっぱりいるんだ。
聖峰への分岐


 小さな登り返し。檜の植林帯を過ぎて小さく下ると、前方がパッと開けて聖峰不動尊の裏に出る。13時50分。

 前方に回って目の前に広がるパノラマを楽しむ。地面を斜めに横切る東名高速道、その向こうに広がる伊勢原市街、更に奥に霞むのは横浜方面か。
目の前に広がる大パノラマ


 すぐ横の広場に軽トラックが止まっていて、猟銃を持った男性が2匹の犬を下ろしていた。「(猟を)やるのですか」と聞いたら害獣駆除で、イノシシを対象に南東の斜面で始める。イノシシや鹿が増えすぎてせっかく作った作物を食い荒らすので困っている・・とのことだった。

 ちょうど上ってきた単独のハイカーがこれを聞いて、どうやらそのままもと来た道を下るようだった。

 ボクも下りに入る。狩猟の邪魔にならないように、前回(2001年5月12日)と同じ女坂を下る。尾根道である参道九十九曲入口と合流した後、山の神を見送り鹿柵のゲートを過ぎ、車止めの簡易ゲートに14時10分。

 道標があり下る方向には「三之宮比々多神社1.5km 坪ノ内バス停1.9km」と書かれていた。バス停まであと30〜40分だな、と、その時は思った。
涼しげな木陰の道


 この先、林道や農道が交錯している。そうした分岐にはしっかり道標が建てられている。聖峰を愛する人がそれだけ多いのだ。

 途中でその聖峰を振り返る。丸い山頂の一角が広場状に刈られ、不動堂の屋根がキラリと見えた。そのやや左に高取山の電波塔も見えた。標高380m、毎年1月1日初日の出を見るために登る人も多いという。
聖峰を振り返る


 東名高速の下を抜け神戸バス停に14時50分、さて伊勢原行きのバスは・・?15時28分、30分以上ある! えーい、伊勢原駅まで歩いてしまおう! すぐ横の農産物直売センターで冷たい牛乳を一気飲み。

 しかし暑いね。先ほど買ったペットボトルを手に持ち、飲みながら歩く。飲んだ水分はすぐに汗となって額や背中を濡らす。

 伊勢原駅北口に着いたのは15時21分。時間的に最短距離になるはずだった「聖峰−神戸バス停」は、バスの時間が合わず、鶴巻温泉に下るより長くなってしまった。
神戸バス停 伊勢原駅




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