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はじめに 1996年9月、我々は冬のナバリノ島を1周する計画を立てた。ナバリノ島は南緯55度、ビーグル水道を挟んでフエゴ島の対岸に面し、40km南にはホーン島およびホーン岬がある。また、1000kmに及ぶパタゴニア多島海の南端にあたり、かつて生活していたヤーガンインディアンは、その先のドレーク海峡と南極海を前にそれ以上の南下を阻まれた。 カヤックによるホーン岬1周は、フランク・R・グッドマン、バリー・J・S・スミスらによって1978年に成し遂げられた。その後、我々が知っているだけでも3度ホーンは回られており、1992年には初の女性(レベッカ・リッジウェイ)による周回記録も残されている。 我々の最終目標もホーンにあるが、まずはパタゴニアの冬にあたるこの時期にホーン周辺、特に、知られざるオステ島を探り、ナバリノ島を1周することが今回の計画の主な目的である。 ヨットマンの間では、ホーンを回るとケープホナーの称号が与えられ、ヨットクラブのディナーでテーブルに足を載せても許されるそうだが、我々の場合はせめて、各地のカヤッククラブでの喫煙が許されたらと思う。 ホーンの東、50kmの太平洋上に浮かぶディエゴラミレス島の気象データによると、カヤックが不可能な日ばかりではない。また、冬のホーン地域の僅かな幸運のみに頼るほど、我々は経験不足ではない。 ホーンとその周辺は、貴重な休暇を費やしてカヤックをするに値する場所である。我々に与えられた自由な時間を大いに楽しみたい。 |
![]() 上の地図の"CAPE HORN"をクリック すると、拡大図がご覧頂けます。 |
隊長 新谷暁生 | |
![]() 1.起 2.準備 I. 情報収集 II.カヤック III.言葉の問題 IV.チリ海軍という障壁 3.カヤック生活 I. 穏やかな出発 II.ナバリノ島 III.海峡横断 part1 IV.海峡横断 part2 4.リンク ・Nanok ・a view from Sea Kayak |
![]() 隊長・新谷氏(左)と小畑氏 遠征を終えて |
このレポートは、千葉大キャンピングツアー部13期OB 小畑芳春(Yoshiharu Kobata) 氏によって書かれたものです。レポート、および写真等は小畑氏のご好意により、ホームページ用 に提供されたものです。 この遠征記は、「Out Door(山と渓谷社)」4月号(1997年4月10日発行)にて、 特別記事として掲載されました。 | |
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