身近な科学技術の簡単な紹介。そして似非科学。


気化熱応用商品(2002/07/10)

 夏になれば「高原の爽やかさ」を売りにした水の気化熱で室温を下げる機器が出てくる。しかし、この商品は効果的に室温を下げるためには使用条件がある事を知らねばならない。

  1. 湿度が低いこと。
  2. 部屋の換気がよいこと。
  3. 冷やす水の温度が低いこと。

これらの条件が揃っていなければ逆に熱くなる。特に湿度と換気が重要である。湿度が高いと水が気化することは殆ど無いので気化熱が奪われることはない。部屋の換気が悪いと部屋中に水分を撒き散らしておしまい。風呂場とおなじ状況。しかしモーターがあるので緩やかに発熱する。いつの間にか室温が上がり、蒸し熱くなっているのだ。さらにタンクの中に入れた水が室温になると高湿度では気化熱を奪われないので温度が下がるはずの冷却系を通過した風は室温のままになる。タンクの水が冷たいとコップに水滴が付くように室内の水滴が冷却系に付着して少し乾いた空気がやってくるかもしれないが、その水滴を除去しないと結局部屋が高湿度になる。

とま、日本の夏には不向きなこの手の商品は比較的湿度の低い場所で使って欲しい。なお、夏の打ち水で通ってくる空気が冷たく感じるのは、

  1. 水を打つ前の地面が直射日光で照らされて地表温度が60℃とかになっていること。
  2. 直射日光でカラカラに地面が乾燥していること。
  3. 水を打つ前は熱風が吹いてくる状態であった。

この状態で水を打つと気化熱で地表温度が下がるので、さっきまでの熱風が涼風になります。この原理を室内に応用するのは室内に高温乾燥した場所はないので厳しいです。砂漠とか乾燥しているところだったら効果的かも知れませんが。

 むしろ部屋の除湿を積極的に行うと汗が乾くので涼しいと思います。これは扇風機が気持ちよいのと同じ事です。


有機EL(01/08/17)


似非科学2001/01/01

 正月の初っ端からこんな後ろ向きの内容は書きたく無いのだが、「気がする」だの「・・・と感じられる」という主観的観測結果を基に「効果がある」という輩が多い。例えば貼るだけでパワーアップするパーツ。パワーアップすると言う事は絶対に物理的に測定ができる訳だが、そういうデータは無い。しかし「気がする」という概念を基にあたかもそれを感じられない人が鈍感であるかのような論調は似非科学の最たるものである。特にこの貼るだけパーツは金属の剛性まで変化させると言うふれこみだが、剛性も測定した訳では無い。「貼って運転したらよくなった。」それだったら私も特殊金属強化電磁波発生装置を準備して愛車に照射できるぞ。また、こういう類いを引っ張り出すと磁力に因る燃焼効果の改善トルマリンによる水の電気分解となる。イオンがどうたらこうたら。こういう概念の解説を読むと真実を寄せ集めてカモフラージュしている。まずは磁力に因るガソリンのクラスター破壊に関して攻撃してみよう。燃料パイプに磁石を巻くと燃費が良くなる。本当に有効なら市販車にフィードバックしている。まずこの理論の根拠はMRIやNMR等の「核時期共鳴」及びクラスターの特定周波数の共鳴だが、水分子のクラスターに関する見解文献のURLを載せておこう。http://atom11.phys.ocha.ac.jp/water/water_cluster.html

 ガソリンに関するクラスターはガソリンのクラスターが磁界で微粒子になるとの触れ込みだ。ところが面白い事に大学並びに大手企業の研究内容にはガソリンのクラスターには全く触れていない。これはこれで当然である。ガソリン程の長い分子になると適当に絡まっているのでそのクラスターを測定してもクラスター状になっているというのが当たり前なんだろう。問題はそのクラスターを磁界で解きほぐすという商品だ。クラスタは磁界と共鳴するがそれは特定周波数(高周波)が必要。通常の一方向の磁界のままでは共鳴さえできない。そして磁場を通過したからと言って絡んだ分子を解きほぐせる筈が無い。クラスタを破壊したいのなら超音波を照射するほうが有効であろう。ところでクラスターが破壊された場合、燃料噴射装置から噴射されるガソリンは細かい霧になっているのだろうか?表面張力が低下している(笑)?超音波で解きほぐしてもすぐにもとに戻りそうだね。さらに超音波の印加エネルギーは無駄になっていないのだろうか。この手の商品は燃費が向上したというデータを沢山載せているけど、同じ車における再現性、スロットル開き度、燃料供給量と回転数などのデータが無いのも変な話だ。検証実験を他の車(しかも信奉者)でやってる間は似非科学である。

 そしてトルマリン。電気石と呼ばれる帯電する鉱石。これが水分子を電気分解するそうだが、静電気って水中に逃げて無くなるし、強誘電体が水を電気分解できるのなら塩化ビニルの配管を擦ったら静電気が発生するからそれで水を電気分解できるはずだ。でもできない。さらにトルマリンには太陽のエネルギーが・・・。おいおい、それやったら太陽電池やんけ。ただ、帯電していると言う事は埃を吸い付けるので(笑)、空気浄化には少しだけ役立つかも知れない。でもそれだとCRTモニタも同じ効果を持ってるなぁ。

 こういう似非科学の場合、いかにもそうありそうな理論や実験データを持ち寄ってるので非常に紛らわしい。さらに「微妙な効果、環境の違いに因る差」という逃げ口上もある。また、一般の人はクラスタって何か知らんので騙しやすい。クラスタって弱い力で寄せ集まった固まりと考えたらよい。水のように低分子の場合水のクラスタの存在自身が疑われている。なぜならその寿命が短い為で、熱(温度)で簡単に崩れてしまう(結晶じゃ無いからね)為である。ま、高温にしたらクラスタは存在しにくい。さて、ガソリンの場合、適当な分子の長さがあるから適当に絡まっているだろう。しかし基本的にアルカンなので無極性物質である。つまり引き合う力が弱い。運良く絡まったとしても瞬時に他の分子からの攻撃(ブラウン運動)で解きほぐされる。超音波でそれを促進する事は可能だろう(実際エレクトロニクスの洗浄工程はそういう効果を利用している)。しかし破壊されたクラスタを確認されていない。「もしかしたらクラスタが破壊されるかも知れない」ちゅう甘い期待であってもクラスタの破壊前後を何らかの形で測定する必要がある。間接的な燃費で評価したり、レスポンスが上がったというのも似非科学である。


導電性高分子2000/11/3

 ノーベル賞で一気に有名になった樹脂。電池に使われている。ポリアセチレンという二重結合と一重結合が交互に連なったポリエンが有名。ドーパントとしてI2, AsF5, ClO4, が用いられる。ポリアセチレン等の共役高分子に先の化合物をドープ(添加)すると「電荷移動錯体」を作る。ソリトン(孤立電子対)やポーラロン(イオンラジカル)というモデルが提唱されている。詳細は専門書を見て下さい。電池にしか使われていない大きな理由を考えてみよう。樹脂に上のような材料を添加する訳だが、低分子の上の材料はそのうち蒸発して消えて無くなる。電池は密閉系なので消えて無くなる事は防げる。また導電率は半導体と導体の間であり、良好な導電体である金属の代替使用は少し難しい。なぜなら金属の銅や銀が10^6[S/cm]に対して「ポリアセチレン+AsF5」が水銀と同レベルの10^4。ニクロムでそれが10^2。であるが砒素は使いにくいし、このような化合物は蒸発してしまう事を防ぎにくい。ま、大量にある金属を使う方が安いってのも大きな理由。ま、金属の得意な分野に喧嘩を売っても意味は無い。半導体特性を駆使して高分子フィルム上の素子形成が最も有効な使われかたになるのだろうPhilipsではそういう研究をしているらしい。また近年電圧印可に伴う発光特性がポリパラフェニレンなどで確認されており、液晶に代わる有機ELとして新聞で騒がれている。でもELは段々と暗くなる問題が残っている。これは極微量の酸素、水が寄与しているらしい。基底状態でラジカル(トリプレット)の酸素は電圧印可で励起状態になった色素(発光種)と容易にエネルギー交換や反応を行ってしまうのだ。ポリアセチレン以外の導電性高分子は「ポリジアセチレン」「ポリ-p-フェニレン」「ポリ-p-フェニレンビニレン」「ポリピロール」「ポリチオフェン」「ポリアニリン」が有名。現在は導電性高分子よりも「超伝導性材料の繊維化」「有機(低分子)超伝導体」「有機磁性体」が研究されている。

 よくにた仲間に光導電性高分子があるので紹介しておこう。ポリビニルカルバゾールが有名(PVK,PVCz)光(紫外線)を照射した時だけ電気が流れる材料。コピーやレーザープリンタの感光ドラムに使用されている。但し増感材を添加して可視光へ反応するようにモディファイされている。

■コピー機の仕組みも簡単に書いておこう■

こんなところかな


フッ素コート2000/03/25

 2000/3/25付けの日経に面白い記事があった。フッ素樹脂と光触媒とハスの葉効果の合作。しかも硬度9H。これでワイパー不要になったかも。フッ素樹脂で水を弾き、微少な穴で生じたハスの葉効果で水の表面張力を利用。しかも隙間には光触媒材料がいて、汚れは分解するという夢のようなお話。達成する為の技術はハスの葉効果を出す為の微細穴と光触媒にやられない樹脂になること。

 フライパンの表面、電子レンジの内側、ガスコンロの上塗り、自動車の塗装、液体ワイパー・・・といろんな所にフッ素樹脂が使用されています。このフッ素樹脂はテトラフルオロエチレンとその共重合体です。テトラフルオロエチレンはデュポン社によって商標名「テフロン」と名付けられています。白い固まりでは他の樹脂との見分けが難しいのでよくアセタール樹脂(POM ジュラコン)と間違われます。テフロンの特徴は他の物質となじみにくい事です。アセタール樹脂も馴染みにくいのですがその比じゃありません。一番分かりやすいのはフッ素コートしたフライパンで、水も油も馴染まなく弾きます。これがフッ素コートの長所なんですが相手方つまりフライパンの金属ともなじみが悪いので、初期のテフロンコートは簡単にはがれてしまいました。そこで化学屋さんが色々考えた結果が共重合というやりかたです。詳細は企業秘密になっているので非常に難しいのですが簡単に書くとテフロンの原料と金属と馴染みやすい樹脂の原料を混ぜて一体化させたものです。本当は混ぜただけでは樹脂にはならないのですが、ここは簡便にそう言うものと思っていてください。

 次に問題となるのがガラスの上に塗るテフロンコート。これは難しい材料ですが、上記の共重合体と基本的には同じ考え方です。ガラスと馴染みやすい成分とテフロンの成分が一体化した材料を塗布しています。分厚く塗っても意味は無く、分子1層分で効果を発揮するようなものです。ここらで用いられている材料はテフロンに近いポリ3フッ化エチレンやポリフッ化ビニリデンが用いられているでしょう。また、ガラスと馴染みやすいのに水と馴染みにくいシリコーン樹脂も含んでいるでしょう。

 自動車用品として用いられているフッ素樹脂はワックス、溌水剤、ボディコート、エンジン/ミッション等のオイル添加剤となる。ワックスの場合は滑材と考えるのが妥当であろう。摩擦係数の小さな粒子が入るとコロの効果が発生する。あえて好意的に考えると低分子量のテフロンオリゴマーを混合し、乾燥と同時に縮重合にて硬化する事だが非常に考えにくいし耐久性は得られそうに無い。また塗装面と反応することはありえない。ワックスと塗装面が反応するならワックスが取れると塗装面は著しく劣化する事になる。元来ワックスはつや出しに過ぎないのであまり多くの事を期待するとよくない。溌水材の場合は先に記した通り。シリコーン系素材との競合から合併共存が始まっている。ボディコートはメーカーでの焼付け塗装以外信用できない。高周波焼付塗装装置を持っているのは資金源の豊富な・・・。

 最も訳の判らないのはエンジン添加材。滑材効果以外考えられ無い。塗布皮膜がエンジン内部の燃焼熱で形成できたとしても金属同士の摩擦ですぐに無くなる。ミクロの滑材効果しかみとめられない。あえて好意的に考えるのなら部分的なオイル切れが生じかけた所にテフロン粒子が「柱」となって金属同士の直接摩擦を防止するってところかな。金属表面の凹凸を考えたら1マイクロメーターレベルの球形であって欲しい所。誰か電子顕微鏡(SEM)で観察してくれないかな(笑)。

 近頃(2000/oct)エンジン添加材としてのテフロン樹脂が唯一有効な所としてカムカバー内部を考えている。ピストンやコンロッド関連は上述のように殆ど意味をなさないけど、バルブ周りのカチャカチャ音の防止には有効かも知れないね。かつてグラファイトが滑材になると信じられていたが、これは平板状グラファイト分子間に存在した水分子が滑材になっていた。滑材は密閉効果は無い。

 スキー用のワックスにもテフロンがそろそろ出てきそうだけどベースの滑走面がテフロンでできている方が気持ちいいね。手入フリーのスキー板。エッジも炭化ステンレス鋼に窒化チタン仕上げだとメンテフリーなんだけどね。

 着物や洋服に用いる溌水コートはフッ素樹脂の希釈溶液か、シリコーン樹脂だ。これもテフロンでは無く、一部をフッ素化した樹脂でしょう。なお、フロンはテフロンと違います。

フッ素樹脂の構造論的解釈。

 炭素-炭素結合の保護はフッ素原子が水素よりも大きいため主鎖の結合を保護する。しかも電気陰性度が大きなフッ素は炭素との結合力が非常に高く簡単に結合を解けない。そのため接触した他の物質と相互作用を生じにくい。相互作用を生じにくいと言う事は分子間の吸着が生じにくい事を意味し、凝着摩擦が生じない事になる。低分子量のフッ素樹脂は溶媒に解けるので塗布が可能だが、相手側とは反応しない為コートは不可能である。焼付塗装の場合は左に記すようにフッ素樹脂と焼付け可能な樹脂の共重合体であり、焼付け可能な樹脂成分が他の材料と反応する。


チタン

 この頃大流行のチタン。昔は軍需用の超高級素材な為あまり研究されていなかったのが実情。最近はゴルフのクラブヘッド等にジュラルミンの変わりとして用いられてきました。そうそうF1ではいろんな所に使用しています。そして工具用の窒化チタン(窒化チタン:高級工具の先端に使われる。金色に光っているので良く判る(真鍮と間違わないようにね))、光触媒としての酸化チタンが脚光を浴びてきました。ゴルフ用の素材はチタンの軽くて硬い性質を活かしたもので、ドライバーのヘッドを巨大化しました。チタンドライバーは非常に打ちやすいです。軽いから振りやすい。ヘッドが大きいのでスイートスポットが広い。奥行のあるヘッドは方向性に優れる(?)のか私も楽になりました。剛性が2倍になると言う事は材料の厚みを1/2にできると言う事です。チタンドライバー:ゴルフ用品店でドライバーを探せばすぐに判ります。良く飛ぶ説明は難しいので判りませんが・・・。自動車の面では競技用車両でしか活用されていませんがチタンでできたコンロッド等があるようです。市販されている自動車にチタンを用いないのは「高価だから」です。分厚い鉄を使えば安いのです。

 酸化チタンは元々お化粧の白粉に使われる真っ白な粉です。ところがこの材料に光を当てると接触している有機物が分解する事が判りました。酸化チタンはダイオキシン分解能力もあります。問題は光が照射されて物質と接触している所だけが触媒能力を持つ事。ランプの表面に塗布するのか、光清浄機は設計が困難。昔は使い道が無いので忘れられていたのですが、光が当たるだけで接触している有機物を分解するってことは非常にエコロジーな材料です。夜中は働きませんが昼間は勝手に有機物を分解してくれます。おもにディーゼルの煤煙の分解に効果的では無いかと道路沿いに設置して実験が開始されています。さらにこの材料の面白い点は上のテフロンとは違って水とのなじみが良い事です。水を弾くのでは無く濡れる状態にするわけです。常に表面が水分(有機物の分解で得られた炭酸ガスと水)で濡れているので汚れにくいというのも利点です。今後は家の中の空気清浄機として照明周りにうまく設置されるでしょう。


液晶

 このページをノートパソコンで観ている人はその画面が液晶です。と言っても液晶とは何だか全然判らないでしょう。かなり混同された使い方を去れていますので簡単に整理してみましょう。
液晶(Liquid Crystal):
 液体と結晶の中間の特徴を持つ状態。この液晶性を示す材料を液晶と総称する。イカの表皮細胞に液晶性を示す材料が多く含まれているが工業用に用いているわけでは無い。
液晶性:
 液体のように流動性があるが、ある特定の方向に分子が揃っている状態を言う。魚が適当にばらけている状態が液体。みんな揃って泳ぐ事なく固まった(陸揚げされて箱詰めされた)状態が固体。生きた群れ、固まりの状態が液晶。こんな感じです。(よけい判らなくなったかな)
液晶表示素子(Liquid Crystal Display):
 液晶を用いた表示素子。略称として「液晶」と呼ぶ。
液晶の駆動原理:
 基本的には電圧を印可して向きを変える事に基づく。偏光の具合を変えるので偏光板を用いる必要がある。その為光の利用効率が最大50%になる。直流電界では「電気分解」を生じ得るので交流電界が印可されている。
アクティブ駆動とパッシブ駆動:
 TFTがアクティブ駆動でSTNとTN、強誘電液晶がパッシブ駆動。
TFT液晶:
 TFT駆動型液晶表示素子。画素の一つ一つに薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor)という名称のスイッチを設けてある。各画素のスイッチ操作が画面サイズに寄らないのでコントラストが高くなる。また応答速度も早い。各画素の間にある液晶はTN液晶である。また、各画素にカラーフィルタを設ける事によりRGB数(百?)万色を再現できるようになった。
TN液晶:
 ねじれネマチック液晶表示素子(Twisted Nematic LCD)。安い電卓や腕時計に組み込まれている液晶表示素子。TN液晶の旋光性を電圧のON/OFFで制御。基本的にはTFTに使用されている液晶と表示原理は同じ。大きな違いは各画素にスイッチング素子が無い事。液晶の教科書によく書かれている構造。ねじれが90度前後。180度以上ねじると次のSTNになる。ネマチック相というのはなんとなく分子の向きが揃っている状態。ねじれネマチック相というのはネマチック相をねじった状態。180度以上ねじるとSTNとなる。STNは復屈折性の為白黒が出なかったが光路差補償という技術で白黒になった。
STN液晶:
 超ねじれネマチック液晶表示素子(Super Twisted Nematic LCD)。180度から270度で液晶をねじっている。螺旋階段のようになっていると想像してほしい。現在携帯電話、パームトップ等の携帯情報端末で主流、昔は白黒のワープロやパソコン等に使われていた。STN液晶は電圧のOn/Offで液晶の復屈折を制御。画面サイズが大きくなると駆動信号の比(On/Off)が小さくなる為コントラストが低下する。駆動方式は基本的にはTVと同じ。カラー化にはミクロカラーフィルターを使用する。これはTFTも同じ。なお、復屈折率の大きな材料を入れて色を出す方法もある(ECB)。
強誘電液晶:
 キャノンが開発に鎬を削ったがTFTLCDの価格崩壊によって一気にマイナーへ。スメクチック相(殆ど石鹸状態)を形成する液晶材料を用いる。電圧を印可すると少しだけ向きがかわる。しかもその速度は早い。しかし電圧を切っても向きが変わらないメモリー効果がある。弱点は振動で表示がめろめろになる事。メモリー性があると言う事はOn信号とOff信号間で状態を維持するので常にリフレッシュしなくて良いと言う事。ただしそのメモリーが不安定であることは事実。
反強誘電液晶:
 基本的には強誘電液晶とおなじ用なもの。学術的に進んでいるがTFT駆動させて事業化しようとする考えは???である


青色レーザー

 半導体レーザで困難だった。アルゴンレーザ(気体)は真っ青な光をだすし、YAGレーザー(固体)もその3倍波は緑色の波長になる。ヘリウムネオンレーザー(気体)の赤い光はポインタで有名。半導体レーザーのメリットは点発光なのでビームを最小限(波長幅)まで絞り込める事。さらに装置の小型化である。大昔のレーザーディスクはヘリウムネオンレーザーを用いていたので大きく、高価だった。しかし今では半導体レーザー(波長680nmないしは780nm)であり、量産効果と小型化(どちらも日本の得意とする技術)で一気に低価格化した。なお、DVDも読むのは半導体レーザー。徳島のエジソンさんがみんなの諦めた材料を追い求めて青色ダイオード、レーザーの道を切り開いたわけだ。レーザーの短波長化のメリットはレンズで絞った時のビームの直径が小さくなる事。つまり高密度記録ができると言う事。あと3原色が揃ったらレーザーで描画するスクリーンが可能になる。

 中国製の赤色レーザーのおもちゃは失明の危険性があるので要注意。


光ディスク

 レーザーディスクはアナログデータ。FM変調してあるだけなので記録情報量が莫大な為ディスク面積がでかい。CDは16bitsサンプリング周波数44.1kHzのデジタル化された情報。1/44100秒の音波の波形を16段階に振り分けた訳だ。但し音声の圧縮は行わずそのまま記録され、同時にエラー補正信号となるトラック信号も書き込まれている。MDは4段階に信号を振り分けているからCDの1/4の信号量になる。だからあのサイズにできた。しかしDVDは画像情報を含めて圧縮してあるのでCDと同じサイズの中に映画が入ったわけだ。レーザーディスクは消え去る運命だけど案外保存版として残るかも知れないね。DVDは二面(裏表)記録と上下二層記録で争っている。(2000/11/3 光ディスクは予想より速く情報劣化するらしい)


遠赤外線

 可視光から離れた(遠い)赤外線の事。波長が非常に長い電磁波(下表参照)で有機物の共鳴するバンドが小さい為共鳴しない。そのため透過しやすい。共鳴バンドは分子の振動周期にほぼ等しい振動数となる。ちなみに電子レンジのマイクロ波は水分子の回転周期に等しい。その為水分子がマイクロ波と共鳴してクルクル回る。その摩擦熱で熱くなる。マイクロ波を効率良く照射する為に電子レンジ内でテーブルが回っている。水分子が振動すると暖かくなるが水分子がプルプル震えているのでは無く酸素と水素の結合が伸縮していると考えた方がいい(ま、ぷるぷる増えているのには変わり無いが)。遠赤外線を吸収した水分子(人体の7割は水)が振動して暖かくなる原理は判ったと思う。近赤外線は波長が短いので皮膚そのものを暖める。いわゆる熱線なわけだね。

 さて、遠赤外線が電磁波である事が判れば「遠赤外線商品」がかなり怪しい事に気付くでしょう。エネルギーを供給せずにエネルギーを放出する事はあり得ない。遠赤外線セラミックでも同じ事。でもすべての遠赤外線商品が怪しいわけでは無い。まず熱源から放出される熱線(大抵は近赤外線)を吸収して遠赤外線に変換するタイプはそう言う効果を持つセラミック類を使用したセラミックファンヒーター等である。うちにあるフォトンもそのタイプ。そして遠赤外線衣料だがこれは難しい。熱源が着用者自身と考えるしか無い。自分自身から放出する熱を遠赤外線に変換して(ここが怪しい)再放出する。蓄熱効果があるかも知れないが、比熱を考えると断熱材として優秀な空気を用いた方が効果的だろう。

電磁波と波長の関係

 表では低周波まで記載しているがこれは電磁波換算。波長(WL)は振動数(T=一定)で光速度Cを割ったもの。音速を電磁波の固有振動数で割ると波長は小さくなる。低周波の辺りは音波でもあるのでこの辺は物理に詳しい人に解説してもらいましょう。ま大気が震えるのが音波で電場が(昔の人はエーテルとも言ったね)震える(?)のが電磁波です

WL=V/T 波長:Wave Lengtth=WL, 速度:V、 振動数:T

電磁波

波長

γ線

0.1nm以下

X線

〜数十nm

紫外線(光)

〜380nm

可視光

〜700nm

赤外線

〜1mm

マイクロ波

〜数十cm

超短波

〜数m

短波

〜数十m

中波

〜数百m

長波

〜10km

低周波

10km以上