山の唄 歌集


 山への思い入れは、人それぞれでしょう。
登山という行為そのものが単なるレジャーではないと感じた時から
それは一つの「文化」として、心の中で発展しつづけています。
 登頂や登攀の成功の喜びとともに、テントでの仲間達との語らい、
酒宴は十数年過ぎた今でも、鮮明に記憶の中にあります。
 「山歌」は、全国各地の山岳部・山岳会で酒の席で歌い継がれて
今日、日影の道(?)を歩んでいます。この歌集内の歌は必ずしも
「正調」ではありません。諸先輩岳人たちの「文化」なのです。

 楽しいひとときのテキスト代わりにこの歌集を編集しました。
童心にかえって恥かしがらずに、大声でストレス発散(?)と
いきましょう。

2001.12 無責任編集・発行  田村@鷺ピョン 近ド@勝沼


目次
山の子 穂高よさらば アルプスの恋歌 山小屋の灯
雪山に消えたあいつ 信濃恋歌 燃えろよ燃えろ 山賊の唄
さんぽ となりのトトロ 谷川小唄 エーデルワイスの歌
北岳の歌 山男小唄 坊がつる賛歌 ひとりの山
小さなクラック もしもアブミがあったなら
















山の子
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1.歌声があの小径にひびけば あの森かげあの谷間
  山の子の歌 山の子は山の子は 歌が好きだよ

2.雨が降りテルテル坊主は泣いても 私達は泣かないで
  山を見つめる 山の子は山の子は みんな強いぞ

3.雲が去り青いみ空が見えたら うたいましょう山鳩の
  兄と妹 山の子は山の子は みんな仲良し



穂高よさらば 目次へ
1.穂高よさらば また来る日まで
  穂高に映える茜雲 かえり見すれば遠ざかる
  瞼に残るジャンダルム

2.涸沢さらば また来る日まで
  横尾に続く雪の道 かえり見すれば遠ざかる
  瞼に残る屏風岩

3.穂高よさらば また来る日まで
  北穂に続く雪の道 かえり見すれば遠ざかる
  瞼に残る槍ヶ岳

4.岳沢さらば また来る日まで
  前穂に続く河童橋 かえり見すれば遠ざかる
  瞼に残る畳岩

アルプスの恋歌 目次へ
1.星が降るあのコール グリセードで 
  あの人は来るかしら花をくわえて
  アルプスの恋歌心ときめくよ 懐かしの岳人優しきかの君

2.白樺にもたれるはいとおしい乙女
  黒百合の花を胸にいだいて 
  アルプスの黒百合心ときめくよ 懐かしの岳人優しきかの君

山小屋の灯 目次へ
1.黄昏の灯火は ほのかにともりて
  なつかしき山小屋は 麓の小径よ
  思い出の窓により 君を偲べば
  風は過ぎし日の 歌をばささやくよ

2.暮れ行くは白馬か 穂高は茜よ
  樺の木のほの白き 影も薄れゆく
  寂しさに君呼べども 我がこえ空しく
  遙か谷間より こだまはかえりくる

3.山小屋の灯は 今宵も灯りて
  一人聞くせせらぎも 静かに更けゆく
  憧れは若き日の 夢をのせて
  夕べの星ごと み空に群れ飛ぶよ

雪山に消えたあいつ 目次へ
1.山が生命と笑ったあいつ 山を一番愛したあいつ
  雪の穂高よ答えておくれ 俺に一言教えておくれ
  なんで吹雪にあいつは消えた

2.重いザイルをかついだあいつ 銀のピッケル振ってたあいつ
  山よこの俺うらみはせぬが あんな良い奴何処にもいない
  なんであいつは吹雪に消えた

3.夢に破れて帰らぬあいつ 雪に埋もれて眠ったあいつ
  山の木霊よ帰しておくれ 俺にもう一度優しい笑顔
  なんで吹雪にあいつは消えた
  なんで吹雪にあいつは消えた







信濃恋歌 目次へ
1.俺の思いはヨ 穂高の山々ヨ 
  はやる心はヨ 針ノ木五龍かヨ

2.いつか二人でヨ 峰々越えてヨ
  語り合うのはヨ 二人の幸をばヨ

3.白馬降りればヨ コマクサ咲いてヨ
  思い出すのはヨ あの娘のえくぼかヨ

4.はるか連山に 雪煙望めばヨ
  思い出すのはヨ 信濃恋歌ヨ

燃えろよ燃えろ 目次へ
1.燃えろよ燃えろよ 炎よ燃えろ
  火の粉を巻き上げ 天までこがせ

2.照らせよ照らせよ 真昼のごとく
  炎ようずまき 闇夜を照らせ

3.燃えろよ照らせよ 明るくあつく
  光と熱との もとなる炎



山賊の唄 目次へ
1.雨が降れば 小川ができ 風が吹けば 山ができる
  ヤッホー ヤッホホホさびしいところ
  ヤッホー ヤッホホホさびしいところ

2.夜になれば 空には星 月が出れば オイラの世界
  ヤッホー ヤッホホホさびしいところ
  ヤッホー ヤッホホホさびしいところ











さんぽ目次へ
1.※あるこう あるこう わたしはげんき
  あるくの だいすき どんどんいこう
  さかみち トンネル くさっぱら
  いっぽんばしに でこぼこじゃりみち
  くものすくぐって くだりみち

2.(※ 繰返し)
  みつばち ぶんぶん はなばたけ
  ひなたにとかげ へびはひるね
  ばったがとんで まがりみち




となりのトトロ目次へ
1.トトロ トトロ トトロ トトロ
  だれかがこっそり 小路の木の実うずめて 
  ちっさな芽 生えたら 秘密の暗号
  森へのパスポート すてきな冒険始まる
  となりのトトロ トトロ トトロ トトロ
  森の中に むかしから住んでる
  となりのトトロ トトロ トトロ トトロ
  子供のときにだけ あなたに訪れる 不思議な出会い

2.雨ふりバス停 ズブヌレオバケがいたら
  あなたの雨ガサ さしてあげましょう
  森へのパスポート 魔法の扉開きます
  となりのトトロ トトロ トトロ トトロ 
  月夜の晩に オカリナ吹いてる
  となりのトトロ トトロ トトロ トトロ
  もしも会えたなら すてきなしあわせが あなたに来るわ
   トトロ トトロ トトロ トトロ
  トトロ トトロ トトロ トトロ トトロ トトロ トトロ 












谷川小唄目次へ
1.夜の上野の プラットホーム
  可愛いあの娘が 涙でとめる
  とめてとまらぬ 俺らの心
  山の男は 度胸だめし
   トコズンドコ ズンドコ
  
2.泣いちゃいけない 笑顔におなり
  たかがしばしの 別れじゃないか
  可愛いお前の 泣き顔見れば
  ザイルさばきの 手がにぶる
   トコズンドコ ズンドコ

3.いきなチロルよ ザイルを肩に
  行くぞ谷川 ちょいと一ノ倉
  仰ぐ岩壁 朝日に映えて
  今日はコップか 滝沢か
   トコズンドコ ズンドコ
 
4.行こうか戻ろか 南稜テラス
  戻りゃ俺らの 心がすたる 
  行けばあの娘が 涙を流す
  山の男は つらいもの       
  トコズンドコ ズンドコ        
                   
5.歌うハーケン 伸びろよザイル 
  何のチムニー オーバーハング 
  軽く乗っ越し 目の下見れば
  雲が流れる 本谷ヘ
   トコズンドコ ズンドコ 
                   
6.急な草付き 慎重に越せば   
  やっと飛び出る 国境稜線    
  固い握手に 心も霧も
  晴れて見えるは オキノ耳
   トコズンドコ ズンドコ

7.右に西黒 左にマチガ
  中に一筋 西黒尾根を
  今日の凱歌に 足どり軽く
  かけりゃ土合も はや間近
  トコズンドコ ズンドコ


8.さらば上越 湯檜曽の流れ
  さらば土合よ 谷川岳よ
  またの来る日を 心に誓い
  たどる列車の 窓の夢
  トコズンドコ ズンドコ







エーデルワイスの歌(法政大・山岳部歌)
目次へ
春.雪は消えねど 春はきざしぬ 
  風はなごみて 陽は暖かし
  氷河のほとりを 滑りて行けば 
  岩陰に咲く アルペンブルーメ    
  紫におう 都を後に 
  山にあこがれ 若人のむれ  
  (アルペンブルーメ・・・アルプスの花)
夏.エーデルワイスの 花微笑て
  鋭き岩角 金色に照り
  山は目覚めぬ 夏の朝風
  乱雲おさまり 夕空晴れぬ
  命のザイルに わが身を托し 
  思わず仰ぐ アルペングリューエン
  (アルペングリューエン・・・山頂の朝焼け)
秋.星影さやかに 空澄みわたり 
  葉ずえの露に 秋立ちそめぬ
  金と銀とに 装いこらし 
  女神のごとき 白樺の森
  くれない紅燃ゆる 山より山へ 
  行方も知らず さすらい行かん

冬.吹雪は叫び 黄昏迫り 
  求むる小屋の ありかも知れず
  ああこの雪山 ちょうぢょうとして 
  シーロイファー 行く手をとざす
  ああこの雪原 じゃくばく寂漠として 
  寒月するどく シュプール照らす
  (シーロイファー・・・スキーヤー)
結.ああれいろうの 雪の高嶺に 
  心静かに 頂に立ち
  尊き山の 教えを受けん 
  身も魂も 汚れは消えて
  とわに輝く はっこう白光のうちに 
  清き幸をば 求めうるらん

北岳の歌(専修大・山岳部歌)目次へ
1.思い遥かな北岳の 
  憩いの峰に集いたる
  我らが友よ高らかに
  いざや歌わん オー リードハイマート

2.あの山あの谷あのフェース
  若き血潮の高鳴りに
  固く握りしジッヘルの
  ザイルに托す オー リードハイマート

3.吹雪に暮れたる日も過ぎて
  仰ぐ青さよ我が心
  今ぞ目指すはバットレス
  鳴れよハーケン オー リードハイマート


山男小唄目次へ
1.流れる汗は あの娘の涙
  夕べ泣いたよ この胸で
  街の未練は背負っては行けぬ
  捨てて行こうよ ひめがわ姫川へ 姫川へ

2.お山の空と あの娘の心
  風の吹き様で すぐ変る
  だけどおいらは 浮気じゃないが
  岩が恋しい 山男 山男

3.そびえる岩も あの娘も同じ
  俺のハーケン 待っている
  ピーク近いぞ 日暮れは早い
  今日の泊りは 鹿島槍 鹿島槍




坊がつる賛歌 (3番替え歌)目次へ
1.人みな花に 酔うときも
  残雪恋し 山に入り
  涙をながす 山男
  ゆきげ雪解の水に 春を知る

2.ミヤマキリシマ 咲き誇り
  やまくれない山紅に たいせん大船の
  峰を仰ぎて 山男
  花の情を 知る者ぞ

3.故郷の山は 低くとも
  夏には穂高 槍が呼ぶ
  夜空を仰ぐ 山男
  無我を悟るは この時ぞ

4.出湯の里に 夜霧来て
  せせらぎに寝る やまやど山宿に
  ひとや一夜を憩う 山男
  星を仰ぎて 明日を待つ

ひとりの山目次へ
1.山に憧れ 山に行き
  言葉少なに 唯歩む

2.雪渓滑りて 岩場を登りゃ
  触れる岩肌の 冷たさよ

3.恋に破れて 夢も破れ
  夕日静かに 山に沈む

4.ひとり寂しく 佇めば
  煙草の煙 唯ひとすじ


小さなクラック(小さなスナックの替え歌)目次へ
1.僕が初めて 岩を見たのは
  白いフェースの 小さなクラック
  行ってやるぞと 取り付いたけど
  チョッピリ怖くて 足が震えて
  登れなかったよ

2.僕がその次 岩を見たのは
  白いフェースの いつものクラック
  今度こそはと 取り付いたけど
  ヤッパリ怖くて 足が震えて
  登れなかったよ


もしもアブミがあったなら(もしもピアノがあったならの替え歌)目次へ
  もしもアブミがあったなら
  思いのすべてを 岩にむけ
  きっと登れる事だろう
  雨の降る日は 酒を飲み
  風吹く夜にも 酒を飲み
  二日酔いでも 軽やかに
   だけど僕にはアブミが無い
   フリーで攀じ登る腕も無い
   心はいつでもカラ廻り
   昨夜のお酒が悔やまれる
   ああ・・ああ・・
   あああ悔やまれる