ディティールアップ講座

ワタミ新兵デティールアップ講座 (講師 マウケ戦闘団NO・4)


まず初めに、この講座はまったくのワタミ新兵の皆様のために開く物です。
ですから模型を作ったことが有る人には「そんなの知ってるよ」って事柄が随所にあります。
しかしながら、ワタミを買って始めて戦車や模型に興味を持った方には「初めて」なのです。
そんな「初めて」の新兵の皆様になるべく分りやすく簡単にデティールアップを楽しめるように
がんばって講義したいと思います。(なるべく安上がりに)
尚、私の経験からの独自のやり方でレクチャーいたしますので、気が付いた事は何でもご質問を掲示板等に
書き込みくださいませ。
それでは、以下のメニューより参照したい内容にジャンプしてください。(クリックでジャンプできます)
レッスン1 マーカー1本で出来るディティールアップ法
レッスン2 砲口に穴を開ける
レッスン3 足回り(キャタピラ)のデティールアップ(おまけ:車体に積もった雪の表現)
レッスン4 車載機銃の取り付け方(おまけ:真鍮線を使ったディティールアップ例)
番外編   コーティングのやり方


レッスン1  マーカー1本で出来るデティールアップ法

用意する物  プラモデル用油性塗料「GANDAMMARKER」スミ入れ用(グレー)
塗装するには塗料が必要になります、ですがそこまで本格的にやる気は無い、簡単にリアルにならないか?
と思っている方も多いと思います。
暇つぶし程度の時間で出来る方法にうって付けなのが「マーカー」によるスミ入れです。
このマーカーには「ブラック」「ブラウン」「グレー」の三色がありますが、とりあえず「グレー」だけで
十分にスミ入れ出来ます。
ただし、手持ちの戦車が濃い緑の塗装の場合は「ブラック」「ブラウン」なども必要になるでしょうから
この際3本とも購入する事をお勧めします。

使用法は簡単です、ただハッチや溝に沿ってマーカーで線を引くだけです。
あらかじめ戦車の裏などの目立たぬ所で試し描きをしましょう、そのとき油脂などの汚れはふき取っておく事。
はみ出ても気にせず描きましょう、きっちり描くより味がでていい感じになります。
気になる方ははみ出たり、塗りすぎた時はティッシュや指先でさっとぬぐえば目立たなくなります。
要は慣れですので余分な戦車を使って何度も練習しましょう。(もったいないので一台の戦車で納得するまで)

全てのハッチや溝を塗らなくてもかまいません、自己満足の世界でもある模型の世界ですから自身で納得する所までで結構です。
塗り終えたらノーマルの戦車と見比べてみましょう、自分自身で手を加えた戦車はきっと他の戦車よりも愛着が湧く事でしょう。
そして、もう一台やってみようと思うはずです、今度はもっとうまく塗れると思いますよ。

注意事項
マーカーのペン先は非常に細いので力を入れすぎると破損したりインクの出が悪くなります。
インクの出が悪くなったら紙などに試し書きをするなどしてください。
決してインクが出ないからと力任せに描かない事です、ちからを抜いて描いた方がインクの出が良いです。

ワンポイント
ペン先は極細ですが良く切れるニッパーや爪きり等で斜めにペン先をカットすれば更に超極細になります。
ただし、失敗すればマーカーその物もお釈迦になる恐れもあります、十分な検討と覚悟の上で実行してください。
尚、このやり方をしてマーカーがだめになっても当方としては責任を取れません。ご自身の判断で実行してください。
ま、そこまでしなくても十分描けますので心配要りませんが。


手前がマーカーによるスミ入れした物です。(グレーのみを使用)
コレだけでも見栄えが栄えます。


レッスン2  砲口の開け方

折角の戦車も砲口が開いてないと迫力が落ちると言うもの。
でも其の前に「何で」開ければいいのか? 今回はそれに付いていろいろと説明します。
道具
1・・・ピンバイス、穴あけ専門の道具です、0.3・0.6・0.8ミリくらいまでのドリルを
    3本持っていれば十分でしょう。ただし値段が張ります。
2・・・超精密角のみ(四角)、彫刻刀の中でも特に細かい所を彫る道具、先端が鋭いので
    砲口の中心に刺してぐるぐるとえぐれば、ドリル代わりになります。
    また、コーティングを施す場合でも重宝します。これも値段が高い。
3・・・彫刻刀(双刃、小)、文房具店でばら売りしているので安く手に入る。
    使用法は「2」と同じく中心に刺してぐるぐるえぐるだけ、その時事前に
    砲口の中心にピンなどで窪みを付けておくとずれる事無く穴が開きます。
    ただし、精密な穴あけ作業には向いていないので小型戦車の穴あけには不向き。     しかしながらコーティング処理には十分使用可能だし低価格なので一本は
    持っていてもいいと思います。

基本的に穴あけ作業は砲口の中心にピンで窪み(印)を付けてから作業に入るのが望ましい。
どの程度の穴の大きさが良いかはその戦車によって変わってくるが自分の好みでも
かまわないと思います。(要は自己満足すればいいのです)
また、砲身が細くて穴が開けにくい戦車もありますよね? 例えば「ヘッツァー」ですが
実際に穴を開けてもほとんど変わり映えしません。
意地でも開けてやるって気が無いのならそのままでも宜しいのではないでしょうか?
それに砲口に極細のマーカーで黒く穴らしく塗ればちょっと見るだけでは分りません。
注意事項
ドリルや彫刻刀は十分に気を付けて使用しましょう。 力を入れすぎたり慌てたりすると
決まって怪我に結びつきます。当たり前のことですが大事な事ですよ。
ピンを火であぶって砲口に穴を開けようとする人も居るでしょうが、絶対に止めましょう。
まず、うまく行く事が無い上火傷や戦車の破損などにもつながります。
ワンポイント
砲口に穴を開ける前に戦車の裏側で練習と穴の大きさの確認をしましょう。
ピンバイスのように穴あけ専門の道具でも練習が必要です。「2」「3」の方法なら
尚の事、何度も練習が必要です。
いきなりお気に入りの戦車で失敗をする事が無いように基本を守って作業にかかりましょう。

砲口を開口するのに適している車両

砲口を開口するのに適していない車両・火砲

レッスン3 足回り(キャタピラ)のデティールアップ

全てのワタミの車両は「ドロ汚れ」仕様になってますね。
でも、市街地や雪上ならば違った汚れ方の方が雰囲気が出るし、ディオラマなどに
置く場合なら尚の事だと思います。
今回は2種類の足回りのデティールアップを行います。

その1 金属っぽく見せる。
使用するのはグンゼの「Mr.メタルカラー・ダークアイアン」(NO.214)と専用の細筆。
筆は必ず、この塗料専用にしましょう。
ありがたいことに、この塗料は筆に付いた塗料をふき取るだけで筆が固まらないので洗う必要が
有りません、ですから専用にした方が都合がいいのです。
この塗料に限らずかき混ぜる時は「シェイク」は思ったよりも混ざりません。
必ず「かき混ぜ棒」で底の方に沈殿した塗料ごと混ぜましょう。(割り箸でも可)

それにこの塗料はワタミのキャタピラの素材を溶かしませんので安心して塗れます。

この塗料は浸透性が高い為、塗料を筆にタップリ付けて塗ると塗装面からはみ出します。
少しずつ塗っていきましょう、塗りにくい所は言い方を変えれば「見えにくい」処でもあります
幸いキャタピラの素材は柔らかいので曲げて塗れるでしょうが無理して全部塗る事はありません。

さて、塗り終わったら完全に乾燥するまで待ちましょう、見た目は乾いていても内部はまだ、
という事が有ります、10分は我慢してください。
乾燥後からが本番です。 この塗料の性質は乾燥してから布などで磨くと金属特有の輝きが
出る所です。 古くなったシャツや靴下などで表面を磨いてください。
あまり強く磨くと塗装面がはがれますので気をつけてください。

この塗料は他にも何種類かありますので自分の好みに合わせて塗るのもいいと思います。


ノーマルとの違いは御覧の通りです、実際に目にすればもっと違いに気づくでしょう。
奥の「007号車」はキャタピラ部分(予備も含む)を全てメタルカラーで塗装。

その2 冬季迷彩にあわせる
雪上を車で走るとタイヤやフェンダー、バンパーに雪が付きますね。
戦車だってキャタピラに付いてないと雰囲気が出ません、でも白い塗料で塗るのは大変だし
なかなか上手に行きません。
で、私のお勧めがタミヤカラー・アクリル塗料「フラットベース」(X-21)を使った雪の表現です。
コレを購入する際は専用の溶剤も買っておきましょう。
やり方は単にフラットベースその物を薄めずに筆で塗るだけです。
ドロドロしてますので盛り上げたりも出来ます、ただし乾燥時間が長いし白くなるまでが
半透明なのでどの程度塗ったか解りづらいところがあるので気をつけてください。

乾燥して白くなったら直したい所が出てくるので「溶剤」を筆に付けてならします。
一旦は透明になりますが乾けば元どうり白くなるので心配は要りません。
尚、乾燥していても指先でこすれば落ちてしまうので「水性つや消しスプレー」でコートしてください。


手前のシャーマンはキャタピラ部分のみの塗装。
T-34は対空識別仕様の全面にフラットベースを塗装、乾燥後溶剤で全体をさっと塗った物。
気をつける事は生きている戦車はエンジンの熱でエンジン周りは雪が溶けるので塗りすぎに
注意。

レッスン4 車載機銃の取り付け方

現在発売されているWTMの中で「88ミリ」と「ヘッツアー」以外は、車体または砲塔に
機銃を装備しています。ソレを今回は「真鍮線」を使って再現したいと思います。

真鍮線は0.3ミリを使用します、模型店などで購入できます。(6.7本入ってます)
後、使用するのは虫ピン、0.5ミリのドリル、ゼリー状瞬間接着剤、ロンメル世代は虫眼鏡。
それと模型用ニッパ、爪切りなどでは刃が欠けてしまうので専用を用意します。
なぜ、0.3ミリの真鍮線なのに0.5ミリのドリルを使うのかと申しますと、0.3ミリの
ドリルで開けた穴には同寸法の真鍮線は入らないからです。

開け方
まずは機銃を取り付ける位置に虫ピンで印を付けます、深く付ける必要は有りません
ドリルの位置がずれない為の穴です。
ドリルで穴を開ける時は穴に対して直角に開けましょう、斜めに開けないように注意してください。
穴の深さは3ミリあれば十分ですが、車両の種類によっては貫通してしまうでしょうから
あまり気にせず開けましょう。
次に真鍮線を切らずに1本そのまま用意します、先端に少量の接着剤を付けて穴に差し込みます。
そのまま接着剤が固まるまで押さえておきます、その時斜めにならないように注意してください。
固まったら、取り付け位置から2ミリぐらいの場所をニッパで切ります。
切り口を綺麗にするには刃の外側を車体に残る方に向けて切ると切断面が綺麗になります。

注意事項
0.3ミリの真鍮線は必ず買ったときの袋に保管しましょう、大変細いので刺さると危険です。
使い終わったら道具や部品は元のところに戻すのも、大切な事です。(整理整頓)

ワンポイント
お気付きの方も居るでしょうが、第1弾の「T-34」の車体にはすでに前部機銃がモールドされています。
このままでは穴を開けても格好が悪いので、下に垂れたようになっている機銃の銃身部分を
デザインナイフ、もしくは彫刻刀などで削り取ります。
彫刻刀は今後のデティールアップにも使用しますので、文房具店などでワンセット購入を
お勧めします、安い物で十分です。
塗装はつや消し黒で十分ですが、いちいち塗料で塗るのが面倒ならばマーカーで塗ってしまえば
簡単です。

真鍮線の応用
T-34の手すりなども削り取って真鍮線で作り直すとリアル感と自己満足感がアップします。
詳しくは写真を参考にしてください。


デティールアップ番外編 コーティングのやり方

ツィーメリット耐磁コーティング
簡単に説明すると戦車は鉄製なので磁石付の爆発物が容易に付いてしまう。
考えようによっては対戦車戦闘よりも対人戦闘が苦手な戦車にとっては脅威です。
物陰から磁石爆弾を持った兵士に致命傷を負った戦車はかなりの数有るでしょう。
その被害を最小限にする為に車体・砲塔の外壁にコンクリートを凸凹状に塗った物が
「ツィーメリット耐磁コーティング」です。

ドイツ戦車のデティールアップには欠かせない改造法ですが、とにかく面倒です。
特にWTMシリーズは知っての通り小サイズですので、「やりたくてもやれない」と
諦めてしまう人も多いと思います。
再現方法としては、「溶きパテを塗って、乾く前に跡を付ける」
        「極薄のプラ板を細かく切って、車体に貼り付ける」
この2点の方法は、確かにリアルに再現できますが欠点として戦車全体の塗装が必要になります。
それに塗装前に事前に行わなければならず、作業が複雑になってしまい経験者ならいざ知らず
初心者にとっては大きな関門となるでしょう、これが「面倒だからやらない」の原因と思われます。
そこで、これから説明する再現方はコーティングしてからも極力、塗装の要らない方法なので
多少の根気があれば実行出来ると思います。(少しぐらいは面倒ですが)

道具
彫刻刀(双刃)、小刀1本で十分ですが、千枚通し(キリ)でも可能です。
文房具店にあるセットの安物でかまいません。(ばら売りもしています)


実戦開始
写真左上の様にシャーペンなどで縦線を引きます、間隔は約2ミリぐらいが適当です。
第1弾シークレットの007号車は約1.3ミリほどですので参考にするのもいいでしょう。
次に、縦線に沿って彫刻刀で縦のラインを削ります、刃の部分で切るのでは無く刃を外側に
向けて削った方がうまく行きます。

全ての縦のラインが削り終えたら、引き続き横線を削っていきます。
これはシャーペンで書かなくて構いません、上からでも下からでも削り易い方向から削りましょう。
間隔はとにかく出来るだけ細かく水平に、失敗しても気にせず続けてください。
多少、間隔がばらついても心配は要りません、かえってソレっぽく見えます。
もちろん、実戦前に戦車の裏面で練習する事をお勧めします、慣れてくれば「虎T」1両が
15分ほどで終了します。(もちろん最初は時間が掛かるでしょう、疲れますから)
右下の写真はコーティング後、塗装、スミ入れ、ドライブラシをしたものですが、何もしなくても
十分迫力が増すはずです。
とにかく、悩んでいるヒマが有ったら実行しましょう、「善は急げ」です。


注意事項
刃物を使用しての作業ですので、各々怪我を負わないように気を付けて作業に取り掛かってください。
大変に眼が疲れます、ロンメル世代の人は特に休みながらの作業をお勧めします。
間違っても、自分の指や手にコーティングをしないように、くれぐれも注意してください。

ワンポイント
全てのドイツ車両にコーティングがされているわけではありません。
それに車両、年代、場所によってコーティングのパターンが違う場合もあります。
工場でコーティング処理をして戦場に送られた戦車と現地の整備員が急遽行ったものでは
当然、見た目も出来具合もちがいます。
縦に溝が有る物、横の物、格子状の物も有り、時には側面のみにされていた物まであります。
資料が無いのでパターンが判らない時は、思い切って自己流にパターンを作って
「これは、現地の整備員が臨時にしたものだ」と自分に言い聞かせるのも良いかもしれません。
または、捕獲した敵戦車という設定で「T-34」や「シャーマン」にコーティングしてみるのも
面白いでしょう。(もしかしたら実在していたかも知れません)
自由な発想を楽しむのもWTMの楽しみ方の一つです、史実に忠実に色塗りや改造を
行うだけでなく、自分らしい自分だけのWTMの世界を作りましょう。

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