***サラサラ、ツヤツヤ***

 

「進藤…、君は中学生なのに、なんて頭をしているんだ!」
 アキラの冷たい言葉は、ヒカルの胸にグサリと刺さった。
「なんて頭って…そんな…、確かに俺はお前のように碁も強くないし、成績だって良くないよ。
だからって、そんなあからさまにバカと言わなくても…」
 佐為も、アキラの言葉はひどいと思った。確かにヒカルは頭は良くない。
だか、他人から面と向かって言われるほど、バカではないはずだ。碁の才能は素晴らしいが、
人間(ひと)として何かが欠けているのでは? とさえ思えた。
「違う! 僕が言っているのは髪の色だ! 中学生のくせに金髪に染めているじゃないか!
それも前髪だけ! メッシュか?! 中学生として…、囲碁をたしなむ者としてけしからんことだ!」
 アキラは真剣な目をしてヒカルに言った。
「こ、これは…いつも本誌では、白黒だから…、関係ないだろ!」
「ダメだ! 囲碁は白と黒の世界! カラフルな碁石があったら怖いだろう!
それと同じだ! すぐに色を落とせ!」
「全く……、相変わらずうるさい奴だな…」
 ヒカルの頭がおかしいというのではなく、ヒカルの髪の色に腹を立てているアキラ。
ヒカルも佐為も少々呆れ気味である。
「ふふふ…その点、僕の黒髪は、サラサラ、ツヤツヤ、トリートメントばっちりの
平安時代もお姫様もビックリの黒髪だ。ほらっ! みてごらん! この風にならうようになびく髪を!」


 確かにアキラの髪はサラサラして綺麗だった。
「佐為…アキラって、あっちの気がないか……?」
「うーん…。彼は囲碁バカと言えばそれまでですからねー。そう言う気があってもおかしくないかも…。
 サラサラ髪をなびかせ、挑むような目つきでヒカルを睨むアキラの姿があった。





この作品は泉のイラストに、薔薇子が話をつけてくれたものです。サンキュー!