人目の犠牲者です。

そこでは全てがあった。しかしそこには何もなかった。
そこには全てを持つものがいた。しかしそこには何も持たざるものがいた。
そこには全てを創り出すものがいた。しかしそこには全てを破壊するものがいた。
そこには全てを与えるものがいた。しかしそこには全てを奪うものがいた。
そこには希望があった。しかしそこには絶望があった。
そこは全てのものが知っていた。しかしそこを知るものはいなかった。
そこには・・・しかし・・・ 
そこ・・・しかし・・・
 そこは・・・ネットワークと呼ばれていた・・・。

世界の全てはネットワークで繋がっていた。全ての情報がそこにはあり、そこには何の情報もなかった。
 ある一人の天才ハッカーが情報を盗み出し、全てを公開した。

 たったそれだけの事が世界を混乱させ、戦争を引き起こした。そして戦争の果てに世界は崩壊した。

秘密の無くなった世界ほど脆いものはなかった。
 全てが荒野とかしかつての文明は失われた。だが、人々が滅亡した訳でもなかった。

 ヘブンと呼ばれる都市がある。戦争を免れた・・・いや戦争から唯一復興した都市だった。

生き残った一部の者たちはそこを楽園として暮らしていた。
 だが、そこに入る資格を得ることができなかった者達は廃墟とジャンクでできたスラムに住むしかなかった・・・。
 荒野と化した大地で戦前の文明が発見される事があった。

それを求めて、人は群がりその発見によってヘブンに入る資格を手に入れようとしている。
 ゴールドラッシュ・・・それは金という価値のある物ではなかったが、人々はそう呼んだ。

荒野の先に線路を走らせ街を造り、文明の遺産を掘り出す。
 エレクトロフロンティアと誰かが言った事がある。
 その言葉は人々に伝わり、人はフロンティアを求めていった。
 フロンティアから最後に人々がたどりつく場所ヘブン・・・かつて東京と呼ばれた街。