ひぐらしのなく頃に・鬼隠し編/妄想推理

●疑問1: 富竹さんの死因は?

 富竹さんは自身の喉を自らの手を使ってかきむしり、その結果のショック死でした。
 検視の結果、薬物の反応はありません。
 なぜ、富竹さんはこのような凄惨な死に方をしたのでしょう。

*** 注意 ***
 富竹さんは自殺したわけではないことを勘違いしないようにしてください。
 富竹さんは自傷死、あるいは自虐死です。
 喉をかきむしる理由があって、結果的に死に至ったわけです。

●疑問に対する回答その1:薬物によって錯乱を招いた

 大いにありそうですが、検視の結果では薬物は見つからなかったようです。
 さらに、検死では見つからない薬物の使用を疑うこともできます。が、これは12日の大石刑事との会話で否定されています。
 つまり、薬物を注射されていたとするなら、それは劇的に作用し、しかも全く痕跡を残さない、漫画にでもでてきそうな超科学的薬物の使用、ということになります。
 それだけで祟りを超越した何かを感じてしまいます。私としては、祟りより理不尽に感じますのでこの説は却下です。

●疑問に対する回答その2:何者かによって体を乗っ取られた

 オヤシロさまの祟りによって殺された…この説を採ると言うことは推理を放棄したも同然。却下です。

●疑問に対する回答その3:そういう精神状態に誘導された

 富竹さんは極度の興奮状態にありました。あるいは、トランス状態になったのかもしれません。
 そんな状態であれば、人間はたやすく暗示を受け入れます。
 富竹さんは錯乱し、喉に何かが詰め込まれた、という暗示をかけられたのです。それが食道なら、口の中に手を突っ込んで吐き出そうとするでしょうが、皮膚の直下に虫でも這い回っていたら?
 それをトランス状態の富竹さんが両手で掻き出そうとするなら、皮膚を指で破り、筋肉を自ら引き裂いて、挙げ句の果てに死んでしまうでしょう。
 富竹さんがトランス状態になったのかもしれません、と書きましたが、明確にトランス状態でした。指で頸動脈を掻き出すなど、正常な状態では不可能ですから。その前に指が折れます。

 私としては、回答その3を正解、と考えます。
 そして回答その3を正解だとしたら、富竹さんに暗示をかけることができたのはたったの3人しかいないと言うことになります。


●疑問2: 魅音はいつ富竹さんが死んだことを知ったのか?

 「富竹さんと同じ目にあってもらう」
 この衝撃的なせりふを、圭一は富竹さんが喉をかきむしって死んでしまったのと同じ目に遭わせる、と感じ、生命の危機を迎えます。
 しかし、これは疑問です。一体魅音はいつ、富竹さんの死に様を知ったのでしょう。

*** 注意 ***
 11日のレナと魅音の会話をよく読んでください。この段階で、魅音は死者が出たのかどうかさえわかっていません。

●疑問に対する回答:本当のところ、魅音は誰が死んだか知らなかった

 後のシナリオで、魅音の家はほとんど村を支配するほどで、綿流し編では事件の中心にいた、と独白するくらいの超重要人物です。それが、11日の段階で富竹さんが死んだことを知らないことなどあり得ません。
 あり得るとしたら、魅音は鬼隠し編では富竹氏殺害に全く関わっていなかったと言うことか、魅音のおばあちゃんが知らせなかったと言うことしかないでしょう。
 要するに、魅音は今回富竹さん殺害に関して全く関係がないということです。
 そして11日の段階で誰が死んだか知らなかった。

 もちろん、魅音は誰が死んでいたかわかっていて、11日の会話でレナをごまかしていたと言う可能性もあります。
 でも、そうだとすると、15日の行動が説明できません。確実に、レナは知らないわけですから。

 そうすると、最終日まで魅音は富竹氏が死んだことを知らなかったことになります。途中で知る可能性はほとんどありません。なぜなら、11日の段階で教えなかったことをいきなり教えるなどと言う不自然なことが起るとはとても思えないからです。

 もう一つの可能性があります。
 それは、魅音のおばあちゃんが圭一を祟りで殺す、と決めた場合です。
 態度が豹変した圭一のことはすぐに魅音のおばあちゃんに伝わることでしょう。
 …でも、それはあり得ないことです。
 なぜなら、もう既に富竹さんが祟りで死んでおり、祟りを再び起こす必要がないからです。

追加  2003/09/13

 掲示板にて、A−Sさまより実に興味深い指摘を受けました。

 『魅音が11日目で誰が死んだのか知らない、と言っている点。綿流し編では圭一は電話越しに、詩音の振りをした魅音から富竹氏の死をかなり早い段階で聞かされています。他の編から持ち出すのはいささかアレなのですが、設定そのものは各編に共通している以上、鬼隠し編でも知ることは可能だったのではないかな、と思ってしまいます……。』

 なるほど、鬼隠し編においても詩音が登場している可能性は非常に高く、詩音が魅音に富竹さんの死を伝えている可能性は大いにある、といえるでしょう。
 詩音に関しては他のシナリオで考察するとして、ここは簡単に私の考えを。
 詩音は鬼隠し編では事件に全く関与することはない、と考えます。詩音が事件に絡むためには、圭一と共に祭具殿に侵入しなくてはならないからです。
 さらに、鷹野さんが死んだことも知っていなくてはなりません。ですが、鬼隠し編では終始鷹野さんの消息は明らかにされませんでした。

 もっとも、私は詩音は、詩音としては祭具殿に入っていないと思いますが。


●疑問3: 15日の罰ゲームとは何か?

 これはこの村で誰が富竹氏殺害に関わったかを知る上で非常に重要です。

*** 注意 ***
 疑問2で説明したとおり、魅音はこの段階で誰かが死んだ、ということすら知りません。
 ましてや、その死に様など知りようはずもありません。
 そして、もう一つ重要なことがあります。レナも同様に誰が死んだか知るはずもない、ということです。

●疑問に対する回答:富竹さんと同じ目にあってもらう

 魅音の台詞をよく思い出してください。
 魅音は不必要なくらいに罰ゲームを強調していました。
 そしてレナの台詞もよく思い出してください。
「…圭ちゃん、何いってんだか。……わかってんでしょ?」
「……知ってるくせにー。今さらカマトトぶられてもなぁ」
 これは、何をする気だ、という問いに対する答えです。罰ゲームの内容に対する答えではありません。要するに、罰ゲームをする、と言っているに過ぎません。
 そして罰ゲームの内容に対する答えが回答欄の台詞です。

 さてここで、圭一は反射的に富竹さんの遺体からは薬物はでなかった、と言っています。
 しかし、魅音もレナも、この段階で誰が死んだかなど知りもしません。
 もっと言うなら、富竹さんはまだ生きていると思っているのです。
 圭一の発言は冗談にしか聞こえないことでしょう。

 それでは、罰ゲームとは何か。
 それは富竹さんと同じ目に、つまり同じ罰ゲームを受けてもらう、と言うことです。
 富竹さんの受けた罰ゲームとは何だったでしょう?
 綿流しの祭りの時、富竹さんはゲームに負けて罰ゲームを受けましたね? それは何だったでしょう。
 マジックでの寄せ書きでした。


●疑問4: おはぎの中に入っていた針はどういうこと?

 圭一は魅音とレナからおはぎを受け取ります。その中には、裁縫針が入っていました。これは何の警告でしょう。
 それに関連して、針は一体どこでどうなったのでしょうか?

*** 注意 ***
 この針のことを考える上で最も重要なのが、果たして針はどこに行ったのか、です。

●疑問に対する回答:針など最初から存在しなかった

 おはぎのなかからでてきた裁縫針に似た何か。これを裁縫針と教えたのは誰でしょう。もう一人の圭一です。では、もう一人の圭一が教えるまで、それを認識することはできなかったのでしょうか。
 そう、できなかったのです。この時点で圭一は認識力に異常を来していたと考えられます。その根拠は、もう一人の圭一の存在です。
 圭一は不安症にかかっていたのは10日以降の言動を考えるとあきらかです。そしてここで、圭一は明確に分裂症の症状を示しています。
 分裂症を起こすきっかけとなったのが認識異常です。

 もし針が存在するのなら、警察は確実に見つけています。見つけていない以上、針は存在しないのです。
 15日、圭一が逃げ出した後で村人が針を持ち去った、と言う考え方もあります。
 でも、これはかなり不自然です。魅音によって前もって針の回収を命じられていたとすれば、村人は針を探すでしょう。
 しかし、前日に圭一は徹底的に部屋を探しています。見つかりませんでした。それを村人がどうやって見つけるというのです? ましてや、針が家の中のどこに落ちているかも知らないのに!

 おはぎには何かが入っていたのでしょう。しかし、それは裁縫針に似た何か、であって、決してけがをさせたりするものではなかったでしょう。それは15日の朝の会話でもわかります。
 魅音も、圭一も針、という言葉をいっさい話していません。魅音は何か仕掛けをしたことを認めただけです。

 これを警告だと感じたなら、圭一は相当に重い症状になっていったと考えられます。もちろん、精神病が。


●疑問5: 注射器?

 15日、魅音は確かに透明な注射器を持ち出しているじゃないですか。

●疑問に対する回答:疑問4に対する回答と同じ

 疑問3に対する回答を見てください。疑問3の回答が正しいとするなら、魅音が取り出すのは油性マジックでなければなりません。
 しかし注射器でした。

 それでも私の回答は変わりません。疑問4で述べた通り、圭一の認識能力はかなり低下していました。その上、大石刑事との会話で圭一は薬物にかんしてかなり不安に思うようになっていました。
 それなら、あり得ないものを見間違えることも大いにあります。
 富竹さんの死に方は普通ではありませんでした。祟りでなければ、そういう死をもたらすのは薬物以外にはあり得ない。そう思うに十分な話を大石さんとしていました。大石さんは否定していましたが。それでも、圭一は無意識のうちに薬物の可能性を考えたのです。
 だから、極限の恐怖のなか、再び認識異常が発現しました。
 前回のの認識異常ではもう一人の圭一を生みました。
 今回の認識異常では殺人鬼を呼び出しました。
 そしてそれ以降、認識異常から快復することはありませんでした。

 ここで重要なのが、認識異常を起こすたびに異常が起っていると言うことです。
 逆に言えば、異常さが進行するたびに認識異常を起こしている、といえるでしょう。

 3日目の罰ゲームと奇妙に符合していて、面白いですね。


● おまけ

11日の魅音とレナの会話

魅音「鷹野さんが行方不明らしい」
レナ「……え、…それっていつから?」
魅音「もう次の日にはいなかったって。……綿流しの晩に失踪したらしいよ」
レナ「鷹野さんだけなの?」
魅音「わかんない。私の知る限りではね」
レナ「……で鬼隠しってことは他にもいるんでしょ? 死んだひとが。」
魅音「彼女が祟りにあったか、鬼隠しにあったのかはわかんないけどね……」
レナ「それじゃあどちらにせよ……もう一人いるんだよね? ……だよね?」
魅音「オヤシロさまなら……ね」
レナ「でもでも! ……今年はまだ出てないよ…?」
魅音「婆っちゃと村長さんが話してたんだけどさ。……今年は事前に警察と話が付けてあるらしいんだよ。……なにが起っても、騒ぎにしないで穏便に片付ける、って」
レナ「じゃあ、……レナたちが知らないだけで………どこかで誰かが殺されたかもしれない……ってこと…?」
魅音「…かも、ね」
レナ「………次は……レナ、……かな……」
魅音「……安心しなよ。レナはちゃんと帰ってきたよ」
レナ「……でも悟史は…駄目だったんでしょ……?」
魅音「昔の話だよ。もうやめよ、この話」

 細かいところは食い違いがあるかもしれません。
 この会話で重要なのは、魅音とレナが死者が出ていることを知らないと言うことと、レナにとって鬼隠しは病的に恐れるものであり、悟史のことも含めて鬼隠しを連想させる言葉は禁句です。
 そう考えると、レナが豹変する理由も、転校と言う言葉を使うのもわかると思います。

●疑問6: 普通、斧もってうろうろするか?

 15日、レナは斧を持って圭一を追いかけ回しました。これってどういうことでしょう。

*** 注意 ***
 3日目と4日目のレナの斧の扱いについて思い出しておいてください。
 レナにとって、斧は凶器という概念が抜けていました。

●疑問に対する回答:ただ単に、気晴らしに宝探しをするつもりだった

「何なら今から宝探しでもいいよ。行こうよ一緒にダム現場。見つけたばかりのかぁいいの、圭一くんにも見せてあげるね。きっと圭一くんも気に入るよ」

 おそらく圭一のことが好きだったレナにとって、圭一のはっきりとした拒絶はかなり恐怖だったでしょう。それで、拒絶された次の日に、自分の考えをまとめるために宝探しを行う、と考えるのも別段おかしなことではないでしょう。
 斧を持ってきたのは、たぶんココロの鬱憤をゴミ相手にぶつけるためだったかもしれません。そして、突然金属バットを持ち出してきた圭一への当てつけもあったでしょう。
 この段階でおそらくレナは今日は圭一と顔を合わせるつもりはなかったでしょう。でも、予感はあったのでしょうか。圭一と出会ってしまいます。

 圭一との対応において、レナは非常に冷静に対処しています。
 圭一を安心させるために笑顔を作り、優しく声をかけています。そして圭一との受け答えでは、圭一の行動が不自然であると諭すように話しています。この点、祟殺し編で魅音を追いつめた圭一に対してレナの反応を見ていただければ一目瞭然かと。
 一方的に会話をうち切って逃げ出した圭一を追うのは、今ここで逃がしたら取り返しのつかないことになると思うレナにとっては当たり前の話。
「相談したいこと、きっとあるはずだよ?」
 認識異常を起こしている圭一にとって、レナがどう見えるかは推して知るべし、です。
「その両手は幾重もの残像を残しながら…まるで千手観音のような神々しさを見せた」


● おまけその2

圭一の認識異常

 有り体に言えば、勘違いのことです。妄想と言っても差し支えないでしょう。

 掲示板にて、恐るべきミスディレクションを招く言葉を竜騎士07さまは造りました。
 『ひぐらしモード』です。
 これはまるでレナや魅音たちがその状態になってしまったような言い方です。
 ですが、変わってしまったのが圭一の方だとすると、ひぐらしモードの意味は完全に変わってしまいます。
 そう、レナや魅音がひぐらしモードになるのではなく、圭一の方がひぐらしモードになってしまうのです。
 ひぐらしモードになってしまった圭一は、全てが悪意に満ちているものと感じます。特に、レナや魅音たちが自分をだまし、殺そうとしていると思ってしまうようになるのです。
 ひぐらしモードこそが、最大の狂気であり、勘違いなのです。
 そして、ひぐらしモードこそ、圭一の認識異常なのです。

 「自分以外の全てがおかしい」
 圭一の台詞です。

●疑問7: 祟り、鬼隠しについて村の関与は??   2003/09/13

 村が関与していないなら、同じ日にこうも事件が起り得るでしょうか。

●疑問に対する回答:無意識の連鎖、あるいは祟り

 祟りと鬼隠しの関係は割とシンプルだと思います。殺した者が、消える。逆に言えば、殺すために、消えるのです。
 村の人が関与することはあっても、それは村の、あるいはオヤシロさまの意図が関与することはありません。
 これに関して明確な根拠は挙げづらいのですが、綿流し編、祟殺し編からの連想です。
 そう考えると、偶然同じ日に殺害が起ったのは最初の内だけでしょう。あとは、村の言い伝えや因習が、無意識に同じ日に起こさせたのでしょう。
 個々の被害者たちは全く村とは関係のない出来事でした。しかし、偶然が続けば、それは無意識に“その日にやらなければならない”、そして“その日ならやってもいい”にすり替わっていきます。祟殺し編ではその辺が明確に表現されていました。

 沙都子の叔母を殺したのは、間違いなく悟史でしょう。そして、入江診療所が犯人をでっち上げたのでしょう。麻薬患者を洗脳するくらい、監督や鷹野みよにとっては簡単なことでしょう。

追加  2003/09/16

 こういうことは珍しいものではありません。今は戦争だから人を殺していい、と言うのと同じ理論です。これは祟りと呼べなくもありません。これを祟りとするならば、村の連続怪死事件は祟りの仕業、と言っていいでしょう。


●疑問8: じゃあ、誰が富竹ジロウを殺害したの?   2003/09/13

●疑問に対する回答:……

 鷹野みよです。


●疑問9: じゃあ、誰が前原圭一を殺害したの?  2003/09/13

●疑問に対する回答:……

 自殺です。おそらく、正気に戻ったのでしょう。親友であるレナと魅音を殺した罪の重さのせいです。
 その直前までの心理状態は、(圭一にとって)まさしく祟りそのものだったでしょう。
 自分を罰するにあたり、富竹さんがどのように死んだか。自分を罰するのに何が適当か。そう考えたら、これ以外の死に方などないでしょう。


● おまけその3

TIPS『元気ないね』

 「それともまさか、圭ちゃんはでっぷりした中年が好み?」
 「それはあり得るかも。…かも」
 …哄笑だった。

 全然違うでしょうが、当然、魅音はレナに気を遣って笑わせるはずです。

●疑問10: 圭一の遺言を破りとったのは?  2003/09/16

証拠の品と一緒に圭一の遺言が破りとられていました。これは誰が、何のためにやったのでしょう。

*** 注意 ***
 圭一は狂気に陥っていたと考えられます。その際、圭一の狂気が露見した場合、誰が一番困るでしょう。

●疑問に対する回答:大石刑事

 圭一を撒き餌に村の御三家を釣ろうとしていた大石刑事は、圭一の様子に村の関与を確信したことでしょう。しかし、それら全てが圭一の妄想だったら。
 死体を確認しているバラバラ殺人事件。証拠に注射器を張り付けている、と書いていますが、注射器の代わりにアレがあった。
 村の関与どころか、全て圭一の妄想で片づけられてしまうでしょう。実際、そうだったのですが。御三家を釣ろうとしていた大石刑事にとっては、村の関与を否定する材料になりうるそれらの部分、証拠は存在してはまずいのです。
 だから、大石刑事はそれらを抹殺しました。


 以上で鬼隠し編での全ての謎が解けるかと思います。ご意見、ご質問があればメールか掲示板の方にお願いします。

 by KYO