自由貿易と文明の発展について

自由貿易と文明の発展についての考察 *1

口車の弥七


箱絵

 「文明の曙」という邦題を付けられた英国産れのゲームがあります。このゲームでは、人類が石を道具として使用していた紀元前8000年頃から、ローマが台頭してきた紀元前 250年頃までの、地中海世界と中近東の地を舞台に、文明の進歩を競うゲームです。文明がどのくらい進歩しているかは、主にそれぞれの国が購入している文明カードの得点の合計で判断します。また、文明カードを購入する費用は、貿易によって得られます。したがって文明の曙は、貿易でお金を稼ぎ、そのお金で文明を買うゲームだと言えるでしょう。

 文明の曙には色々な魅力がありますが、以下に三つを上げて、それぞれの魅力に付いて簡単に紹介したいと思います。
 文明の曙の魅力として、まず第一に上げる事が出来るのは、戦争が起こりにくい事ではないでしょうか。文明の発展には、多大な費用を必要としますが、戦争という行為はすこぶる不経済なので、このゲームでは国境附近での小競り合いを除けば、戦争はまず発生しません。もし、大規模な戦争を起こせば、その当事者は間違いなく文明の進歩で、他のプレイヤーから大きく遅れをとるでしょう。ですから、このゲームでは国が滅亡してゲームから脱落する心配はありませんし、平和主義者の方でも楽しめます。 *2
 次に文明の曙を語る時、欠く事が出来ない貿易を上げたいと思います。貿易では、プレイヤー同士で貿易カード *3 を交換する事によって、お互に手持ちの貿易カードの価値を高めていくわけですが、この時虚々実々の駆け引きが繰広げられます。文明の曙では、戦争で得た領土ではなく、貿易でどれだけ儲ける事が出来るかでその国の盛衰が決まるため、文明の曙に於ては、「すべての行為は、貿易のためのものなのである。」(山本56号 “商売しようぜ!” Simulator No.34 )と言われています。
プレイ風景  そして三つ目に、ゲームの最終目的でもある、各国を成長させる文明カードを上げる事が出来ます。 *4 各国が発展するためには、文明カードを購入する必要があります。文明カードには、技術・科学・芸術・社会・宗教の5つのグループに分けられた24種類があり、そのカードの保有国に特別な能力を与えてくれます。それぞれのカードは得点が決っており、得点分の商品カードによって購入する事が出来ます。購入する文明カードは、24種類の中から自由に選べますから、文明カードを自分なりに組合わせて様々な特色を持った国家を造る事が出来ます。また、各国はゲーム終了まで成長し続けるので、順位に関係なく楽しめます。
 以上の戦争が少ない、貿易、個性的な国家建設が可能という魅力を持つ文明の曙は、平和で建設的なゲームです。

 これで文明の曙の紹介を終ります。この拙い文章で、文明の曙の魅力を十分に伝える事が出来たかどうか甚だ心許ないです。今後もコンベンションで可能な限り、文明の曙をやりたいと思っています。 *524種類ある文明カードの働きを把握するのが大変ですが、ルール自体はいたって簡単ですので、初心者の方もぜひ参加して下さい。