ゆで暗黒期作品群

ゆで没落の時代のことをゆで系サイトでは一般的に「ゆで暗黒期」と呼ぶ。
しかし、ひとえにゆで暗黒期といっても具体的にどこからどこまでの時代を呼ぶのか人によって様々だ。
少なくともキン肉マンII世が始まるまでは漫画家・ゆでたまごの名はゆでマニアや一部の少年A、ガンガン、ボンボンデラックス読者以外には忘れ去られていたも同然だった。
ということは第1期ゆで暗黒期の終わりはキン肉マンII世連載開始直前までといえる。
それでははじめはどこからか?
それは
・1年未満打ち切りシリーズ第1弾「ゆうれい小僧がやってきた!」
・ゆうれい小僧はキン肉マンの連載直後ということで話題性が多少はあったので「SCRAP三太夫」
・もしくはジャンプから追放された「蹴撃手マモル」連載終了後。
この3つの何れかが妥当かと思う。

だがここでは何故人気が出なかったのかを検証していきたいので、とにかく人気がなかった「ゆうれい小僧」からをとりあげたいと思う。
それでは、人気のでなかった理由。まずは「ゆうれい小僧がやってきた!」
一応、ゆで作品の中では数少ない主人公の名前がタイトルに入らない作品だ。
(だけど実際主人公の名前をそのままって作品タイトルは少ないよね。こち亀が「両津勘吉」だったりワンピが「モンキー・D・ルフィ」とかだったら違和感感じまくりだし。)
そのゆうれい小僧、はじめは妖怪退治というのが大筋のストーリーだったが途中からキン肉マン路線に変更された挙句、僅か5巻分で連載終了。

さて、何がいけなかったのか?
まず、絵柄に関してはゆでにしては頑張っていた方だと思う。
ただ、少年誌としては少々グロテスクだったのかもしれない。
蝦蟇あやしとか百猫妖怪とか。
宇宙刑事シャリバンという特撮作品でレーダというキャラがおり、あまりにも怖く子供達は見るのが怖くて視聴率が落ちたという逸話に似ているのかもしれない。

続いて作品ジャンル。
作品自体が時代にあわなかったのかもしれない。
ゲゲゲの鬼太郎が流行った直後で時代がもう過ぎ去っていたのだと思う。

後は路線変更も寿命を短くした一因であるといえよう。
日本妖怪のチームを作ってみんなで頑張ろうというのに失格者を何故か天婦羅にしてしまったりというストーリー展開もどうかと思うし、勝敗の決定が無感情な子供を泣かせることであり、勝つだけではダメということなのに結局は勝ったら(相手が戦闘不能になったら)赤ん坊は泣くというご都合主義だし、そこらへんのいい加減さお相まって「またかよ」というイメージを読者に植え付けたのかもしれない。
キン肉マンブームはとっくにすぎさっていたのにも関わらず同じことを繰り返したのが間違いであった。

あとは、キャラクター。
百太郎、琴太郎はいいとして、友達のピエロ君(漢字変換めんどい)。
いくら妖怪マンガとはいえ、普通の小学生が普段からいつもあの顔で登校しているのはどうかと思う。(先生も親に注意しろよ)
続いて西洋妖怪編。
準メインに蝦蟇あやしはどうかと思う。
かっこいいところはもっていったものの、蝦蟇あやし以上に見た目がメインっぽくいけそうな隠陽入道の扱いも可哀相。
というか蝦蟇あやしの扱いが異常だったともいえるが。

そんなわけで色々や要素が噛みあってゆうれい小僧は連載終了したのだった。

ということで次はSCRAP三太夫。
これは誰の目からみても人気が出るとは思えない作品。
またもやキン肉マンに頼って、変なカッコ悪い主人公を登場させている。
この時点で短期終了を火を見るより明らかだ。

ウンコだしとけば子供達が喜ぶだろう、という安直な考えでいたるところにウンコネタが満載している。
本当にただむやみやたらに出しているだけで笑わせようという気はあるのかと問いたい。

とにかく人気の出る要素が何一つないので何故人気が出なかったのかを語るまでもない作品だと思う。
世間での価値はやはり「最終回にウォーズマンが登場してきた(バトルマン名義で)」という1点のみだ。

SCRAP三太夫が大はずれだったゆでたまごが次に送りこんだ漫画が「蹴撃手マモル」。
前作三太夫のあまりの大失敗に反省したのか、正統派主人公・蹴田マモルを出した。
シモネタもなく、チャランボ等スモールヒットになったところもあったのだが4巻で打ち切り。
さて、何で人気がなかったのか?

最大の要因は「折角一般人の格闘漫画を描いていたのに結局キャラが超人になった」ということだろう。
スコルピオンについては多少目をつぶるとして、マンティスボーイは最早人間とは思えない。
折角ムエタイマンガを描いてるのにあんな無茶苦茶な戦いをしているとムエタイマンガである意味がなくなってしまう。
展開も結局キン肉マンのころと全く変わっていないし、90日以内に倒さないと兄が死んでしまう、という恐ろしく安直なストーリーもいけない。
そもそも、キン肉マン7人の悪魔超人編でとっくの間に使いふるした展開だったし。作者自身で。

そしてジャンプを飛び出た(正確には出された)ゆでたまご。
おそらく同時期にだと思うがガンガンで「ライオンハート」、デラックスボンボンで「トータルファイターK」を連載する。

ライオンハートはゆでたまごにしては普通の作品にちょっと近づいていたのだが(といっても結局普通のマンガにはなりきれていない)、いかんせん「これだ!」というものがなかった。
3、4巻では路線変更され、アダムを中心にわけのわからんギャグが盛り込まれた。
普通の漫画としては楽しめず、だからといってゆでテイストも少なめが故にいまいちパッとせず連載終了したのかもしれない。
しかし、きちんと完結させてくれているENIXの懐の深さには感謝したい。

そしてもう一方、トータルファイターK。
SCRAP三太夫のことを忘れてしまったのか、というか絶対に忘れていたと思うのだが、また変なかっこわるい主人公とウンコネタをいかんなく放出。
そもそも掲載誌からしてゆでファンの年齢層やジャンルからして読む雑誌じゃないというのも痛い要因だが、決してそれだけが理由ではなかったはずだ。
世間的には平成キン肉マンといわれているようだが(というか世間的には作品自体認知されていないが)、主人公に魅力も感じられないし、折り返しの「作者からきみへ」とか偉そうなことぬかしてるのも気にくわない。
かっこわるいキャラが頑張っているのが感情移入できる、と勘違いしているゆでたまご両氏だが、あまりにも安直すぎる。
実際の話、こんな安易な考えの漫画が世間に受け入れられるわけもなく(受け入れられたら他の漫画家たちに悪い)1年半で連載終了。

やぱり安直なキン肉マンで受けたカッコ悪い主人公(カオの場合はサブキャラクターも)、ウンコネタ。
この安直な考えの元に描かれたのが人気の出なかった理由だと思う。

そしてグルマンくん。
無茶苦茶な料理漫画だが、ゆでテイストは溢れている。
相変わらず「〜を元にして」とかいって、そのまま全部パクるという他の漫画家にはギャグ以外ではまずお目にかかれない離れ業を披露している。
ゆでテイストは溢れているので決してゆでマニア的につまらない作品ではないが、料理漫画として一般的な目から見たときは明らかにクソ漫画だ。
こんな料理漫画が受けてしまっては他の料理漫画を描いてる人たちが気の毒でならない。
料理を楽しんで食べる、という方向性は間違っていないとは思うが、食べ物を粗末にしない、という観点が抜けている。
というか、粗末にしすぎ。
ゆでたまごは全国の料理人に土下座して謝るべきだ。

というわけで総論としてはゆで作品ならではの楽しみ方がわかるゆでマニアの人たちからしてみれば面白いが、そうでない人が見たとき、あまりにもクソ漫画、これが最大の理由といえるだろう。
巨匠・ゆでたまご両氏はキン肉マン以外では全く勝負出来なさそうなので、いずれキン肉マンII世が連載終了したら再びゆで暗黒期に入ると思われるが、全国2〜300人くらいのゆでマニアのためにこのままの道を突き進んでほしい。

2002.02.15