今週のクソゲー

シェンムー
1/14更新 Vol.34


ジャンルRPG
メーカーセガ
機種ドリームキャスト
評価 ※☆が多いほどクソゲー的
インパクト☆☆☆
技術
企画☆☆☆

 今回の『今週のクソゲー』は、「制作費 70億」のCMでおなじみのビッグバジェット、『シェンムー』です。ここで取り上げるのはいろいろ迷っていたんですが、「せっかくだから」やってみることにしました。

 時は遡って一年前、当サイト内のコーナー『ゲーム業界に物申す!』第2回「なぜクソゲーにこだわるのか?」という題で、ぼくは『たけしの挑戦状』と『シェンムー』を対比させて色々語ったことがありました。そう、あのころからぼくはなんとなーく

「シェンムーって、『たけしの挑戦状』をものすごく豪華にしたようなゲームだなぁ…」

と、漠然と感じていたのです。そして、

「もしシェンムーが面白かったら『たけしの挑戦状』は、『早過ぎた名作』になる。でも、そうじゃなかったら…。」

という一抹の不安も同時に持っていました。

 それから時は経ち、1999年も終わりの年の瀬。『1999年・RPGは変わる』という宣言を滑り込みセーフで守って『シェンムー』は発売されました。

 さてここで『シェンムー』はちょっと置いといて、『たけしの挑戦状』のストーリーを振り返ってみましょう。

 何を思ったか突然会社を辞めてしまったサラリーマン。妻子ある身にもかかわらず、退職金で宝捜しの冒険旅行を決意。カラオケで歌って迫り来るヤクザ者を殴り飛ばす、破天荒な非日常的事件に巻き込まれつつ、謎の老人から手に入れた宝の地図を元に、旅行会社で謎の南の楽園「ひんだぼ島」行きのチケットをゲット。その後はインディ・ジョーンズもびっくりの一大スペクタクルが繰り広げられる…。
 とまあこんな感じです。ゲーム自体は非常に不親切で、主人公のライフが無くなると葬式で締めくくります。

「ノリと勢いだけでつくったら、こんな風になりました」

という場当たり的パワーがひしひしと感じられる、伝説のクソゲーです。とにかく難度の高さとアクの強さが文字通り「挑戦状」でした。

 そして『シェンムー 一章・横須賀』です。ストーリーを説明すると、こうです。

 どういうわけか冒頭10分で主人公・芭月涼の父、巌が謎の男に殺される。涼は父の敵を討つため事件翌日から、おいこら葬式はどうなったんだとかいうツッコミをよそに、大学受験を控えた身にもかかわらず謎の男の手がかりを追う。ガチャガチャの景品や自販機ジュースの当たり缶に一喜一憂しながらも、情報を得るため無免許フォークリフト乗りとして、港で迫り来るチンピラや外国人の集団を殴り飛ばしながらバイトを始める。警備員の監視の目をかいくぐっての潜入や、70人まとめてぶちのめす一大スペクタクルも必見…。最後は謎の老人の手引きで、高校の卒業式はどうするんだという心配をよそに、香港へと旅立つ。
 事実をありのままに書くと、どうしてもこうなります。ゲーム自体は非常に親切で、QTEと呼ばれるアクションパートでゲームオーバーになっても、何度でもやり直しがききます。

「ノリと勢いだけでプロットとアウトライン完成させたけど、やっぱりなぁ…。」

という後ろめたさがひしひしと感じられる、セガの大作です。やらされてる感の強い、手がかりを追っかけるおつかいRPG的要素と、やたら寄り道的ミニゲームやイベントが詰め込まれているところが、なんとなく「案内状」っぽい感じです。

 が、この親切心、どこか空回りしている部分が散見されます。特に、ひらがなのみの字幕が表示されるだけ『子供モード』は、どうしても「ちょっと違うんじゃないのかなぁ」って気がしてなりません。

 総監督である鈴木裕氏のノリと思いつきを際限無く取り込んだ結果、全体にまとまりがない破天荒なストーリーとシステムが出来あがり、それをせめて遊べるように誰かが改築したという感が強い『シェンムー』。現にLDゲームっぽいQTEやバーチャファイターばりの格闘、それにサターンの『SEGA AGES』を思わせるような『スペースハリアー』&『ハングオン』と、鈴木裕氏の歴代の仕事をこれでもかとばかりに詰め込んだところを見るにつけ、浮かぶ言葉は

『鈴木裕百貨店』

『鈴木裕の案内状』

『テーマパーク鈴Qランド』

『鈴木…』

って、鈴木さんでしゃばりすぎ(笑)!


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