3月22日(祝)新宿サザンシアター

森博嗣助教授の特別講義

「ミステリィと流体力学」


6:25にブザーが鳴り響くと・・会場はシーーーン。
5分間この状態が続いたら・・(異様な緊張)。
皆、森先生の登場を「今か、今か・・!!」と待っているのです。
で、6:30に開演のブザー・・
「なんだ・・さっきのは5分前の合図か・・」という声がちらほら・・
(始まる前からこんなに緊張してて大丈夫でしょうか)

森先生が登場される前に、講談社の司会の方が「本日は・・」とやったと思うのですが
覚えてません(笑)唯一「森さん・・」と、呼んでいたのが印象に残りました。
出版社って、作家のことを必ず「先生」付けで呼ぶもんだと思っていたので・・
わざとなのかな?でも、森博嗣助教授って、背後のプレートにでかでかとあるのに・・
森先生は、先生なんだから・・「先生」って呼べばいいのに。(ま、いいか・・)


森先生も、助教授・・をうけてのコトか、のっけから専門のお話
飛ばしまくりです(笑)。客を呆然とさせて・・「あ、難しいですか?」
「脅かす為に持ってきただけですから・・」と、笑う先生・・。
OHPを使って、学会のような(って、学会を見たわけじゃないですが)
説明・・・私は、先生の授業風景とか、学会での御活躍とか・・
そういうのが見たいなあ・・て、日頃から思っていたので幸せでした。
これぞ、ファンサービスってもんでしょう。(先生は判っていらっしゃる)
もちろん、内容を理解できたわけじゃありませんが・・・。
犀川先生もこんな感じ・・?(うっとり・・)
左は、弾性・塑性・粘性のグラフ。


デジカメで最大望遠で撮影してるので、かなりボケてます。
左が、今日のお話のコンテンツです。
順にお話がありました。先生はきっと
やさしい言葉で説明しようと思えばできる方です。
わざと、難しそうに話される時は、
内容を理解させようと思って話されているのではないと思います。
・・と、勝手に都合よく解釈して
以下、レオロジー(流体力学)については
お気楽に聞いていました。
詳しい内容は、録音記録したFCスタッフのレポートを
参照してくださいね。



流体力学の集合の中に力学が含まれる
という説明から全ての固体は
永い年月をかけて見ると液体と同じ動きをする
というお話。
物質の状態って、温度が違うだけですから・・と。
わかりやすい例として
蝋(ろう)でできた天使の人形を小学校の頃貰って
棚に飾っておいたら・・
気が付くとお辞儀をしている(中学当時)。
「・・大学の頃には・・こう・・土下座していましたね。」
(会場どっと笑う)



あと、マントルも固体だけど
ゆっくり動いているという例・・
(でもこれは、マントルって液体じゃないの?
と思っている人多数だったと思われます。)
そして、コンクリート(固体)が壊れたあとで
どういう動きをするかのシュミレーション
を液体の流れる様子から、数値で解析しているのだ
・・というお話でした。
雰囲気だけは、よく判りましたね。
この数式(左)は、特別思い入れ深いモノ
なのだそうです。
(左すみに、本当は森先生が映っています。
トリムしてしまったのだけれど、どうしても
見たい方・・・います?)


ここらで、ギャグを入れないと、お客が引いてしまう・・と思われたのか
「声の低い犬」→「ハスキー」
「憂鬱そうなコリー」→???「ね?もう、判りましたね?」
(答が気になる方は、AOYAGI掲示板へ)
今日の様な講演会で、唯一考えて来るネタは”どんなギャグを言おうか”
なのだそうです。
「面白くないですか?」と、生徒に語りかける・・これって先生の間合いだなぁ
・・と、思いました。
「しーんとしちゃいましたね?」のひとことで、生徒は笑います。
そう、語りかけの話術ですね。何時の間にか会場はすっかり
森先生のペースに引き込まれています。(わたしも・・)


リアリティに関する森先生のこだわりがステキでした。
これは、作品を書くときに常にみせるこだわりのようです。例えば・・
そこで人が(殺されて)死んでいる。それを見た人が必ず「きゃあああああっ!!」
・・と、悲鳴を上げるのがお約束みたいだけれど・・どうだろう?
森には、そんな状況は想像できないですね。リアリティがない。
普通・・叫びますか?もっと、冷静になって、眺めているような気がするんですけど・・
うん。確かに・・。不意打ちで死体が目の前に現れりゃ、びっくりして叫ぶけど
それって、死体に驚いたんじゃないもんね。不意打ちされたら相手がどんなに
かわいいたれぱんだでも、おどろくものね。
遠くに人が倒れていて、仲間と一緒に見にいって、死んでることに気が付く・・
この場合は・・先生の言うとおり、叫ばないですね。叫ぶ必要だってないし。
必要?そう・・・私が、じぶん1人で発見したなら、
人が通りかかるのを見計らって「きゃああああああっ!!」ってやりますね。
ぼーっと見てたら犯人にされそうな気がするから(笑)。
動機や、探偵の独白シーンにもリアリティの追求の手を緩めない森先生。
先生の作風の独特の世界観の秘密が、このあたりにもありそうです。
話の流れで、金田一君はリアリティがない。つまらない。コナンは面白い。
・・と、ばっさり切る、切る。(笑)
「金田一?講談社やで?」
「コナン?小学館や!」と、突っ込みいれてる客がいて、
聞こえてる範囲でくすくす笑っていました。
さすがに、大学の人事権とか政治的なことには興味ありません
・・と言い切るだけのことはあります。


ABS(Anti-lock Brake System)

「ABSを意識して、ミステリィの落ちを書いているつもりなんです。」
わーい!!じゃ、森先生は人間ABSなのねーーーーっ!!
と、勝手に盛り上がる人達(>イニシャルDのファン)
森先生・・・イニシャルDをご存知なのかしら・・?(どきどき)
イニDファンへのサービス?いや・・そんなはずは・・。
そういえば、しょっぱなから「あ、森です。まさか清涼院流水
と思っている人は居ないとは思いますが・・」
なあんて、流水ファンサービス的な発言もあったし・・。(くすくす)
本当に、会場の私達の顔を見分けて、反応見ながらお話されているんじゃ
ないかしら・・?と、信じそうになりました。
いえ・・森先生は、視力が昔は4.0あって、今は悪くなって2.0なので
(会場の真ん中より後ろを示しながら)そのあたりまでなら顔の判別もつくのだと
おっしゃっていました。(まさか・・)とは思ったものの・・・
思わず、森先生ににっこりと微笑みかけて「良い顔」を作ってしまいましたね。
それにしても、奥様のネタは面白いです。1番笑いをとっていたのでは?
聞いてて微笑ましいから、会場の雰囲気が柔らかくなるって効果も
ありますが・・。これは、直接聞かないと駄目です。
簡単にいうと、フォークのブレーキと、戦車のハンドルです。
(簡単すぎる?)


gooの検索ヒット数ランキング・・だったかな?
つまり、ネット上で、どれだけその単語が登場しているか?
のランキング表がOHPになっていました。
これ、先生の手画きのんた君とか載っていて、ものすごく
かわいかったのに・・デジカメの保存に失敗(ショック)。
やっと助教授のOHPから作家のOHPになりました・・という感じ。
そのあとは、作品名を順に並べたOHPを見ながら、
「すべてがFになる」が本当は4作目だったのにデビュウ作に
なってしまった為に、無駄になった伏線や、設定のお話などなど・・。
「ミステリィ工作室」にでている話題も、直接聞くとまた感慨深いものです。
あと、作品のあちこちに秘められた仕掛けを
「誰も気が付いてくれないから・・」と、少しずつ打ち明けてくださいました。
Fで、萌絵が真賀田四季に会いにいった理由(没になった設定の1つ)とか・・
有里匠幻の名前のトリック・・地球スラの「まあ君」の正体・・
笑わない数学者の笑い声の秘密・・などなど・・。


そ・・そして、犀川先生〜〜!!
の、論理は皆「これ・・!!」

・・というお話。うんうん、そうだわ〜(はあと)・・と、どきどきしながら伺っていました。もう・・どうして犀川先生のお話になると、冷静でいられないのでしょうか?そうそう・・こんなCMコピーがありますよね?「子育てをしない父は、父親とは呼ばれない」・・だったかしら?(>うろおぼえ)。森先生はおっしゃいます。「じゃあ、なぜ父親と呼ばれなければならないのか?」「父親と呼ばれることに、意味があるとは思えない。」・・・このように、常に正しいと信じられている命題を、一度は疑ってみること。この精神が大切なのだというのです。「たばこは健康に悪いから、やめた方が良い。」という命題に対して、「じゃあ、なぜ、健康に悪くちゃいけないの?」もしくは「どうして健康に良くなくっちゃいけないの?」と、いちいち疑ってみるんですね。これが、犀川先生の論理の基本なのだと・・・

きゃああ〜そうね、そうね、犀川先生っていつだってそう言ってたわ〜!!

もう、このあとは・・犀川先生のセリフが断片的にながれて・・ながれて・・(わたしの頭の中で)もう、ウットリです。犀川先生のことを、森先生から教えて頂だけただけで、もうお腹いっぱいな気分でした。


あとは、質問コーナですね。1番最初の中学生の女の子の質問が、先生を一番びっくりさせたという点では面白かったです。彼女は学校で、お気に入りの先生に愛の告白をしたのだというのです。いきなりの話題に、森先生は両手を顔の両脇まで挙げて「びっくり・・!」というリアクション!これが見られただけでもラッキ・・(はあと)。でも、そのあと彼女は森先生にも告白したのです。「好きです」って。「森先生は、何と答えてくださいますか?」という質問だったわけです。好きの意味が・・・これじゃワカンナイですよね〜。「え?あなたには、学校に好きな先生がいる・・っていうお話じゃなかったんですか?」と、切り替えされて、彼女も苦笑しながら「あ、そうなんですけど〜・・・・でも・・」なになに?聞こえなくなったぞ??・・まあ、真剣な告白ではないということで、森先生も適当にはぐらかしてしまわれました。ふふふ・・・そんなの・・萌絵ちゃんがあんなに告白してるじゃないですか・・それに対して犀川先生が、どう答えているかを見れば・・十分でしょう?きっと、きっと・・森先生と犀川先生は、そういうところも同じなのだわ〜(これは妄想です) 。
あと、コンクリートの専門分野に関する質問が1件・・いきなり先生は生き生きと語り出します。まあ・・!やっぱり、学者としての森先生の方が魅力的?という感じをうけました。よく、判らなかったけど、とにかくコンクリートが壊れたあとの動きを解析する方法としては、森先生の液体の動きから計算する方法の他に、どこぞの外国の研究者の方法で微粒子(固体)の動きから計算する方法の2種類があって、全く異なる方法でアプローチしているのに、どうやら結果はほとんど同じになるらしい・・ということに、世界中でわたし(研究者の時の1人称)と彼しか気づいていないんですよ(笑)・・・ですって。かっこいい〜


あとは、質問者の方がレポートしてくださっている様ですので省略です。私は、犀川先生のお話が聞けた幸せに浸って、帰途につきました。熱が出てきたらしい妹をひっぱって・・・。イミナシジョークのことは日記に書きましたのでそちらをご覧ください。(象を冷蔵庫に入れる方法は3月の修羅場中日記へ)


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