てんとう虫コミックス第10巻


おそだアメ   9頁 小四75年11月号
 家へ帰ってきてドラえもんとにらめっこの決勝戦をしようとするのび太だが、ドラえもんがいないために待つことにする。とその時、どこからともなくドラえもんの声が聞こえてきて、帰ってきたら空き地へきてほしいという。今から30分前に話した言葉だという説明を不思議がりながらも空き地に向かうのび太。そこへフラフラのドラえもんが歩いてきた。ドラえもんが言うには、ジャイアンが久々に3時間ぶっ通しのリサイタルを計画しているという。しかしドラえもんにもやめさせる方法はない。その時のび太は先程の不思議な声について聞くと、ドラえもんは「おそだアメ」を取り出した。これを舐めて話すと、1粒10分、声が遅れて聞こえるのだ。これをジャイアンになめさせようと考えた二人は、アメをなめてジャイアンの歌の悪口を言うが、その時やってきたママが、聞こえてきた悪口を自分の歌の悪口と勘違いしてしまい、怒られてしまう。そしてリサイタル当日、のび太に薦められたジャイアンはおそだアメを全部なめてから歌い始めると、何も聞こえなくなってみんなは喜ぶ。だが夜の2時ごろになって遅れた声が聞こえ始め、ジャイアンの歌声に近所の人達が怒り始めるのだった。  

 (解説)これ以降も時々見られるパターン「ジャイアンの歌が聞こえる時間を遅くして、夜中に聞こえるようになってしまう」というものの原型ですね。話としては水準ですが、個人的には道具の名前の由来が笑えますね(わかります?)。にらめっこの決勝戦というものがなんだったのかも気になる(笑)。
人間切断機   10頁 小二75年12月号(人間切だんき)
 ママに電球を買ってくるように言われたのび太だが、テレビに夢中になっていたのび太はテレビを見ながらお使いに行きたいとドラえもんにせがむ。そこでドラえもんは「人間切断機」を出してのび太を切ろうとする。のび太は手品だと思うが、本当に上半身と下半身が切れてしまった。ドラえもんは下半身に電子頭脳をつけてお使いに行かせ、のび太はゆっくりとテレビを見る。さらに足を使っておやつも持ってきてもらう。しずかの家に誘われたのび太は糊付けしないままで足に乗っかってしずかの家に向かうが、途中ジャイアンにサッカーに誘われ、足だけ向かわせる。しずかの家で遊ぶのび太だが、ドラえもんは足を放っておくことを心配していた。果たして足はジャイアン達を怒らせてしまい、さらに邪魔な上半身がいなくなったことで、自分は自由に暮らそうと考え始める。そのことを聞いたドラえもんは足を追い掛けるが、のび太は足がやったことでジャイアンに殴られてしまう。すばしこくて捕まえられないドラえもんだが、一計を案じたドラえもんはのび太に水をたくさん飲ませる。おしっこがしたくなった足だが自分だけではズボンのチャックも開けられないため、のび太の元に戻ってきたのだった。  

 (解説)すごい、すごすぎる。人間を本当に切断して、しかもそれをノリでくっつけるなんて、あまりにもナンセンスというか、アブノーマルな感覚すら存在しているようにも思えますね。で、自我に目覚めた下半身に裏切られてしまうというのは「かげがり」と同じような展開ですが、その解決法も両方ともしょーもないやり方で、ここらへんもさすがドラだなと思わせてくれます。のび太をにらむ時のジャイアンの顔はすごく凶悪に見えます(笑)。
アパートの木   10頁 小五73年6月号
 部屋の中でジャイアン達と暴れるのび太だが、ママに注意されたためにジャイアン達は帰ってしまう。しかも部屋を散らかしたり、寝そべりながらおやつを食べることをいちいち注意され、のび太は外へ行こうとする。その時ついでに大学へ通っており、アパートで一人暮ししているいとこの五郎に届け物をするように頼まれる。そこで見た五郎の自由な生活に憧れたのび太は自分もアパートを借りて住もうとするが、もちろんパパ達に叱られる。諦めきれないのび太にドラえもんは「アパートごっこの木」を出し、苗を庭に植えると10分で生長し、地下茎がそのまま部屋になった。荷物を運び、友達も呼んで大騒ぎするのび太達だが、夜になってさすがにママも怒り始め、仕方なく夜だけ家に帰ることにする。ところが翌日、アパートが何故かなくなっていた。アパートごっこの木は一晩で腐ってしまい、土にうずまるというのだ。二人はみんなの荷物を掘り出す羽目になるのだった。  

 (解説)子供の持つ秘密基地願望をストレートにかなえるという、夢のある話ですアパートにすんで一人でいたいというのび太の気持ちは非常に良くわかる(笑)。ですがアパートの木は所詮「ごっこ」だったために腐ってしまいました。この辺りのネーミングセンスもさすがですね。でも五郎さんは少し汚すぎ(笑)。
ようろうおつまみ   4頁 小三75年12月号
 クリスマスの夜、お酒をもっと飲もうとしたパパだがママに止められてしまう。お酒が大好きなパパに好きなだけお酒を飲んで欲しいと考えていたのび太は、ひそかにためていた貯金でお酒を買ってこようとする。それを聞いたドラえもんは「養老の滝」の話を引き合いにして、「ようろうおつまみ」をだした。おつまみを食べてから水を飲むと、おつまみが水を上等の酒に変えるのだ。喜ぶパパだが、一緒に少し飲んでしまったママは次第に酔っ払ってしまう。お酒を買ってきたのび太だが、家ではベロベロに酔っ払ったママが屋根の上で歌を歌っているのだった。  

 (解説)パパのために小遣いをずっと貯めつづけていたのび太や、酔っ払うと性格が変わってしまうママなど、メインキャラクターの普段と違う一面が垣間見られる話です。特にママの陽気な一面がすごいですね。すごすぎる気もしますが(笑)。のび太にもよく小遣いを貯める根性があったと思いますね(笑)。
見えなくなる目ぐすり   8頁 小四75年12月号
 ジャイアンから、自分の貸した本を返してもらおうとするのび太だが断られ、おしまいのページにジャイアンの悪口が書いてある本をとり返すために、「見えなくなる目ぐすり」を貸して欲しいとドラえもんに頼む。ドラえもんも年末で忙しいのだが、仕方なく目薬を貸す。早速つけてみたのび太だが、鏡で見る限りでは自分の姿が見える。ママに聞こうとしてもママがいないため、仕方なくジャイアンの家へ向かう。だが外にも人っ子一人いない。それどころか何かにぶつかったり、自転車が独りでに走ったりと変なことばかりが起こる。実はドラえもんがのび太に貸したのは透明人間になる目薬ではなく、他の人が目薬をさした人間に見えなくなってしまうというものだったのだ。だがのび太はそれに気づかず、そのままジャイアンの家に乗り込んでしまう。ジャイアンが家にいることもわからずにジャイアンの目の前で落書きを消すのび太。怒ったジャイアンはのび太に殴りかかるが、のび太は何故痛くなったのかさえもわからない。勘違いに気づいたドラえもんが戻ってくると、のび太は殴られたのを病気だと勘違いして寝こんでいた。のび太は最後まで気がつかなかったのだ。  

 (解説)今回は最後まで道具の秘密に気づかなかったのび太の起こす騒ぎがメインですが、誰もいないと思っているのび太と、そんな伸び太の姿を不思議に思う他の人達とのギャップが、否応なく笑わせてくれます。途中で道具の説明をするのがドラではなく作者だというのもサービスですね。しかし、気づかないもんかなあ(笑)。
いつでも日記   8頁 小三72年2月号(イツデモ日記)
 ことしからつけ始めたのび太の日記が三日坊主で終わっているのを見たドラえもんは、日記を続けろと言うが、のび太はそんな前のことは覚えていないと反論する。そこでドラえもんはいつでも日記をつけられる「いつでも日記」を渡す。のび太が書こうとすると、手が勝手に動いて日記を書き始めた。だがのび太はなんと今日の分まで書いてしまった。未来のことまで書けることは知らなかったドラえもんも喜ぶが、そこに書かれていたのは、のび太が犬にかまれ、スキーで滑って怪我をするというものだった。そばで災難にあうのを見るのは辛いと言ってドラえもんは出掛けてしまい、のび太は外にでないようにするが、お客が連れてきた犬にかまれてしまう。絶対に外に出ないと誓ったのび太は友達の誘いも断り、ママの注意も無視して部屋にこもる。しかしパパにスキーをやれと言われたのび太は咄嗟にスキーがなくなってしまったと話すが、パパに見つかる前に物置のスキーをとって隠そうとする。だが二階へ上がる時に階段で転んでしまい、スキー板のせいで下まで一気に滑ってしまった。結局スキーのせいで怪我をしてしまったのだ。  

 (解説)今話も「こじつけギャグ」は全開ですね。個人的にこの種のギャグ話は一番好きなタイプの話なので、この話も特に好きです。しかし災難にあうのを見るのは辛いと言ってすぐに出掛けてしまうドラは、自分がこの世界にやってきた本来の目的を忘れているような気がしなくもないですね(笑)。
百年後のフロク   9頁 小四76年2月号
 雑誌の「小学四年生」を読み終えたのび太は、セワシが買っている未来の「小学四年生」が読みたいと言い出した。セワシがいなかったために勝手に持ってきたドラえもんだが、のび太は雑誌とフロクの小ささに驚く。雑誌は広げると大きくなるのだ。マンガも記事も全部音声付きで、楽しむのび太。次にふろくで遊ぼうとするが、のび太には頭を使うふろくは難しかったため、着せ替えセットで遊ぶために庭に出る。ジューンと言う未来の人気アイドルを使ってに実物大着せ替えセットを楽しむのび太だが、そこを偶然見たスネ夫はジャイアンやしずかに話してのび太の家に向かう。だが行って見ると今度は立体スコープで映し出された恐竜などがあった。みんな揃ったということですごろくをやり始める五人。それぞれの地名に進むと、みんなは本当にその場所に飛んでしまった。しずかだけが振り出しに戻ってしまうが、その時セワシが現れ、雑誌とふろくを持っていってしまう。のび太を呼ぶママに、当分は帰れないと説明するしずかであった。  

 (解説)ドラえもんというマンガの舞台である学年誌を元にして、想像力豊かに未来の雑誌を描いています。今回はのびドラよりもその他の三人が面白いですね。勘違いするスネ夫もそうですが、話を聞いて『うらやまし…、いや!いやらしいやつめ。』『おれにもやらせ…いや、やめさせよう。』と言うジャイアンの葛藤は爆笑ものです。ラストのしずかの冷静な態度もさすが。やはりしずかは大物だ(笑)。
夜を売ります   4頁 小三75年3月号(電球クラクナール)
 「つけると暗くなる電球」の使い道を探すドラえもん。のび太は徹夜で眠いが明るすぎて眠れないというパパに電球を1時間10円で売り、電球を使って夜が欲しい人に電球を売る計画を立てる。早速、受験勉強をする人やスライドを見ようとする人達に売っていく二人。懐中電灯を催促されるが、なんとその男は強盗だった。二人が懐中電灯で強盗を照らし、偶然ぶつかった人から金を取ろうとする強盗だが、その人はお巡りさんで、強盗は捕まってしまうのだった。  

 (解説)使い道がないって言っても、やはり便利じゃないですか(笑)。こういう事にかけては天才的なアイデアを出すのび太が今回でも大活躍していますね。ラストのオチもこういったストーリー展開では定番なのですが、安心して見られる一編ですね。
XYZ線カメラ   5頁 小三76年2月号
 ずっと立ち読みをし続けてきたのび太だが、ついに店の主人に追い払われてしまう。それを聞いたドラえもんは本屋に行って「XYZ線カメラ」を出して本を撮影する。物の中身を写すカメラで、本の全部のページを撮影したドラえもんは部屋でその写真をのび太に見せる。他にも使い道を探すのび太は、お客のお土産を調べたり、スネ夫の意地悪を暴いたりするが、しずかがそのカメラで写真を撮って欲しいというので断るのび太。しかしケチと言われたのび太は本人が希望するのならと写真を撮ろうとする。悩んだ末にシャッターを押すが既にフィルムはなくなっており、ほっとしたようながっかりしたような、複雑な気分にかられるのび太であった。  

 (解説)のび太のエッチ根性全開の話です(笑)。しずかも今回はやけに口が悪いですね。もう少しページ数があれば、もっと内容が充実したと思うのですが、それはないものねだりと言うものでしょうか。道具のネーミングの秀逸さは相変わらずです。
ニセ宇宙人   10頁 小六76年2月号
 のび太に偶然撮れたという空飛ぶ円盤の写真を見せるスネ夫とジャイアン。さらに宇宙人と会って話をし、今夜も空き地にやってくるという事も聞いたのび太はドラえもんと一緒に空き地に向かうが、寒がりのドラえもんは先に家に帰ってしまう。結局風邪をひいてしまうのび太だが、あの写真がインチキだったことを知り、怒った二人は逆に二人をだまそうと「組み立て円盤セット」と「ラジコン宇宙人」を出す。夜、またウソの写真を撮ろうとするジャイアン達の前にドラえもんの操る円盤が現れ、中から宇宙人が現れた。ドラえもんの操る宇宙人は平和のために首相と話をしたいと言い、二人はなんとか首相を呼ぼうとするが来るわけもなく、逃げ出してしまう。しかし追いつかれた二人は明日には必ず約束を果たすといって逃げ出す。仕返しを果たしたのび太だが、翌日の学校で先生に相談する二人を見て、『まだやってる。』と呆れてしまうのび太であった。  

 (解説)お互いに偽者を使ってだまし合っているわけですが、さすがにドラの出したものはすごいですね。あれに乗って未来の幼稚園児が遊ぶのだから、つくづく22世紀はすごいなあと感心します(笑)。初出時の頃はSFブームの黎明期のような時期だったので、このような話が出来たのでしょうか。首相官邸に電話していたスネ夫。よく番号を知ってたな(笑)。
お天気ボックス   8頁 小三71年11月号
 天気予報で明日の天気が雨だと予報されたために、明日はハイキングに行けないと残念がるみんな。しかしのび太は明日は晴れるといい、スネ夫とげんこつ30発をかけることになってしまう。家に帰っていたのび太はドラえもんに明日の確認をする。ドラえもんは天候を自由に変える「お天気ボックス」を出してのび太の部屋の中で実験するが、風を起こした拍子に晴れのカードがなくなってしまう。これがなければ明日晴れにすることは出来ないのだ。急いで探しに行く二人だが、のび太は明日自分を殴る準備をしているスネ夫を見て焦るが、結局見つからなかった。ドラえもんは晴れのカードとそっくりのカードを作って見るがやはりダメで、ついに雨が降り出した。てるてる坊主を作り始めるドラえもんだが、翌朝「雲とりバケツ」を使って雨雲を集め、なんとか晴れにした。安心してハイキングに出掛ける四人。しかしドラえもんはバケツを家の中でひっくり返してしまい、家の中で雨が降り始めるのだった。  

 (解説)タイトルにあるくせに実際は役に立たなかったという、大変珍しい役割を持ってしまった今回の「お天気ボックス」。そのためかファンの間でも人気は高くありませんが、この道具も中期以降、コンスタントに登場するようになりますね。全体としてはギャグ仕立てで、殴られた時の痛みを減らすために鍋を頭にかぶるのび太とスネ夫の図は最高です。初期作らしくキャラの表情にも制限がなく、純粋に笑える娯楽作になっています。
いないいないシャワー   8頁 小五75年12月号
 またも外に出たがらないのび太。パパにもママにも注意されても出ようとしない。ドラえもんがわけを聞いてみると、友達が交通事故にあったというので、ジャイアンはどんな時でも身軽にかわせるように、町の中ででスキを見てお互いに殴りかかることを提案したというのだ。弱気なのび太に仕方なくドラえもんは「いないいないシャワー」を出す。これをかぶると蜃気楼と同じ原理で光を屈折させ、本来自分がいないところに自分の姿を映し出すことが出来るようになるのだ。これを使って外に出たのび太を狙うジャイアンだが、どうしてものび太を殴れない。次にのび太が蹴り飛ばすと、ジャイアンは他のみんながやったものだと勘違いしてみんなを殴ってしまう。結局この遊びは中止になり、一安心するのび太。だがその夜、シャワーを落すのを忘れたのび太は寝ている姿の虚像が廊下に映し出され、パパ達に注意されてしまうのだった。  

 (解説)オチが爆笑タイプのものではなくて、比較的落ち着いたものなのですが、不思議な余韻が残りますね。ジャイアンの言い分もわからなくはないのですが、結局は誰かを殴りたかっただけのような気がします(笑)。今回パパの髪形が違うのですが、これはどうしたことなのでしょう?あと、現在の版では修正されているのでしょうか?
ハリ千本ノマス   9頁 小四75年4月号
 何やら落ち着かない様子ののび太。ドラえもんがのび太に電話がかかって来たというと、何故かそれを信じようとしない。ママに叱られて電話に出るとそれはスネ夫からで、切手のコレクションを止めるので今まで集めた分を上げるから取りに来いという連絡だった。だがのび太はそっけない。ジャイアンが訪ねてきて、余ったケーキをわけてやるから取りに来いと言われても全く態度を変えない。その時になってドラえもんは今日が4月1日・エイプリルフールであることを思い出した。毎年だまされているため人間不信になっているのだ。一方ジャイアンとスネ夫の話を聞いたしずかは、のび太に親切なウソをついてあげようと考えていた。ドラえもんはのび太の前で「ハリ千本ノマス」という道具を出し、これをつけた状態でウソをつかれると、それが全て本当になってしまうと説明する。最初は疑うのび太だが試しにママにうそをついてもらって、小遣いを貰ってしまう。喜んでジャイアン達の下に向かったのび太はジャイアンとスネ夫からケーキと切手を貰う。喜ぶのび太だが、しずかが現れ、のび太の家が火事だというウソをついてしまったため、しずかはマッチを持ってのび太の家に向かってしまい、のび太はドラえもんにバッジをはずしてくれるよう頼むのだった。  

 (解説)またもウソをホントにしてしまう道具の登場ですが、相手に言われなければ効果を発揮しないという点で、今までの同類道具との差別化が図られています。今回はさすがにのび太も反省したようで疑り深くなっていますが、もしかしたらかつてジャイアンにつかれた最低のウソを思い出していたのかもしれませんね。今回、親切なウソをつこうとするしずか。ウソって親切なのか…(笑)?
人形あそび   7頁 小二72年12月号(お人形あそび)
 野球に出かけようとするのび太達だが、お客の子供のみっちゃんと遊ぶようにママに言われる。だがみっちゃんがしようとしたのは人形遊びだった。さすがにいやがるのび太だがママに叱られ仕方なく遊び始める。しかしそこをスネ夫に見られた二人は慌てて家に隠れる。困った二人だがドラえもんが一計を案じ、みっちゃんの人形に「ほねぐみロボット」をセットして一人で遊べるようにする。安心して野球に行く二人だが、今度は人形達がワガママを言い出して、二人は一応何とかするが、人形達はみっちゃんを放っておいて自分たちだけで遊んでしまう。人形に人形遊びをしようと言われたみっちゃんは、今度はのび太とドラえもんを人形の役にして遊ぼうとするのだった。  

 (解説)のびドラが小さい子のワガママに振りまわされるという話もよくありますが、人形にまで振り回されてしまうというのが今話の特徴でしょう。さすがに表で人形遊びをするのは恥ずかしいですよね。のび太達の気持ちはよくわかります。この後に「弟をつくろう」があるのは、狙っているのでしょうか?話の大筋も同じだし。
弟をつくろう   8頁 小五76年1月号
 家に遊びに来ていたお客の子供の兄弟を見てママが誉めそやし、のび太に見習うように言うが、弟のいないのび太には兄の気持ちなどわかるはずもない。怒るのび太だったが、突然昔のことを思い出した。大きな男の子と暗いトンネルを通って何処かへ行った記憶があるという。つまりタイムマシンで三歳くらいの自分を連れてきて弟のいる気分を味わおうというのだ。早速過去に向かうが、三歳ののび太は連れ去られそうになって騒ぎ出す。キャンデーにつられてついてきた三歳ののび太は、今ののび太と一緒に遊ぶ。そこを目撃したママは、小さい男の子が誰だかわからない。ドラえもんに聞くと自分の子供だと言われ、ママはわけがわからなくなってしまう。パパに電話で聞いてみると、パパはドラえもんを含んで四人家族だと答えるが、それを聞いたママは放心状態になってしまう。のび太は三歳ののび太とケンカしてしまい、三歳ののび太はママに抱きつき、ママも現在の自分の子供だと思いこんでしまう。結局のび太は昔の自分を元の時代に戻し、食事が五人分あるのを見て不思議がるパパにお説教をするママを背にしながら黙々とご飯を食べる二人であった。  

 (解説)今回の面白いところは、ママ一人だけが勘違いしていて、しかもその勘違いに他の誰も気づいていないという事でしょう。そのためにドラやパパの何気ない一言で動転するママの様子が面白おかしく描かれています。ですが、前話の「人形あそび」と同様、ママは子供の都合を全く考えないのですね。特に「兄」について見習えと言われたって、自分より年下の人間がいないのならどうしようもないでしょう。と、のび太と同じく小さい頃から同じようなことを言われつづけてきた僕の独り言でした(笑)。
動物がたにげだしじょう   6頁 小三75年11月号(動物がたにげ出しじょう)
 空き地で遊んでいたみんなだが、機嫌の悪そうなジャイアンを見てみんな帰っていく。そんなのび太にドラえもんは各種の動物のように身を守れる「動物がたにげだしじょう」を出す。そのことをスネ夫に自慢したのび太だが、スネ夫は薬を全部飲んでしまう。追いかけるのび太をカメレオンの効果でやり過ごしたスネ夫は友達と共にジャイアンの下に行き、ジャイアンをバカにする。しかしカメの効果が働いてジャイアンをやっつけるスネ夫、そこへやってきたのび太から再びスネ夫は逃げるが、その時トカゲの効果が働いて、スネ夫はと影の尻尾のように服を切り離して素っ裸になってしまう。慌てて土管に隠れるスネ夫だが、その時にスカンクの効果が働いてしまい、みんなだけでなく土管の中にいたスネ夫まで臭がってしまうのだった。  

 (解説)今回は実質スネ夫が主役という事で、スネ夫ファン必見の話です(笑)。後ろ盾があれば気が大きくなるスネ夫の性格を端的に表現しており、ラストのオチとあいまって面白い作品になっています。しかしのび太は何故先に自分で飲まなかったのだろう?
たとえ胃の中、水の中   9頁 小五75年11月号
 しずかが改まってのび太たちのもとに相談に来た。しずかはピーナッツを食べていた拍子にママのオパールを飲みこんでしまい、何とかして欲しいと言う。ドラえもんは「小型潜水艦」に乗りこんで「スモールライト」で小さくしてもらい、しずかの体内に入りこんでオパールを探そうとする。悩むしずかだが仕方なく了承し、二人は潜水艦で体内に入っていく。寝そべって安静にしているしずかの胃に到着した二人はオパールを発見し、近くに水のある風呂桶までジャンプして無事脱出に成功した。部屋に戻ってくると、二人が脱出したことを知らないしずかがまだ寝そべっていた。しずかを驚かそうと考えた二人は、潜水艦が壊れたために腸を通って、明日の朝頃に出ることになるだろうとウソをつく。泣いていやがるしずかだが、ウソだと知ってのび太達に物を投げつける。その際のび太がインクビンを飲みこんでしまったため、また取りに行く羽目になってしまうのだった。  

 (解説)なんか今回のしずかはいつもと描き方が違うような気がしますが、まあそれはいいでしょう(笑)。でものび太の言うとおり、もっと大冒険的なものがあればもっと面白くなっていたような気もします。この話の面白さはラストのオチにあるので、しょうがないんですけどね。ちなみにのびドラが明日の朝に出ると聞いて何故しずかが嫌がったのかというのは・・・・・公序良俗に反するので書きません(笑)。まあ女の子ですから、それもしょうがないですね。
ねがい星   9頁 小二70年7月号
 ポケットの中を整理しようとして中身を散乱させてしまったドラえもん。捨てるものを選んだドラえもんだが、のび太はその中から使えるものがないか探す。しかしどれも役に立たないものばかりで、結局埋めることにする。その時のび太は光り輝く星を見つけた。それは「ねがい星」と言って、どんな願いもかなえてくれるというが、ドラえもんはそれも埋めてしまう。それを見たスネ夫はジャイアンと一緒に掘り出しに行き、同じくやってきたのび太を追い返して掘り始めるが見つからない。ところがのび太が星に願うとねがい星が飛び出てきた。二人に追いかけられるのび太は星に隠してもらうが、そこはごみ箱の中だった。部屋に戻って何を叶えてもらおうか考えるのび太だが、悩む間にジャイアンに星を持って行かれてしまう。だがドラえもんはそれでよかったと言う。ねがい星は勘違いばかりしてしまうのだ。ジャイアンはタイヤキを出してもらおうとするが、出てきたのはタイヤと木だった。星を奪ったスネ夫は金を出すよう頼むが、くず鉄が出てきて、さらにママの香水を出そうとして洪水を呼んでしまう。のび太もずぶぬれにしようと考えたスネ夫はのび太の部屋に雨を降らせようとするが、降ってきたのはアメだったため、喜ぶのび太とドラえもんであった。  

 (解説)これも「こじつけギャグ」でしたね。忘れてました(笑)。のび太を含んだ三者三様の願いと、その勘違いによって出されたものを描いて、おかしい話に仕上がっています。ねがい星を呼び出して手に入れたのび太はなかなかです。でもいくらいらないものだからって、地面の中に埋めてもいいのだろうか?
人間ラジコン   9頁 小五75年9月号
 どうしても野球で勝てないジャイアンズを見て、ジャイアンは特訓を開始する。それぞれの用事を話しても聞く耳を持たない。やってきたドラえもんは事情を察し、ジャイアンに「人間ラジコン」の受信機を取り付け、ジャイアンを追い払ってしまう。のび太もコントロールするが下手だったためにジャイアンに気づかれてしまい、操縦を止められなくなった二人は仕方なく自動操縦に切りかえる。だがジャイアンがどんな目に合うかを想像し悩む二人。一方のジャイアンは歩き回ってスネ夫や他の友達からアイスや本を貰い、火事を未然に防いだり、しずかの入浴を覗いたりして楽しむ。きりがないとスイッチを切ったドラえもんとのび太は二人でジャイアンの所に謝りに行くが、ジャイアンはもっとやって欲しいと頼み、驚く二人であった。  

 (解説)のびドラのした事が裏目に出てしまうという事は数あれど、結果的にジャイアンを喜ばせる事になってしまうという展開は、全作品を通しても珍しいのではないでしょうか。今回は本当にジャイアンはおいしい思いをしており、ここらへん、のび太と差が出た感じ(笑)。のびドラの想像と実際にジャイアンの出くわした出来事とのギャップが笑えますね。
スピードどけい   7頁 小二75年8月号
 夏休みを楽しみにするみんな。しかしのび太は夏休みが来るのが遅いといってイライラしっぱなし。そこでドラえもんは時間を日単位で進ませる「スピードどけい」を出し、夏休みにしてしまう。だがのび太はママに叱られている最中に夜にしてしまったり、明日が待ちきれないと言って朝にしてしまったりと、無駄使いしてしまう。さらにしずかやジャイアンに頼まれて使ってしまい、いつのまにか夏休みはあと1日になってしまった。宿題が全然出来ていないのび太を見てドラえもんは最初に時計を使った日にちまで時間を戻すのだった。  

 (解説)ギャグの体裁ではありますが、作者の言いたいことはやはり「時間を無駄にするな」という、単純かつ大切な事ではないでしょうか。自分の勝手な都合で時間を進めたりしてしまうことはやはりタブーですからね。でものび太の気持ちもよくわかります。10月28日とか、11月25日を待っている人間としては、非常によくわかるのです(大笑)。(←1999年10月16日時点での話)
のび太の恐竜   27頁 少年サンデー増刊75年9月5日号
 スネ夫からティラノザウルスの化石を自慢されたのび太は、自分は恐竜の化石を丸ごと発見して見せると宣言するが、言った瞬間に後悔してしまう。それでも絶対に見つける決意をしたのび太だったがドラえもんにも断られてしまい、ついに自分一人で調査を開始する。ドラえもんは暖かい目で見守ろうとするが、のび太にはその顔は「ニタニタとしまらないうす笑い」にしか見えなかった。のび太は近くのガケに行って掘り始めるがやはり化石は見つからない。しかも下にある家に主人に迷惑をかけたとして、ゴミを埋める穴を掘らされてしまう。だがその時、恐竜の卵のような大きな丸いものを見つける。早速スネ夫の家に連絡するが、ドラえもんの答えはそっけない。しかしドラえもんが落したタイムふろしきを使って完全に復元しようとする。だがタイミング悪く、その時にスネ夫が来たために卵を見せることができず、鼻でスパゲッティを食べるという無茶な約束をまたしてしまう。復元されたものは完全に恐竜の卵だった。それを色々騒ぎながら暖め、ついに卵から恐竜が誕生した。
 ピー助という名前をつけたのび太はさらにこれを育てることにする。ジャイアンやスネ夫にバカにされたり、ママに疑われたりしながらも、エサを与えたり水浴びさせたりしてピー助を育てていくのび太。だがいつかは白亜紀に返さなければならないことも自覚していた。成長したために公園の池にはなしてきたのび太がいよいよスネ夫に見せようとしたその日、のび太は熱を出してしまい、そして3日目、心配になったピー助が家までやってきてしまった。回復したのび太はみんなに見せようとするがみんなは出かけており、さらにピー助の存在がばれ始めた。のび太はピー助の幸せのためにピー助を白亜紀に連れて行く。それでもなおのび太にすがろうとするピー助を初めて叱ってタイムマシンに飛びこむのび太。つらい別れを経験したのび太だったが、鼻でスパゲッティを食べられるようになる機械を出してくれと、またもドラえもんにすがるのだった。  

 (解説)ご存知の通り、これは後に修正、追加されて大長編の第1作となった作品です。ですが「のび太とピー助の友情の物語」というテーマはこの時点で既に完成しています。のび太の無茶な約束も相変わらずですが、それ以上にピー助を想うのび太の優しさが丁寧に描かれています。ピー助の本当の幸せを願って、最初で最後、ピー助を叱り飛ばすのび太の姿には、文句なく感動させられます。そしてこの物語は、後に完全版となって補完されることになるのです。



前ページに戻る