てんとう虫コミックス第4巻


のろいのカメラ   15頁 小三70年10月号
 のび太がまたいじめられてきた。スネ夫にバカにされたと悟ったドラえもんは激昂してそのまま飛び出していってしまい、のび太はドラえもんの仕返しする様を思い浮かべてほくそ笑む。ドラえもんは悪魔の発明と言われている「のろいのカメラ」を取り出した。その威力はドラえもんが道具の効果を思い出すだけで恐怖してしまうほどだが、しかしスネ夫にバカにされてもどうしてもカメラを使うことが出来ない。考えるうちにドラえもんは家の玄関で居眠りしてしまう。
 それを見たのび太が何気なくカメラでドラえもんを写すと、その瞬間カミナリのような轟音が鳴り響く。するとカメラからは人形が出てきた。パパとママも写してみたのび太は、誕生日プレゼントの代わりに人形をしずかに渡す。しかし気に入らなかったしずかは隣に住むガン子に人形をあげてしまう。一方自分が写されたと知ったドラえもんは仰天し、のび太の人形を写して実験する。人形に何らかの外圧を加えると、それが写された本人にそのまま伝わってしまうのだ。
 慌てて取り戻しに行く2人だが、ガン子は友人であるジャイ子のところに出かけており、2人はお医者さんごっこを始める。熱があるといってパパとママの人形を冷蔵庫に入れたためにパパ達は凍えてしまい、手術と称してドラえもんの人形をバラバラにしようとする。苦しむドラえもんだったがジャイ子の母ちゃんが刃物を取ったので、その場は事無きを得る。続いてガン子達はドラえもんの人形の葬式を行うことにし、それを見たスネ夫はもっと本式に火葬にしようと言い出した。ドラえもんはその熱さで苦しみだし、スネ夫も人形の秘密に気づいてしまったが、のび太がなんとかすべての人形を取り戻した。
 ドラえもんは今度こそスネ夫に仕返しをするため、密かに写しておいたスネ夫の人形の下半身に水をかけ、スネ夫がおもらしをしているような状態にさせてしまうのであった。  

 (解説)ハチャメチャと言うかナンセンスと言うか、とにかくすごい世界ですね。ドラの表情も豊かだし、初めてのび太がカメラを使った時のショックのコマが三連続で続くのも面白いです。世界に違和感なくとけ込んでいるガン子もいいですね。状況からいって、ジャイアンが出てきても良かったような気がしますが。
ソノウソホント   10頁 小二71年7月号
 改まってパパにお願いをするのび太。パパは自転車や望遠鏡を欲しがるのではないかと考えるが、のび太の頼みとは彼が持ってきた大きな石を割ってほしいということだった。そんな事はできるはずもないのでパパはもちろん断り、困っているのび太にドラえもんが事情を聞くと、友達同士ででパパの自慢話をしていた時、ジャイアンの父ちゃんが板を片手で割るという話を受けて、ウソをついてしまったと言うのだ。友達は石を割るところを見に来てしまい、弱りはてるのび太にドラえもんは仕方なく「ソノウソホント」を出してやる。これを口につけてウソをつくと、どんなことでも本当になるのだ。試しにのび太の鼻に花を咲かせてみるドラえもん。
 早速のび太が使ってみるとパパの体が勝手に動き、石をげんこつで割ってしまった。驚き感心するみんなをよそに悔しがるジャイアンはその事を父ちゃんに話し、父ちゃんはのび太のパパに力比べの相撲を申し込む。嫌がるパパだがのび太は再びソノウソホントを使い、パパを勝たせてしまう。
 しかしそこでのび太は調子に乗って、パパはスーパーダンだとウソをついて空を飛ばせてしまい、ドラえもんに注意される。そして最後にのび太は道具を使って、パパに自転車と望遠鏡を買ってきてもらうのであった。  

 (解説)ウソが本当になるという道具はいくつかありますが、このソノウソホントと3巻に出てきた「うそつ機」は非常によく似ています。というよりそっくりですね。何か意図があるのか、それとも忘れただけなのか(笑)。のび太がパパはスーパーダンだといった時に驚く友達の顔(特にジャイアン)がなんか笑えるんですが。あと、冒頭で金魚にエサをやっているドラも微笑ましくていいですね。
おもちゃの兵隊   8頁 小四74年8月号
 空手のまねごとを覚えたので、のび太を殴ろうと追いかけ回すジャイアン。公園の中に逃げ込んだのび太は電話でドラえもんに助けを求めるが、ジグソーパズルに夢中で手が離せないドラえもんは代わりにある物をのび太の下に送る。困り果てるのび太は遂にジャイアンにつかまってしまうが、その時「おもちゃの兵隊」が現れた。笑い飛ばすジャイアンだが、兵隊達の攻撃は思った以上に協力で、逆に攻撃されて黒コゲにされてしまった。
 安心して家に帰るのび太だが、飛んできたスネ夫の野球ボールを兵隊が撃ち落してしまい、のび太に文句を言ったスネ夫は敵とみなされて兵隊に攻撃されてしまう。一度敵と認識したら絶対に攻撃を止めないので、命令を解くために家へ急ぐのび太。しかしその途中、呼び止めるためにのび太の肩を叩いたしずかまで攻撃されてしまい、更にのび太を叱ったママが今度は標的になってしまう。
 ドラえもんに助けを求めるのび太だが、その時ドラえもんの作っていたジグソーパズルを崩してしまい、怒ったドラえもんは兵隊に攻撃されてしまう。ドラえもんは真っ黒焦げになったままで気を失ってしまったので、結局兵隊を止める方法が分からず、逃げ続ける羽目になるママであった。  

 (解説)しかしみんなすさまじいほど黒コゲになりますね(笑)。個人的にはラストのドラの黒コゲが好きです。あれは完全に壊れてる(笑)。パズルに熱中しててのび太を助けに行かないというのも薄情だなあ。ちなみにジャイアンが空手のまねをしているのは、当時の映画「燃えよドラゴン」の影響でしょうか?
アベコンべ   8頁 小三71年7月号
 自分の出したある道具の使い道を考えるドラえもんはのび太に相談するが、珍しく真面目に勉強していたのび太は怒る。ドラえもんは何気なくその道具を使って消しゴムにさわり、それを知らないのび太が普通に使うと、なんと消しゴムをかけた所が真っ黒になってしまった。ドラえもんの出した道具は「アベコンべ」といい、これで触ると触った物が本来の物とはあべこべの機能を発揮するようになるのだ。
 扇風機につけるととても熱い風が出たりして、良い使い道がないため捨てようとするドラえもん。しかしのび太はそれを止め、いろいろやって良い使い道を見つけようとする。ひげそりや掃除機、冷蔵庫やタバコなど家中の色々な所に触ってみるが、逆にパパやママが巻き込まれて大騒ぎを起こしてしまい、2人はたまらず外へ逃げ出す。のび太に注意するドラえもんだがその時はずみで通りかかった女の子の持つ風船に触ってしまい、重くなった風船に押しつぶされ、更に偶然自分の頭に触った為に狂ってしまう。
 自動車や金魚を始め町中の色々な物をあべこべにしてしまうドラえもん。アベコンべを逆さに使って騒ぎをおさめたのび太だったが、結局いい使い道は浮かばず、あきらめて宿題をするのび太だが、やはり問題を解くのは難しい。その時名案が浮かんだドラえもんはのび太の頭をアベコンべで触る。するとのび太の悪い頭が良くなってしまい、のび太は宿題をスラスラ解いてしまうのであった。  

 (解説)この意味不明のバカ騒ぎが初期作の見所ですね。しかし捨てた方がいいといって窓から捨てようとするドラは一体…。それじゃ不法投棄と一緒じゃないか(笑)。パパの顔がヒゲだらけになったり、頭に靴をのせ、足を帽子に突っ込むおじさんなど、ビジュアルはどれも強烈です(笑)。ですが今回一番の見所は、車を担ぐという大役をこなした藤本・安孫子両先生ですね。
海底ハイキング   16頁 小学館ブック74年7月号(メインタイトル『ドラミちゃん』)
 夏休み、それぞれの目標を話す友人達にのび太は大きな計画を実行することを自慢げに話すが、他のみんなはのび太の言う事を信じていない様子。のび太はドラえもんが休養中の間に駆けつけてくれたドラミの出してくれた様々な道具を使って、日本からサンフランシスコまで海底を歩いて太平洋を横断しようという計画を練っていたのだ。旅の間の留守は、ドラミが改造したのび太そっくりのロボットを家に残すことにし、ある日の朝早くにのび太は出発する。
 海底の美しい景色に見とれながら順調に大陸棚を進むのび太は、のんびりと食事をとったりサメを水圧銃で倒したりしながら順調に進む。しかし家では中古を改造したためにあまり出来の良くないのび太ロボットが騒ぎを起こし、ドラミを困らせていた。
 一方のび太は大陸斜面を降り、ついに深海に到達した。いくら進んでも真っ暗闇しか見えてこないので寂しくなったのび太は通信機を使ってラジオを聞くが、それが怪談だったので嫌がる。ドラミはロボットに騒ぎを起こされないように、強引に昼寝をさせてしまっていた。
 日本海溝を降りるのび太は、マリンスノーが降り注ぐ美しい景色に見とれたり、深海に潜ってくるクジラを目撃したりするが、ちょうどその頃になって鳥島沖で海底火山が噴火し、その余波による地震に巻き込まれてのび太は足を踏み外し、いずこかへ吹き飛ばされてしまう。
 時間も場所の感覚さえもわからない暗闇の中で気がついた時、のび太はほとんどの道具を無くしてしまっており、通信機もなくしていたために地上と連絡を取る事さえ出来なくなっていた。しかしそこにうっすらと光が差しこむ。のび太は運良く深海潜水艇を見つけることができたのだが、もちろん助けを求めても乗員は驚くばかりで相手にしないので、それでものび太は必死にそれにしがみつき、やっとのことで無事に東京に戻ってきた。
 家に帰ってきたのび太はさすがに疲れたようでぐっすり昼寝する。しかしそれを見た友達は、やはりのび太は毎日ゴロゴロしていると考えてしまうのであった。  

 (解説)ドラミのてんコミ初登場話は、「海底鬼岩城」の原型とも言うべき、海底探検ものでした。てんコミではこの話の前に1ページ使って、ドラミが出てくる理由が描かれています。マリンスノーに関しての薀蓄など、F先生の造詣の深さも窺い知れる面もありますが、最初と最後で見事に伏線がつながっているのも見所でしょう。今話は友人の登場が少ないので、ズル木については違和感はさほどありません。
月の光と虫の声   7頁 小一73年9月号(虫の音がくかい)
 スネ夫の家で虫の鳴き声を聴くのび太達。しかし声を聴いた代金を取られ、さらに虫もデパートで買ってきたものだと聞かされたので、あきれたままで家に帰る。虫を買って欲しいとパパにねだるのび太だが、パパは買ってもすぐに死んでしまうと言い、昔はうるさいくらいたくさん虫がいたが、今は空き地が少なくなったり薬をまいたりして虫が住みにくくなったと説明してくれた。
 そこでドラえもんはタイムマシンで昔の世界に行き、すず虫やまつ虫をたくさん取ってこようと提案する。さっそくみんなにそのことを宣伝してからタイムマシンで20年前へと向かう2人。そこでは空き地の中で虫たちの音楽会が始まっていた。月明かりの下で、しばし時の流れを忘れて虫の音楽会に聞き入る2人。結局2人は住みにくい世界へ虫を連れて行く事をやめ、元の時代へと戻ってきたが、約束を守るためにドラえもんは「虫の声の素の花」を出した。この花のつゆをかけるとどんな虫でもきれいな声で鳴くのだ。2人は手近な虫を集め始める。
 そしてのび太の家の庭でこおろぎ、まつ虫、すず虫などの虫の音楽会が始まった。集まった友達も一緒に聞き入り、道行く人まで感じ入るほどだったが、それをうらやましがったスネ夫は掃除機で一気に虫を吸い取ってしまう。だがその虫たちは実は花のつゆを浴びたゴキブリだった為、仰天するスネ夫達であった。  

 (解説)ウーン、1973年当時でもう虫が少ないとか言われたら、この現代はどう形容すればいいのか。「自然破壊」という、現在でも古びていないテーマをさりげなく描いていますね。虫の声のせいか、この話自体も情緒的で、特にドラのびが虫の音楽会に聞き入るシーンなどは、マンガ史に残る情緒シーンだと思いますが(笑)。なお、今回登場の道具は正式名称がわからず、資料も手元にないのでとりあえず上記のようにしましたが、知っている方がいたら教えて下さいませ。
お客の顔を組み立てよう   8頁 小五74年4月号
 学校から家に帰ってきたのび太は、家を訪ねに来ていた人と出会う。家には誰もいなかったためにその人は帰ってしまい、パパ達にその人の顔を聞かれるがのび太はうまく説明できない。ドラえもんはお客の顔をそのまま見せてみようと、「モンタージュバケツ」を取り出す。たくさんの顔写真の中から似ている顔の一部分を探し出し、それらの写真の番号を打ち込むことで、のび太の顔をその客の顔そっくりに変化させることができるのだ。
 だがそれを見てもパパもママも見覚えがない。そこでドラえもんはお客を見つけるためにあちこち歩き回るよう勧め、仕方なくのび太は歩き回るが誰も知らないという。しかし偶然出会ったお巡りさんがたった今、交番の前で見たような気がすると言うので交番に向かってみると、その男はなんと強盗として指名手配されている男だった。慌てて家に帰ろうとするのび太だが、その男の子分に本物と間違われて連れていかれてしまう。
 一方ドラえもんもこの事を知ってのび太を探していたが、のび太と思って話しかけたその人物は実は本物の強盗で、男はドラえもんからモンタージュバケツを盗み、捕まえたのび太から顔の作り方を聞き出してしまう。自分の顔を変えて逃げようとする男達だが、子分がボタンを押し間違えたためにメチャクチャな顔になってしまうのであった。  

 (解説)なんでバケツなんだ(笑)?という疑問はさておき、今話は突き抜けた印象もなく、ギャグマンガとしては水準程度という感じですね。モンタージュを実際の顔で作成するというのは面白いのですが。パパに客の顔を尋ねられた時ののび太の答えはまさに「のび太」という人間らしい答えなので、未読の方は必見です(笑)。
してない貯金を使う法   10頁 小六73年5月号(現代人の生き方)
 機関車の模型が欲しいのび太。しかし自分が今持っている小遣いでは到底買うことは叶わず、ドラえもんに頼んでもやはり無理な事だった。パパは毎日肩たたきをして10円もらい、半年経ったら買うようにと提案するが、今すぐに模型が欲しいのび太には話は通じない。
 そこへパパの弟が最高級品のゴルフセットを持って遊びにやって来た。さらに新車も買い揃えていたので驚くパパに対し、弟は品物を先に買って楽しみながら、月賦で金を払うという方法が現代人の生き方だと話した。それを聞いて名案を思いついたのび太はパパの肩たたきを始め、ドラえもんも感心するがのび太は半年間待つわけではなく、半年後へタイムマシンで行って先にお金を取ってこようという考えだったのだ。
 しかし半年後の世界ではのび太の部屋から貯金箱がなくなっていた。探し回ってやっと庭に埋められている貯金箱を見つけた2人は元の時代へ戻る。するとそこでは半年後ののび太が待っていた。半年後ののび太は貯金を返せと迫るが、2人ののび太の議論はタイムパラドックスでもあるので堂々巡りになってしまい、しびれを切らした2人は相手にしないで家を飛び出してしまう。その時倒したバケツの水の後始末を半年後ののび太がさせられている間に、2人は模型を買ってしまった。そんな2人に半年後ののび太は『きっと後悔するから。』と言って去っていった。早速作り始める2人だったが、半年後ののび太の言う通り、作り方を間違えたために結局全て壊してしまう。
 翌日、計画を途中で止めるなとパパに叱られ肩たたきを続けるのび太の横で、月賦に追われているパパの弟が金を借りに来ていた。金を得る事の辛さを思いっきり味わうのび太であった。  

 (解説)この話は意外と奥が深いです。恐らく子供の頃はのび太に同情し、大人になって読み返すとパパの意見に賛成するでしょう。自分で苦労して働いて得た金の価値は何物にも変え難いもの。でもその気持ちは大人になって働かなければわかりませんからね。僕はこの話のために、未だに「ローン」という仕組みが嫌いなのです(笑)。パパが色々説教する辺りはさすが最高学年誌掲載ですね。
友情カプセル   10頁 小四72年10月号
 スネ夫の家でドラやきをたくさんごちそうしてもらうドラえもん。しかしスネ夫が、のび太の家を出て自分のところにくればもっと食べさせてやると話したため、義憤にかられたドラえもんは怒って帰っていく。家に帰ってきたドラえもんと友情を誓い合うのび太。しかしそこに、食べたドラやきを返せとスネ夫が迫ってきた。代金も払うことが出来ないドラえもんだったが、スネ夫の頼みに応じて「友じょうカプセル」をスネ夫に渡す。カプセルを仲良くなりたい相手につけ、コントローラーを操作すればどんな相手とでも仲良くなる事ができるのだ。その道具を受け取りながら、裏で嫌らしくほくそ笑むスネ夫。
 2人はそのまま町を歩いていたが、いつのまにかスネ夫に友情カプセルをつけられたドラえもんは、なんとスネ夫の下に行ってしまった。スネ夫の仕業と察したのび太はドラえもんを取り戻そうとするが、逆にドラえもんに追い返されてしまい、スネ夫はさらにドラえもんの道具を使ってジャイアンや他の友達にいばりはじめるが、そのときコントローラーの具合が狂い、ドラえもんは命令から解放される。再会したのび太と共にカプセルを探すがどこを探しても見つからず、そうこうしているうちに再びドラえもんは連れていかれてしまう。
 スネ夫はドラえもんに宿題を始めとしてなんでも願いをかなえてもらおうとするが、またコントローラーがおかしくなったのでドラえもんは再び逃げだす。その時通りがかりの力士にぶつかり、ひっくり返ったドラえもんを見つけたのび太は、ドラえもんの足の裏にセロテープでくっついているカプセルを発見した。それを捨ててやっとドラえもんはカプセルから解放され、ようやく安心するのび太。
 コントローラーを直したスネ夫だったが、やってきたのはなぜか同じようにカプセルをくっつけてしまった力士で、力士は力いっぱいスネ夫を抱きしめて友情を誓い、スネ夫はそのパワーに苦しむのであった。  

 (解説)読めばすぐにわかりますが、スネ夫がドラに求めたのは「友情」ではなく「服従」です。スネ夫はドラを、願いをかなえるための道具としか思っておらず、そのため最後にはドラの道具でしっぺ返しを受けます。互いに想い想われること。それが本当の友情の成立する条件なのだと、この話は言っているように思えてなりません。正直言ってこの話のスネ夫は最低です(笑)。「スネ夫美化計画」が進行している現在(笑)、この話を読んでスネ夫本来の毒気、そして魅力を確認してみてはいかがでしょうか。
世界沈没   11頁 小四72年11月号
 突然降り出した未曾有の豪雨で、世界は今まさに水没しようとしていた。そんな時、あらかじめ作っておいた船でのび太は家族や友人を救出した。だがそれはのび太が未来を見ることができる「イマニ目玉」で見た、今夜12時の未来の出来事だった。話を聞いたドラえもんは真実をみんなに知らせようとするが、当然誰も真面目に取り合わない。
 自信がなくなった2人はもう一度イマニ目玉で10分後の未来を見ると、そこにはママの顔が見えた。夕方まで帰らないはずのママが写っていたので故障と判断した2人だったが、10分後に家に戻ってきたママを見て考えを変え、2人は避難用の船を作り始める。友達には笑われる2人だったが、旧約聖書のノアの箱舟のことを考えて、一心不乱に船を作り続ける。準備を整えた2人だったがパパもママもやはりわかってはくれず2人は仕方なく12時まで休むことにするが、いつしか眠ってしまう。
 のび太がドラえもんの声で起こされた時、すでに豪雨は降り出していた。世界の終わりがついにやって来たのだ。水に流されるままになっている家族や友達を必死に助け、感謝されるのび太は照れながらも気分よく笑うが、その時ドラえもんに起こされる。実は洪水の話はのび太の見ていた夢であり、しかものび太はおねしょまでしてしまっているのであった。  

 (解説)この頃はもう「終末思想」とか言うやつは出ていたのでしょうか。しかし未来の「夢」まで見えてしまうのだから、イマニ目玉はすごい性能だ。しかもドラも気象台やらテレビ局、果ては国連事務総長にまで電話をかけるのだから(かかったの?)、すごいもんです。船の中を舞台とした二人芝居の趣もありますね。のび太のおねしょはこれからもどんどん増えていきます(笑)。
スケスケ望遠鏡   7頁 小三71年6月号(ふしぎなぼう遠きょう)
 階段の下でイライラしながら何かを待っているパパ。のび太に貸した万年筆を持ってくるようのび太に言いつけていたと言うので、手伝おうとしたドラえもんが部屋に入るとのび太は座って考えこんでいた。事情を聞くと、探している万年筆は、先日持ち出した時にスネ夫の家で忘れてきたという。だがスネ夫は面倒がって探してくれないと言うのだ。そこでドラえもんはスネ夫の家を探ろうと、望遠鏡を取り出した。ここからでは望遠鏡を使ってもスネ夫の家など見ることは出来ないのでのび太は呆れるが、これはねじを回すことで障害物がどんどん透き通って先が見える「スケスケ望遠鏡」なのだ。
 早速のび太はスネ夫の家まで探る事にするが、マンガを読みながら居眠りしている人の家でマンガを覗き、のび太は次のページをめくるようにわざわざ電話で文句を言ったために、パパから催促されてしまう。代わりにドラえもんが探すが、ドラえもんも夫婦ゲンカに文句を言い、さらにはしずかの入浴を覗いてしまい、騒ぎ出したのでまたパパに催促されてしまった。
 そしてついにスネ夫の家のたんすの後ろに落ちている万年筆を発見した。家に行ってみてもスネ夫はないと言い張るが、スネ夫のママが探している財布も一緒にたんすの後ろに落ちていると教え、ママが調べてみると果たしてその通りに落ちており、気味悪がる2人を背に、喜んで帰っていくのび太とドラえもんであった。  

 (解説)この話最大のトピックスはやはり「しずか初入浴」でしょう。てんコミだけでなく、全原作中で初めての入浴シーンです。ここからしずかの入浴の歴史も始まっていくわけですね(笑)。いちいち電話をしてしまうのびドラも笑えるし、小池さんも相変わらずラーメンを食ってます(笑)。ちなみに「スケスケ望遠鏡」という名前は作中には出てきません。
メロディーガス   8頁 小三71年12月号
 ひもを使った手品をやろうとするのび太だが、うまく行かずに体に絡まってしまう。ドラえもんが話を聞くと、友達と一緒に行う忘年会の時にかくし芸をする事になり、スネ夫にバカにされたくないのでかくし芸の練習をしていたと言う。そんなのび太にドラえもんはすごいかくし芸を教えると言って部屋を出る。少し経ってから戻ってくると、口をテープでふさいでいるのにドラえもんは歌を歌い始めた。それもいつものドラえもんの声ではなく、爽やかな声で。ところがそれはドラえもんの持つ「音楽イモ」を食べて10分待つと出てくるメロディーガス、つまりおならを使ってのものだった。下品なので嫌がるのび太だが、他に何もないのでそれを行うことにする。
 そして忘年会当日、のび太のかくし芸の番になり、部屋を出てイモを食べ始めるのび太。しかしやってきたドラえもんはのび太がイモを全部食べてしまった事に仰天する。食べ過ぎるとメロディーどころかガス爆発がおきると言うのだ。帰ろうとする2人だが待ち伏せていたスネ夫に遮られ、しかたなくガスを小出しにして歌を歌い始めるのび太。
 のび太は苦しみながら何とかかくし芸を続けていくが、次第に音に雑音が混じるようになり、しかも部屋全体が匂うようになってきた。元栓を締めるように言うドラえもんの助言も空しく、とうとうのび太は我慢し切れなくなってしまい、再び逃げだそうとしたのでジャイアンが押さえようとするが、その時遂にガス爆発が起きた。その推進力で空を飛んでしまったのび太にドラえもんは『おうい。うちは、こっちだよう。』と話しかけるのだった。  

 (解説)んま、お下品ですねえ(笑)。おならで歌を歌うのもナンセンスなら、それにあわせて『プップップ ハトブッブ』『ヘ長調ね。』『ねえ、なんかにおわない?』『もとせんしめる!』と、爆笑必至のセリフが盛りだくさん。そして最後の大爆発と空飛ぶのび太、そんなのび太にのん気に話しかけるドラと、最後まで大笑いすること請け合いです。最近、「ドラえもんを文部省推奨マンガにしよう計画」が発動しているらしいですが(笑)、もしその計画が進めばこの話はカットされてしまうかもしれません。今のうちに読んで楽しんでおくように!(←この話は本気にしないように)
のび左ェ門の秘宝   14頁 小四71年1月号
 庭で何かを読みながらウロウロしているのび太。それを見ていたドラえもんは、のび太が庭で宝を掘り出していると聞いて興奮するが、それはパパがのび太にお年玉をあげるためのお遊びだった。本当の宝探しをしたいと話す2人はパパに宝の隠し場所が書かれたものがないかと何気なく尋ねると、なんとパパはあると言う。それは今から130年前ほど前の文政九年元日、先祖ののび左ェ門が残したものだった。しかし肝心の宝の隠し場所が書かれている部分がちぎれていたため、2人はタイムマシンで宝を埋めた時代へ向かう。
 降りた地点が肥溜めだったのでドラえもんはそこに落っこちてしまうが、過去に着いて最初に出会った人はうまい具合にのび左ェ門の子供ののび作だった。だが当ののび左ェ門はどうも金持ちには見えず、しかも居心地の悪い状況も続く。自分たちがいるうちは宝を埋めないと考えたのび太は一旦家を出ることにする。
 するとのび左ェ門はつぼを持って出かけ、ある場所にそのつぼを埋めていった。さっそく現代に戻ってその場所を掘る2人だが、いくら掘っても宝は見つからない。もしかしたら自分たちよりも先に宝を掘り出した人間がいるのかもしれないと考えた2人が再び過去へ行ってみると、なんとこの宝探しものび左ェ門が子供にお年玉をあげるために工夫した遊びだということがわかり、やりきれない顔でみつめあうのび太とドラえもんだった。  

 (解説)過去と現在においても野比家のすることは変わらないという、壮大なオチが今話最大の見所です(笑)。文政時代といえば、そのころ江戸では「新仕置」のチームが・・・・と、これは関係ない話。今回でも過去につくと同じにドラが肥だめに落ちます。F先生はよほどこういう物が好きだったのでしょうか。個人的にはのびドラに宝があると驚かれて倒れるときのパパの顔がスキです。だって白目なんだもん(笑)。
未来世界の怪人   10頁 小四73年3月号
 ジャイアンにまた殴られたのび太は、ドラえもんから空気のかたまりを発射する「空気ピストル」を借りる。見物にとついてきたスネ夫やしずかも連れ、勇んでジャイアンの下に向かったのび太だが、ジャイアンは逆に「空気ほう」を使ってのび太を倒してしまった。未来にしかないはずの空気ほうをジャイアンが持っていることを不思議がるドラえもん。
 次にドラえもんは透明人間になれる「かくれマント」を貸してやるが、今度はのび太はジャイアンのはった「万能わな」にかかってしまい、小さくされたままで身動きが取れなくなってしまう。ジャイアンはもうドラえもんなど怖くないとうそぶき、ポケットからワッペンのようなものを取り出してそれを貼り付け、空を飛んで行ってしまう。
 のび太から話を聞いたドラえもんはジャイアンを追いかけ、「雲がためガス」を使って休んでいるジャイアンを見つける。ジャイアンは拾った小さなカバンの中から道具を出していたのだ。それを奪おうとするドラえもんにジャイアンは「くすぐりノミ」を振りかけ、ドラえもんは笑い苦しんで気絶してしまう。ドラえもんのポケットの道具も取ろうとするジャイアン。
 その頃のび太はとある男に助けられ、一緒にジャイアンの下へ向かっていた。一方ジャイアンはドラえもんのポケットから様々な道具を取り出して物色していたが、偶然取り出したテレビにタイムパトロールの緊急連絡が映し出された。宇宙ロケットを襲った強盗犯が過去の時代へ逃げたというのだ。映し出されたその犯人の顔は、なんとのび太と一緒にやってきた男だった。秘密を知った3人を始末しようとする犯人だが、間一髪でタイムパトロールが駆けつけてくれた。だが犯人の持ち物であるジャイアンが拾ったカバンも取り上げられ、一割だけでもよこせと食い下がるジャイアンであった。  

 (解説)今回は結構いろんな道具が出てきており、その道具名を知るだけでも楽しいものがあります。空気砲を撃つときに「ドカン」と叫ぶ設定は今回以降はあまり出てこないのですが、映画の「ドラえもんズ」でいきなり復活して驚きました。ところで今回のキーマンとなるはずの「未来から来た犯罪者」は、サブタイにもなっている割にはあまり目立っていない気が・・・・・。
ヤカンレコーダー   8頁 小三72年4月号
 自分の声を吹き込んだカセットテープを使い、ブラジルへ引っ越していった友人と声の手紙を交換しているスネ夫は、友人からのテープをみんなにも聞かせてやる。だがのび太だけが家にテープレコーダーがないのでテープを借りられず、ママにねだっても逆に宿題をやれと注意される。際限なく愚痴をこぼすのび太に、ドラえもんはヤカンのようなものを出す。のび太が不思議に思ったところでドラえもんがふたを空け、中から出てきた大きな泡を割ると、その中から先程ののび太の声が再生された。声を録音できる「ヤカンレコーダー」だったのだ。
 みんなに見せようとするのび太だが、またママに注意されてしまったので、のび太は自分が宿題をしているようなセリフをヤカンレコーダーに吹き込み、ドラえもんに時々泡を割ってくれるようにと言って家を出る。するとのび太はしずかとスネ夫から、ジャイアンがテープとテープレコーダーを持っていってしまったという横暴ぶりを聞かされ、のび太はヤカンレコーダーにジャイアンの悪口を吹き込み、部屋で自分の歌を聞いているジャイアンへ送りこむ。悪口に頭に来たジャイアンは部屋の中で暴れまわり、母ちゃんに叱られてしまった。
 その頃のび太の家ではのび太の作戦がばれ、ママはカンカンに怒っていた。これを知ったのび太はヤカンレコーダーに吹き込んだ謝罪の言葉をドラえもんに割ってもらって、許してもらおうとするのであった。  

 (解説)何でヤカンなんだ(笑)?声を録音してごまかしたりいたずらをするというのは、後の「山びこ山」でもありますね。しかし自分の歌を聞いて涙を流して感動したり、部屋で大暴れするジャイアンも面白いですが、それを叱りに来た母ちゃんまでが手に棒のようなものを持っているのが怖い。ラストは別にヤカンレコーダーで代用しなくてもいいのではないかとも思いますが、まあ大目に見ましょう。全体的には「並」の出来映えです。
石ころぼうし   10頁 小六73年4月号(だれにも気にされない)
 マンガを読んだり屋根に寝転んだりと、何をするにしてもパパやママ、そしてドラえもんに注意されてしまうのび太。誰にも気にされないようになりたいとわがままな事をいうのび太に、ドラえもんは路傍の石のように誰からも気にされなくなる「石ころぼうし」を出してやる。サイズがきついようだったが無理やり押しこむと、のび太は誰にも全然気にされなくなった。
 安心して家を出るのび太は早速しずかの家へあがりこむが、しずかがお風呂に入ろうとするので慌てて外に出る。次にジャイアンとスネ夫がのび太をバカにしているのを聞いたので2人にいたずらし、さらにジャイアンと一緒に野球のバッターボックスに立つ。のび太は珍しく球を打つが、みんなはジャイアンが打ったものと思ってしまう。
 ぼうしを脱いで自分が打った事をわからせようとするのび太だが、無理にはめこんだためかぼうしが脱げず、さらにボールに当たったり突き飛ばされたりしたために、家に帰ってドラえもんに脱がせてもらおうとするが、ドラえもんにも気付いてもらえない。泣きわめくのび太だが、その時水や汗でふやけたぼうしがポロっと脱げた。再びパパやママに注意されてしまうが、気にかけられることを嬉しがるのび太であった。  

 (解説)気にかけられるということは、相手は何らかの形で自分を意識しているということ。気にかけられなくなったら人間はおしまいです。「どくさいスイッチ」や「無人境ドリンク」に通じる、「人は一人では生きていけない」というテーマが根底にあるような気がします。気にされない道具として、石ころに材をとるアイデアも秀逸ですね。よもや後年の大長編でああも活躍するとは(笑)。
ラッキーガン   10頁 小六74年10月号
 しずかと遊ぶ予定だったのに遊べなくなってしまったのび太は、仕方なく1人でケーキを食べようとするが、そのケーキは客に出すためにママが持っていってしまい、読みかけのマンガはパパが持っていき、靴は犬に取られてしまったりして、なぜかその日は全くついていなかった。落ち込むのび太を見たドラえもんは、のび太の運を良くしようと「ラッキーガン」を取り出す。赤三発と黒一発を装填し、赤玉が当たれば1日幸運になれるが黒玉が当たれば不幸になるのだ。
 挑戦してみるのび太だが、黒玉があたる事を怖がって怖がって引き金を引くことができない。試しにママに最初に引かせてみるとママは赤玉が当たり、知り合いから高級なバッグをもらう。だがそれでも引き金を引けないのび太は、黒玉が出るまで他人に使わせることにして、とりあえずジャイアンに使わせる。そんな事を怖がるはずもないジャイアンも赤玉が当たり、様々な幸運に恵まれてしまった。次に試したスネ夫も赤玉を当て、それを見ていた女の子達にモテモテになる。
 ついに残りは黒玉だけになってしまった。嫌になったのび太はラッキーガンを捨ててしまうが、それを拾った子供がいたずらに撃った黒玉がのび太に当たってしまった。子供を叱れば母親に怒られ、さらに怪我までしてしまって結局不幸になってしまったのび太を、今日は始めからついていなかったのだからと、妙な言い方で慰めるドラえもんであった。  

 (解説)のび太の優柔不断さがよくわかる一編です(笑)。ドラの言うとおり、『ただで、いいめにあおうなんて、虫がよすぎる。』『思いきりがかんじん・・・・。』ということなのでしょう。自分から挑戦していくことが一番大事ということなのでしょうね。のび太が撃つのを怖がるときのドラの幻滅の表情が笑えます。
おばあちゃんのおもいで   16頁 小三70年11月号(おばあちゃん)
 物置の整理中に、小さいころ大好きだったクマのぬいぐるみを見つけたのび太は、そのぬいぐるみを繕ってくれた今は亡きおばあちゃんを思いだす。その事は知らなかったドラえもんとアルバムを見ながら、おばあちゃんのいた幼い頃をふりかえるのび太。いじめられた時に慰めてくれたおばあちゃん、おねしょをしても優しくしてくれたおばあちゃん、ガラスを割ってもママから庇ってくれたおばあちゃん、犬から助けてくれたおばあちゃん…。そんなのび太の思い出をドラえもんは茶化すがのび太は逆に怒り出し、さらにはおばあちゃんを恋しがって泣き出してしまう。
 その時のび太はタイムマシンで昔へ行き、おばあちゃんに会いに行くことを思いつく。しかしドラえもんは未来から来た自分たちのことを、おばあちゃんがわかってくれるはずがないとのび太を止めるが、顔をこっそり見るだけという条件で過去へと向かう。過去に着き、家でおばあちゃんを探す2人だが、どこにもおばあちゃんはおらず、若かりし頃のママに見つかって追い出されてしまう。
 すると外で3歳の頃ののび太を見つけるが、そののび太はジャイアンたちにいじめられてしまった。昔と今をごっちゃにしてジャイアンとスネ夫を殴りつけるのび太はドラえもんに止められる。しかしその時、ついにおばあちゃんが目の前を通りかかった。それを見たのび太は感激のあまり嬉し涙を流してしまう。おばあちゃんは3歳ののび太のために花火を買いに行っていたが、今の時期では花火はどこにも売ってはおらず、結局買えなかったために3歳ののび太は駄々をこねてしまう。それを見たのび太は叱るが、逆に大泣きされてママに叱られる。自分の事情を話そうとしてもやはりわかってもらえない。
 あきらめて帰ろうとするドラえもんだが、のび太はもう一目だけおばあちゃんに会うために家に入り込む。しかし3歳ののび太に見つかり、偶然出会ったおばあちゃんにかくまってもらう。2人きりになったのび太は、おばあちゃんから孫ののび太―――自分への想いを聞かされ、ランドセルを背負って学校へ行く姿を一目見たいというおばあちゃんの願いをかなえるため、現代からランドセルを持ってくる。疑われる事を承知の上で自分の正体を話すのび太だが、おばあちゃんはのび太が成長した未来ののび太であることに気付いていた。のび太の話を疑うはずがないと言ってくれたおばあちゃんに、感極まって泣きつくのび太。ここでようやく、のび太は本当におばあちゃんとの再会を果たしたのだ。
 ところがおばあちゃんは次にお嫁さんを見たいと言ったため、のび太はしずかに今すぐ結婚して欲しいと頼み込むのであった。  

 (解説)連載1年目のため体裁はギャグマンガのままですが、今は亡き思い出の人に会いに行くという、時を越えた世界観を持つドラ世界の本領が発揮された名編です。小さい頃の優しかったおばあちゃんは未来からやってきた成長したのび太に対しても優しかった。これからものび太の心の一角を占め続けるであろうおばあちゃんは、正に深い愛情を持つ人であり、のび太にとって「優しさ」の象徴でもありました。のび太とおばあちゃんの時を越えた会話は、ドラ史上屈指の名シーンです。「自分たちのことがわかってもらえるはずがない」と、シビアな意見を言うドラの、ある種現実的な描写も忘れてはならないでしょう。


前ページに戻る