未収録作品あ行 その2


うちでのこづち   2頁 小一72年6月号
 のび太より背が高い事を自慢するジャイアン。そこでドラえもんは「うちでのこづち」を出し、それでのび太の頭を叩いてのび太の背を伸ばしてしまう。面白がったのび太は調子に乗ってどんどん背を高くしてしまうが、そのためにヒョロヒョロになって風が吹いただけでよろめいてしまい、その際に落としたこづちをジャイアンが拾ってしまう。ジャイアンも大きくなろうとするが反対側の部分で叩いてしまったので、逆に縮んでしまうのであった。  

 (解説)てんコミ収録版の同名道具とは若干の差異がありまして、こちらは一応本当に背が伸びたり縮んだりします。ただこちらは人間をゴムのようにして伸ばしたりするので、縮んだ時は潰れたように縮んでしまっていますね。この頃は道具本体の表側と裏側で効能が異なる道具が結構出ていますね。
うつしぼくろ   FF10巻 8頁 小四74年11月号
 今シーズン最初の試合で大敗を喫したジャイアンズ。ジャイアンは反省会を開こうとするが、そろばん塾に行かなければならないとのことで2時間後に集合させることにする。しかしジャイアンが一方的に殴るだけという反省会の実情を知っているみんなは行くのを嫌がり、相談を持ちかけられたドラえもんは「うつしぼくろ」を出した。赤いほくろをつけた人の性質が黒いほくろをつけた人に移るのだ。つまり黒いのをジャイアンにつけ、赤いのをおとなしい人間にくっつければ良いわけだ。だがおとなしい人を探している間に集合時間がきてしまい、慌てるのび太だがやっと乙梨さんを見つけ、彼女に赤いほくろをつける。
 集会に駆けつけたのび太は殴りかかるジャイアンの一瞬のスキをついて黒いほくろをくっつけると、ジャイアンは女の子のようにおとなしくなってしまった。しかし家でほくろを見つけた乙梨さんは窓からほくろを捨ててしまい、その際ネコにくっついたためにジャイアンはネコそっくりになってしまう。話を聞いたドラえもんはネコを探すことにし、のび太はジャイアンからほくろを取り戻すことにする。
 魚屋で魚を盗もうとしたネコを見つけるドラえもんだが、なぜかそこにはほくろがついていなかった。一方ジャイアンは急にクニャクニャと動き始め、のび太に絡み付いてきた。先程の魚屋で赤いほくろがタコにくっついてしまったからであった。  

 (解説)話自体は水準作ですが、やはり個人的には明確なオチがついてないのが気になります。タコというのもちょっと意外性がないですからね。赤いほくろの持ち主が変わるたびにどんどん変わっていってしまうジャイアンの変化ぶりや、おとなしい女の子である乙梨さんに「鼻くそ」と言わせるミスマッチ感覚など、随所で笑いを取る要素があるのは好印象ですね。
うらないカードボックス   TCS2巻 7頁 小一86年2月号
 スネ夫からたくさん釣れる釣り場の事を聞かされたのび太は、自分も連れて行ってもらうことにするが、その後すぐにしずかとも約束をしてしまい、困り果ててしまう。そこでドラえもんはかつてパーマンも使っていた「コピーロボット」を出してもう一人ののび太を作るが、今度はどちらののび太がどっちに行くかで迷いだしてしまう。そこでドラえもんは今度は「うらないカードボックス」を出した。これに聞きたいことを言って振ると三枚のカードが出てきて、そのカードに描かれている絵を参考にして未来を占うのだ。釣りの方を占うと魚とのび太の笑顔、そして星が描かれていた。これをのび太は、たくさん釣れて夜まで釣りまくると考える。しずかの方を見てみると、ジャイアンの顔と野球のバットとボール、そして白い丸のようなものが出てきた。これは途中でジャイアンにつかまって野球をさせられ、エラーして殴られてたんこぶが出来るのだと考えたのび太は、自分は釣りに行く事にしてコピーをしずかの家に向かわせる。
 コピーは緊張しながらしずかの家に向かうが、途中でジャイアンに会ったもののジャイアンはスネ夫の居場所を聞くとさっさとそちらに行ってしまった。しずかの家に行くと、しずかは一緒に野球のファミコンゲームをしようと言い、さらに蒸かしたての真っ白なまんじゅうをご馳走してくれた。一方の本物のび太はやってきたジャイアンも含めて釣りをしていたが、一向に釣れないでいた。その時ジャイアンが大きな魚を釣り上げたが、魚を捕まえようとしているうちに自分が水の中に落ちてしまう。それを見て大笑いしたのび太はジャイアンの逆鱗に触れ、目から星が飛び出るほどにぶん殴られてしまう。それを見たドラえもんは、占いの正確さに感心するのであった。  

 (解説)今話もこじつけギャグ全開の話で、全編に楽しい雰囲気が満ち溢れていますが、特にやっぱりラストの「星」が最高におかしいですね。まさかこんな形で星を使うとは予想できませんでした。ファンには何かと論議を呼ぶ「コピーロボット」の登場や、時流にのっとってファミコンが登場したりと、細かい部分での注目点も多い作品です。
ウルトラ・スーパー電池   CC1巻 7頁 小二78年7月号
 突然ドラえもんの持っていた野球ボールを取っていってしまうのび太。家の電球を壊してしまったので、代わりにつけようとしたのだ。そこでドラえもんは懐中電灯をくっつけ、さらに「ウルトラスーパー電池」をセットする。ものすごい力を引き出す電池で、懐中電灯でもすぐに明るくなった。のび太はおもちゃのロボットにセットしてみるが、ロボットは大暴れしてしまう。調子に乗って家中の電気器具につけようとするのび太をドラえもんは止めるが、逆にドラえもんも電池をセットされ、じっとしていられず走り去ってしまう。
 のび太は掃除機、冷蔵庫、ドライヤーなどにセットするが、その掃除機をママが使うと部屋の中のものをみんな吸い込んでしまい、更にお客にビールを出そうと冷蔵庫を開けると、部屋が極端に冷えてしまう。ストーブを使うと燃えだし、水で消し止めるもずぶぬれになったためにドライヤーをつけると、今度はそのロケットのような噴射でのび太は吹っ飛んでしまった。ドラえもんに助けを求めるが、ドラえもんもまだ止まれずにいたのだった。  

 (解説)この電池はどこへでも入れればセットされるそうですが、やはり気になるのはドラの背中。「ドラの背中が開く」という描写は今話限りのものなのですが、まあロボットだから不思議はないと言えばないのですが、唐突に開けられると驚きますね。比較的ドタバタ色の強い作品です。
ウルトラストップウォッチ   FF9巻 8頁 小四73年9月号
 朝、寝ているのび太を起こしに来るドラえもんだが、珍しくのび太は起きて机に向かっていた。宿題をやるのを忘れていたのだと言う。量がたくさんあるので間に合わないとのび太は言うが、ドラえもんはポケットから変な時計を出して時計のスイッチを押し、その上で宿題をするように言う。一応のび太は宿題を終わらせるが、もうかなり遅刻しているとがっかりする。しかし時計を見ると朝7時半のままだった。不思議に思いながらのび太は学校に向かい、先生はのび太が宿題をやってきたことに驚く。
 家に帰ったのび太は時計の秘密を聞こうとするが、ドラえもんは教えようとしない。しかしのび太がしつこいので仕方なく「ウルトラストップウォッチ」を出した。のび太を自分に掴まらせてから椅子を投げるドラえもん。しかしドラえもんが時計のスイッチを押すと椅子の動きが止まった。これは時間を止めることが出来る時計なのだ。驚くのび太だが時間を動かした拍子にのび太は椅子に当たってしまい、それに難癖をつけてのび太は時計を奪い、早速ママにいたずらをしてしまう。その後もジャイアンやスネ夫、しずかにいたずらをして、さらに時間さえ止めればどんな悪いことでも出来るとまで考え出してしまうが、そこに現れたドラえもんが時計を取り返す。
 さらに使いたがるのび太にドラえもんは、この道具を使いすぎると歳を早く取ってしまうと告げる。そこでのび太が鏡を見てみるとなんと自分の顔がしわだらけになっていた。大慌てするのび太だが、実はこれはドラえもんがこっそり時間を止めて、のび太の顔に落書きをしたからなのであった。  

 (解説)ドラ世界名物「時間を止める道具」がここでも登場しましたね。近年ではタンマウォッチよりもこちらの方が知られているような感じがあります。「時間よ動け〜!」に比べると伏線によるオチの展開が弱いので若干見劣りしてしまいますが、素直に見ればオーソドックスな話運びを楽しむことも出来るでしょう。のび太が宿題をやってこないと決め付けている先生は「うつつまくら」と同じで笑えますね。
ウルトラヒーロー   7頁 小二84年1月号
 テレビのヒーロー番組「ウルトラヒーロー」の怪獣人形を自慢するスネ夫。それを見つめていたのび太は、自分がウルトラヒーローとなって怪獣と戦う姿を想像し、思わず怪獣人形を蹴飛ばし、ジャイアンに殴られてしまう。
 ヒーローよりも怪獣に踏み潰される役がぴったりだとバカにされたのび太は、いつもの如くドラえもんに泣きつき、ドラえもんは様々な道具を出してのび太をウルトラヒーローにすると宣言する。
 そして深夜。ドラえもんは「ゆめふうりん」でジャイアン達を寝たままの状態で空地まで運び、3人を「ガリバートンネル」を使って小さくし、「ミニチュアせいぞうカメラ」で作成した偽の町に連れて行き、それぞれ偽の町にある自分の家で寝かせる。さらに「ロボッター」をつけた怪獣人形をビッグライトで大きくし、町の中を暴れさせ始めた。
 目を覚ましたジャイアン達は慌てて逃げ惑い、そこへのび太が颯爽と駆けつける。ここでのび太をビッグライトで大きくし、怪獣と戦わせようというのが2人の立てた作戦だったのだが、ドラえもんがライトを取り出すのに手間取り、結局のび太は怪獣に踏み潰されてしまう。ジャイアン達は偶然ガリバートンネルを通って元の大きさに戻り、3人で怪獣を退治してしまう。仕方なくドラえもんはゆめふうりんで再び3人を眠らせた。
 翌朝、昨夜のことを夢の中の出来事として話す3人を見て、悔しがるのび太であった。  

 (解説)基本的な筋はほとんど「ゆめふうりん」と同じで、オチまで同じなので独創性には乏しいですね。しかしのび太の願いを実現するために多種の道具を用いる描写は、どことなく豪華な雰囲気がありますね。のび太は踏み潰される役は嫌だと言っていますが、個人的には踏まれる役も是非やってみたいものです(笑)。
ウルトラリング   7頁 小一73年3月号
 指相撲をして遊ぶのび太達だが、例によってのび太は全敗してしまったので、みんなにバカにされてしまう。話を聞いたドラえもんは、指にはめただけで力が強くなる「ウルトラリング」を出してやる。はめてみたのび太が試しにドラえもんをつねってみると物凄い力が出たので、のび太は喜んで出かけようとするが、その時ルビーの指輪を探しているママを見かける。その指輪はのび太がしずかとおよめさんごっこをしている時に使って無くしてしまっていたのだ。そこでのび太はウルトラリングを本物だと嘘をついてママに渡し、その間に本物を探すことにする。
 リングをつけたママはドラえもんの鼻についたゴミを取ろうとして軽く触るが、それだけでドラえもんは吹っ飛ばされてしまった。ちょうど指輪を見つけたのび太と激突してしまったドラえもんは急いで家に帰る。しかし真実を知らないママはお客をはたいたり服を破いたりして迷惑をかけてしまい、挙句には電柱や家のドアまで壊してしまう始末。戻ってきたドラえもんがリングを外そうとしてもきつくて取れず、結局リングが取れるまでママに近づく事ができなくなってしまうのであった。  

 (解説)ママが道具の被害者になってしまうという点では、「おおかみ男クリーム」に近いものがありますね。オチの展開には「黒おびのび太」も入っていて、面白い構成になっています。吹っ飛ばされてのび太と激突してしまうドラの姿も笑えますね。
ウルトラワン   8頁 小一70年9月号
 白黒テレビしか持っていないのび太はカラーテレビを持っているスネ夫にバカにされ、テレビのヒーロー番組「ウルトラワン」もカラーで見てみろとイヤミを言われてしまう。ママにカラーテレビが欲しいとせがむのび太を見て、ドラえもんはドアのようなものを取り出してテレビ画面にくっつけた。このドアを通してテレビ画面の中のものを取り出す事が出来るのだ。しかしカラーテレビのコマーシャルを見つけることが出来ず、余計なものばかりとってママに怒られてしまい、さらにいらないものの整理まで任されてしまう。そこへスネ夫がわざわざ電話をかけてイヤミを言ってきたので、のび太はさらにカラーテレビが欲しくなる。
 その時ドラえもんは道具を使って放送中のウルトラワンを引っ張り出し、荷物運びを手伝わせてしまう。番組中のウルトラワンが消えたので不思議がるスネ夫。しかし今度は勝手に怪獣が現実の世界に飛び出してしまい、ウルトラワンは現実世界で怪獣と戦い勝利する。だが番組の方は既に終わってしまい、ウルトラワンも急いで戻るが、そこは既に次の番組になってしまっていたのであった。  

 (解説)ドラらしいナンセンスな世界ですね。展開もオチも後々の同種作品とほぼ同じなのですが、雰囲気に独特のものを感じてしまうのはやはり時代のせいでしょうか。カラーか白黒かでもめている時代ですからねえ(笑)。ただ物語としてはそのカラーテレビはどうなったのかと言う事についての決着がついていないので、今一つ不完全になってしまっていますね。
エレベート・ボタン   TCS4巻 7頁 小二83年3月号
 野球をやっていたジャイアンは特大のホームランを打つが、あまりに高いボールだったのでのび太も取る事が出来ず、ボールは空き地の外に消えてしまう。ジャイアン達からボールを見つけるように命令されたのび太はボールを探し始めるが、どうしても見つけられないのでドラえもんに助けを求める。ドラえもんは「エレベートボタン」を出し、のび太にしっかり体をつかませてから、3のボタンを押す。すると二人は建物で言う三階の高さにまで上昇してしまった。しかもその高さについたら自由に歩き回る事も出来るのだ。屋根に引っかかっているボールを見つけたのび太はジャイアン達にボールを届けるが、逆にジャイアン達にボールを見つけてからかい、追いかけられると道具を使って空に逃げてしまった。
 しばらくは上がったり降りたりを繰り返していたのび太だが、やがて空の散歩を始め、しずかも誘う事にする。最初はしずかも怖がっていたが、のび太と一緒に三階の高さにまで上がり、次第に慣れてのび太と一緒にのんびり過ごす。そこに突然ラジコン飛行機が飛んできてのび太は昼寝を邪魔されてしまうが、今度はそのラジコンがガラスを破って家に飛び込んでしまい、さらに空き地で野球をしていてガラスを割ってしまったジャイアン達など、狭いせいで思いっきり遊べない子供達を見かけたのび太は、遊びたい子供達をみんな空に連れてきて一緒に遊びだした。のび太の名アイディアにドラえもんも感心するのであった。  

 (解説)これまた素直にドラらしい世界の話ですね。道具紹介やのび太の仕返しを前半に描いて、後半ではその道具を使っての楽しい遊び、そして夢を描いています。大空を広場にして遊ぶのび太達の生き生きとした表情には、作者自身の夢が投影されているように思えてなりません。
大きくなる虫めがね   TCS1巻 7頁 小一83年5月号(大きくなるむしめがね)
 やっと手に入れたラジコンバギーで遊ぶのび太達。そこにスネ夫が現れ、いとこが作ってくれたラジコンロボを自慢する。気分が殺がれたのび太達が家に帰ると、ママがメガネをなくし、新聞が読めないと困っていた。ドラえもんは覗いたものが大きくなる「大きくなる虫めがね」を出し、新聞を大きくする。ドラ焼きを大きくして二人で食べた後、ラジコンバギーを大きくしてしずかも誘い、野原を走り回る。偶然見つけた風船を大きくして空も飛ぶが、その時に虫めがねを落としてしまう。それを拾ったスネ夫はラジコンロボを大きくしようとする。空の旅を楽しむドラえもん達。その時響く悲鳴。大きくなったロボが勝手に動き出し、暴れているのだった。  

 (解説)原作最初期に同じような道具があったような気がしますが、まあそれは置いといて、いかにも低学年向けらしい話ですね。大きくなったロボがなんで勝手に動いたのかはともかく、大きくした新聞は「夕日新聞」と見出し部分を直してあるのに、上の日付部分で「朝」と見えているのはご愛嬌ですね。
オーケーマイク   9頁 小二70年3月号
 友達を家へ誘うのび太だが、後から現れたスネ夫が、友達をみんな自分の家へ連れて行ってしまう。のび太は続いてしずかと遊ぼうとするが、ひな祭りの準備をしているしずかには相手にしてもらえず、近くでゴムとび遊びをしていた女の子達にも追い払われてしまう。
 話を聞いたドラえもんも憤慨するが、変な慰め方をしたのでのび太はまたへそを曲げてしまう。それでもドラえもんは「オーケーマイク」を出してやった。これに向かってしゃべると、どんな相手でも言う事を聞いてくれると言うのだ。試しにお客と話をしているママにアカンベーをさせてみると、ママは本当に客に向かってアカンベーをしてしまった。
 ドラえもんはマイクを使ってスネ夫の家にいる友達をすべて連れ出し、不思議がって後を追ってきたスネ夫に逆立ちさせたり、のび太を褒めさせたりしてからかってしまう。それがマイクの仕業だと気づいたスネ夫はドラえもんからマイクを取り上げ、ドラえもんにのび太を殴らせてしまう。スネ夫は友達を馬のように走らせたりして遊び、取り返そうとするのび太やドラえもんもドブに落としてしまい、2人もうかつに近寄れない。
 スネ夫は調子に乗ってたくさんの人たちを踊らせてしまうので、取り返す方法を思案するドラえもんだが、そこにセワシがやってきて、姿を消して取り返せばいいとアドバイスする。ドラえもんはすぐさま透明になってスネ夫からマイクを取り戻し、スネ夫は踊らされていた人々の仕返しを受けて、ボロボロになってしまうのであった。  

 (解説)一般的に最初期の作品は破天荒なドタバタギャグが主流だと言われていますが、どうしてどうして、この時点で道具中心の話が既に出来上がっています。もっとも唐突にセワシが出てきたり、ドラが必要以上にスネ夫をからかったりするなど、初期らしい風味も生かされていますね。ラストのコマではのびドラが「三年生になったら『小学三年生』で活躍する」と、来月号の宣伝をしているので、単行本収録は少し難しいと思われる話でもあります。
大げさカメラ   TCS3巻 7頁 小一84年5月号
 木の枝から飛び降りる瞬間を、スネ夫に写真に取らせるジャイアン。出来上がった写真をアルバムに入れているところを見て不思議に思ったのび太が何をしているのか尋ねてみると、二人はジャイアンのカッコいい写真を収めたアルバムを作ろうとしていたのだ。ところがそれをのび太はバカにしてしまったため、行きがかりでのび太も同じような事をしなければならなくなってしまった。軽はずみなのび太を叱るドラえもんだが、泣きつかれてしまったので仕方なく「大げさカメラ」を出した。これは何でも大げさに写すカメラで、試しにのび太を机の上から飛び降りさせ、そのシーンを写真に撮ると、出来上がった写真ではのび太はものすごく高い場所から飛び降りたようになっていた。
 早速ドラえもんは低いブロック塀に乗ったり、金魚を持ったり、石を持ち上げたり、木の幹にしがみついているのび太を撮影し、高いブロック塀の上に乗っていたり、のび太の身長ほどある魚を持っていたり、大岩を持ち上げていたり、木のてっぺんにしがみついているような写真が出来上がった。
 それを見たみんなは感心するが、調子に乗ったのび太はその場にいたしずかに種明かしをしてしまい、しずかがカッコよく自動車を運転している写真をとる。ところがそれをジャイアン達に見られてしまい、怒った二人は逃げるのび太に石をぶつけてしまった。家に逃げたのび太は再びドラえもんに助けを求め、ドラえもんはケガをしたのび太をカメラで撮影して、のび太が重傷を負っているように大げさに写った写真を見せて、ジャイアン達を震え上がらせるのであった。  

 (解説)大げさに撮影された写真と実際の行為とのギャップが絵的に面白いですね。ラストのオチは驚くジャイスネの姿に陰影を強調させていて、いかにもな雰囲気が出ている所もまたいいです。包帯だらけののび太の姿は最初期に少し登場したことがあるので、オールドファンは懐かしいのでは(笑)?しかしジャイアン、銭湯の煙突に勝手に登ってはいかんな。
お返しハンド   FF6巻 6頁 小二72年8月号(おかえしハンド)
 ジャイアンに殴られたのび太は怒り出すが、ジャイアンに睨みつけられてすごすごと引き下がってしまう。それを見ていたドラえもんは悔しくないのかと問いただすが、もちろんのび太も悔しかった。しかしやはり相手が怖いので仕返しできないと言う。そこでドラえもんは「お返しハンド」を出した。これをつけるとやられたことを3倍にして相手に返すのだ。試しにドラえもんが一発ぶつと思いっきり三発仕返しされた。
 早速ジャイアンに仕返ししようとするが偶然寝ているパパにつまづいて転んでしまい、ハンドがパパにやり返そうとするのでドラえもんは慌ててパパをゴミバケツに隠し、二人はハンドをなだめて外に出かける。ジャイアンを見つける二人だが、ジャイアンは母ちゃんに叱られたのでのび太に謝りに行く所だったといい、土下座して謝った。するとハンドも三回土下座して謝りだしてしまう。のび太は何とか殴られようとするが、勘違いしたスネ夫の弟がピコタンハンマーでのび太を殴ってしまい、ハンドがやり返しそうになってしまう。ドラえもんがのび太を押さえつけるものの、今度はハンドがドラえもんを押さえつけるのでのび太も嫌になってしまう。
 そこへしずかが以前のび太から借りた10円を返しに来るが、するとハンドは勝手にのび太の財布を出して30円を返してしまった。三倍のお返しが来ることを聞いた友達はこぞってのび太にお金を渡そうとし、必死に逃げ惑うのび太であった。  

 (解説)今話で一番ひどい目にあっているのはドラだと思うのは僕だけなのだろうか(笑)?時期的にはスネ夫の弟であるスネツグが現役で登場した最後の作品ですかね。のび太がスネツグを追いかける時に出てくる通りがかりのおばさん達もありきたりですがいい味を出しています。
お助けだんご   TCS3巻 7頁 小一85年5月号(おたすけだんご)
 今日もまたジャイアンに追いかけられるのび太は必死に逃げるが、家に逃げ込む寸前で捕まってしまい、殴られてしまう。のび太は安全に逃げられる道具が欲しいとドラえもんに頼み込み、仕方なくドラえもんも「お助けだんご」を出した。逃げる時にこれを一つずつ投げると無事に逃げられるようになると言う。しかしドラえもんは道具に頼らずにしっかりするべきだと説教を始めるが、のび太はさっさと外に出かけていってしまった。
 効果を試してみたいのび太は、現れたしずかから逃げてわざと追ってくるように仕向け、だんごを投げてみる。すると道が山のように膨らみ始め、しずかの進行を止めてしまった。それを見て安心したのび太は早速ジャイアンをからかうが、こういう時に限ってジャイアンが追いかけてこないので、後をつけることにする。しかしそこにママがやってきてお使いを頼んできたので、のび太はだんごを使って道をネバネバにして逃げる。しかし今度はイヌに追いかけられてしまい、これもだんごの力で道に大穴を作って難を逃れた。
 そうこうしているうちにジャイアンは再び腹を立ててきて、のび太を追いかけてきた。のび太はすかさずだんごを使うが、のび太を見失ったジャイアンはだんごを投げた道とは別の道に行ってしまい、ジャイアンを呼ぼうと後戻りしたのび太の方が逆にだんごの効果によって水のようになった道にはまってしまい、溺れてしまう。それを見たしずかから知らせを受けたドラえもんは、呆れながらものび太を釣り上げて助けるのであった。  

 (解説)何でこの道具が「だんご」なのかは不明ですが(笑)、全体的にはちょっと地味な印象を受けます。もっともオチの展開はいかにものび太らしくて面白いのですけどね。水に見立てた地面に溺れると言うのは「潜地服」以来のテーマ?ですが、今話でもそれを見せています。「釣り上げる」という救助法もよく考えると妙な構図ですね。
おちないつな   2頁 小一72年10月号
 鉄棒の上を渡って自慢するジャイアンとスネ夫。それを見たドラえもんは「おちないつな」を出して、のび太に張った縄の上を歩かせる。この綱の上は絶対に落ちることなく歩く事ができるのだ。そこへおもちゃの飛行機が木の上に引っかかってしまったという子供が来たので、ドラえもんは風船に綱を繋いで浮かばせ、のび太はその綱を上って飛行機を取りに行くのであった。  

 (解説)道具の効能描写を主眼とした、のんびりした雰囲気を持つ作品です。はっきりとしたオチがあるわけではありませんが、こういうクロージングも既にこの時点で完成していたのだと思うと興味深いものがあります。
オトシ玉   10頁 小四81年1月号
 お正月。家を訪れたお客に挨拶をするのび太だが、その真意はお年玉を欲しいだけだった。しかしお客はその事に気づかず、のび太は部屋からパパに追い出されてしまう。ガッカリするのび太にドラえもんは「オトシ玉」を出してやった。これを床に落としてから、くっついている紐で玉を引き寄せると、引っ張った人がお年玉をもらう事が出来るのだ。早速今のお客からお年玉をもらったのび太は、さらに次にやって来たお客からもお年玉を頂こうとするが、その人はよほどお年玉をあげたがらないようで玉が重くなってしまい、それでも何とか引っ張ってお年玉をもらう。
 すると今度は、家を訪ねて散々飲み食いしてはお年玉もあげずに帰っていくおじさんが来たので、二人は奮起して玉を引っ張るがどうしても動かない。そこでドラえもんは「怪力ロボット」を出して引っ張ってもらうが、おじさんは気分が悪くなったと言って帰ってしまう。
 意地でも引き下がらないのび太は直接おじさんの家に行くが、玉を引っ張りながら歩いていったために、見知らぬ通行人からお年玉をもらいそうになってしまった。ようやくおじさんの家についたのび太はロボットに玉を引っ張ってもらい、おじさんは必死に抵抗するがついにお金を手に取った。しかし道具の効能通り、玉を引っ張ったロボットにお年玉を上げてしまい、のび太は泣いて悔しがるのであった。  

 (解説)まさに「初笑い」をするに相応しい、爆笑巨編?になっていますね。部屋でさり気なくモチを焼いているドラの細かい描写、お年玉ゲットに燃えるのびドラ、エキストラキャラの乱入と、Fイズムと言うべき笑いの要素がこれでもかと注ぎ込まれています。おじさんが何故か札束でお年玉をくれたり、もらったロボットが何故か喜んでいたりと、ラストまで笑いを絶やすことなく読んでいくことが出来るでしょう。
おとしだまぼきん   6頁 小一74年1月号
 お正月、パパの知り合いのけち田おじさんが遊びにきていたが、このおじさんは毎年お年玉をくれたことがないので、今年こそは必ずもらおうとのび太は奮起する。だがすぐにはぐらかされてしまったので、意地でもお年玉をもらう事にしたのび太に対し、ドラえもんは「おとしだまぼきん」を出した。これを見ると誰でもお年玉を上げたくなってしまうのだ。するとそれを見たパパがお年玉をくれたので、早速2人はおじさんの家に向かう。ところがその途中で出会ったジャイアンまでお年玉をやろうとしだしたので、ドラえもんは一旦スイッチを切る事にする。
 おじさんの家についてからスイッチを入れるのび太だが、元々がケチであるためか、くれたお年玉はたったの1円だった。そこでダイヤルを回してもっと高額のお年玉をもらおうとするが、ついにはスイッチが壊れてしまい、おじさんは全財産をお年玉にするとまで言い出してしまう。慌てて逃げ出した2人であったが、今度は行く先々で見知らぬ人々からお年玉をもらう事を強要されてしまい、2人はたまらず逃げ出してしまうのであった。  

 (解説)おじさんだけに限らず、エキストラキャラが活躍しているので、自然とにぎやかな雰囲気を醸し出している作品ですね。終いにはイヌまで「お年玉」をあげてしまったりという、あえて余計な部分まで付け加える芸コマさも良い感じです。今回の道具も個人的には欲しい道具の一つだったり(笑)。
おとりケース   TCS4巻、探4巻 7頁 小一81年7月号
 ママに何かを催促しているのび太だが、むげに断られてしまう。のび太はラジコンの戦車が欲しいのだが買ってもらうことも出来ず、自分の小遣いで買うことも出来ず、ドラえもんに相談してもお説教が返ってくるだけでどうしようもない。気晴らしにのび太が外に出かけると、外ではしずかと出木杉が紙で作った戦車で遊んでいた。紙の戦車が何故か動くのでのび太も驚くが、それはカブトムシに紙の戦車をかぶせていたものだった。面白がったのび太は早速紙でいろいろな乗り物を作るが、肝心のカブトムシがいないので泣き出してしまう。そこでドラえもんは「おとりケース」を出した。中に生き物を入れておくと、周りに仲間が集まってくると言うのだ。
 のび太は試しに家にいたゴキブリを中に入れてみるが、大量のゴキブリが集まってきたのを見てママが仰天してしまい、のび太はカブトムシを探しに裏山へ向かう。しかし見つけることが出来ないので、ドラえもんの提案でケースの中にはちみつを入れ、それをエサにカブトムシをおびき寄せる事にした。しかしやってきたのはネズミだったのでたくさんのネズミが集まってしまい、今度はドラえもんが仰天してしまった。二人は出木杉の飼っているカブトムシを借りることでようやくカブトムシを集め、カブトムシに紙の乗り物をかぶせてみんなで楽しく遊ぶ。
 たっぷり遊んだのび太達はカブトムシを逃がしてやるが、のび太はそれでもまだ本物のラジコン戦車にこだわっており、ケースを使ってお金を集めようと考える。これは生き物しか集める事は出来ないとドラえもんは一笑に付すが、それでもとのび太はママから借りた一万円札をケースの中に入れてみる。するとにわかに家の外がにぎやかになってきた。期待を膨らませるのび太だが、なんと現れたのは一万円札に印刷されている聖徳太子にそっくりな顔の人たちであった。  

 (解説)始めに言っておきますと、これは旧一万円札の時代なんで、そのへんはあしからず(笑)。で、今回の話はやっぱりオチに尽きるでしょう。いや、理屈は合ってるんですが、それでもやっぱり「聖徳太子の顔にそっくりな人」というアイデアを見事に描出したラストのコマは爆笑するより他にないでしょう。他にもたくさんのネズミやゴキブリが集まって絶叫するドラやママなど、今話はビジュアル的に面白い所が目白押しです。
鬼は外ビーンズ   7頁 小二85年2月号
 妙にしょげているスネ夫を見かけたのび太が理由を聞いてみると、うるさいからと言って母ちゃんに怒られ、自宅で歌の練習ができなくなったジャイアンが、スネ夫のおべっかを真に受けて、毎日スネ夫の家に歌の練習をしに来ているのだと言う。さすがにかわいそうに感じたのび太はドラえもんに相談するが、ドラえもんにも妙案は浮かばない。
 その時のび太の部屋にネズミが姿を現した。仰天したドラは大騒ぎしながらも「鬼は外ビーンズ」を出し、豆をネズミに投げつける。するとネズミは一瞬で家の外に移動してしまった。この豆に当たったものは、テレポートで屋内から屋外へ勝手に移動してしまうのだ。ドラえもんはこの豆を使ってジャイアンを外に追い出すことを思いつき、スネ夫の家に向かう。
 スネ夫の家には既にジャイアンが来ており、ジャイアンは3人を相手に歌の練習を開始する。相変わらずの歌声に辟易する3人だが、ドラえもんはジャイアンが乗ってきた頃を見計らい、豆を投げつけて、見事ジャイアンを外に放り出すことに成功する。
 適当にごまかされたジャイアンは再び歌い出すが、今度はのび太の投げつけた豆によって外に出てしまう。さすがにジャイアンも疑問を感じ始める。続いて豆を投げようとしたスネ夫だったが、とうとうジャイアンに気づかれてしまった。
 怒って追い掛け回すジャイアンから逃げるために外へ飛び出した3人。ドラえもんは追いかけてきたジャイアンに思わず豆を投げつけると、中から外へ追い出す豆なので外で投げても意味はないはずなのだが、なぜかジャイアンは追いかけてこなくなる。ジャイアンは服の中から外に放り出されてしまい、素っ裸になってしまっていたのであった。  

 (解説)道具の愉快な活用もさることながら、「ジャイアンの歌」という共通の災厄を阻止するために協力し合う3人の姿がおかしいですね。歌声に耐えている3人の苦悶の表情は絶品!オチへのつなげ方も実に巧妙で、最初から最後まで楽しい雰囲気に満ちた話に仕上がっています。
オバケせんこう   6頁 小二72年7月号
 肝試しでもまったく怖がらず、その度胸強さを褒められたことを自慢するジャイアン。その話を聞いていたみんなは、それぞれに勇気の優先順位をつけて、のび太が一番ビリで怖がりだと言ってバカにしだしてしまう。
 のび太に泣きつかれたドラえもんは、勇気があることをみんなに見せるために、自分でオバケを退治するようのび太に話す。突然の話に驚くのび太だが、ドラえもんは構わずに「オバケせんこう」を取り出した。目をつぶってオバケの形を考えながら線香の煙を吹くと、それが実体になるのだ。しかしのび太はマンガチックなオバケを作ってしまったので、続いて本物らしいオバケを出すが、今度は自分が怖がってしまう。オバケの方ものび太にやっつけられることに不服を言うが、言う通りにしないと消すとドラえもんが脅したので、渋々了承した。
 夜になって2人は出かけようとするが、オバケは夜が怖いと言って外へ出ようとせず、それでも無理やり連れ出して、学校のグラウンドで花火をしているみんなの元へ向かう。しかしみんなはオバケを見ても一向に驚かず、逆にいたずらで放り投げられたネズミ花火にオバケは驚いて逃げ回り、それを見たのび太とドラえもんは幻滅して立ち去るのであった。  

 (解説)この種の話も掲載時期からすれば普通なのでしょうが、今の視点から見ると似たような話がたくさんあるので、あまり新鮮味がないですね(笑)。それでもオバケの失敗作としてオバQを登場させているところにサービス精神を感じられなくもないです。まあ同種の話では比較的初期の話ですので、多少の物足りなさには目をつぶるべきでしょうね。
お化けたん知機   FF1巻 9頁 小二70年6月号(よわいおばけ)
 お化けに変装してのび太を驚かすスネ夫。そこへスネ夫の弟がびっくり箱を見せに来るが、スネ夫が驚かないので弟はふてくされてしまう。そこでスネ夫はのび太を紹介し、言われた通りに弟がびっくり箱を見せるとのび太は仰天して飛んで帰っていった。話を聞いて怒ったドラえもんは本物のお化けを連れてくることを宣言し、「お化けたん知機」を使って、古い井戸の跡に住んでいた三匹のお化けを見つけ出す。ところがお化けたちは最近の人間は怖がってくれないと言って外に出ようとしない。それでもドラえもんがおだてて何とか連れ出すことに成功する。
 一行はスネ夫の家に向かい、手始めに骸骨が家に忍び込むが飼い犬に足の骨を取られ、挙句にそれをスープの出汁に使われてしまう。次にノッペラボウが行ってみるが、驚かないスネ夫は顔に落書きしてしまう。今度は幽霊が忍び込むが、人魂に火をつけようとしているところをスネ夫の弟に見つかり、結局いいように遊ばれてしまう。さらに怒り出したお化けたちをとりなすためにドラえもんはお化けをのび太の所に連れて行ってしまい、驚くのび太を見ながら謝るのであった。  

 (解説)これはナンセンスと言っていいのか(笑)?最初期ならではの大らかな世界と言えばそれまでですが、やはりドラ世界において「オバケ」というのは違和感を感じてしまいますね。もっとも後年には毛が三本のオバケが出てきたりしますが。今話で幽霊が人魂をつけようとする時、マッチでつけているのが笑えます。
お話バッジ   TCS1巻 7頁 小一82年1月号(おはなしバッジ)
 のび太は以前使った「お話バッジ」の残りを見つける。これをつけるとその話とそっくりの事がおきるのだ。でも作品が「おやゆびひめ」なので、のび太はしずかにバッジをあげる。試しにつけてみたしずかは、スネ夫の持ってきたカエルに驚き、裏山まで逃げてしまった。一方のび太はドラえもんから、おやゆびひめの結末「花の王子さまと結婚する」を聞きバッジを取り戻しに向かう。裏山まで来た二人だが、偶然ドラえもんがポケットを落としてしまう。それを拾ったしずかはスモールライトを使って小さくなってしまう。野ねずみを追い払い、気絶しているツバメを助けたしずかはツバメと一緒に飛び去ってしまう。あきらめるのび太だったが、しずかは宿題を思い出した、と戻ってきたのだった。  

 (解説)元々の「お話バッジ」よりも強烈なギャグがなかったのが残念です。あのままツバメに乗って行ったら、しずかちゃんはどうなっていたんでしょう。まあもともとこのバッジを使っても結末は物語通りにはならないからいいんですけどね。
重さすいこみじゅう   TCS2巻 7頁 小一84年6月号
 ゴムとびをしているしずか達を見かけたのび太は仲間に入れてもらうことにするが、低くしてもらっても飛ぶ事が出来ないのですぐに止めてしまう。次に空き地でブロックを持ち上げて遊んでいたジャイアン達に無理やり誘われ、ブロックを持つように言われるがまったく持てないのでバカにされてしまう。さらに家の物置から出たゴミを捨てるように言われても、重くてゴミを持つ事が出来ず、ドラえもんにまでバカにされてしまう。そこでドラえもんは「重さすいこみじゅう」を取り出し、ゴミの重さを吸い取って軽くしてしまう。軽くなったので喜んで持っていくのび太だが、軽すぎたのかゴミが風船のように浮き始めたので、ドラえもんは少し重さを戻す。
 ゴミを捨てたドラえもんはのび太からジャイアン達にバカにされた件を聞いて、二人を驚かそうと空き地へ向かい、二人の座っている土管をあらかじめ軽くしてからのび太に持たせる。のび太が片手で土管を持ち上げたので仰天したジャイアン達は自分達も持ち上げようとするが、その時には既に重さを戻していたので持つことは出来なかった。
 のび太は次に自分を軽くしてもらって高く飛べるようになり、しずかも誘って三人揃って高く飛んで遊ぶ。さらに三人は風船よりも軽くなって風の吹くままに流れていくが、いつの間にか海のほうにまで飛び出てしまっており、三人は海の上を歩いて帰る羽目になるのであった。  

 (解説)重さを変える道具も数こそ少ないものの結構登場していますね。今回の道具は、重さを吸い込む時と戻す時とで効果音が異なっている所が芸コマです。展開そのものはオーソドックスですが、海を歩いて帰るというオチは何ともドラ世界らしいナンセンス性に溢れていて楽しいですね。
折り紙ラジコン   FF7巻 6頁 小二74年7月号(おり紙ひこうきコントローラー)
 しずかに手紙を書いたのび太はドラえもんに言われるままに、書いた紙で紙飛行機を作る。ドラえもんがアンテナをつけ、しずかに渡す切手を乗せてからドラえもんは「折り紙飛行機コントローラー」を使うと、紙飛行機がラジコンのように飛び始めた。ジャイアンに見つかると切手を取られてしまうので、紙飛行機で送ることにしたのだ。レーダー地図に従って操縦し、交代してのび太も操縦を楽しむ。しかし飛行機を見つけたジャイアンが飛行機をつかまえてしまい、手紙の内容を読んだジャイアンは怒りだす。飛行機が動かないことを心配する二人だが、また動き出したので安心してしずかの家に飛行機を届けるが、飛行機に乗っていたのは毛虫だったのでしずかは怒り出してしまう。
 合点のいかない二人が調べてみると、ジャイアンが切手を奪ったことがわかった。二人は飛行機で仕返しすることにする。道を歩いているジャイアンの後ろを「きってドロボウ」という張り紙をつけた飛行機が飛んでいるので、怒ったジャイアンは飛行機を丸めてドブに捨ててしまうが、それでも飛行機はジャイアンの所に飛んできて、さらにドラえもんは大量の紙飛行機をジャイアンの下に送り込む。家に逃げ帰るジャイアンだが部屋の窓からも飛行機が侵入し、しかも上に乗せていたたくさんの画鋲をジャイアンに降り注いだ。ジャイアンはすっかり参ってしまい、二人に切手を返すのであった。  

 (解説)典型的な仕返し話と、これも典型的な願望叶え話を一緒にした感のある話です。紙飛行機をラジコンにするという設定だけ聞くとなんとなくメルヘンチックな話を想像しますが、それを上手く仕返し話と融合させている所はさすがですね。


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