未収録作品か行 その3


クリスマスツリーの種   FF2巻 4頁 小一71年12月号
 窓から何かの種を落としてしまったドラえもんは慌てて探しに行くが、種は通りがかったスネ夫が拾ってしまう。そこへたくさんのヤキイモを持ってやってきたのび太を見たスネ夫は、うまいことを言って種とヤキイモを交換してしまう。交換してからサルカニ合戦のようだと思い返したのび太はママにも叱られてしまうが、せっかくだから種をまくことにする。部屋ではドラえもんが落ち込んでいたが、のび太から種のことを聞くと喜んで庭に向かう。すると先程まいた種がもう芽を出し、そこからプレゼント付きの大きなクリスマスツリーが生えてきたのであった。  

 (解説)低学年誌ならではの短い話ですが、その中には純粋に読者の「夢」を叶えるというドラ世界の基本がしっかりと描かれています。初期作であるにも関わらずほのぼのとした雰囲気が味わい深いですね。
クルパーでんぱ   8頁 小一70年11月号
 のび太は簡単な算数の問題も満足に解けず、かけっこでもビリになり、近道を通るために柵を飛び越えようとしても1人だけ失敗してみんなに笑われてしまう。そんな状態がつくづく嫌になったのび太は翌朝、学校に行かないと言い出した。ママやドラえもんは何とか説得しようとするが、そこへガチャ子が現れて、バカにされないようにするから学校へ行けと言い出した。ドラえもんが理由を問いただしてもガチャ子は教えようとしない。
 その日の学校ではとても簡単な算数の問題がなぜかみんなにも先生にさえも解けず、のび太が解くとみんなは仰天して驚く。かけっこでもみんなはなぜか異常に遅いのでのび太が一番になり、柵越えものび太は今日は何とか成功するがみんなは飛び越えられず、そのせいでのび太はみんなからすごいと尊敬されてしまう。
 不思議がりながらも悦に浸るのび太が家に帰ると、ドラえもんとガチャ子が口論をしていた。話を聞くと今朝ガチャ子は頭も体も弱くしてしまう「クルパーでんぱ」を発信しており、そのためにのび太以外のみんなは弱くなってしまったのだそうだ。ドラえもんはみんなを戻そうとするが、のび太はしばらくこのままにしておく事にしてママのところへ行くが、パパもママもすっかり弱くなってしまっており、パパはのび太に言われて会社に行くが会社への道を忘れたと言い、ママは夜になってもご飯を作らない。代わりに作ってと騒ぐ2人を前に、元に戻すようドラえもんに頼み込むのび太であった。  

 (解説)「ビョードーばくだん」や「人間うつしはおそろしい」の先駆と言える作品で、話の展開もほぼ同じになっています。細かい相違点を挙げれば後の2作が「みんなをのび太的能力にする」のに対し、今話では文字通りのクルクルパー(これも言っちゃいけないんでしたっけ?)になってしまうために、みんなが完全にバカになってしまっているところでしょうか。ほとんどのキャラが目を互い違いにして鼻水をたらしている光景は初期作ならではの光景で笑えます。ガチャ子の登場作としては最後の作品でもありますね。
クルリンじどうしゃ   8頁 小一77年4月号
 電池で動き、自分が乗ることも出来る小さい自動車のおもちゃを持ってきて、みんなに自慢するスネ夫。しかしまたものび太だけが仲間外れにされてしまい、悔しいのび太が泣きついてみても、さすがにドラえもんも自動車は持っていなかった。それでものび太がドラえもんのポケットに手を突っ込んでみると、「クルリン」というタイヤのようなものが出てくる。モーターがついていて自動的に動くこの道具を使って、ドラえもんは自動車を作る事にし、適当な空き箱にクルリンを4つつけて簡単な自動車を完成させた。
 自分の思った通りに動くクルリン自動車に乗って遊ぶのび太。一方スネ夫の車はジャイアンが乗り回していたために電池が切れてしまっており、そこへ車に乗ったのび太が現れ、自動車を作るためにジャイアンやしずかにもクルリンを貸してやる。うらやましがったスネ夫も欲しがるが、クルリンは残り一つだけになってしまっていたので、怒ったスネ夫はしずかを驚かせて、しずかの車を土管にぶつけて壊してしまう。
 のび太達が新しい箱を探しに行ったスキに、スネ夫はクルリンを奪って土管にそれをくっつけ、1人で遊びに行ってしまう。戻ってきたドラえもん達は、残り一つのクルリンにプロペラをつけたものを土管の先端に取り付け、翼もつけて飛行機を作る事にし、飛行機に乗って空を飛ぶ4人の姿を見て、またうらやましがるスネ夫であった。  

 (解説)単純な道具ではあるものの、それにプロペラをつけて飛行機を作ると言う応用性を道具に与えているところに、作者の遊び心を感じられますね。こういった話の場合、ジャイアンが被害者?だと「俺ものせてくれえ」とか言って騒がしくなるのですが、今回はおとなしめのオチになりました。もっとも後年の「ラジコンねん土」ではスネ夫も思いっきり悔しがるのですが(笑)。
仮病薬   FF7巻 8頁 小五76年2月号
 部屋の前でなぜか行ったり来たりを繰り返しているのび太。ドラえもんが聞いてみると、近所に住む岩古老人が塾を開くことにし、近所の子供はただで教えると言うので無理やり行かされる羽目になってしまったのだと言う。電話で催促がかかってきたのでママもすぐに行くよう言い出し、のび太は何とかしてくれとドラえもんにせがむ。ドラえもんは道具を出すのをためらうが、しかたなく「病気になる薬」を出した。未来のお医者さんごっこに使う薬でこれを飲むと病気にかかったようになるのだ。だが効果を疑うのび太は麻雀に行きたがらないパパに試しに飲ませてみる。するとパパの顔が見る見る熱くなっていき、ママは断わりの電話を入れた。そこへ今度は岩古じいさんが直接家にまでやってきて、誰もまだ来ていないことを告げた。ママはすぐにのび太を行かせようとするが薬を飲んだのび太は氷のように冷たくなっており、病気だと思ったママは断わることにする。水を飲んで元に戻ったのび太は岩古さんの下へ向かうしずか達にも薬を飲ませて塾を休ませ、救いの神だと褒められる。だがそこへママが医者を連れてきたのでのび太は慌てて薬を飲もうとするが、慌てすぎて薬を大量に飲み干してしまった。するとのび太は偽の病気ではなく偽の幽霊になってしまい、それを見たママは仰天してぶっ倒れてしまうのであった。  

 (解説)ほとんど「いんちき薬」と同じ展開の話ですが、今話の本当の見所はラストのオチだったのです。今話は初出時の時と現在とでオチが異なっており、初出時は薬をたくさん飲んだためにいろんな病気がいっぺんにのび太の顔に表れてしまう、というものでした。恐らくその際ののび太の顔があまりに醜悪すぎるので、FFランドなどでは「偽の幽霊」へとオチが変更されたのでしょう。この「すごい顔」が一番の見所だったのですが、それがなくなってしまったために今一つインパクトに欠ける作品になってしまいました。
ゲラメソプンピストル   7頁 小一78年12月号
 空き地でしずかにおもちゃのピストルの腕前を披露するのび太。そこへやってきたジャイアンもやってみるが、一発も的に当たらなかったので、怒ったジャイアンはピストルを取り上げてしまう。
 困ったのび太は靴も履いたままで部屋に駆け上がり、ドラえもんに泣いてすがる。ドラえもんは取られたら取り返せと叱咤するが、ジャイアンを怖がるのび太にできるはずもなく、仕方なくドラえもんは「ゲラメソプンピストル」を出した。靴のことで叱りにきたママを試しに撃ってみると、ママは突然笑い出した。この道具はわらいだまやなきだま、おこりだまなど様々な種類の弾で、相手の感情を変えることが出来るのだ。
 これでジャイアンが怯んでいるうちにピストルを取り返すことにしたのび太は空き地へ向かうが、空き地ではジャイアンの代わりにスネ夫が子犬をいじめており、のび太はスネ夫を撃ってみるが、弾が外れて犬に当たってしまう。しかしそれはおこりだまだったので、怒り出した犬は逆にスネ夫を撃退してしまった。のび太は続けてまったく鳴かないという小鳥になきだまを撃ってみるが、鳥は人間のように泣き出してしまった。のび太はさらに大勢の人にわらいだまを使ってしまうが、そのせいで残りの弾が1つだけになってしまい、呆れたドラえもんも立ち去ってしまう。
 そこへしずかからジャイアンがピストルで他の友達をいじめていると聞かされたのび太は、駆けつけて最後の一発を発射するが、またも標的には当たらず、友達に当たってしまう。しかし撃った弾がおこりだまだったので友達は烈火の如く怒り出し、ジャイアンは逆襲されてしまうのであった。  

 (解説)この頃は既に「のび太は射撃が得意」という設定は一般的だったはずにも関わらず、なぜか射撃がヘタクソなのび太を今話で見ることが出来ます。いくらでも話を膨らませることが出来そうな、魅力的な道具ではあるのですが、それにしてはなんとなく消化不良の感が残ります。やはりページ数の少なさが足を引っ張っているのかもしれませんね。ラストでキレてるはる夫を見ることが出来るので、ファンは必見です(笑)。
ケロンパス   FF4巻 6頁 小五75年1月号
 雪が積もったその日、パパはみんな空き地で遊んでいるのだからのび太も遊びにいくことを勧めるが、のび太は運動しなければ体に悪いことを理解しながらも、面倒がってコタツの中から出ようとしない。しかしママに叱られたので仕方なくスキーに行こうとするが、階段から転げ落ちたのをいいことに怪我をしたとウソをついてしまう。そこである考えを思いついたドラえもんは部屋の中を駆け回り、疲れたところで疲れを移す膏薬「ケロンパス」を出した。これを貼ると疲れが取れ、のび太に貼るとその疲れがのび太に映った。心地よい疲れを体験したのび太はもっと疲れてみたいと言い出したので、ドラえもんは外に出ていろんな人から疲れをもらうが、結果その数は30人近くになってしまった。それでものび太に疲れを移すとのび太は疲れきって立つことも出来なくなってしまうが、ずっと部屋の中にいたためママたちには信じてもらえないのであった。  

 (解説)今話のドラえもんは最初からケロンパスを使用することを念頭に置いているあたり、ちょっとのび太に甘い気がしますね。のび太は家の中にいながら疲れを味わおうなんて虫のいいことを考えているのだから、ラストのオチはむしろ因果応報といった感じで溜飲が下がります。しかし30人もの疲れをいっぺんに味わって、果たして「立てない」程度で済むものなんでしょうか(笑)?
けんかマシン   FF1巻 15頁 小四70年3月号
 飲酒運転をしている男達をのび太は思わず注意してしまうが、それに腹を立てた男達に殴られてしまう。悔しい気持ちをこらえて帰路につくのび太だが、その途中で今度は友達がジャイアンとスネ夫にいじめられている所を目撃する。友達を慰めるのび太だが、逆に友達は自分より弱いのび太をひっぱたいて鬱憤を晴らしてしまう。さらにのび太は犬にまでかまれてしまうが、怖くて仕返しできないという気持ちを勝手にすりかえて自己満足に浸ってしまう。だが家にいたドラえもんに詰問されるとやはり悔しくて泣き出してしまった。だがそれでも相手に仕返しできない臆病なのび太のためにドラえもんは「けんかマシン」を取り出した。はじめに口ゲンカ用の「入れじた」をつけてみると、のび太はものすごい悪口をドラえもんに言い放ってしまう。次に高速で移動できる「イナズマソックス」を履くとドアを突き破って一瞬で廊下に出てしまい、さらに「パワー手ぶくろ」をつけてのび太は仕返しに向かう。ところがその途中で口を開いたためにママに悪口を言ってしまったり、近づいたドラえもんを勝手に殴り飛ばしたりしてしまう。そんな時に先程の男達の車を見つけたのび太は軽く蹴ってみるが、車は吹っ飛んでバラバラに壊れてしまった。機械が壊れているようだがドラえもんにも外せない。ドラえもんはタイムマシンでセワシを呼びに行くが、その間にのび太は先程の友達と出会う。しかし彼とケンカしてバラバラにしてしまったことを考えてのび太は震えだし、その場を離れるが、それを友達は自分を怖がって逃げたものだと勘違いしてしまう。セワシを連れてきたドラえもんだがのび太がいなくなっていたので探し始めた。のび太はさっきの男達に見つかっていたが、逆にぶっ飛ばしてしまう。だがその最中にマンホールの穴に落ちたのび太は気絶してしまい、ドラえもん達はそのスキにけんかマシンを外す。一安心するのび太だが、さっきの友達が強い所を見せようと弟達まで連れてきて、再びのび太にちょっかいを出してきた。だがそれでものび太はやり返すことが出来ず、結局さっきと同じように屁理屈をつけて逃げ帰ってしまうのであった。  

 (解説)今話は初期作特有のドタバタ色がちょっと薄れてしまっているので、15という総ページ数を生かしきれていないような気がします。ドラえもんも比較的落ち着いた雰囲気なのが特徴的ですね。ただ作中でのいじめる側の連中を懲らしめるというカタルシスがないので、読み終わると欲求不満になるかもしれません。個人的には入れじたでの悪口が好きですね(笑)。
元気えさ   CC3巻 7頁 小一79年5月号(げんきえさ)
 風もないのに、のび太の家のこいのぼりが元気よく泳いでいることを不思議がるジャイアン達。これはドラえもんが、こいのぼりのエサになる「元気えさ」を食べさせたためで、それを聞いたジャイアンも早速自分のこいのぼりに食べさせるが、3つだけというドラえもんの忠告を無視して大量にエサを食べさせたために、こいのぼりは元気になりすぎて逃げてしまった。
 のび太とドラえもんはタケコプターで追いかけるが、こいのぼりは雲の中に隠れてしまったので、「くもボート」に乗って釣りを行う事にする。間違えてカラスや風船を釣り上げてしまうも、ようやくこいのぼりをつかまえた。しかし元気なこいのぼりに逆に2人が振り回されてしまい、ようやく少しおとなしくなったこいのぼりを連れて帰る。しかしまだ元気があって紐に繋ぐ事はできないので、仕方なくジャイアンの部屋の中で放し飼いにするのであった。  

 (解説)展開そのものは地味なのですが、今話はやはりビジュアル面でのナンセンスさが抜群にいいですね。こいのぼりがエサを食べると言う事自体がナンセンスではあるのですが、雲を池に見立てて釣りをしたり、こいのぼりを「放し飼い」にしたりと、他にも際立つおかしなシーンがたくさん存在しています。このような状況でも登場人物がマイペースを通している点が、いかにもドラ世界と言う感じでこれまたいいですね。
こいこいマークでお中元   FF7巻 6頁 小三74年6月号(お中元ただでもらう)
 道でのび太と話していたスネ夫はどこかの家を探している配達員に話しかけ、自分の家を探しているのかと質問して家の場所を教える。すると確かにスネ夫の家を探している人が結構現れた。のび太が聞いてみると、スネ夫の家にお中元を届ける人たちだと言う。そのことでまたスネ夫にイヤミを言われたのび太は家に帰るが、中に入るとたくさんお中元が置かれているので思わず喜んでしまう。しかしそれは逆に渡しに行くためのお中元であった。自分の家にお中元がこないことを不思議に思うのび太。そんなのび太を見てドラえもんはどこかへ行ってしまう。するとなぜかのび太の家にお中元が届けられた。ドラえもんの仕業だと思って喜びながら外に出ると、玄関先に矢印のようなマークがついており、スネ夫の家まで繋がっていた。これは「こいこいマーク」と言って、この矢印の上に乗るとその方向通りに歩いてしまうのだ。つまり家に届いていたのはスネ夫の家に送られてきたお中元だったのだ。当然のび太は怒り出したのでドラえもんはマークを剥がし始めるが、なかなか剥がしづらいらしい。家に戻るとたくさんのお中元が届いており、さらにはガスや水道の集金取立てが来たり、風呂場の改装に来た工事人夫が風呂場を壊そうとしてしまう。さらにスネ夫の両親まで野比家にやってきてしまい、帰ってきたママは仰天する。やっとマークを剥がしたドラえもんだがママにばれたので二人で空に逃げる。しかしなぜか同じところをグルグル回って進めない。ママがすぐ下にこいこいマークを貼ったので二人は逃げることが出来なくなってしまうのであった。  

 (解説)さすがにお中元と言う題材は子供の世界にはあまり深く絡んでこないためか、話の中で題材として扱われているのは今話のみにとどまっています。しかしお中元が欲しいと聞いて、スネ夫の家のお中元をそのまま持ってこさせてしまうドラの行為は、最初期のハチャメチャぶりに共通しているものがありますね。
高層マンション脱出大作戦   10頁 小三90年1月号
 タケコプターで空の散歩を楽しむのび太。だがそこにものすごいスピードで野球ボールが飛んできた。それは友だちのマナブが打ったもので、それを見たジャイアンは是非チームに入って欲しいと懇願するが、マナブはママがうるさいので勉強しなければならず、マンションの14階に住んでいるので逃げ出す事もできないという。そこでジャイアンはドラえもんに頼んで何か出してもらうようのび太に命じる。
 2人は早速マナブの家に行くがママが邪魔をして玄関からは入れないので、タケコプターで窓から入り込む。手始めにドラえもんは「手ぶくろパラシュートお子さま用」を使って逃げようとするが、マナブの体重が重いので普通よりも早く落下してしまい、次に「ジャックと豆の木下半分」を使い、根っこを伸ばして非常はしごを作り上げるが、マナブは高所恐怖症なのでこの作戦も行えない。続いて「タテヨコバッジ」を使って縦と横の向きを変えて壁を歩いて降りる事にするが、目立ちすぎるので他の住人に見つかってしまい、今度は「ミニサイズハンググライダー」を出すが、さすがにマナブも怒り出してしまったので、とりあえずグライダーを残して2人は帰ることにする。
 そして翌日の試合の時間になるがマナブは現れない。しかしマナブはようやく決心してグライダーで飛び出した。そうとは知らないジャイアンは待ちきれないのでドラえもんにせがみ、ドラえもんは「物体変換クロス」でジャイアンとマナブを入れかえるが、マナブと入れ替わったジャイアンはグライダーの操縦方法がわからないのでそのままどこかに飛んでいってしまう。マナブの活躍でゲームは勝利するが、ジャイアンが戻ってこなかった事を心配するドラえもん。ジャイアンはグライダーの飛びすぎのため、ものすごい山奥にまで飛んできてしまっていたのであった。  

 (解説)F先生のお気に入りキャラ?マナブが登場している一編ですが、今話は他の話と比較してもマナブの登場シーンが多いですね。だからと言うわけでもないでしょうが、通常回よりもたくさん道具が登場しているところもファンとしては嬉しいところでしょう。ジャイアン受難のオチも笑えますね。
コース決定機   CC2巻 7頁 小二78年10月号(コースけっていき)
 何かが「来る」ことを案じているパパとママ。のび太はてっきり嫌なお客でも来るのかと考えるが、2人が心配していた来訪者とは台風のことだったので、のび太は興味をなくし、部屋でマンガを読み始める。パパは台風に備えて屋根の修理を始めたが、釘がなかったのでのび太がお使いを頼まれてしまった。
 買い物の途中でしずかに会ったのび太は、買い物のことを忘れてマンガを一緒に読もうと静かを誘うが、しずかはとても急いでいる様子。さらにちょうど通りがかったジャイアンがその話を聞いてしまい、あとでマンガを借りに行くと勝手に約束してしまう。しずかも逃げたカナリヤを探している最中とのことで、のび太も手伝おうとするが、どうしても捕まえることが出来ない。家で待っているパパも、一向に帰ってこないのび太に苛立ちを募らせていた。
 のび太達から話を聞いたドラえもんは、カナリヤを捕まえるために「コース決定機」を取り出した。目標物をロックしてからこの道具でコースとなる線を引いていくと、目標物はこのコースの上しか移動することが出来なくなってしまうのだ。これを上手に利用してドラえもんはカナリヤを鳥かごまで無事に誘導し、ついでにマンガを取りに来たジャイアンも家に帰してしまった。
 安心して帰宅したのび太だったが、そこに至ってようやく買い物のことを思い出し、パパとママに叱られてしまう。しかし既にドラえもんが先程の道具を使って海上にコースを書いておいたため、台風は急にコースを変えて、海の彼方に戻って行ってしまうのであった。  

 (解説)読み始めた時からなんとなくオチが読めそうな展開ではあるのですが、カナリヤやジャイアンといったミニマムな対象物が、唐突に台風という巨大な代物になると言うその飛躍ぶりには、違った意味で驚かされますね(笑)。ラストページの一番左上のコマ、後頭部しか映っていないドラの姿がなんかラブリー(死後)。
ごきぶりふえ   7頁 小一75年10月号
 「ハーメルンのふえふき」の本を読んでいるのび太。するとママの物凄い悲鳴が聞こえてきた。台所に行って聞いてみると、ゴキブリが出たのだと言う。その場は殺虫剤で追い払うが、また他のゴキブリが出てくるのでママも困ってしまい、それを見たドラえもんは「ハーメルンのごきぶりふえ」を出した。これを吹くとお話のようにゴキブリが笛の音につられて寄ってくるのだ。家中のゴキブリをゴミバケツの中に閉じ込めた2人はママからごほうびをもらい、みんなにも笛の事を自慢するが、ジャイアンに取られてしまう。
 ジャイアンは家のゴキブリを退治して母ちゃんから小遣いをもらおうと企んでいたが、家にはゴキブリなどいないと軽くあしらわれてしまう。その頃、のび太のママは間違えてゴキブリを閉じ込めたゴミバケツを開けてしまい、ゴキブリは全部逃げ出してしまった。それを見たジャイアンはこれを家に連れて行くことにし、笛を使ってついでに町中のゴキブリを集めて家に連れて行ってしまう。しかし家に現れた大量のゴキブリを見て、当然母ちゃんは怒り出し、奪った笛でジャイアンをぶっ叩いたために笛も壊れてしまい、ゴキブリだらけの家の中で母ちゃんから逃げるジャイアンであった。  

 (解説)まあゴキブリが好きな人も滅多にいないとは思いますが、今話では電灯の上にまで逃げてしまうママや、物凄い顔をして驚く母ちゃんなど、母親連中の過剰なまでの驚きぶりがおかしい小品になっています。笛の音が「ほういほうい」というのはなんかのんびりしていていいですね。ラストのオチもまさにドタバタギャグという感じがして笑えます。
ごくうリング   FF23巻、CC4巻 7頁 小二79年3月号
 今日も学校に遅刻し、宿題を忘れて廊下に立たされるのび太だが、のび太はそれをママやドラえもんのせいにしてくるので、ドラえもんは自分がだらけているからだと逆に叱りつける。だらけないようになる機械を出して欲しいとのび太が頼んできたので、ドラえもんは「ごくうリング」を出した。これを頭につけて「しまれ」とか「しめろ」と言うと、リングが頭を締め付けるのだ。ドラえもんはのび太の飽きっぽさを気にかけるがのび太は固く決心しているようなのでリングをかぶせることにする。しかしのび太は宿題をせずにしずかの家に行こうとするので、早速ドラえもんにリングを締められてしまう。このリングは他人に取ってもらわないと取ることが出来ないのだ。その後ものび太は宿題を無理やりさせられたり、お使いに行かされたりとひどい目にあってしまったのでしずかに外してもらうことにする。しかしそこに通りかかったスネ夫は上手いことを言ってしずかにリングを外させるのを止めさせ、さらにリングの力を逆手にとってのび太にお使いを言いつけてしまう。だがのび太は現れたジャイアンにバンドを取られたので一安心する。しかしもちろんジャイアンもひどい目にあってしまったので、のび太に仕返ししようとするが、自分で「しめてやる」と言ったためにリングを締める結果になってしまうのであった。  

 (解説)「風の子バンド」に比べるとビジュアル的なお笑いの要素は影をひそめていますが、それでもリングをつけたのび太やジャイアンの描写はかなり笑えるものが多く、それを見るだけでも楽しめます。しかし「しめてやる!」なんて、子供が子供に向かって言うセリフではないですね(笑)。相変わらず小ずるい性格のスネ夫も要チェックです。
こごとひらいしん   TCS4巻 7頁 小一81年12月号
 下校中にまたジャイアンに追いかけられたのび太は何とか隠れてやり過ごし、さっさと家に帰ろうとするが、途中でスネ夫から先生が成績の事で家に来るということを聞かされ、ドラえもんに助けてもらおうとするが、家でもママは0点の答案を見つけ、パパはのび太が壊したゴルフクラブを見つけてしまっており、のび太は家にも入れなくなってしまったので、タケコプターを使って部屋の窓から家に入る。助けを求められたドラえもんは「こごとひらいしん」を出した。これは雷避けの避雷針のように、怒られる時に近くの人にこのひらいしんをつけると、小言がそちらへ流れていってしまうのだ。しかしドラえもんは他人を身代わりにするのは良くないと言って道具をしまおうとする。だがそこへママがやってきてしまい、のび太は咄嗟にひらいしんをドラえもんにくっつけ、ドラえもんを叱らせるだけでなく、代わりに宿題までやらせてしまう。さらにのび太はパパのゴルフクラブについてはママを代わりに、先生のお説教ではパパを代わりにしてピンチを脱する。外に出かけるとスネ夫がジャイアンにのび太の居場所を知らせてしまうが、のび太はスネ夫を身代わりにして殴らせてしまう。間違いに気づいたジャイアンは再び追いかけてくるが、今度は近くにいたノラネコにくっつけて、ジャイアンをやり過ごす事に成功する。安心して家に帰るのび太だが、ドラえもんからひらいしんを取り戻すように言われ、ネコを探しに行く。ネコを見つけてひらいしんを取り戻そうとするのび太だが、その時ネコの放り投げたひらいしんをのび太が頭につけてしまい、のび太はネコのやったいたずらの事で、近所の人たちにネコの代わりに怒られる羽目になってしまうのであった。  

 (解説)道具自体には魅力があると思うのですが、ちょっと話の展開自体は単調になってしまっていますね。類似の話とあまり相違点がないのが欠点でしょうか。その代わり、知らない振りをして去っていくドラも含めて、オチはよく出来ていると思います。もちろん、ジャイアンにぶん殴られるスネ夫も必見ですね。
こころふきこみマイク   8頁 小三87年4月号
 ボールをぶつけたと言ってのび太を怒るジャイアンだが、実際はスネ夫が投げたのだとまわりの友達に指摘され、のび太はジャイアンに間違いを認めて自分に謝るように頼む。しかしスネ夫がいいように言いくるめてしまったので結局のび太は殴られ、周りのみんなも何も言えなくなってしまった。のび太は何とかしてジャイアンに謝らせたいがケンカも怖いというのでドラえもんにもどうしようもなく、仕方なくのび太は昼寝するが今度はママに宿題をするよう命令されてしまう。それでもさっきの事を思い出して集中できないというのび太のためにドラえもんは「こころふきこみマイク」を出した。これで相手にさせたい事を吹き込むと、相手はその通りのことを行ってくれるのだ。試しにママに「宿題をしなくてもいい」と吹き込んでみると、ママはその通りにのび太を遊びに行かせてくれた。
 出かけた先で友達2人を見かけたのび太は、2人にジャイアンにもっと強く言ってもらおうと心を吹き込むが、2人はジャイアンに返り討ちにあってしまったので、ジャイアンに心を吹き込んでケンカを止めさせる。続いてのび太はジャイアンに謝らせようとするが、強情なジャイアンは生半可な事では謝ろうとせず、それでも何度も吹き込んでようやく謝ってもらった。
 胸がスッとしたのび太だが今度は調子に乗ってスネ夫のラジコンを借りたりしずかに逆立ちをさせたりしてしまうので、ドラえもんはマイクを奪ってのび太に宿題をやらせる。ところが嫌がりながらも宿題をするのび太を見てママは感心し、ご褒美にごちそうを作ってくれることを約束してくれるのであった。  

 (解説)中学年誌の掲載作品にしては結構シビアなシーンが冒頭に登場しますが、全体としては普通の道具中心のギャグ話です。ケンカを怖がるのび太の臆病さも相変わらずですが、同時に少し強情な面を描いていて、キャラに厚みが出てますね。仕返し話とハッピーエンドを巧みに織り交ぜていますが、それでも少しオチは唐突だった気もします。
答え一発!みこみ予ほう機   FF24巻 10頁 小四79年3月号(みこみ予ほう機)
 何やら悩んでいる様子ののび太。ドラえもんが話を聞いてみると、のび太はお小遣いの値上げ交渉をママにするべきかどうかで迷っているのだと言う。そこでドラえもんは「みこみ予ほう機」を出した。これに質問して成功する見込みがあるならラッパが鳴り、ダメならアカンベーをするという。早速のび太が聞いてみるとアカンベーをされてしまうが、それでも諦めきれないのび太は決心して交渉に向かう。しかしやはり断られてしまった。だがのび太は今度は宿題をする時やプラモデルを作る時にも機械に質問するようになり、アカンベーをされるたびにそれらをするのをやめてしまう。結局昼寝をするのび太はママのお使いも断ってみんなに道具を見せに行く。そこで友達は近所に住んでいる浪人生が合格する見込みや、宝くじが当たる見込みなどを聞いてきた。しかしその噂を聞きつけたジャイアンが、自分が将来歌手になれるかどうかの見込みを聞いてきたので、のび太は渋々聞いてみるがやはり結果はダメだったので、怒ったジャイアンはのび太をぶん殴ってしまう。事実を言われたのに逆恨みしてきたジャイアンに腹を立てるのび太だが、ふと自分のことを聞いてみたくなり、色々自分のことを聞いてみるが全部否定されてしまい、最後にはしずかとも結婚できないとまで言われてしまう。未来に絶望するのび太だが、そこにやってきたドラえもんは、この道具が教えてくれるのはあくまで「見込み」だけであり、今のままののび太であれば上手くいかないと言うことを示しているのだ。つまりこれからのび太が変わっていけば、十分願いも叶うのである。その事を聞いたのび太は勇んで家に帰るが、のび太はその努力を小遣い値上げに使うことにしてしまったため、宿題の方に努力を向けて欲しかったドラえもんはガッカリしてしまうのであった。  

 (解説)全体ではギャグ編の雰囲気ですが、終盤に「成長」というテーマを違和感なく込めているところがさすがですね。「のび太もたまには考える」のような、どちらかと言えば高学年誌の掲載作品で扱われそうなテーマを「小四」で扱ったことも興味深い事項です。今話の道具は見た目からして人をバカにしているような感じがしてイイですね(笑)。
ゴマロック   FF21巻 7頁 小三78年3月号
 部屋でママに叱られているのび太。ドラえもんが話を聞いてみると、のび太のいない間に勝手に引出しを調べて、隠していた0点の答案を見つけてしまったのだと言う。引き出しにつけるカギを出してほしいと言うのび太に、隠すほうが悪いと説教するドラえもん。するとのび太はドラえもんが押入れに隠していたドラやきを引き合いに出してきたので、仕方なくドラえもんは「ゴマロック」を出した。これで何かに触って自分の声を聞かせると、そこに音声入力式のカギをかけることが出来るのだ。ドラえもんは押入れを使って試し、のび太も早速引き出しにカギをかけ、わざと思わせぶりなセリフを言ってママに開けさせようとする。その事を知ったママはのび太を追いかけるが、のび太は玄関のドアにもカギをかけてしまったので開けることが出来なくなってしまった。しずか達にゴマロックのことを自慢するのび太は、スネ夫に道具の力を疑われたために実践してみることにし、土管の穴につけた板にカギをかけ、ジャイアンをからかうことにする。ジャイアンはどうしてもその板を動かすことが出来ず、さらにのび太を殴ろうとした時にタイミングよく板を閉められたので、手を板にぶつけてしまう。のび太はゴマロックを一人10円で貸すことにするが、しばらくたって雨が降っても返しに来ないので、のび太は土管の中で雨宿りをするが、体が冷えたために風邪を引いてしまう。ようやく返してもらったゴマロックを持って家に帰るが、風邪を引いて声が変わってしまったために玄関のドアを開けることが出来なくなってしまうのであった。  

 (解説)未来道具の融通の利かなさがここでも全開になっていますね(笑)。道具自体の個性としてはちょっと物足りない部分があるので、一つの話を牽引するにはちょっと役不足な気もしますが、ドラから道具を借りるためにしたたかな行動をとるのび太など、細かい部分が光っていますね。
コメットハンターに挑戦!   10頁 小六86年7月号
 夜、目が覚めたら眠れなくなったのび太はタケコプターで夜の散歩に行く。すると自宅の屋根の上に座って、双眼鏡で夜空を眺めている出木杉と出会う。彗星を探していると言う出木杉に、てっきりハレー彗星を探しているものだと勘違いしたのび太は、翌日にジャイアン達にも話して笑うが、出木杉はハレー彗星を探していたのではなく、コメットハンターのように新しい彗星を発見しようとしていたのだ。結局みんなにバカにされたのび太は自分も彗星を見つけると言い出す。そのために昼寝して夜に備えるが、夜になって雨が降り出し、「サエギルモノナシフィルター」で雲を素通しして何とか夜空を眺めるが、それでも新しい彗星を見つけることがどれほど難しいかをドラえもんに指摘され、のび太は彗星の核となるアイスを宇宙へ送って、彗星を作り出すことを思いつく。「地球引力脱出ペダル」でアイスを宇宙に送るが、すぐに水分が蒸発してしまったためにアイスの棒だけになってしまった。だが諦めないのび太は、今度は新しい月を作ろうと言い出す。裏山で早速「お月さまU」を作り始めるが、あまり山を削ることも出来ず、さらに軌道も低くすることが出来ずに悩む二人。しかしドラえもんは名案を思いついた。月Uの公転と地球の自転の周期をあわせることで、家の庭に浮かべたのだ。しかし地球上では止まっているようにしか見えないため、これを「月」と言われても素直に納得できないみんなであった。

 (解説)宇宙に大きな興味を持っていたF先生らしく、話の至る所に彗星についての知識が散りばめられ、同時にのびドラのあの手この手の作戦が展開され、読み応えのある一編になっています。しかしやはり白眉はラストの「お月さまU」でしょう。理屈を逆手に取ったこのナンセンスな図は、星を手にとってしまうという「手にとり望遠鏡」に匹敵するバカらしさと言えるでしょう。それを真面目に解説するドラもまた面白いですね。
ゴロアワセトウ   TCS1巻 7頁 小一83年6月号
 大きなクモを見せてドラえもんとのび太を驚かすジャイアンとスネ夫。次はしずかを驚かそうとする二人より先回りしたドラえもんは、しずかに「ゴロアワセトウ」を貸し、クモのいる箱を開ける前にこの光を当てるように指示する。しずかがそのとおりにすると、箱からは「雲」が出てきた。同じ言葉の別のものに変えられる機械なのだ。のび太は「花」を「鼻」に、しずかは「雨」を「アメ」にして遊ぶ。それを見たジャイアン達はゴロアワセトウを取り上げようと計画を立てる。ドラえもんはさらに「さかさことば」で遊ぶ機能を用い、「ミルク」を「クルミ」に、「草」を「さく」に変える。しずかのママに注意され「さく」を元に戻すが、しずかの家からの帰り道、強引にゴロアワセトウをジャイアン達に取られてしまう。だが使い方が分からないジャイアンはスネ夫の「歯」を「葉」にしてしまい、さらに空に向かって光を出し、「雲」を「クモ」に変えてしまう。空から落ちてきた巨大なクモに驚き逃げるジャイアンとスネ夫だった。  

 (解説)僕の好きな「具象化鏡」の元ネタともとれる、「言葉遊びを現実のものにする」道具です。まさに楽しく遊ぶための道具で、「こんなこといいな、できたらいいな」の世界を良く表現していると思います。「雨」をさりげなく伏線にしている所もマル。ジャイアン達にゴロアワセトウを取られ、たんこぶを二つ作って倒れているドラえもんがなんかおかしい(笑)。
こわ〜い!「百鬼線香」と「説明絵巻」   10頁 小三、四91年4月号
 家電製品やおもちゃなど様々なものを粗大ゴミとしてたくさん捨ててしまおうとするスネ夫。物を大事にしようとしないスネ夫の態度にのび太もドラえもんも憤慨する。二人は家に帰ってテレビを見ようとするが例によって具合が悪く、適当に叩く事でようやくテレビを見る事が出来た。しかしそれも束の間、今度は掃除機や洗濯機が古いと言う事でママとパパが口論を始め、機嫌を悪くした二人はそれぞれ出かけていってしまう。なんでも使い捨てにしてしまうからこんな騒ぎが起きると怒り出した二人はその代表格であるスネ夫を少し懲らしめてやろうと、「『百鬼線香』と『説明絵巻』」を出した。線香の煙を捨てられた道具にかけておくと夜になって動き出し、「百鬼夜行」となって持ち主の家にやってくるというのだ。早速二人はスネ夫の家に行って粗大ゴミに線香の煙を浴びせるが、ドラえもんはネコのケンカの仲裁に呼ばれたので途中で出かけてしまい、のび太はさらに煙をかける。家に戻った二人はとりあえずお化けが動き出す午前2時を待つ事にする。その時間でなければお化けは動き出さないのだ。ところが夜の8時になってもパパもママも帰ってこず、ご飯も食べないままついに午前2時になってしまった。二人はスネ夫の家の様子を見に行くが、ドラえもんは再びネコのケンカの仲裁に向かってしまったので、のび太が一人でスネ夫の家に向かう。ところがスネ夫の家は静まり返っており、お化けたちはなんとのび太の家に向かっていた。止めようとしてものび太の言う事は全然聞かない。駆けつけたドラえもんがよくよく話を聞いてみると、のび太は線香を家に持ってかえってしまったために、線香の立っている家に向かうお化けは野比家に向かってしまったというのだ。既に家ではお化けが勝手にそれぞれ働き始めてしまっており、朝まで止める事が出来ないので二人も困り果ててしまうが、二人は逆に本物の全自動として動いている道具達を有効に活用する事を思いつく。すっかり帰りが遅くなってしまったパパとママは心配して家の中に入るが、中ではのび太とドラえもんがお化けに頼んでたくさんの料理を作ってもらい、それを食べている所であった。  

 (解説)今話は特に注目すべき演出とかストーリーとか技巧とかはありません。しかしそれでも特別な感情を抱かないわけには行かないのは、この作品がドラの「短編作品」としての事実上の最終作品だからでしょう。よもやこの作品が短編ドラの最終話になってしまうとは、当時は誰も考えもしない事でした。と言うわけでファンにしてみれば格別な感情を持ってしまいますが、一作品として見るといたって平凡な作品です。同様のテーマに沿った作品としては「ざぶとんにもたましいがある」がありますが、あちらよりはギャグ要素が薄れてしまっている所が難点でしょうか。マニア的見所を敢えて言えば、短編最終作の段階でもまだ具合が悪い野比家のテレビですかね(笑)。



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