未収録作品な行


なおしバンとこわしバン   TCS3巻 7頁 小一85年2月号(『なおしバン』と『こわしバン』)
 スネ夫からおもちゃをたくさんやると言われ、のび太は喜び勇んでスネ夫の家に向かうが、出されたのは壊れているものばかりだった。さすがにのび太も怒って家に帰り、ドラえもんと一緒にテレビの「にんにくマン」を見ようとするが、テレビが壊れているので見る事が出来なかった。そこでドラえもんは「『なおしバン』と『こわしバン』」を出し、なおしバンの方をテレビにくっつける。するとテレビが完全に直った。なおしバンを貼ると物が直り、こわしバンを貼ると壊れてしまうのだ。二人は安心してテレビを見るが、その途中でママから掃除を頼まれてしまい、嫌がるのび太のためにドラえもんは掃除機にこわしバンを貼り付けた。テレビを見終えた二人は掃除機からこわしバンをはがして、パパやママを驚かせる。次にのび太はスネ夫の家から先程の壊れたおもちゃを全部もらってなおしバンを貼り付け、しずかも誘って空き地で楽しく遊ぶ。スネ夫からもらったという話を聞いたジャイアンは、自分もとスネ夫の下に駆けつけるが、スネ夫はおもちゃは全部ジャイアンに上げる予定だったと調子のいい事を言い出し、のび太からおもちゃを取り上げようとしてしまう。二人はなおしバンをはがそうとするが、その事もスネ夫に気づかれてしまったので、なおしバンとこわしバンもスネ夫に持っていかれてしまった。スネ夫はジャイアンの鼻のおできを治すためになおしバンを貼ろうとするが、間違えてこわしバンを貼ってしまったため、ジャイアンの顔が「壊れて」しまうのであった。  

 (解説)ストーリー自体は至って単純なノリの今話ですが、なんと言ってもオチのコマのビジュアルショックが強烈ですねえ。ジャイアンの壊れた顔の描写は初期作品にこそ多く見られた絵であったものの、後期作品で描かれる事は極めて稀です。それだけに強い印象を残すものになっていますね。ゴミ同然のものをのび太にあげようとするスネ夫は、いつも通りスネ夫らしくて良いですね(笑)。
中身ごとのびちぢみカップ   TCS2巻 7頁 小一86年8月号(中みごとのびちぢみカップ)
 暑い日差しの中を歩くのび太はスネ夫からプールに行こうと誘われるが、用事があると言って断る。しかしスネ夫はのび太が泳げないから断った事を見抜いており、バカにされたのび太はさっさと退散する。のび太は今度は自動販売機の前で何やら悩んでいるジャイアンを見かける。ジャイアンはジュースを飲みたいがアイスも食べたがっており、お金がないのでどちらかを選ばなければならず、どっちを取るかで悩んでいるのだった。機嫌が悪くなってきたので早々に引き上げたのび太は、自分もジュースを飲もうと家に帰るが、何故か冷蔵庫にジュースがない。部屋に行ってみるとドラえもんがのび太のジュースを飲んでしまっていた。怒られたドラえもんはまだ残っているジュースを増やそうと、「中身ごとのびちぢみカップ」を出した。これにジュースを入れてカップを大きくすると、カップに合わせて中身もまた増えていくのだ。たっぷりジュースを飲んだのび太は余ったジュースをジャイアンにも飲ませてやり、さらにジャイアンが買ったアイスもカップを使って増やしてやる。喜ぶジャイアンだがどうやって増やしているのか不思議がる。次にラーメンを増やしてたくさん食べたのび太は、ドラえもんからカップを庭一面くらいの大きさにまで広げる事が出来る事を聞かされ、最大に広げて小さなプールを作る事にする。しずかも呼んで三人で楽しく遊ぶが、その様子を見たスネ夫はジャイアンに報告し、ジャイアンは強引にカップを借りていってしまう。スネ夫はこの中にお金を入れて大きくすればお金が増やせるのではないかと考えるが、実行してみるとお金ではなく「硬貨」そのものが大きくなってしまったので、ジャイアンに怒られてしまうのであった。  

 (解説)今回も単純にあったらいいなと思える道具ですが、ラストのオチはなぞなぞの引っかけのような展開でおかしいですね。こじつけギャグの変則版と言うべきものでしょうか。のび太が泳げない事を知っているくせにプールに誘ったりして、何気ない所でスネ夫が魅力を発揮している点もポイントでしょうかね(笑)。
ナカミスイトール   TCS1巻 7頁 小一84年7月号
 空き地で赤いコップから青いコップに100円玉を入れかえる手品を披露するスネ夫。しずかにだけ種明かしをしようとするスネ夫を見てライバル意識を燃やすのび太は自分でも手品に挑戦するが成功しない。ドラえもんは手品が出来るようにと「ナカミスイトール」を出す。あるものの中身を取り出し、それを別の所に移す道具で、のび太の机の引き出しの中身を吸い取り、押入れの中に移して見せる。のび太は冷蔵庫の中のスイカの中身を取るが、ママがお客に出すといってスイカを切ると空っぽだった。中身を取り出して叱られ、家を出る二人。しずかとスネ夫に手品を見せようとするが二人は出かけており、二人を探すのび太達。そこへ、吼えついた野良犬をゴミバケツに閉じ込めているジャイアンを見かける。ナカミスイトールで犬を助けたのび太たちを追いかけるジャイアン。その時偶然のび太はナカミスイトールのスイッチを押し、服を残してジャイアンは消えてしまう。しずかとスネ夫を見つけた二人はスネ夫の虫かごの中身をしずかの買い物かごに移そうとするが、その時虫と一緒に出てきたのは、素っ裸のジャイアンだった。  

 (解説)正直僕はこの作品は水準作で、特に目立って面白い所はないと思います。「ガオーッ」とか「ウガア」と叫ぶジャイアンは笑えます。
中身ポン   FF19巻、TCS2巻 7頁 小二77年12月号(中みポン、FF時『なかみポン』)
 部屋で二つの袋を投げ、どちらに何が入っているかを当てようとしているのび太。ドラえもんが話を聞くと、のび太はこれからスネ夫の家で行われるパーティーのプレゼント交換で、欲しいものを手に入れる事が出来るよう、念力が使えないかと訓練していたと言うのだ。今までもらったプレゼントがろくなものでないだけに、少し同情したドラえもんは今度だけだと言って「中身ポン」を出した。この粉を振り掛けると、かけられた物の中身だけが出てきて、戻す事が出来るのだ。面白がったのび太は台所の卵やミカンの中身を出し、それぞれ中身を交換してしまう。早速道具を持ってスネ夫の家に出かけるのび太だが、道具を振り回していたために粉が外に漏れてしまい、車の中から乗っている人が飛び出したり、ポストの中から手紙が、出前のラーメンがラーメン屋の入れ物の中から飛び出してきてしまう。スネ夫の家についたのび太はみんなに気づかれないようにプレゼントの中身を探り、その結果ヘリコプターのプラモを手に入れる事にした。パーティーは始まり、やがてプレゼント交換の時になるが、プレゼントを取る順番は、先ほどのゲームで勝った順になると聞いて、ビリののび太は慌てて目的の物が入ったプレゼントを奪おうとする。しかしそれを見たジャイアンが道具をのび太に投げつけ、その際に粉を全身に浴びてしまったのび太は、着ていた服から中身である素っ裸の体が飛び出してしまうのであった。  

 (解説)後年の「ナカミスイトール」と同じような道具で、オチものび太とジャイアンの違いこそあれ、ほぼ同じようなものになっていますね。ママにいたずらをする点なども類似しており、「ナカミ〜」の方が今話のリメイクと考えても差し支えないと思います。今話に関して言えば、のび太のくじ運のなさから生まれた、ボロボロのマンガや使いかけの色鉛筆といった情けないプレゼントや、ポストから飛び出した手紙をのび太が律儀に入れ直している所の細かさなんかが注目点ですかね。
流れ星製造トンカチ   FF3巻 7頁 小三72年11月号(流れ星せいぞうトンカチ)
 のび太達はスネ夫の家に集まって宿題をやっていたが、遅くなったので解散することにする。結局大して宿題が出来なかったとぼやくのび太。その時夜空に流れ星を見つけたしずかは何かを呟いた。不思議がるのび太が聞いてみると、しずかは流れ星に願い事を頼もうとしていたのだと言う。流れ星が消える前に願い事をすれば願いがかなうと言う説を初めて聞いたのび太は家に帰ると早速屋根の上に座って流れ星を待つが、なかなか現れない上に、現れても宿題を終わらせてほしいという願い事を言うことが出来なかった。翌日、ずっと外にいたせいでのび太は風邪を引いてしまうが、事情を聞いたドラえもんは呆れながらも「流れ星製造トンカチ」を出した。これで殴ると目から星が出てくるので、その星に願い事をすれば願いが叶うのだ。ドラえもんは自分で実践してドラやきを食べたいと願うと、おやつにドラやきが出てきた。改めてのび太を殴ろうとするドラえもんだがのび太はまだ怖がって、他の人で実験しようとする。パパとママをトンカチで殴って願い事を言わせるが、いくら待っても実現する気配がなく叱られてしまったので、のび太は怒ってトンカチを外に捨ててしまう。それを聞いたドラえもんは驚くが、その直後にパパ達の願いが叶ったのを見てのび太は慌てて拾いに行く。トンカチは偶然スネ夫が拾っていたが、のび太から話を聞いたスネ夫はのび太を叩いて出てきた星に宿題を終わらせてくれるよう頼んでしまう。スネ夫が帰ってみると家庭教師が宿題を終わらせてしまっていた。トンカチを持って帰って来たのび太だが、もう痛い目にはあいたくないと自分から宿題を始め、ドラえもんも感心する。宿題をやってもらったスネ夫だが、宿題のノートはのび太の物だった。昨日集まった時にのび太が間違えてスネ夫のノートを持っていってしまったのだ。スネ夫はノートをとりかえようとするが、のび太は一応宿題を終わらせてからノートを返すことにし、間違いだらけになるから止めてくれと頼み込むスネ夫であった。  

 (解説)今話のオチは道具自体とはあまり連鎖していないタイプのもので、「タヌキさいふ」に近いものがありますね。そのために作品としての完成度はどうしても下がってしまいますが、うまくまとまった物語構成、のんびりしながらもしっかりした意志を持っているのび太の描写など、随所に光るものが存在しています。ちなみにパパとママの願い事は「海外旅行」と「ダイヤの指輪」ですが、パパの会社でニューヨークに出張する理由なんてあるのか(笑)?
七万年前の日本へ行こう   10頁 小三90年7月号
 家とは違う方向へ帰っていくスネ夫。家が改築工事中なので当分はホテルで暮らすのだという。そこからは例によって自慢話になったのでのび太達は帰ってしまうが、のび太も家を改築してもらおうと、ドラえもんにも協力してもらってパパに相談する事にする。しかし今は地主がここの敷地にマンションを建てるつもりのようで、とても改築どころではないらしい。
 そこでのび太は大昔の日本に行って家を作る事を思いつく。しかしタイムマシンでドラえもんに送迎してもらうという案にドラえもんも怒り出してしまい、気軽に移動できる道具としてドラえもんは「いつでもポスター」を出した。のび太は以前行った七万年前の日本に行く事にし、見つからないように物置の裏にポスターを貼って過去へと向かう。2人は早速「ペーパーハウス」で家を作り、のび太はしずかも呼ぶことにするが、しずかは2階にある自分の部屋にポスターを貼ったために、ちょうどその高さに出入り口が開いたので落っこちてしまった。
 結局2人だけで過去に残るが、やぶ蚊やオオカミに襲われてしまい、挙句に火山が噴火して家もポスターも焼けて元の世界に買えることが出来なくなってしまう。夜になっても帰ってこない2人を心配するママだが、2人にもどうしようもなく、丘の上に避難していた。しかしその時、空中に光るものを見つけた2人がそこに向かうと、それはしずかが貼ったポスターの入り口であり、2人はそこを通って無事に現在に帰還するのであった。  

 (解説)ドラ世界では結構土地に関する話がよく出てきますが、それだけ気にしていた問題だったのでしょうか?今話は「日本誕生」を前提としている話であり、それに関連する話がでたりして、ファンをニヤリとさせる趣向も加えられています。伏線も無理なく消化されていますね。のび太の家がマンションになると聞いてのび太は路頭に迷う野比一家を想像しますが、のび太はこの種の想像については随分たくましいようで(笑)。
なりきりプレート   TCS1巻 7頁 小一85年7月号
 劇で王子の役をもらうために空き地で稽古に励むのび太。それをジャイアンとスネ夫に笑われたのび太はドラえもんに泣きつく。ドラえもんはなりたいものを書きこめば何にでもなりきれる「なりきりプレート」を出す。早速「おうじさま」と書くのび太。しかし間違えて「おじさま」と書いてしまったので、改めて「おうじさま」になったのび太だったが、『のび太が王子だなんて。』『なまいきだ!!』と、ジャイアン達に追いかけられる。逃げたのび太は「スーパーマン」になってジャイアン達を追い返す。次に「とうめいにんげん」になったのび太はジャイアン達の周りをうろつくが、突然ジャイアンがムシャクシャしだし、スネ夫を殴り始めた。それを見たのび太はなりきりプレートでジャイアンを女の子にしてしまう。女の子になったジャイアンは今度の劇で自分がシンデレラをやると宣言、それを間抜けな顔で見つめるのび太とドラえもんだった。  

 (解説)「なりきりプレート」はあくまでなりきるだけで、完全にそれになる事は出来ない、というのがミソですね。スーパーマンと書いて空を飛ぼうとして土管から落っこちるのび太がいい例です。「おうじさま」を「おじさま」と書き間違えるのはお約束。最後のコマ、例の宣言をするジャイアンを、目が点になった状態で見つめるのび太とドラがすごくおかしくて笑えます。それにしてもジャイアンは一旦変わるとすごく「女の子らしい女の子」になりますね。「おしかけ電話」ではままごとしてたし(笑)。
なんでもじゃ口   3頁 小一71年5月号
 ハイキングにきたと言うのに水筒を忘れてしまったのび太とドラえもん。そこでドラえもんはポケットからたくさんのじゃ口を取り出した。これは「なんでもじゃ口」で、どこかにつけるとジュースやお茶などいろいろな飲み物が出てくるのだ。それをうらやましがったジャイアンとスネ夫はじゃ口を一つ取っていってしまうが、それはお酒が出てくるじゃ口だったので、飲んだ2人は酔っ払ってしまうのであった。  

 (解説)まさか酒が出てくるとは(笑)。ちょっと意外なオチではありますが、ちゃんとオチとして成立している点は見事ですね。ただの水ではなく色々な飲み物が出てくるという機能の道具は、子供のストレートな夢を具現化している良い道具だと思います。
なんでもそうじゅう機   TCS3巻 7頁 小一84年11月号(なんでもそうじゅうき)
 空き地で遊んでいたのび太達に、突然ケーキを食べさせてやるともちかけるジャイアン。だがそれは従兄弟の引っ越しの手伝いをすることが条件だという話を聞いて、みんなは早々に退散してしまい、ジャイアンは結局一人で手伝う羽目になってしまう。家に帰ってきたのび太だが、家でも重い長イスを捨てるので手伝うようにとママに言われたので、嫌がったのび太は事情を話さずにドラえもんに任せてしまう。ところがドラえもんは平気な顔をして自分一人で捨ててくると言い出し、「なんでもそうじゅう機」を出した。それをイスに取り付けて動かすと、なんとイスが車のように動き出した。それを見て面白がったのび太も運転させてもらい、ゴミ捨て場にイスを捨ててくる。それを見ていたしずかも誘って、三人は空き地の土管に道具を取り付けて乗ることにするが、自動車の運転手に注意されてしまったのでドラえもんは「なんでもそうじゅう機飛行機タイプ」を出して、空を飛ぶことが出来るようにする。遊覧飛行を楽しむ三人は、ちょうど引っ越しの手伝いから逃げるジャイアンと、それを追いかけている従兄弟の二人を見かける。そこでドラえもん達は道具を使って引っ越しを手伝う事にし、それを見たジャイアンは自分も手伝わせてくれと叫んで追いかけるのであった。  

 (解説)極めて単純な設定の道具ですが、それを生かした物語展開はさすがと言う所ですね。ついさっきまで手伝いを嫌がっていたジャイアンが、道具を見て手伝いたがるようになってしまうオチのコマは何度読んでも笑えます。話の導入部分が「ペタンコアイロン」とほぼ同じという点も興味深いですね。
なんでも割引券   8頁 小五84年5月号
 さっきから部屋でのび太を待ち続けているドラえもん。一階ではのび太がもう一時間もママからのお説教を受けているのだ。さすがに助け舟を出したドラえもんは助けを求めるのび太に、今日から宿題を必ずやるという条件をつけて「なんでも共通割引券」を貸してやる。のび太は50%の割引券をママに渡して小言を終わらせる事が出来たが、すぐに遊びに行こうとしてしまう。それはドラえもんに止められて一応宿題を始めるが、券のことで頭が一杯でろくに勉強が進まない。だがそのうちドラえもんが眠ってしまい、そのスキにのび太は部屋を抜け出してしまった。試しに10%の券でマンガを買ったのび太はしずかに30%の券を渡し、一枚しかない100%の券の使い道を相談する。そこへスネ夫がいい方法があると言ってやってきた。70%の券と引き換えに、スネ夫は高額なものを券で買い、それを売って現金を手に入れるという方法を教えてくれた。喜ぶのび太だが間違えてジャイアンに石をぶつけてしまい、券を使って殴られる数を引いたが、今度はドラえもんに叱られて宿題をすることになってしまう。結局眠ってしまったために宿題はまったく出来なかったのび太だが、ノートの中に間違えて100%券を挟んでしまっていたため、宿題が帳消しになる代わりにのび太は券を失ってしまうのであった。  

 (解説)全体的におとなしめの印象を受ける話ですが、ラストのあまりにも情けないオチを代表として、笑えるツボはしっかりと押さえられています。この話を見て割合について学んだ人もいるのではないでしょうか?舟をこいで眠っているドラの姿が何となく可愛らしいですね(笑)。
にっくきあいつ   FF4巻 10頁 小六76年5月号
 裏山で仲良く話をするのび太としずかだが、しずかが「誰か」のことについて話をし始めた。誰のことかとのび太が聞くと、それはまだ見ぬ将来のしずかの結婚相手のことであった。驚きながらも恥ずかしがるのび太だが、しずかが相手はのび太以外の「あの人」かもしれないと言い出したのを聞いて大ショックを受ける。話を聞いたドラえもんは以前タイムマシンでのび太としずかが結婚している未来を確認したことを話すが、同時に未来はちょっとしたきっかけでどんどん変わっていくとも話し、のび太を更に不安がらせる。ともかくしずかの言う「あの人」を調べるために「とう明ペンキ」を塗って家に侵入するよう言い、のび太も最初こそためらうものの、ペンキを塗ってしずかの家に侵入することにする。そこにはしずかとしずかの家庭教師がいた。どうやらこの家庭教師が「あの人」らしい。しかしその男はお世辞を言ったり偽善ぶった態度を取ったりして、とてものび太が許せるような相手ではなかった。腹いせにお菓子に出されたまんじゅうを全部平らげてから戻って来たのび太はドラえもんに相談し、ドラえもんは「ガチガチン」という薬を出す。これを飲んだ人間はくそ真面目のガッチガチな人間になると言う。早速男に飲ませるとガチガチのガリ勉になってしまい、あまりにも厳しく教えるので家庭教師はクビになってしまった。一安心する2人だが、ママが当の男にのび太の家庭教師をお願いしようとしているのを見て震えだしてしまうのであった。  

 (解説)どうしてこれが未収録になったのかと疑ってしまうほどの快作です。今話はとにかくのび太の描写が随一でしょう。冒頭の一喜一憂シーンや透明になって覗いている最中の態度、極めつけは何かを出そうとするドラに『毒薬!』と嬉しそうな表情で叫んだりと、まさにのび太の八面六臂の大活躍ぶりが今話の面白さを形成していると言っても過言ではないでしょう。それに冒頭でのび太と漫才のような会話を交わすママもいい味を出していますね。


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