未収録作品は行


バードキャップ   TCS1巻、探2巻 7頁 小一84年4月号
 のび太がしずかの家を訪ねると、しずかは小鳥を呼ぶために庭に餌をまいており、庭に小鳥たちが数匹やってきていた。しかしもっと近くで見ようとのび太が近づいたために小鳥は逃げてしまった。悲しむしずかを何とかして欲しいと頼むのび太にドラえもんは被ると鳥の仲間になれるという「バードキャップ」を出す。ドラえもんはハトの帽子を被って空を飛ぶが、のび太は空を飛べないニワトリの帽子を被ったためにうまく飛ぶことができず、スズメの帽子を被ることにする。ドラえもんはしずかに白鳥の帽子を貸し、3人一緒に鳥たちと空で遊び始めた。それを見たジャイアンとスネ夫はうらやましがり、しずかの家の庭に置きっぱなしになっていたバードキャップを勝手に被ってしまう。しかしジャイアンは夜行性であるミミズクの帽子を被ったためにまっすぐ飛ぶことが出来ず、カワセミの帽子を被ったスネ夫はそれを見て笑い、楽しく空を飛ぶが、公園の池に近づくやいなや池の中に飛び込んでしまった。それを見たドラえもんは一言、『カワセミは、水に飛びこんで魚をとるんだよ。』  

 (解説)鳥と仲良く出来るという基本設定もさることながら、その鳥の帽子を被るとその鳥と同じ特徴を持ち、そのような行動を本人の意思とは無関係に行ってしまう。という所がすごいです。でもそれじゃあ、4月の時点で白鳥は北に戻らなくてはいけないのでは?帽子を被る事でその鳥のように思われる、というのは、ある意味「石ころぼうし」の概念を継承していると思います。
ハイキングに出かけよう   FF2巻 12頁 小五73年4月号
 のび太にどこかへ出かけようと頼み込むパパとママ。あべこべではないかと言うのび太だが、2人はドラえもんに頼んでもらうつもりなのだ。のび太も頼みに行くがドラえもんは調子が悪いらしい。そこへタイムマシンの入り口から見たこともないロボットが現れた。彼女はドラえもんの妹・ドラミで、ずっと連絡がないことを気にして来てみたのだと言う。ドラミは一回スイッチを切って体を休めるように言うが、ドラえもんは嫌がって承諾しない。だがドラミが一万馬力のパワーで強引に押さえつけてスイッチを切ってしまい、今日一日はドラミがのび太の面倒を見ることにする。だがドラミは突然機械を取り出したかと思うとのび太が顔を洗っていないことを指摘し、さらに家庭科で使うような道具ばかりを取り出したので、のび太は改めて旅行に行きたいということを話す。ドラミはドラえもんのポケットから適当な道具を出すが、空飛ぶ旅行カバンと思ったのが「奇術用のカバン」だったり、空飛ぶじゅうたんだと思ったのが「自動コジ機」だったりとうまく行かない。それでもやっとどこでもドアを出したドラミはみんなで静かな場所に行こうとするが、出た所はしずかの家だった。さらに「電車に乗って行く所」と言えば電車の入り口に出てしまい、「見はらし峠の一番高い所」と言ったら頂上にある木のてっぺんに出口が繋がってしまったりと、四苦八苦しながらも一行はようやく辿り着く。楽しく遊ぶのび太だがドラミはハイキングに来た人が捨てていったゴミを見つけたので、「ゴミ磁石」とトラック一台分のゴミが入る「ゴミカゴ」を出し、みんなにゴミ掃除をやらせてしまう。ウンザリしながら掃除をする三人だが、雨が降ってきたので帰ることにする。しかしドアが開かないのでドラミは体当たりするがドアは破れてしまい、何とか帰れたものの今度は登山客が山小屋と勘違いしてどんどん入ってきてしまい、仕方なくドラえもんを起こして事態を収拾してもらった。一応元気になったドラえもんはドラミに帰ってもらおうとするが、ドラミはここが気に入ったのでずっといると宣言し、口やかましく注意してくるドラミを厄介がるのび太とドラえもんであった。  

 (解説)ご存知の方はご存知なように、今話がドラミ初登場の話です。しかし今話のドラミは後に有名になった時の性格とは若干異なっており、「堅物な優等生」という感じがします。かえってドラえもんよりも騒ぎを大きくしてしまっており、極論ですがもしかしたら、ガチャ子の変形版がドラミなのかもしれません。そのためにおとなしめではありますが、初期作の雰囲気を持っている話です。
入りこみミラーU   10頁 小四88年6月号
 スネ夫から電話で呼び出されたのび太達がスネ夫の家に向かうと、スネ夫の家の前にポルシェが置いてあり、しかもスネ夫が乗っていた。ママに叱られてしまうスネ夫だが、早速ポルシェの自慢を始めたので、のび太は例によってうらやましがってドラえもんに頼み込む。のび太は以前使った「入りこみミラー」のことを持ち出し、鏡面世界で練習したいと言い出すが、それに応えてドラえもんが出したのは「入りこみミラーU」であった。これは前のミラーと違い、鏡面世界で何かをすると現実世界にもそのまま影響が出てしまうのだ。試しにふすまに落書きをしてみると現実世界にもそれが浮かび上がってきた。ドラえもんは「へたくそ用練習カー」を出し、のび太はそれにのって練習するがやはりうまく行かずにあちこちぶつかってしまい、現実世界ではジャイアン達が不思議がる。とりあえず空き地で練習して少しだけ上達したのび太はしずかを呼んでくるが、ミラーに入るところをジャイアン達に見られてしまい、3人は慌てて車で逃げる。ところがスネ夫は鏡の中のポルシェを使って追いかけてきた。しかしすぐに事故ってしまい、車をメチャクチャにしてしまう。鏡の世界でよかったと呟くスネ夫だが、もちろん現実世界でもポルシェは壊れてしまっており、スネ夫は困り果ててしまうのであった。  

 (解説)F先生の復帰第一作となった今話は、「鉄人兵団」でのメイン道具ともなった「入りこみミラー」の後継道具が登場しています。機能も初代とは若干異なり、「ではいりかがみ」とのハイブリッド道具と言えなくもありません(笑)。ポルシェをものの見事にぶっ壊してしまうシーンは、「ムシャクシャタイマー」でのスーパーカーと並んで、ある意味爽快感溢れるシーンかもしれませんね。
ハイレールペーパー   TCS2巻 7頁 小一83年8月号
 今度は広い高原の中でポニーに乗ってきた事を自慢するスネ夫。話を聞いてみんなもいつものように腹を立てるが、しずかは純粋にポニーに乗りたがったので、のび太はドラえもんに相談してみる事にする。部屋に入ってみるとなんとドラえもんは、紙に書かれた海の中で泳いでいた。ドラえもんに言われるままに自分も海に飛び込むのび太だが、泳げないので溺れてしまう。これは「ハイレールペーパー」と言って、好きな景色を書けばその中に入る事が出来るのだ。そこでのび太はドラえもんに高原を書いてもらう事にし、急いでしずかを呼びつける。やってきたしずかと一緒にのび太は自分達のポニーを描き、中に入ってポニーに乗って楽しく遊び、絵の中の喫茶店でジュースを飲む。そのうち家に帰る時間がきてしまったので、しずかは家に帰るがのび太はまだ遊ぼうとするので、ドラえもんは雨を描き足してのび太を濡らしてしまうのであった。  

 (解説)ほのぼのとした雰囲気を出しながらも、二次元と三次元を超越した世界を描くというドラえもんらしい世界が展開しています。「地平線テープ」と同様の発想だと思われますが、楽しく遊ぶ三人の描写や、溺れて沈んでいくのび太の様子などがユーモラスに描かれており、見ていて飽きない話になっていますね。
箱庭フレーム   TCS2巻、CC6巻 7頁 小一81年10月号(はこにわフレーム、CC時『はこ庭フレーム』)
 しずかに誘われたので、珍しくプールに出かけることにしたのび太。しかしそこにべそ子がやってきて公演に連れて行ってほしいとせがまれてしまう。断ると泣き出してしまうのでのび太はドラえもんに相談し、ドラえもんはそれに応えて「箱庭フレーム」を出した。近所の地図を出して公園の部分を線で囲み、その上にフレームを置いて機械を作動させると、フレームの中に箱庭状の公園が出来上がった。「ガリバートンネル」を使ってべそ子は箱庭の中に入って遊び、のび太も安心して出かけることにした。しずかと合流してプールに向かうのび太だが、今しがたプールに行ってきたジャイアンから、あまりに混んでいて泳ぐどころではないという話を聞かされ、のび太はあることを思いついてしずかを家に連れて行く。家ではすでにべそ子は帰っており、のび太はフレームを使ってプールの箱庭を作ってもらい、小さくなって楽しく遊ぶ。だがそのうちプールに飽きてしまったのび太は、今度は海の箱庭を作って砂遊びをしようと言い出し、早速箱庭を海に変えて再び遊び始める。のび太も砂の中から貝を掘り出して遊ぶが、その時砂の中から何故かカメラが出てきた。後日、スネ夫が海に出かけた際にカメラを忘れてしまったという事を聞き、のび太は箱庭の海がスネ夫の行っていた海岸であった事に気づき、カメラをスネ夫に返してやるのであった。  

 (解説)今話で一番驚く事は、やっぱりべそ子の再登場でしょうかね(笑)?よもや準レギュラーというわけでもあるまいに、いきなり登場したものだから初見時は驚きました。で、話自体は極めてオーソドックスに作られており、素直に楽しむ事が出来ます。ミニチュア(箱庭)の中で小さくなって遊ぶというパターンも、初期の頃から受け継がれているドラの夢の世界ですね。
バタバタフライ   CC1巻、TCS1巻 7頁 小一78年4月号(CC時『ちょうちょ』)
 ちょうちょを見てあんな風に飛びたいと言うのび太のためにドラえもんは「バタバタフライ」を出した。これでちょうちょのように飛ぶことが出来るのだ。途中でしずかも誘った2人は一緒に空を飛んで楽しく遊ぶが、のび太は虫取りをしていたジャイアン達につかまってしまう。ドラえもんはハチの羽根をつけてジャイアン達を追い払い、今の騒ぎで喉が乾いたと言うのび太達に「はなジュース」を出すドラえもん。ちょうちょの口のようなストローで、3人は花の蜜のようなジュースを飲むのだった。  

 (解説)単純に楽しい話です。このような道具で遊ぶだけの話に憧れた自分を思い出すと同時に、そう思えなくなってしまった現在の自分を複雑に思う今日この頃です。現在のアニメのエンディングに使用されていながらてんコミには収録されておらず、長い間出版が待たれていた作品でもあります。
初日の出セット   FF25巻 7頁 小三79年2月号
 新年に見た初日の出の美しさを自慢するスネ夫。それを聞いたのび太は早速来年の初日の出を見ようと宣言するが、またスネ夫にバカにされてしまったので、のび太は来年の元日に早く起こしてくれるようママに頼み、逆に怒られてしまった。ドラえもんに相談しようと部屋に入ると、部屋に何やら太陽のようなものが浮かんでいた。暖かいのでストーブと勘違いしたのび太はこれでお餅を焼き始めるが、戻ってきたドラえもんによるとこれは「初日の出セット」のうちの一つなのだと言う。この道具は寝ぼすけでどうしても初日の出を見られない人に初日の出を見せるための道具で、太陽にペンキを塗って乾かしていたのだが、のび太はこれを使って早速初日の出を見てみることにする。ドラえもんは最初に夜ガスをのび太に吹き付け、のび太の周りだけが夜になった。そして上手く太陽を操って初日の出を見せることに成功する。のび太はジャイアンやしずかに初日の出を見せることにするが、これを面白がったジャイアンが太陽とコントローラーを取り上げてしまう。ジャイアンは好き勝手に遊ぶが、そのうち地面に沈めた太陽が浮かんでこなくなってしまった。どうやら壊れてしまったようで、ジャイアンはそのままコントローラーをのび太に返す。しかし数日後、ひとりでに故障が直った太陽が夜中に出てきたので、ジャイアンの母ちゃんはそれが本物の日の出だと勘違いし、慌ててジャイアンを起こして学校に行かせようとするが、外に出てみると真っ暗だったので二人とも混乱してしまうのであった。  

 (解説)ものすごく限定された条件のもとでしか使用できない道具のためか、道具自体も結構地味ですし、話も地味になってしまっています。その代わり、冒頭ののび太とスネ夫、のび太とママのやり取りや、すぐに物を取り上げるジャイアンなど、基本設定をおさらいするかのように動いているところが好印象です。オチも道具が「昼を夜に見せる」のに対し、「夜を昼に見せてしまった」という逆転の発想を用いており、捻りが利いていますね。
パトローラー   FF34巻、CC5巻 7頁 小二80年8月号(パトローラースケートとけいぼうで少年警官になろう!!)
 友達とケンカを始めたジャイアンは、自分と相手とどちらが正しいかをのび太達に聞いてくるが、ジャイアンが怖いのび太は本当の事を言う事が出来ず、その事で深い自己嫌悪に陥ってしまう。そんなのび太の様子を見かねたドラえもんは「パトローラースケート」と「けいぼう」を取り出した。これをつけると少年警官になって悪い事をした人間を取り締まる事が出来るのだ。絶対転ばないスケートが悪事を探知してけいぼうがやっつけてくれるのだ。早速出発したのび太だが、スケートに乗っているのび太を見たスネ夫が、のび太の転ぶ所を見ようと追いかけてくる。しかし転ばなかったので腹を立てたスネ夫は石を蹴飛ばしてしまい、近所の家の窓ガラスを割ってしまう。スネ夫は咄嗟にウソを言うが、それに反応したスケートが駆けつけて本当のことを言い、起こって襲いかかるスネ夫をけいぼうがやっつけてしまう。続いてスケートに導かれるままジャイアンの下にやってきたのび太は、けいぼうで見事にジャイアンをやっつけ、あっという間に町内の有名人になる。すっかり気を良くしたのび太だが、突然スケートがのび太の家の方に向かって走り出した。家ではママが戸棚のおやつを黙って食べてしまった犯人を探しており、犯人ののび太は持っていたけいぼうに殴られてしまうのであった。  

 (解説)序盤は「10分おくれのエスパー」や「ジャイアンのっとり」と同じような展開ですが、オチの展開はこれら二作に比べると若干見劣りしてしまいますね。それでもいい気になっているのび太が、自分自身をけいぼうで殴る羽目になってしまうという姿は何とも言えないおかしさがあります。個人的には今話はジャイアンよりもスネ夫がいい味を出していると思いますね(笑)。
花さか灰   2頁 小一72年4月号
 自宅の庭にある桜の木を自慢するスネ夫。うらやましがったのび太のためにドラえもんは古いクリスマスツリーを持ってきて、それに「花さか灰」をかける。するとツリーに桜の花が咲くが、その時偶然やってきたママも灰をかぶってしまったので、ママの顔にも花が咲いてしまうのであった。  

 (解説)この道具に関しても既にこの時期で登場しており、後年かなりの時期まで活躍する事になりますね。桜の木そのままの状態になってしまったママが笑えます。
はなバルーン   FF29巻、CC4巻 7頁 小二79年7月号
 みんなでフーセンガムを膨らませるが、のび太だけがうまくいかないのでみんなに笑われてしまい、のび太はドラえもんに「フーセンガムふくらましき」を出してくれなどと無茶な事を言い出す。もちろんそんな道具はあるわけないのだが、それでものび太はしつこく食い下がるのでドラえもんも困り果てる。しかしある考えを思いついたドラえもんは「はなバルーン」を取り出した。ポンプの先端を鼻の穴に差し込んで注入し、鼻息を出すとダイヤルで指定した色の風船が出てくるのだ。鼻から風船を出す行為は好きになれないのび太だが、ドラえもんに怒られたのでこれで我慢する事にする。のび太はみんなの前で鼻を隠しながら風船を出してみんなを驚かすが、のび太がさらに風船を出そうとして隠れたので、怪しんだジャイアン達が覗いてみると鼻から出していることがわかり、二人はのび太を捕まえようとするが、風船は浮かぶ力が強かったので風船を持っているのび太は軽くジャンプしただけで空に浮かぶように逃げてしまう。途中で女子学生に出会ったのび太は風船の作り方を説明しないままで風船をあげ、いらないダンボール箱を譲り受けてその中に風船を詰め、飛行船を作ってしずかと共に空を飛ぶ。それをうらやましがるジャイアン達だが、バルーンのポンプが落ちているのを見つけた二人は自分達も風船を作ることにする。しかしジャイアンは勢いが良すぎたので風船を割ってしまい、スネ夫は風船を大きくしすぎたので、鼻から切り離せずに一緒に浮かんでしまうのであった。  

 (解説)ドラ関連のネット上ではよく知られている道具の登場です(笑)。道具によって作られる風船は綺麗なのですが、その作り方がちょっと品のないものという、上品と下品のコントラストが道具に強烈な存在感を与えていますね。「はなバルーン」と聞いて「花」と勘違いしてしまう女子学生や、風船を割ってしまってまるで鼻水を出しているような状態になっているジャイアンも笑えます。
はるかぜうちわ   7頁 小一78年3月号
 庭でキャッチボールをするのび太とドラえもんだが、冬の寒さが苦手なのび太は嫌がりだしてしまう。そこでドラえもんは「春の足音が聞こえる機械」を出して、春がもうすぐそこまで来ている事をのび太に教えてやるが、足音は遥か遠くからしか聞こえないので、のび太は今すぐ春にして欲しいと無茶なことを言い出す。そこでドラえもんは仕方なく「はるかぜうちわ」を出してやる。これで仰ぐと仰いだ場所だけ春の状態にすることができるのだ。
 ドラえもんが仰ぐと庭全体が春となり、つくしや草の芽も出てきたので喜ぶのび太だが、庭だけでは物足りないので、やりすぎるなというドラえもんの忠告を無視して、広い野原をうちわで扇いで春にしてしまう。しずか達も誘って楽しく遊ぶのび太だが、仰ぎ続けないと冬に戻ってしまうにも関わらず、みんなはすっかり仰ぎ疲れてしまい、さっさと帰っていってしまった。
 仰がないと草も枯れ、虫も死んでしまうのでのび太は休まず仰ぎ続ける羽目になり、泣きながらドラえもんに助けを求める。そこに駆けつけたドラえもんは「ふりだしにもどる」で時間を戻し、周囲は元通りの冬の風景に戻った。2人は本当の春になったら再び訪れ、草や虫にまた会うことを約束して、野原を後にするのであった。  

 (解説)進級を控えている一年生の子供たちに向けているためか、通常よりもギャグのシーンを抑えて、暖かい春への期待感を抱かせる爽やかな作りの話になっています。やがて来る春を、二年生となって新たに訪れる世界にオーバーラップさせていると考えれば、また違った見方もできるかもしれませんね。しかししずかまでものび太を放ってさっさと帰ってしまうなんて、相変わらず非情な方たちだ(笑)。
万能テントですてきなキャンプ   FF29巻 9頁 小三79年9月号
 自分が未来に戻っている間に家族でキャンプへ行ってしまったことに憤慨するドラえもん。だがドラえもんが予想した通り、野比一家はくたびれた様子で帰ってきた。ゴミや騒音ややぶ蚊など、いろいろな事で悩まされたらしい。疲れ果てた様子ののび太にドラえもんは、今度は22世紀で売り出されたばかりの新製品である「万能テント」を使って楽しいキャンプに連れて行くと約束する。あまり嬉しそうな顔はしないものの、しずかも誘って三人は山に向かい、そこでドラえもんはテントを出した。見た目は小さいものの中に入ると大きく、ボタン一つで居心地のいい居間になった。さらに壁を透明にして景色が見えるようにしてからテントを展望台にしてしまう。その景色に見とれるのび太達だが、食事を持ってくるのを忘れていた事を思い出す。そこでドラえもんは「出前スタンド」を使って食べ物を注文する。音楽を聴きながらたくさん食べ物を注文するのび太だが、家からお金を払うという事を聞いて落胆して思わずゴミを外に捨ててしまう。そこでドラえもんは別のボタンを押してゴミを回収した。集めたゴミは家のくずかごに自動的に送られるのだ。三人は様々な遊び道具を使って楽しく遊び、夜になってテントを寝室に買えてぐっすり眠る。しかしどこからか聞こえる妙な音を聞いてドラえもんは目を覚ました。調べてみると掃除ボタンが押しっぱなしになっていたようで、どうやら山中のゴミを集めているらしい。そのためゴミは全部のび太の家に送られてしまい、家中がゴミだらけになってしまう。怒り心頭のママに見つめられながら、ドラえもんは未来の世界へ逃げようとし、それをのび太は必死に食い止めるのであった。  

 (解説)道具を使っての遊びで終わるのかと思いきや、最後の最後でとんだオチが待っていました。伏線の張り方も絶妙でオチが容易に想像できないようになっています。いつになくドラが道具を自慢したがっている所も印象的ですね。しかし幾らいないからといってドラに何も言わずにキャンプに行ってしまうなんて、野比一家は意外と薄情ですな(笑)。
ひきよせカガミ   FF13巻 7頁 小二74年11月号(まほうのかがみ)
 お菓子屋のおじさんが逃げた九官鳥を追いかけている所を見かけるのび太たち。掴まえた人にはドラやきを100個やるという言葉を聞いてのび太達も掴まえに行くが、のび太だけ先を越されてしまったのでのび太は早々にあきらめて帰ってしまう。しかしドラやきをもらえるということを聞いたドラえもんはがぜんやる気を出し、「ひきよせカガミ」を取り出した。このカガミから出る光は当たったものを引き寄せることができるのだ。のび太は早速九官鳥を掴まえに行き、スネ夫を引き寄せて掴まったかどうかを聞く。その時ののび太の様子からドラえもんに何かを出してもらったと察しをつけたスネ夫はのび太を尾行し、のび太がカガミを使う所を目撃してしまう。スネ夫はのび太からカガミを奪おうとするが、その間にジャイアンが九官鳥を持っていってしまう。しかしそれはよく似せたカラスを使ったインチキだった。ところがのび太は先程の騒ぎでカガミがなくなっていることに気づく。そのカガミを拾ったしずかはカガミで自分を見てみるが、その際に光を振りまいたために周りの人がみんな引き寄せられてしまった。気味悪がったしずかはカガミを捨ててしまい、スネ夫がそれを拾ってしまう。カガミをなくしたことを聞いたドラえもんはのび太と一緒に探すが、その時九官鳥を見つけたスネ夫がカガミで引き寄せようとしていた。しかし光は九官鳥に当たらずに飛行中のヘリコプターに当たってしまい、ヘリコプターはスネ夫の所に突っ込んでくるのであった。  

 (解説)総合的に見れば凡作ですが、ラストのオチを始めとして結構インパクトのあるシーンが多く出ています。やはり鏡を見ながら自分を可愛いと言うしずかが白眉でしょうね。あとはさりげなく登場している小池さん親子もチェックすべきですかね(笑)。


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