のび太の海底鬼岩城

☆ストーリー概略

 夏休み、海底キャンプをする事にしたドラえもん達。しかしその海底で、最近見つかったという幽霊船を発見する。更には正体不明の怪魚や大イカにまで襲われるが、5人は海底人に助けられる。世界を滅ぼさんとするアトランチスの生き残りコンピューター・ポセイドンを破壊するべく、海底人・エルとともに鬼岩城に乗りこむ5人。全員捕まってしまうも、水中バギーの捨て身の攻撃でポセイドンは破壊されるのだった。

☆予告編 (ビデオに収録されているものを参考にした)

 1・完全に予告編のみの映像。「のび太の海底鬼岩城」のロゴが完成版とは異なり、本編では登場しない謎の魚や、バギーとしずかの様子が映っている。バトルフィッシュの形が違っている。ナレーションはのび太一人だけ。
 2・本編のダイジェスト。ナレーションはドラえもんとのび太の二人。

☆原作と映画の違い (原作はてんとう虫コミックス版を参考とした。コロコロ連載時を参考とする場合はその都度説明する)

 ・原作の冒頭では幽霊船が発見されたという海底人の会話があるが、映画では幽霊船が見つかるシーンとなっており、海底人の会話はない。
 ・歴代の映画ドラの中では珍しく、本編途中からオープニングが始まり、オープニング画面も専用のものではなく、劇中シーンがそのまま使われる。「アン アン アン…」以降は2回繰り返し。
 ・幽霊船の名は原作では不明だが、映画では「サンタ・フラメンコ」となっている。
 ・原作ではのび太としずかが山に行きたがり、ジャイアンとスネ夫が海に行きたがっているが、映画では逆になっている。
 ・原作ではジャイアン達が帰った後、いったんのび太とドラえもんだけで海底に行き、その上でしずかを誘うが、映画ではジャイアン達が帰ったその後すぐ、のび太としずかが行くことを決めている。尺の都合か?
 ・原作ではドラが「今まで危険な所につれていったことがいっぺんでもあるか?」と聞いたのに対し、のび太が「恐竜」「開拓史」「大魔境」での事を思い出す描写があるが、映画では無し。
 ・原作では一度幽霊船のニュースでジャイアンがスネ夫の所に行き、二度目でスネ夫がジャイアンの所に行っているが、映画ではニュースは一度だけで、スネ夫がジャイアンの所に行くだけ。
 ・原作では海に行く直前、旅行を心配したママがのび太の部屋に来るシーンがあるが、映画では無し。
 ・最初にのび太達が海底に行かなかった関係上、映画では5人はどこでもドアで砂浜に出、いきなりバギーで海に潜る。この時点で既にバギーは話している。テキオー灯の説明もここ。原作では5人はいきなり海に飛びこんで直接山に向かう。原作でののび太とドラえもんだけでの会話は、勿論5人で話している。
 ・映画では大陸斜面を降りている時、カツオの大群に出会う。
 ・1日目の夜、原作ではジャイアンは起きていたが、映画では寝ている。
 ・海溝探検で、ジャイアンとスネ夫が岩に名前を描く描写は映画では無し。
 ・海溝探検後、バギーが尻尾を振る描写も映画では無し。
 ・教育ドリーム時、原作ではセリフがあるだけだが、映画ではのび太と、もう一人ののび太との会話形式になっている。
 ・映画のエルは金髪で青い目をしており、少し背が低い?
 ・映画では、巡視船303の乗組員が鬼岩城の活動再開を詳しく説明する描写は無し。
 ・大西洋へ向かう道中で、原作ではしずかはバギーを掃除しているが、映画ではバギーにヒトデのプレゼントを渡している。
 ・映画ではアトランチス潜入後、エルが「神殿を見つけて生きて帰ってきた者は一人もいない」とのセリフがあり、歩きすぎて疲れた5人をエルが励ます描写はない。
 ・神殿が見つからずに6人が悩んでいる時、映画ではエルが神に祈る描写がある。
 ・映画ではしずかを連れて行く時、ポセイドンのセリフが入る。
 ・鬼岩城突入前、エルが爆弾を見せる描写が映画ではある。
 ・原作ではポセイドンのいる場所は「機械神殿の最深部」といった感じの場所だが、映画では幻惑空間のような感じ。
 ・映画では鬼角弾の発射準備を行なうシーンがある。
 ・鬼岩城突入時、みんながバラバラになるのは原作、映画ともに同じだが、原作ではのび太はドラえもんと一緒だったのが、映画ではエルと一緒になっている。映画ではみんな武器のエネルギーがなくなっている描写があるが、原作ではドラとのび太は不意打ちで倒され、エルは剣戟の末に敗れ去り、ジャイアンとスネ夫に至っては、倒される描写すらない。ただ、コロコロ連載時はドラが「スモールライトのエネルギーがなくなった」と言っているシーンがある。
 ・映画ではポセイドンと対峙したドラは爆弾を持っていない。
 ・原作ではバギーは鉄騎兵の攻撃を受けるが、映画ではポセイドンに攻撃を受けたよう?
 ・ムー連邦でバギーのかけらを見るしずか、映画では前述の「バギーにヒトデを渡すシーン」を思い出すシーンがある。

☆主要ゲスト&声優紹介

 エル(CV・喜多道枝)
 ムー連邦に属する海底人の兵士。ドラ達5人の扱いを一手に引き受けていたことから、かなり高位の兵士であることが伺える。剣術も確かで、最終決戦では鉄騎兵と大激闘を繰り広げた。原作では黒髪だったが、映画では金髪に青い目となっている。「大長編ドラえもん」初の、『5人よりも年齢の高いメインゲスト』である。
 担当の喜多氏についてはよく知らないが、エルの声には合っている。男性がやるよりは女性のこういう声のほうがエルには合っていると思っていたので、イメージが壊れなかった。今だったら絶対緒方恵美さんがやりそうな感じだ(笑)。

水中バギー(CV・三ツ矢雄二)
 22世紀の最新コンピューターを積んでいる高性能バギー。一万メートルの水圧にも耐え、人間の言葉も話すことが出来るが、ひねくれた性格であり、言葉使いも悪い。しずかに好意を持つようになり、最後にはしずかの為にその身を犠牲にして世界を救った。映画ではいかにもコンピューターといった感じの声ですが、よく考えると、そのような声を出すバギーが人間らしい心を持っていたのに対し、人間口調で話していたポセイドンには人の心は存在しなかった。演出的に狙っていたのでしょうか?
 演じる三ツ矢氏は「超電磁ロボ コンバトラーV」の葵豹馬、「タッチ」の上杉達也などが有名な、コミカルな役からシリアスでクールなキャラまで何でもこなせる方で、最近では舞台演出のほうに力を入れています。ポセイドン役の富田氏とは「コンバトラーV」で共演されていました。

首相(CV・大宮悌ニ)
 ムー連邦の首相。実質ムー連邦の最高権力者のようだが、映画ではエキセントリックな面が強調されていたため、原作でのいかにも「首相」といった感じは受けられなかった。
 大宮氏については洋画の吹き替えなどで見たことはありますが、代表作などについては現在わかっていません。

ポセイドン(CV・富田耕生)
 アトランチスが七千年前に製作した、鬼角弾発射を制御するコンピューター。自動報復システムを搭載し、敵から攻撃を受けた時、すぐに反撃できるようになっている。コンピュータのくせして妙に態度がでかく、自分を「復讐の神」などといって威張っている。アトランチスが滅びた今、鉄騎兵や(恐らく)バトルフィッシュを操っている。最後はバギーに特攻され大爆発を起こした。
 演じる富田氏は「マジンガーZ」のドクターヘル、「名探偵ホームズ」のワトソンなどがある大ベテランですが、僕らが忘れてならない役としては、旧アニメ版の「ドラえもん」で演じた初代ドラえもんでしょう。富田氏はこの時、昔自分が演じたドラのことを思い出していたのでしょうか?

☆映画主題歌

 海はぼくらと 作詞・武田鉄矢 作曲・菊池俊輔 歌・岩渕まこと
 作品の舞台である「海」をモチーフとした歌で、母なる海をやさしく歌った武田氏らしい詞である。曲もおおらかで雄大な感じに仕上がっており、菊地氏の腕も冴えている。歌を歌った岩渕氏については僕は全く知らないので、何かご存知の方は情報をお願いします。

☆自分勝手な感想

 大長編4作目の「鬼岩城」、これは初めてづくしの話でした。映画では芝山努氏が初めて監督を務めたり、初めて年上のメインゲストが登場したりということもありますが、何と言っても5人が初めて「世界の運命をかけて」悪と戦ったことでしょう。一つの星の運命を左右するような大規模な戦いは、この後「鉄人兵団」まで続きます。最後期のほのぼの路線も良いですが、やはり僕はこの時期のSFマインド溢れる作品の方が好きです。

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