のび太の竜の騎士

☆ストーリー概略

 恐竜の生存をみんなに否定されて落ち込むのび太は、ドラえもんの道具「どこでもホール」で地底の大空洞を見つけ、みんなも誘ってそこで遊ぶ事にする。しかしそこでスネ夫は絶滅したはずの恐竜を目撃し、さらに行方不明になってしまう。スネ夫を探しに地底深くに潜り込んだ4人は、そこで絶滅したはずの恐竜、そして恐竜から進化した地底人たちと遭遇する。地底人であるバンホーに助けられた4人はスネ夫と無事再会を果たすが、その地底人が地上世界奪還のための計画を企てている事を知り、地底人のタイムマシンで過去の恐竜時代へ向かう。そこで大災害を目撃した5人は、恐竜の絶滅を防ぐために道具を使って恐竜達を地底に避難させるのであった。

☆予告編 (ビデオに収録されているものを参考にした)

 BGMは「友達だから」。基本的に本編映像を使用しており、ナレーターは大山のぶ代が努めている。最初の○×うらないのシーンでは、「恐竜はいる?」というのび太の質問に対し、○と答えている所が本編と異なる。

☆原作と映画の違い (原作はてんとう虫コミックス版を参考とした。コロコロ連載時を参考とする場合はその都度説明する)

 ・冒頭、ネッシーに関する説明がテロップで流される。
 ・映画のOPは、ジャイスネにバカにされたのび太が「ドラえもーん!」と叫んで始まるおなじみのパターン。画面自体はCGで作られたワイヤーフレームの中を、タケコプターで飛行するドラに終始している。
 ・恐竜を探そうとする時、原作ではのびドラは「大魔境」の時の話をするが、映画ではなし。
 ・ジャイスネがラジコンで遊んでいる時、映画では二人は最初から川辺で遊んでいる。
 ・映画ではママがのび太に0点の答案について質問する時、ウソをついたのび太に、出しっぱなしの○×うらないが反応してしまう一幕がある。
 ・原作ではスネ夫が最初に恐竜を見たすぐあとでジャイアンに会うが、映画ではそのシーンはなし。
 ・映画では、最初にどこでもホールで洞窟に入った時に「ピッカリゴケ(日光ゴケ)」を使っている。原作と映画ではコケの入れ物も異なっており、原作のスプレー状に対して、映画では瓶に入っている。
 ・映画では出木杉は画面に未登場で、スネ夫が電話をしているシーンだけが流れる。同様にスネ夫のパパも映画では出番なし。
 ・映画でのどこでもホールの番号は「299のM」であり、原作に比べるとだいぶ短くなっている。
 ・原作での「岩細工セット」に相当する道具として、映画では「インスタントルームセット お湯つき」が登場。いろいろな部屋を作る事ができる粒にお湯をかけると、あっという間に部屋が出来上がる。
 ・原作では最終的に神成さんがどこでもホールを壊してしまうが、映画では車に轢かれて潰れる。
 ・原作ではスネ夫はママに2泊3日と言っていたが、映画では3泊となっている。
 ・映画ではスネ夫を探す日の夜、ドラが寝過ごしてしまうという描写がある。
 ・多奈川に潜る時間は原作では夜だったが、映画では朝になっている。
 ・川底から洞窟に辿り着いた時、映画では暗いのでピッカリゴケを撒くシーンがある。
 ・ミニ探検隊が発する声は、映画では「ルックルック」。「時のオカリナ」のナビィのようだ(笑)。
 ・原作で印象的だった効能不明の道具「救いの手」は、映画では未登場。
 ・バンホーとドラ達が初めて会った時、アニメではバンホーはナンジャ族についての説明をせず、その代わりにナンジャ族は日本で言うカッパなのではないかとしずかが説明する。
 ・映画では次元転換船は地底湖に係留してある。
 ・排気ガスに関する解説は、映画では馬車に乗っている時に行われる。地底のイヌも原作ではゴジラのようだが、映画では全く別。
 ・映画ではローを紹介された時、他の4人がローに見とれてしまい、しずかが焼きもちを焼くシーンがある。「魔界大冒険」での美夜子初登場に続く演出。
 ・ピクニックのシーンには「友達だから」がかかる。
 ・のび太が洞窟の天井にぶつかった時、原作では日光ゴケに関する話題が出てくるが、映画では一切なし。
 ・5人が地上に逃げようとする時、原作ではジャングルを横断するが、映画では渓谷を進む事になっている。そのために出てくる恐竜も変わり、原作ではティラノザウルスだったのが、映画ではプテラノドンに変わっている。
 ・上記の理由のせいで、原作と映画とではナンジャ族に捕まる時の状況も異なっている。
 ・映画では、ドラが作った「聖域」の大きさが北海道並みだと言われている。
 ・大災害の説明をする時、映画ではドラと一緒に他の4人も船に乗り込んでいる。
 ・地底人は映画では手の指が4本になっている。
 ・EDテーマ「友達だから」は、船が地面に潜っていくところからかかり始める。エンディング自体はエピローグを兼ねており、バンホーから送られてきた0点の答案を見てママが怒り、逃げるのびドラと、風で飛び散った答案をのびドラが追いかける姿とで構成されている。歌自体は一番のみ。

☆ゲスト&声優紹介

バンホー(CV・堀秀行)
 地底世界の竜騎隊士であり、その実力はかなりのもののようで、彼らの「聖戦」においては前線の指揮官を任されている。大学時代は電子工学を学ぶなど博学な一面も持ち、見たこともない地上の機械であるラジコンを改造していた。騎士らしく真面目だが、少し堅物な面もある。地上人ということで、完全にはドラたちを信用してはいなかったようだが、基本的には優しい好人物である。
 演じた堀氏は、個人的には「聖闘士星矢」のフェニックス一輝や「魁!男塾」の剣桃太郎なんかの、クールな熱血漢が印象深いのですが、最近では「機動武闘伝Gガンダム」のシュバルツや「テツワン探偵ロボタック」のカメロックなど、一風変わった感じの人(笑)も演じられてますね。

ロー(CV・神代智恵(現・知衣))
 バンホーの妹。至って普通の生活をしており、軍の仕事で忙しい兄の代わりに留守を守っている事が多いらしい。「聖戦」のことも知っているために、少なからずのび太達に罪悪感のようなものを持っている感じも見受けられた。初めて空を飛んで驚いたり、雲や雨、紅葉と言った、地底世界にはない地上の環境に憧れたりと、極めて普通の女の子らしい性格である。
 神代氏は「おぼっちゃまくん」の茶魔や「爆走兄弟レッツ&ゴー」の藤吉のような男の子役が多いですが、「Bugってハニー」のハニーや「ドテラマン」のドテラピンクなど、元気な女の子を演じることも結構あります。

祭司長(CV・大塚周夫)
 地底世界での祭りごとや祝い事を司っている。法王の代わりなのか積極的に活動しているようで、地底人のタイムマシンにも同乗して過去の世界へと向かった。ラストでは恐竜達を助けるドラたちを神の使いと言って崇めてしまう。
 大塚氏はもはや説明する必要がないほどに多数の役を演じられてきた大ベテランの声優さんで、アニメでは白黒、初代カラー版の「ゲゲゲの鬼太郎」におけるねずみ男や第一作「ルパン三世」の五ヱ門、「忍たま乱太郎」の山田先生などを演じています。

軍団長(CV・田中信夫)
 聖戦に出陣する部隊を統率する隊長。バンホーが連れてきた5人の地上人の処遇に苦慮するが、バンホーには全幅の信頼を寄せている。容易く脱走したドラたちを見て、恐竜を滅ぼしたのはドラ達ではないかと疑っていた。
 田中氏は「TVチャンピオン」などでナレーターとして活躍されていますが、「科学忍者隊ガッチャマン」の総統Xなども演じてます。もちろん各種戦隊シリーズでのナレーターも忘れてはいけません。

部長(CV・北村弘一)
 地底世界の人物…なのだが、どこで登場したのかまったくわかりませんでした(笑)。情報求む。
 演じた北村氏は老人役が多く、最近ではスパロボの影響で「無敵鋼人ダイターン3」のギャリソン時田が有名になってしまいました。他にはゲーム、OVAでの「サクラ大戦」で花小路伯爵を演じています。

地底人(CV・北川米彦、田の中勇、広中雅志、堀川亮、柴本広之、柏倉つとむ)
 恐竜から進化して発生した「恐竜人」達。地上世界と異なる独自の文化を持ち、自然の環境と科学を両立させた世界を構築している。中には次元転換船などと言った、地上の科学力を凌駕するものを開発していたりもする。地上世界を哺乳類の手から奪還することを悲願としており、そのために巨大なタイムマシンを建造した。
 演じている方々は、全員語ると厄介なので説明しません(笑)。田の中氏は「国松さまのお通りだい」で大山のぶ代さんと共演されていますね。

尋問官(CV・加藤正行)
 地底世界でのび太を尋問していた人。
 演じた加藤氏は…って、別に説明する必要もないですな(笑)。

少年(CV・小粥よう子)
 のび太の町に住む少年。空き地に置きっぱなしのどこでもホールを見つけ、転がして遊んでいたが、車に潰されてしまったので逃げてしまった。
 小粥氏と言えばやっぱり「キャプテン翼」における大空翼でしょう。これ以外にはビデオ「ズッコケ時空冒険」でのハカセや、「聖戦士ロビンJr.」でのロビン・ゴッド・Jr.がありますね。

法王(CV・巌金四郎)
 地底世界を統べる法王。と言っても地底世界の象徴のような存在であり、実際に政治に介入するような事はないようだ。ラストで地底世界の住人達に、恐竜族は地底で栄える事が神の意志であると伝えた。
 巌氏は「西遊記」や「わんぱく王子の大蛇退治」など、初期の東映動画製作のアニメ映画に出演されていた方のようで、テレビアニメとしては「ペリーヌ物語」に出演されています。

☆映画主題歌

 友達だから 作詞・武田鉄矢 作曲・山本康世 編曲・菊池俊輔 歌・大山のぶ代 コーラス・森の木児童合唱団
 今回は第1作「のび太の恐竜」以来の、大山のぶ代氏が歌う歌曲であり、現時点では大山氏が歌っている最後の映画主題歌となっている。詞の内容は、「みんなの友達ドラえもん」を謳っているという、これまた原点に返ったかのような内容になっており、同時に大長編世界の永遠のテーマである「友情」を謳っている。子供向けの歌のようにアレンジされた菊池氏の編曲もあって、爽やかで親しみやすい歌になっている。

☆自分勝手な感想

 恐竜が絡んでくる話としては、まさに第1作の「恐竜」以来となったわけですが、今回は舞台を現代の地底世界とし、F先生ならではの非日常的世界が展開していきます。恐竜と地底世界という、一見無関係に思える二つの要素を巧みに織り交ぜ、その上で更なるSF考証の下に作品世界を作り上げ、そして最後に「夢」を描く。大長編の王道を行くかのようなストーリーですが、それ故に各キャラの魅力や背景設定など、細かい部分も光るようになっています。
 当時最新の学説だった「彗星衝突説」を描いた迫力のカタストロフシーン、恐竜達を救うという作者の夢を叶えるシーンなど、ビジュアル的にも見所が続出し、地底人の聖域はドラえもんが作っていたと言う、F先生十八番のタイムパラドックスネタも伏線として盛り込まれ、見所満載の快作に仕上がっています。F先生のほとばしるSFマインドを存分に堪能できる一作ですね。



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