ザ★ウルトラマン

1979年4月4日〜1980年3月26日 全50回



☆主題歌
「ザ★ウルトラマン」
作詞:阿久悠 作曲:宮内國郎 歌:ささきいさお

「愛の勇者たち」
作詞:阿久悠 作曲:宮内國郎 歌:ささきいさお



 長い間日本テレビ特撮ドラマをリードしてきたウルトラマンシリーズも、1974年の「ウルトラマンレオ」を最後に一旦終了、二度目の充電期間に入ることとなった。しかしシリーズそのものが忘れ去られたわけでは決してなく、むしろ昭和50年代初頭の「宇宙戦艦ヤマト」に代表されるアニメブームと、米国映画「スターウォーズ」の大ヒットによるSFブームによって、現行の特撮・アニメ作品をよりアダルトな視点から嗜好する、高年齢層のファンが生まれたことにより、彼らがかつて視聴したウルトラマンシリーズを新たな側面から見直すという傾向が見受けられるようになって来た。
 それによりマスメディアへの露出も次第に顕著なものとなり、ついには高年齢層、いわゆるマニア向けのムック本が発売されるに至る。主たる視聴者層である児童層においても、児童向けテレビ雑誌が定期的にシリーズの特集記事を組み、過去の作品を知らない新しい世代にウルトラマンの存在を植え付けることに成功。同時に新たなウルトラマンを希求する声も次第に高くなり、そのムーブメントは78年のウルトラセブン再放送によって頂点に達する。再放送としては異例の高視聴率を稼いだ事実は、ウルトラマンと言うキャラクターシリーズが現代においても十分通用すると言う何よりの証明となり、円谷プロもその動きに後押しされる形で、新たな世代の新たなウルトラマンの創造に着手した。
 当初の実写企画を始めとする様々な企画案を経て、ついに完成したその作品は「ザ★ウルトラマン」。折からのアニメブームに影響を受ける形で、本作はアニメーション作品となった。円谷プロには「恐竜探検隊ボーンフリー」や「恐竜大戦争アイゼンボーグ」などで実写シーンとセルアニメのシーンを織り交ぜると言う前例こそあったものの、全編セルアニメで作品を作るのは初めてのことであった。実写作品であるウルトラマンをアニメで表現することにより、従来の着ぐるみでは実現不可能なデザインの怪獣を多数登場させたり、一度に複数の怪獣の登場、全宇宙規模の壮大なストーリーを描くなど、アニメの長所を最大限に生かした作劇が目指されることになる。
 アニメーション制作には多数のロボットアニメを世に送り出していた日本サンライズが参加、劇伴音楽には旧シリーズでおなじみの宮内國郎、冬木透の両氏を迎えるなど、万全の布陣で制作された本作は、長い間待たれたウルトラマンの新作であると同時に、アニメーション制作と言う今までと異なる表現が用いられていることで視聴者の興味を煽り、放送開始直後は高視聴率を叩き出した。アニメ作品と言うことで過去の作品に囚われない野心的な設定を多く盛り込んではいるが、基本は従来どおりに、巨大ヒーローであるウルトラマンと怪獣、宇宙人とのバトルを中心に据えており、その丁寧な作品作りはウルトラの新時代を予感させるに相応しい出来栄えであった。
 中盤以降はヘラー軍団との戦いを軸に据え、アニメならではの長編性、大河ドラマ性を作品に持ち込み、終盤では宇宙へ進出した人類側とヘラー軍団の宇宙戦争という構図を縦横に描き、大団円を迎えて終了する。娯楽性に富んだ本作品は長大な本シリーズの中では確かに異色作であるものの、同時にアニメと言う表現技法をフルに生かした秀作ともなった。残念ながら視聴率的には厳しい結果を残してしまったが、ウルトラの新たな可能性や方向性を示すに相応しい作品となったことは紛れもない事実である。


☆ウルトラマンジョーニアス☆

 身長70メートル、体重5万トン(声・伊武雅之(現・雅刀))。様々な怪奇現象や宇宙人の侵略といった魔の手から、兄弟星の関係にある地球を守るためにウルトラの星・U40よりやってきた、U40最強のウルトラマン。地球の環境では長時間の滞在は不可能なため、通常は科学警備隊隊員のヒカリ超一郎と同化しており、危機に陥った際にビームフラッシャーを用いて変身する。通称はウルトラマンJ(ジョー)であるが、地球人からはウルトラマン、U40の仲間からはジョーニアスと呼ばれることが多かった。
 その力の源はU40に存在している超エネルギー・ウルトラマインドであり、その神秘の力を存分に用いて多様な技を披露。破壊エネルギーを右腕に収束させ、光弾として放つ必殺技のプラニウム光線を始め、多様な効能を発揮できるアストロビーム、ウルトラメディカルパワー、ブーメランギロチン、ロッキングスパーク、スタービームなど、多くの光線技を使用することが可能。格闘術にも優れ、飛行能力を最大限に生かして高空から放つ急降下キックを始め、敵を切断するまでの威力を見せるチョップ、さらには強力な体当たり攻撃であるウルトラボディスクリューなどで強敵を撃退した。それら卓抜した戦闘能力を持って怪獣や宇宙人と戦う一方で、平和を願い、生物への慈しみの念を決して忘れることなく、その命を救うために超能力を使う、心優しき戦士でもある。
 胸に頂いたスターシンボルはU40の勇者の証であり、単独での惑星間移動能力をジョーニアスに付与させるだけでなく、地球ではカラータイマーとしても機能。活動限界時間の4分が近くなると、緑、黄、赤の順に点滅し、彼に生命の危険を知らせる。通常時は憑依体であるヒカリの潜在意識下に留まっており、状況に応じてはその意識を表層に現すことで、ヒカリとの会話を行うことも見られた。
 当初の地球防衛の戦いから、次第にヘラー軍団との全宇宙を賭けた戦いに突入し、地球、U40双方の仲間達と協力してこれを殲滅、2つの星の平和を取り戻した後にヒカリと分離、ヒカリ達に見送られながら故郷へと帰っていった。


☆U40のウルトラ戦士たち☆

 地球から200万光年の彼方に存在するU40は、遥か昔には地球と隣接していた惑星で、地球とは兄弟星の関係でもあった。U40に住むウルトラ人はウルトラマインドの力によって超人的な能力を得ており、普段は地球人と同様の姿で暮らしているが、有事の際にはウルトラチェンジによる変身が可能。しかし巨大変身を行うことが出来る人間の数は限られている。
 その巨大変身を行うことが出来る数少ないU40の戦士に、ジョーニアスの盟友であるエレク(声:池田勝)とロト(声:宮村義人)がいる。2人ともバデル族との戦いの際に初めて地球を訪れ、エレクは斃れたジョーニアスを連れてU40に帰還、彼の蘇生に貢献した。ジョーニアスに継ぐ実力を持つというエレクは冷静な性格の持ち主で、後のヘラー軍団との戦いにおいては、ウルトラ戦士側のリーダー格として戦闘を指揮した。ロトはエレクに比べると直情型の性格で、戦闘スタイルもパワフルそのものである。2人とも後にスターシンボルを授けられ、己の力のみで星間移動する能力も身につけた。
 バデル族との戦いで傷ついたジョーニアスがU40に帰還した際、ヒカリが出会った女性ウルトラマンが、ジョーニアスの妹であるアミア(声:滝沢久美子)である。蘇生したヒカリにU40の歴史を話し、バデル族との戦いの中でヒカリに恋心を抱くようになる。ガルバドス事件の際には、ヒカリに会いたい一心でスターシンボルを勝手に持ち出し、地球までやってくるという無茶な行動に出たこともあった。人間態時の姿は容姿端麗な美女で、マルメやピグも一目で心を奪われている。ヘラー軍団との戦いにおいては地球側にウルトリアの伝説を伝えたり、艦隊に潜入して地球側に情報を伝えるなどの活躍を見せるが、異星人であるヒカリとは結ばれることはなく、ムツミに後を託して去っていった。
 他にU40にはエレクやロト以外にも巨大変身を行うことが出来るウルトラ5大戦士がおり、彼らとジョーニアスら3人が協力して放つウルトラレーザースーパー光線は、宇宙最大の破壊力を生むとさえ言われている。そして彼らウルトラ人を束ねる立場に大賢者(声:宮内幸平)がおり、ウルトラ人にとっては神にも等しい存在である。最高の科学者にして哲学者でもあり、宇宙の平和のため各地にウルトラ戦士を派遣している。ジョーニアスも彼の命により地球へとやってきた。


☆登場人物

 ヒカリ超一郎隊員(声:富山敬)
 元々は宇宙ステーション・EGG3に所属していたエリート隊員だったが、科学警備隊の発足に伴い転属。地球への帰還途中にジョーニアスと遭遇し、彼の協力者として選ばれた。必要な時には変身アイテムであるビームフラッシャーを額に当てることで、ジョーニアスに変身する。
 EGG3に所属していた頃は、酸欠状態という極限状況の中で宇宙生物を相手に戦い抜き、全乗組員の命を救ったと言う実績を持ち、その強靭な精神力と行動力は折り紙つきである。さらにはウルトラマンであるが故の能力により、時として他の隊員から誤解を受けながらも、それも自分の使命として受け止める覚悟も持ち合わせている。この高潔な精神こそが、ジョーニアスに選ばれた最大の理由でもあった。
 基本的には飾ることのない直情的な熱血漢タイプであり、同時に気さくな面も持ち合わせた性格。ジョーニアスとは互いに協力し、時には反発しながらも共に戦うことで地球の平和を守り、やがて勃発したヘラー軍団との抗争においても、最後まで屈することなく戦い抜き、ヘラー軍団を打倒することに成功した。戦役後はジョーニアスと分離し、始めて素顔、人間態時のジョーニアスと対面。再会を約束してジョーニアスを見送った。

 アキヤマ徹男キャップ(声:森川公也)
 結成当初の科学警備隊・極東ゾーン隊長。寡黙ではあるが沈着冷静で判断力に優れ、幾度となく科学警備隊やジョーニアスの危機を救った。任務遂行を優先しながらも、人命尊重の立場を崩さないその姿勢もあって、隊員達からは絶大な信頼を得ている。  結成されたばかりで経験的にも未熟な若い隊員たちをまとめあげ、多大な戦果を上げた功績を買われて、防衛軍統一の対怪獣作戦参謀に抜擢され、ギバルーガ戦を最後にアメリカゾーンへと転任した。

 ゴンドウ大助キャップ(声:柴田秀勝)
 アメリカゾーンへ転任したアキヤマ前キャップの後任として、ダバラン事件の際に極東ゾーンに配属された新隊長。紺の上着を羽織ることが多く、理知的な前隊長と比較して、非常に豪放磊落でアグレッシブな人物である。そのために当初は隊員達から誤解されることもあったが、地球防衛という重い責任を誰よりも自覚している、使命感の強い男でもあり、程なく隊員達とも和解した。
 アキヤマキャップと同じく、いざと言う時の決断力も見事で、ヘラー軍団と決着をつけるため、ウルトリアを用いての宇宙決戦を決行した。ウルトラマンの力に依存している現状を憂える面もあり、ヒカリがウルトラマンであることの秘密にいち早く気づいてもいた。

 マルメ敬隊員(声:兼本新吾)
 元作戦室所属の科学警備隊員。アキヤマを尊敬し、彼を慕って科学警備隊への転属を直訴したと言う経緯がある。
 その体格通りに腕力には定評があるが、それ以上に射撃が得意で、特殊バズーカのグレネード・ガンディを愛用して戦果を上げた。陽気な人情家でピグとは良いコンビぶりを発揮していたが、戦闘中に不在がちになってしまうヒカリにはきつく当たってしまうこともあった。故郷の九州に漁業を営む母親がいる。

 トベ博明隊員(声:二瓶正也)
 元々は極東ゾーンの設計部に所属していた隊員。その前歴に恥じない設計・開発の技量を持ち合わせており、スーパーマードックを始め様々な兵器を設計した。
 自分の発明に自信を持つ一方で、不測の事態に対してすぐさま改良を加えたりする、柔軟な思考の持ち主。隊員の中では冷静な性格のため、正隊長不在時のバラドン星人事件においては、隊長代理を務めたこともあった。同じ科学畑の人間ではあるものの、ニシキ先生は苦手のようである。

 星川ムツミ隊員(声:島村須美)
 医療班出身の科学警備隊員で、極東ゾーンメンバーの紅一点。怪奇現象への強い関心から、隊員に志願した。
 才色兼備の女性で、その秀麗な容姿には宇宙人でさえ一目置くほどだが、本人は女性としての特別扱いを嫌い、率先して現場に出動し非常時には格闘術も披露する。その一方では激務に明け暮れる他の隊員にコーヒーを差し出すなど、女性らしい細やかな配慮を見せることもあった。
 本来は傷ついた者を助けることを常に模索している優しい性格の持ち主。その能力ゆえに隊内で孤立してしまいがちなヒカリを気遣うことも多かった。

 ピグ(声:滝口順平)
 怪獣を模して製作された分析用ロボットで、正式名称はコンピューターロボット・78。人間に近い感情を持っており、いつも連れている白い小猿・モンキ(声:千葉繁)とは大の仲良し。
 人間に近い感情を持つために、自分の機能や能力に対して自信を喪失することもあったが、コンビューゴン事件の際には、怪獣覚醒時の特殊電波をいち早くキャッチ、事件発覚の糸口を作った。科学警備隊にはなくてはならないムードメーカーである。

 ウルック(声:野沢由香里)
 発見されたウルトリアの中で眠っていたサポートロボットの1体。ピグが起動させ、そのまま警備隊のメンバーとなった。
 ピグと同じく人間に近い思考能力を持ち、人格は女性型。ボディ下部からのエアー噴射で空中浮遊が可能である。高性能ではあるがややドジな面もあり、同じロボットのピグとは良いケンカ友達として付き合っていた。

 ヘンリー・ニシキ博士(声:熊倉一雄)
 ロンドン出身の日系二世で、アメリカゾーンに在籍しているトップ科学者。しかし見た目は文字通りの偏屈な老人で、興味のないことにはまったく関心を持たず、相手の名前すら満足に覚えようとしない。
 しかし科学者としてはとても有能で、事件や怪獣に対する理論や洞察を的確に行い、見事に的中させている。また行動派の一面も持ち、自分自身でウルトリアの機能を分析した結果、分離機能を発見した。来日回数こそ少ないものの、その知識と行動力には警備隊も幾度となく助けられた。
 タフギラン・タフギラス事件において、ジョーニアスのリトル光線で縮小された2匹のタフギラコを引き取り、自宅のプールで養育するという情に厚い面も持つ好人物である。



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