仮面ライダーBLACK RX

1988年10月23日〜1989年9月24日 全47回



☆主題歌
・オープニング
「仮面ライダーBLACK RX」
作詞:康珍化 作曲:川村栄二 編曲:川村栄二 歌:宮内タカユキ


・エンディング
「誰かが君を愛してる」
作詞:康珍化 作曲:林哲司 編曲:川村栄二 歌:宮内タカユキ



 新世代の仮面ライダーとして制作された前作「BLACK」は好評を博し、二次的展開面においても成功を果たした。この人気の後押しを受ける形で制作される事になったのが本作品、「仮面ライダーBLACK RX」である。続編制作にあたり、本作では前作との差別化を図るべく、大胆な新趣向が大量に盛り込まれる事になる。
 まずをもって上げる事は、主役である南光太郎の続投であろう。番組が変わるごとに新たなヒーローを求められるのはヒーロージャンル作品においての通例であるが、同じ俳優を起用する事こそあっても、まったく同じ役柄で、しかも主人公としての立場で連続出演する事など、これまでにはなかった異例の方針である。これには主演俳優である倉田てつを氏の人気が、前作の好評の一翼を担っていたという事実とも決して無縁ではない。
 そして前作との一番の相違点は、前作のような「仮面ライダー」本来のテーマとも言うべき怪奇性、猟奇性といったアンダーでハードな雰囲気を持たせる事なく、明朗で爽やかな作品構成を目指す路線に転向した事である。これは前作の2クール以降の路線変更をさらに推し進めた形とも取る事が出来、その一環として光太郎の周囲に多彩なレギュラー陣を配し、特に佐原一家の存在は東映制作による石ノ森原作ホームコメディ作品の雰囲気すら醸し出し、本作のイメージを決定づけることに成功している。また、RXへの転生については太陽とキングストーンの神秘の力によるものとすることで、改造される事による苦悩や葛藤といったドラマから主人公を解き放っており、これが主人公の明朗化に繋がる一端ともなっている。
 アクション面においても一層の充実、そして既存作品にない新鮮味を出すため、大胆な改革が実行された。必殺技に剣や銃といった武器を登場させ、さらには異なる機能や能力を持つ他の形態への変身という「連続変身」という設定を打ち出したのである。シリーズのテーゼを根底から覆すような設定であるが、それぞれの形態に強烈な個性を与えたアクション演出が、この設定に説得力をつけている事を忘れてはならない。そしてこれら大胆な設定を導入した作品世界を構築するメインライターとしては、かつて「スカイライダー」や「スーパー1」で脚本を担当した江連卓氏が参入し、地に足のついた雰囲気の世界を構築する事に成功している。
 このような意欲的な設定を大胆に導入して開始された本作は、当初からファンの間に賛否両論を巻き起こした。敵側においても善悪双方のキャラクターを各所に配し、それらの複雑な相関関係、さらには仇敵・シャドームーンの再登場や新戦力の登場など、従来ではイレギュラーと思われた設定を意欲的に取り入れ、それによって本作は一大SF活劇としての様相を呈していく。そして終盤では旧作との関連性が不明であった本作に10人の仮面ライダーが客演、最後まで活劇の魅力を表現しつつ、本作は大団円を迎える事となる。
 そんな最終回では、怪魔界の滅び行く理由が環境破壊の進む地球にあるとされ、そしてRXに倒されたクライシス皇帝が怪魔界を道連れにして滅び去るという、衝撃的なラストを迎える事となる。自然破壊の辛さとそれを食い止めることの厳しさを描出したとも言えるラストであるが、アンダーな雰囲気に支配される事なく終焉を迎える事が出来たのは、本作を支配する明朗な世界観の賜物であろう。
 賛否両論を呼ぶ大胆な設定やキャラクターを柔軟に取り入れた本作は、しかしながら魅力をすべてにおいて完全に発揮できなかったという面もある。連続変身における三つの形態を効果的に生かしきれたとは言いがたい部分もあり、クロージングにおいても多少の強引さは否めない。だがSF活劇の面白さを我々ファンに教えてくれたことは紛れもない事実であり、同時に本作は宇宙刑事シリーズに端を発する80年代等身大特撮ヒーロー作品の、1つの締めくくりとなるにふさわしい作品となった。本作と前作の成功によって「仮面ライダー」という作品は、その時代に即した柔軟な姿勢で制作する事ができるパーマネントキャラクターとしての昇華を果たしたと言えるだろう。


☆仮面ライダーBLACK RX☆

 暗黒結社ゴルゴムとの長く苦しい戦いを終えた南光太郎・仮面ライダーBLACKが、変身機能を破壊されたままでクライシス帝国によって宇宙に放り出された時、太陽光線を浴びることで進化を果たしたキングストーンがBLACKの体を転生させることで誕生した太陽の子。
 キングストーンエネルギーと太陽エネルギーが合わさったハイブリッドエネルギーを力の源としており、変身ベルト・サンライザーに内包されたキングストーンの力によって変身を完了する。腹のサンバスクによって太陽光線を吸収しエネルギーとすることができ、マクロアイやソーラーレーダーなどの超感覚機能も飛躍的な向上を果たした。さらにキングストーン自身も太陽の力ゆえか意志を持つようになっており、幾度か光太郎へ神託を与えた事もある。
 さらに戦力においてもブラック時の能力を残しつつ、バッタの改造人間の特徴である瞬発力や跳躍力を初めとして大幅に強化され、RXキックに代表される肉体技は前身時の3倍の威力を誇るまでに至る。さらにサンライザーのエナジーリアクター部分に形成するリボルジャイロを引き抜く事で、光の剣・リボルケインを生み出す事が可能。これを用いて行う一突き・リボルクラッシュがRX最大の技となっている。さらに左手首に装着したリストビットを用いてマシンの呼集も出来、アクロバッターやライドロンといった異なる車種を自在に操り、戦況を自身に有利なものとする。
 戦闘が熾烈なものになる中で、感情の高まりとキングストーンの力によって三段変身も可能となり、状況に応じて臨機応変な戦術を披露、歴戦の勇士たる10人ライダーとの共同戦線においても、その無敵ぶりを遺憾なく発揮した。
 数々の苦しい戦いの果てにクライシス皇帝を撃破し、10人ライダーと共に「仮面ライダー」として世界中の悪と戦うべく、1人旅立って行った。


☆ロボライダー☆

 佐原家の長女・ひとみを眼前で失い悲しみにくれるRXが、キングストーンに秘められた再生能力と悲しみの涙を糧として、奇跡の新生を果たした悲しみの王子。
 全身が機械となったRXの新たな形態であり、全身に強固な装甲・ロボフォームをまとい、外界からのあらゆる衝撃を遮断して鉄壁の防御能力を発揮、特に高熱に対しては抜群の耐熱性を誇る。そのためにRX時よりも敏捷性に劣ってしまう点があるが、それを補って余りある能力を発揮する。
 両拳を使って放つロボパンチはRXパンチの1.2倍の威力を持ち、右大腿部に光を収束させる事で銃・ボルティックシューターを現出させる事も可能。これを用いての光弾攻撃・ハードショットで、怪魔ロボットを中心とした機械系怪人を次々に撃退した。さらに加速攻撃やコンピュータとの超高速リンクさえも可能とする。
 ロボフォーム内には鉄分など磁力に反応しやすい物質を含有しているため、強力な磁力線が支配している空間内では、その行動を著しく制限されてしまう。


☆バイオライダー☆

 仲間達の危機が迫る中、罠にかかって脱出不可能になったRXが、キングストーンの再生能力と怒りの叫びによってさらなる奇跡を引き起こし、変身が可能となった怒りの王子。
 軽量かつ柔軟なバイオフォームをまとい、防御面に不安があるものの瞬発力や俊敏さにおいてはRXのそれを遥かに凌駕する力を発揮する。最大の特徴は自らの身体を推奨の輝きを放つ液体に変化させることができ、この特殊能力を利用して攻撃の回避や拘束状態からの脱出、さらにはミクロ化や細胞レベルでの融合、毒素抗体精製といった離れ業まで自在にやってのける。
 左わき腹に光を収束させる事で実体化する剣・バイオブレードを携え、必殺技・スパークカッターで怪魔戦士を一刀両断する。さらにバイオブレードを用いて光線攻撃の吸収や反射なども行う事が可能。
 全身が液体組成であるために物理攻撃自体には弱く、特に熱攻撃には脆い。


☆アクロバッター☆

 ゴルゴムとの戦いで大破したバトルホッパーが、キングストーンからの太陽エネルギーを浴びる事で復活、自己進化を果たした光機動生命体。
 あらゆる面でバトルホッパーを凌駕する機能を備え、最高時速750キロから繰り出される体当たり攻撃・アクロバットバーンはいかなる障害物も破砕する。RXのリストビットに呼応して瞬時に彼の下に駆けつけ、テレパシーでRXとの会話さえも可能とした。武装は施されていないが、その機動性はRXの勝利に大きく貢献した。
 さらにRXがロボライダー、バイオライダーに変身した際は、リストビットのテレパシーに呼応して、それぞれの形態にあったマシン形態に変形する事が可能。ロボライダーが使用する「ロボイザー」は頑強な装甲とロケット砲、レーザービームなどの各種武装を取り付けたバイクで、最高時速も800キロに上昇している。バイオライダー使用の「マックジャバー」はバイオライダー同様に液体組成のボディを持ち、最高時速こそ700キロであるものの敏捷性に優れており、水上や水中も自在に走行できる能力を駆使して、追撃や撹乱に使用される事が多い。


☆ライドロン☆

 クライシス大学の物理学博士・ワールドから託された設計図を元に光太郎が制作、かつて自分が蘇生した場所であるクジラ怪人の聖なる泉の洞窟で生命を得る事で完成した重装騎マシン。4輪自動車の形状をしているが自らの意思・ライドマインドを備え、熱センサーやサーチ機能など各種装備も充実した高性能マシンである。
 地上だけでなく水上、水中、地中さえも自在に進行する事が可能であり、最高時速1500キロから繰り出されるライディングアローにより、撹乱や戦線離脱を容易にした。さらにマシン前部にはグランチャーを搭載しており、これを用いて地中を掘り進んだり敵を捕獲したりもした。次元を越えて怪魔界への侵入も可能であり、まさに地球界と怪魔界の架け橋というべき存在である。


☆登場人物

 南光太郎・仮面ライダーBLACK RX(演:倉田てつを)
 暗黒結社ゴルゴムとの辛い戦いを終えたかつての英雄は、現在はヘリコプターの操縦免許を取得し、佐原航空の専属パイロットとして平和な生活を送っていた。しかし新たなる敵・クライシス帝国の強襲によって再び戦場に引き戻され、変身機能を破壊されたままで宇宙空間に放逐されるも、太陽の光が起こした奇跡によって太陽の子・仮面ライダーBLACK RXとして転生を果たし、再び戦渦の中へ身を投じる事になる。
 地球と怪魔界、2つの世界の命運を握る救世主であるが、前戦よりも積極的に戦いに介入、時には巧みに相手を翻弄して自らのペースに誘う事もあり、精神的な余裕も見られるようになった。明るく爽やかで優しく、そして子供好きという以前からの性格は変わっておらず、さらに厳しい戦いを乗り越えた成長の証か、以前よりも茶目っ気のある面を見せる事も多くなった。しかし親友であった信彦を失った悲しみは完全に癒えたわけではなく、仲間が傷つく事をひどく恐れている。
 RXへと新生を果たした事で光太郎自身の能力も向上しており、5分程度であれば呼吸を止める事が可能になっていて、これによって敵の攻撃を回避した事もあった。佐原一家とは家族同然の付き合いをしており、玲子とはしょっちゅう口ゲンカをしているものの、良きガールフレンドとして付き合っている。弟分である相棒・霞のジョーに信彦の面影を見る事もあった。
 クライシスとの最終決戦に際し、世界中に散っていた10人の仮面ライダーと初邂逅を果たし、戦役後は10人ライダーと共に世界中の悪と戦うべく、仮面ライダーとして旅立って行った。

 白鳥玲子(演:高野槇じゅん)
 フリーのカメラマンで、光太郎のガールフレンド。取材のために佐原航空のヘリコプターを利用する事もあり、好奇心は非常に旺盛。その上行動的でおてんばなので、事件の渦中に飛び込んではクライシスに攻撃を受けてしまうこともしばしばある。
 佐原家の面々とも仲が良く、佐原兄妹をつれて出かける事も多かった。戦いの最中にRXの正体を知り、それ以降は自分も戦いに参加するべく空手を習得した。囮などにも積極的に志願し、クライシス打倒に協力する。

 佐原俊吉(演:赤塚真人)
 佐原航空の社長を勤めており、光太郎の叔父に当たる人物でもある。半年前に憔悴しきって現れた光太郎にあえて何も聞かず、充実した人生を送れるようにとヘリコプターの免許を取らせた優しい性格の持ち主で、一時ではあるものの家庭の幸せを与えてくれた、光太郎にとっての恩人とも言うべき人物。その反面、婿養子であるためか妻には頭が上がらない。
 家庭では気の弱い父親で通っているが、クライシスの水奪取計画の際には、クライシスの給水を拒否するという気骨も見せた。最終決戦において子供たちを守るために盾となり、ジャークミドラに殺された。

 佐原唄子(演:鶴間エリ)
 俊吉の妻で現在は専業主婦。明朗な性格で、普段は夫や子供たちとの喧騒が絶えないが、気も強いので佐原家はすっかりカカア天下となっている。
 家族がクライシスに狙われるようになってからは、家族との平和な生活を望むあまり、クライシスと戦う光太郎に辛くあたる事もあった。最終決戦では子供たちを守ろうとしてジャークミドラに殺されてしまう。

 佐原茂(演:井上豪)
 佐原家の長男で元気溢れるごく普通の少年。理想の男として光太郎に憧れており、その光太郎がRXであることを知ってからは彼に協力を申し出るという勇気の持ち主。三郎や健吾を始めとして友人も多く、友情を何より大切にする男気も持っている。
 最終決戦で両親が殺された時は、自らボルティックシューターを手にとってジャークミドラに挑む一幕もあった。戦役後は同じ境遇である響子と共に暮らす事になる。

 佐原ひとみ(演:井村翔子)
 佐原家の長女で茂の妹。ごくごく普通の少女であるが勝気な面もあり、茂と共に宇宙飛行士になるという夢を抱いている。光太郎には憧れの念を抱いて慕っている。
 クライシス皇帝の娘であるガロニアの替え玉となるべくマリバロンに捕らえられ、強制的に大人に成長させられてしまった事もある。戦いの中で徐々に成長していったようで、光太郎に厳しく当たる母親を止めたりもした。戦いの後は兄と共に響子の家で暮らす事になる。

 霞のジョー(演:小山力也)
 流れ者の地球人で、かつてはクライシス帝国に囚われて記憶を抹消され、改造手術を受けたが脱走していた。ネックスティッカーの洗脳ユニットによって操られ、怪魔界にやって来た光太郎を迫撃するが、洗脳が解けてからは光太郎を「兄貴」と呼んでつきまとうようになる。
 格闘術に秀でており、中でもサイを得物としたアクションは一際の精彩を放つ。他にも霞流忍術という忍術を体得しており、これらを用いて光太郎をサポートした。ガイナギンガムの攻撃で深手を負い、一時戦列を離れるもガイナニンポー戦において戦線復帰を果たす。
 怪魔界をさすらっていた頃にレイカ族の戦士セーラと婚約しており、それが元で光太郎と仲たがいする事もあった。戦いが終わってからは自分の記憶を取り戻すため、1人旅に出た。

 的場響子(演:上野めぐみ)
 貯水場の責任者を父に持つごく普通の中学生だったが、ムンデガンデ戦において両親を惨殺され、クライシスと戦うために超能力を体得する事を願うようになる。特訓の末に水を招来する超能力を得、彼女の生み出す生命の水はRXのみならず、クライシスに苦しめられる多くの人々の心を潤し、さらに洗脳解除や行方不明者の探索さえも可能としている。
 普段は大人しめの性格だが、いざという時には大人顔負けの行動力を発揮し、戦線に参加するためにアーチェリーの技能を修得、対ヘルガデム戦を始めとして幾度となくRXの窮地を救った。



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