仮面ライダーV3

1973年2月16日〜1974年2月9日 全51回



☆主題歌
・オープニング
「戦え!仮面ライダーV3」
作詞:石ノ森章太郎 作曲:菊池俊輔 歌:宮内洋


・エンディング
「少年仮面ライダー隊の歌」(1話〜41話)
作詞:八手三郎 作曲:菊池俊輔 歌:水木一郎、コロムビアゆりかご会

「走れハリケーン」(42話〜51話)
作詞:丘灯至夫 作曲:菊池俊輔 歌:子門真人、コロムビアゆりかご会



 子供向け番組としては異例の高視聴率を弾き出し、日本全国に変身ブームを巻き起こす原動力となった「仮面ライダー」。その放送回数通算100回目を記念して、世界観を完全に共有する形で制作された仮面ライダーシリーズ待望の第2弾、それが「仮面ライダーV3」である。
 本作は前述の通り、前作「ライダー」と完全に世界観を共有しており、本作の1話はゲルショッカー崩壊後の世界が舞台になるという、実質「ライダー」の99話目とも取ることができる導入がなされた。児童向け番組でこのような引継ぎが行われたのは本邦初の事であるが、さらに番組そのものをステップアップさせるべく、意欲的な試みが随所に反映される形となった。
 「V3」は前作以上に活劇を重視した方向性が打ち出され、それを満たす主役俳優として、当時アクション俳優として売り出していた宮内洋が起用されることとなった。これは人間側のアクションシーンをより充実させたいというスタッフの意向に沿うものであり、ヒーローとそれに変身する人間のイメージがより近いものになるという効果をも生み出した。さらに新ヒーローであるV3のデザインも非常に派手な物となり、敵側のデストロンにも、機械と動物を合成した怪人という、より強大なイメージが植え付けられることとなり、その強さを印象付けるべく、1クール時はほとんどの話を2話構成にするという大胆な試みもなされている。
 ドラマ部分に関しては、V3が自分自身に隠された「26の秘密」を解き明かしていくという、謎解きの要素が物語の縦糸として組み込まれ、さらに藤兵衛の積極的な戦闘への参加、志郎とヒロインである純子の心情の細かい描写といった、様々な試みがなされた。
 しかし満を持して開始された本作は、1クール終了時点で早々に路線変更を迫られることになってしまう。これはV3が一旦敵に破れ、特訓によって強力な技を会得して逆転するという物語構造が、逆にV3の弱さを視聴者に印象付けてしまったためで、その改善策として第2クールではタイアップロケや劇場映画とのリンク、再生怪人や大幹部の登場などとイベントを増やし、さらには大幹部ドクトル・ゲーを敵側レギュラーとして配置、オーソドックスな1話完結形式のストーリーを展開させ、さらに3クール以降はデストロン配下の様々な部族集団と、それを統率する大幹部を次々に登場させ、作品世界のマイナーチェンジを行っている。
 そして番組も終盤が近くなった頃に、本作はライダーマンという新たなヒーローを創造することになる。敵側への復讐を望みながらもV3への協力を拒み、時にはV3とも対峙するというライダーマンの存在は、前作から続いていた「正義対悪」という単純な図式の作品世界に大きなうねりをもたらす原動力となっており、それは既に安定期に入っていた作品を活性化させると共に、今までにないドラマツルギーをも生み出し、それは戦士としての使命に目覚め、それに殉ずるライダーマンの描写に結実している。
 このような様々な変容がありながらも、本作は前作「ライダー」のドラマ展開を受け継ぎ、それを見事に発展、完成させることに成功した。本作はあらゆる面でライダーブームの頂点を築いたとも言え、本作の完結を持って、仮面ライダーシリーズは1つの決算を迎えたとも言えるだろう。


☆仮面ライダーV3☆

 謎の秘密組織・デストロンからダブルライダーをかばって重症を負った風見志郎が、ダブルライダーによって改造され、2人のエネルギーを吸収することで生まれた3人目の仮面ライダー。ダブルライダーの力と技を受け継いだ、最強の改造人間である。
 ダブルライダーが全精力を注いで誕生した改造人間であるV3には様々な能力が授けられており、500メートル上空から10キロ四方を映し出すV3ホッパーや敵改造人間を探知するOシグナル、ダブルライダーとの通信も可能な超触角アンテナなどを備え、さらにV3自身でも気づいていない特殊機能は「26の秘密」と呼ばれ、V3は戦闘や特訓の中でその力を開花させていった。それら多様な能力の源泉はベルトにある2つの風車・ダブルタイフーンにあり、それぞれ1号の技と2号の力を司っている。風車を回転させることで驚異的な跳躍を実現し、さらに発生したエネルギーをベルト中央部のレッドランプに収束、増大させることで爆発的なパワーを得る。また、風車を逆回転させることで驚異的な破壊エネルギーを生み出す逆ダブルタイフーンという荒技も使用可能だが、これは使用すると以後3時間は変身不能となる。
 それらの卓越した能力を下敷きとして抜群の戦闘能力を発揮し、特にその跳躍力を生かして生み出す必殺の蹴り技・V3キックは、特訓を重ねることで様々なバリエーションを作り出す源となっており、敵の特性や能力に合わせてV3反転キックやV3マッハキックといった派生種を、技の1号と同様に生み出していった。格闘戦の際にはチョップを多用して、相手の所有する武器を破壊する戦法をとることが多く見られ、ライダー2号の力を継承したダイナミックな戦いを展開している。
 ハリケーンの操縦技術にも長け、敵側とのバイクチェイスこそ少なかったものの、バイクを手足の如く操作して、危機を脱することもたびたびあった。当初は自分自身の改造人間としての能力を計り知ることが出来ず、そのために存外な苦戦を強いられることも少なくなかったが、次第にその能力を自分の物としていった。
 長く苦しい戦いの末に、ついにデストロン首領と相対し、首領を葬り去ると同時にデストロンを壊滅させることに成功する。その後は1人、夕陽の中をバイクで旅立っていった。


☆ライダーマン☆

 デストロン科学班に所属していた結城丈二が、仮面ライダーを模した強化服を装着した姿。硫酸によって溶かされた右腕には、人造アームを取り付けられるように改造が施されているが、本物の仮面ライダーのように肉体そのものが改造されているわけではなく、その姿は一種の強化服をまとっている状態である。
 人造アームに装着することができる種々のアタッチメントを唯一の武器としており、格闘戦で威力を発揮する万力型のパワーアームや鍵爪付きのロープを発射できるロープアーム、ロープアームの亜種であり、先端に刺付きの鋼球を装着したスイングアーム、ネットを射出して複数の標的を一気に拘束するネットアーム、鋼鉄の壁をも貫くことができるドリルアームなどを用いて戦闘に臨む。しかし戦闘用に全身が改造されているわけではないので、デストロンの怪人たちには苦戦を強いられることが多かった。
 当初の行動原理はヨロイ元帥への復讐のみであったために、最終的な目的を共にしているV3とも争うことがあったが、そんな確執を経て、さらにデストロンという組織の真実を目の当たりにしてからは、世界の平和のためにV3と共闘するようになる。そしてデストロンのプルトンロケットから東京を守るために単身ロケットに乗り込み、ロケットもろとも空中で自爆、その捨て身の行為を目撃したV3から「仮面ライダー4号」の称号を贈られた。


☆ハリケーン☆

 志郎をV3に改造すると同時にダブルライダーが製作した、V3専用の高性能オートバイ。志郎の常用マシンが変身に伴って変形する。
 最高時速600キロという驚異的な速度を保持し、カウル前面につけられている風車は時速200キロの時に青、400キロの時に黄色、600キロの時に赤へ変わる。V3の脳波によって遠隔操作が可能であり、窮地の際や人質のみを戦線離脱させる際に、その機能は最大限に生かされた。
 V3のバイクテクニックと相まって高い能力を発揮し、敵の追撃やバイクチェイス、時にはその速度を生かした体当たり攻撃・ハリケーンラストダッシュやハリケーンダッシュなどで怪人を葬り去った。ロケットブースターを取り付けることで、飛行能力さえも有している、無敵の万能マシンである。


☆ライダーマンマシーン☆

 ライダーマンが利用しているオートバイ。結城が普段使用しているバイクと同じ物であり、外観も市販の物と大差ない。
 シートの下には変身の際に装着するマスクが収納されており、結城が通常行動する際にも多用された。結城に技量がなかったこともあるのか、バイクチェイスなどを演じることはなく、最高速度も時速250キロと、落ち着いた性能にとどまっている。


☆主要登場人物

 風見志郎・仮面ライダーV3(演:宮内洋)
 城南大学に在籍している大学生で、本郷猛の後輩でもある。偶然デストロンの行動を目撃したことからたびたび命を狙われるようになり、そのために怪人ハサミジャガーによって家族を眼前で惨殺されてしまう。さらに罠に落ちたダブルライダーを救うために自らが瀕死の重傷を負ってしまい、ダブルライダーによって改造手術を受けることで3人目の仮面ライダー・V3として蘇った。
 家族を殺された際には復讐のために改造人間になることを志願したが、仮面ライダーとなってからはその苦悩を振り切り、己の体を人類の自由と世界の平和のために役立てることを誓った、強い心の持ち主である。基本的にはクールで感情を露骨に表出させるようなことはせず、自分に近づいてくる純子にも、当初は冷たい態度を取り続けていた。しかしそれは純子を危険に巻き込みたくないという優しさ故の行動であり、同時に悪に対しては決して屈しない熱い魂を持っている。
 元々武道に秀でていた上に藤兵衛の元で本郷と共にオートバイの練習をしていただけあって、バイクの操縦技術も本郷に決して劣らない腕前である。敵地偵察や変装しての潜入行動なども率先してこなし、危機に瀕しても決してあきらめはせず、時には大胆不敵な行動をとって敵を欺くこともあった。
 様々な強敵と相対する中で、自分自身をより強くするために己自身に厳しいトレーニングを課す、自分に厳しい人間であるが、その一方で少年ライダー隊のメンバーを始めとする子供たちには穏やかな態度で接する、人並み以上の優しさも兼ね備えている。意外と芸術肌でもあり、亡き妹を偲びながらハーモニカを奏でることもあった。
 長い戦いの果てに戦友であるライダーマンを失うという悲劇に見舞われながらも、ついにデストロン首領を追い詰め、組織ごと壊滅させることに成功し、戦役後は仲間たちに別れを告げることなく、1人いずこかへと旅立っていった。

 結城丈二・ライダーマン(演:山口暁)
 元デストロンの科学班リーダーであり、部下からの人望も非常に厚く、次期大幹部の最有力候補とまで言われていた人物。しかしそれを疎ましく思っていたヨロイ元帥の策謀によって裏切りの濡れ衣を着せられ、硫酸による溶解刑にかけられてしまう。右腕を失ってしまうも部下の働きで脱出に成功、部下に自らの右腕を改造させ、開発中の戦闘支援用各種アタッチメントを装着することができる改造人間・ライダーマンとして復活した。
 V3のように全身改造を施されたわけではないため、デストロンの怪人には苦戦を強いられてしまうが、そんな彼を戦いへと駆り立てる物はただ1つ、ヨロイ元帥への復讐心だけである。そのため当初は第三勢力的立場に位置しており、最終的な目的を同じとしながらも、V3との共闘さえも拒み、さらには怪人の甘言に惑わされてV3と戦ってしまうこともあった。
 同じ改造人間として、その悲しみを知り尽くしている志郎から、個人の復讐心を捨てて人類のために戦うよう説得されるが、貧困にあえいでいた学生時代をデストロン首領に救われた恩を忘れることが出来ず、デストロンに対しては愛憎相半ばと言った感情を抱いている。しかしデストロンの悪辣な征服活動と、それを防ぐために全力で戦うV3の姿を目の当たりにし、一時は戦うべき目標を見失いながらも、最終的には志郎と共にデストロンと戦う決意をした。
 元科学者であるために科学知識も豊富で、志郎に打ち込まれたバタル弾の除去手術を行うこともあった。普段は冷静な態度を取っているが、一旦激昂すると何も考えずに相手に飛び込んでいくという猪突猛進ぶりを発揮する。怨敵・ヨロイ元帥の正体であるザリガーナとの対決を行いながらも、最後はプルトンロケットの脅威から東京を救うべく、V3にすべてを託してロケットと共に青空に散った。

 立花藤兵衛(演:小林昭二)
 少年仮面ライダー隊の会長であり、仮面ライダー1号、2号に協力してショッカーやゲルショッカーと戦っていた。戦役後は穏やかな生活に戻っていたようだが、突如デストロンの急襲を受け、1号、2号が行方不明となり、V3の存在を知ってからはV3と共にデストロンと戦うことを決意する。
 デストロンによって破壊された旧ライダー本部に代わって、新たにスポーツ用品店「セントラル」を開店し、少年ライダー隊の本部は店の奥に設置している。その本部には隊員ペンダントがなければ入ることはできない。以前は滝和也が務めていたライダー隊隊長も兼任するようになったので、以前よりも積極的に戦闘へ参加するようになり、敵に洗脳されたり囚われたりすることも多くなったものの、人質救出や時にはV3の援護も行った。
 志郎がV3であることを知る唯一の人物であるため、志郎の特訓に協力することも多く、的確な指示や叱咤は志郎を精神面から支え続けた。

 珠純子(演:小野ひずる)
 デストロンのアジトを目撃したために付け狙われていた女性。偶然志郎と出会い、彼の自宅で介抱を受けていたことから、志郎の家族の悲劇を目の当たりにし、その後はデストロンと戦う志郎への献身を誓い、少年ライダー隊の通信係としてデストロンと戦う決意をする。しかし純子を危険から遠ざけたいが故に、当初は志郎から冷淡な態度を取られることが多かった。
 見かけに寄らず行動派であり、時には藤兵衛と共に変装して積極的な情報収集に励むこともあるが、そのために人質になってしまうことも多い。ドリルモグラ戦ではV3の正体が志郎との疑念を抱くが、それについては結局うやむやのままで終わっている。

 珠シゲル(演:川口英樹)
 純子の弟。純子の推薦で少年ライダー隊に入隊し、以後は姉と共に通信係を務めながら、ライダー隊隊員の中心的存在になって行動するようになる。
 少年らしい明るさと無邪気さを持っているが、デストロンの四国占領作戦時には、自らリーダーシップを執って四国支部のライダー隊に協力を促した。勇敢な一面も持ち合わせており、デストロンレインジャー計画事件の際は、V3から受け取ったスクランブルホッパーを用いて、ミイラ人間と立ち回りを演じている。

 佐久間ケン(演:川島健)
 インターポールが有するデストロンハンターの5号。カメラモスキート戦で初登場し、秘密書類が記録されたマイクロフィルムを巡って、デストロンと争奪戦を繰り広げた。カメラモスキート戦とドクトル・ゲー戦において自分以外の仲間はすべて失ったが、それ以降も志郎を先輩と呼んで共に行動し、デストロンと戦った。
 かつて本郷や隼人と共に行動していた滝和也とは違い、志郎の弟分的な存在として立ち回っていたが、火炎コンドル戦を最後に姿を消し、その後の消息は不明。

 本郷猛・仮面ライダー1号(演:藤岡弘)
 長く苦しい死闘の果てにゲルショッカーを滅ぼし、ついに世界の平和を取り戻した仮面の戦士は、再び城南大学の生化学研究室へ戻って研究活動を続ける傍ら、長年の夢である世界グランプリレース優勝を目指してオートバイの練習に励んでいた。しかし後輩の志郎が巻き込まれたことで新組織・デストロンの存在を知り、自分達を助けるために重傷を負った志郎をV3に改造、カメバズーカの持つ原子爆弾から東京を守るために、怪人ごと水平線の彼方に消えていった。
 その後の消息は不明であったが、デストロンの四国占領作戦をいち早く察知し、志郎を援護すべくエネルギー充填用のペンダントを贈り、さらにサタンニウム鉱山地図争奪の際に、2号と共にオーストラリアから一時帰国、初のトリプルライダー作戦を展開した。その後もキバ一族の猛攻からV3を支援するためにオーストラリアから再び帰国、キバ一族と壮烈な戦いを展開した。
 3人ライダーのリーダー格としてリーダーシップを発揮、ライダーダブルキックに代表される2号との連携や、ライダー返し、ライダーキックといった多彩な技も健在であり、技の1号の実力をデストロンに見せつけた。また志郎達も知らぬところで、V3の4つの弱点を記録した「形見」も残していたらしい。

 一文字隼人・仮面ライダー2号(演:佐々木剛)
 本郷と共にショッカー、ゲルショッカーと戦った2人目の仮面ライダーであり、戦役後はフリーカメラマンとして平凡な生活を送っていたが、デストロンの台頭によって再び戦場へ舞い戻り、カメバズーカから東京を守るべく、1号と共に洋上に消えた。
 その後は本郷と共にオーストラリアでデストロンと戦っていたらしく、四国占領作戦の折にはペンダントを贈り、さらに一時帰国して、怪人軍団との大乱戦を展開している。それからは単身アメリカへ渡っていたようで、ユキオオカミ戦ではそちらから日本に帰国して志郎達の窮地を救った。
 力の2号と呼ばれる所以であるそのパワーは存分に発揮されており、スミロドーン戦ではバイク戦を始め、久々に単独での戦いを披露している。



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