装備編 その4
 
今回は、各メーカーのドイツ軍の野戦服や装備等のアイテムを比較してみる事にしました。
   
ガスマスクケース
    
ガスマスクケース

写真左:ドラゴン社製ガスマスクケース。
写真右:コッツウォルド社製ガスマスクケース。
(タカラ製と同型式)
この2つを見比べるとかなり違うが、これは元にしたガスマスクケースの違いによる物で、どちらもその特徴を良く捉えている。
特にドラゴン社製の物は得意分野だけあって、モールドもシャープで好感のもてる仕上がりになっている。
ちなみにサイズだが、ドラゴン社の物は全高・直径共にきちんと1/6スケールになっている。
またコッツウォルト社の物も全高が1mm程短いだけで、直径はきちんと1/6スケールに作られており、少しモールドは甘い物の及第点と言ったところではないかと思う。
ストラップは両者共に決して誉められた作りでは無いが、適当な素材さえ見つけることが出来れば、自作も難しいわけでは無いので細かい事は下の実物写真と見比べてもらいたい。

実物ガスマスクケース

こうしてみると、両方共その特徴を良く捉えている事が判ってもらえるだろう。強いて言えば、コッツウォルド社製ガスマスクケースに、ウエストベルトに引っかける為の短い方のストラップが省略されているのが残念ではあるが、適当な素材を見つけて自作すれば良いだろう。
ここまでは、全てアイテム自体の作りに関する記述、今回の両者の問題は実は使用時期の考証。
特にドラゴン社の物は1942年4月22日付けの訓令が出るまで前線に支給されなかったロングタイプのガスマスクケースなのだが、これは「バルバロッサ1941」というサブタイトルで売られている・・・また、コッツウォルト社は別に設定を指定はしていないが、新型ガスマスクケースが支給されはじめると、旧型は順次後方に送られ補充部隊等ヘ再支給された為、戦争末期には前線には殆ど無いタイプなのです。

実物ガスマスク

1930年型ガスマスク。ガスマスクはこの他に1938年型が作られていて、両方とも戦時中に併存したのだが、詳細は資料館の方で解説するべき事なので、今回こちらでは省略させてもらう事にする。
ここで注目して欲しいのはガスマスク本体では無く、下に取り付けたフィルターの方で、左の物の方が高さの高い新型フィルターを付けている点である。
これが、1942年から順次新型ガスマスクケースが前線に支給された(ガスマスクケースがロングタイプに変更された)理由なのである。
参考までに、このガスマスクは両方共M30であるが、製造年は左の物が1939年、右の物が1943年である。ガスマスクの面体は額の部分に数字でサイズを表示してある。(右の物に2という数字が見えると思う。) 

初期型ガスマスクケース

1930年型ガスマスク採用時に導入された初期型ガスマスクケースだが、この写真のガスマスクケースは開閉装置がまだ後期型のスプリング式に統一される前の物が取り付けられている。
この写真のガスマスクケースは1934年製であるが、1936年にこれとは別のスプリング式開閉装置が開発され、更に1937年からは徐々に後期型開閉装置を付けた物が生産された。
1942年、ガスマスクのフィルターの変更により、このタイプのガスマスクケースは暫時新型ケースと交換され、徐々に前線から姿を消した。
全長25cm、直径12cm

後期型ガスマスクケース

1941年11月26日付け訓令によりガスマスクケースは長さ27,5cmに変更され、1942年4月22日付け訓令によって前線部隊に支給が開始された。
暫時、前期型は回収され、後方及び補充兵によって使用された。
この後期型は、長さが延長された事の他に、胴体中央に取り付けられていたストラップ取付用金具も廃止されたが、装着方法の規定が改訂された事に起因する。
写真のガスマスクケースにはass 1944の刻印が打刻されている。

装備の装着位置

今回、ドラゴン社のアクションフィギュアの発売に伴い、装備の装着位置と装着方法についての質問が多くあったので、実物を使って再現してみることにした。
中でも一番多かったのが、ガスマスクケースの短い方のストラップについてだったが、写真中央の白い矢印の様に、ウエストベルトに引っかけるのが一般歩兵の標準的装着方法である。

実際には、このガスマスクケースの装着方法は、オートバイ兵や車載歩兵等で異なる装着方法が規定されていて、事実多くの写真でそれらを確認する事が出来るが、それはまたの機会に紹介する事にする。
ガスマスクケースとスコップの位置関係や、雑嚢や水筒とYサスペンダーの位置関係等がこれで理解頂けたと思う。
また、次回はAフレーム(戦闘梱包)に飯盒とツェルトバーンを装着した状態等を紹介して行きたいと思っている。

   
 今回、ドラゴン社は出来の良い製品を作ったにもかかわらず、「バルバロッサ1941」というキャッチフレーズを入れたが為に考証ミスを犯した結果になってしまいました。これはとても残念な事であります。
しかし時代考証というのもマニアにとっては大切な事で、1939年のポーランド戦にパンター戦車やティーガー戦車が出てこない事と同じ様に、当時存在しなかったという事実は無視して欲しく無いものです。
   
御意見・御感想など御座いましたらこちらの掲示板にお願いいたします。
   
ホームヘ戻る
12inchActionFigure
トップへ