「居酒屋ロボバトル」

※これは2004年12月18日に秋葉原で開催された、少し変わった忘年会のレポートである。

「居酒屋ロボットバトル」のアルバム(※画像です)


☆はじめに
 12月中旬、所用で東京に行くことになった。ところでネットで、18日の夜に秋葉原で「ロボット好き共の忘年会」なるものが開催されると聞いた。そこにはROBO-ONEに出場しているロボットが集まり、バトルを繰り広げるらしい。よりにもよって居酒屋でロボットのバトル! こういう不思議なものは見ておかなくてはなるまい。
 とりあえず主催者のいしかわさんのサイトで「ロボット持ってないのですが、参加してもいいんでしょうか?」と尋ねたら「いいですよ」との返事があった。(福岡で開催されたロボスクエア杯のレポートなどをサイトにアップしているので、一応私は「九州にそういう人がいる」と認識されているようだ。) そこで何枚かの写真も撮ったので、史上初めて(←たぶん)の居酒屋ロボバトルのことをご報告しよう。

☆ロボット王国へGO!
 「電脳聖地」秋葉原(←最近はオタクの聖地か?)には、ロボットを作るのに必要な電子部品を売っている「ロボット王国」というショップがある。そこで、いしかわさんと待ち合わせをしており、夜六時前にそちらに行った。
 ロボット王国はツクモパソコン館の三階にある。サーボーモーターなどの電子部品がずらりと並んでいて、アキバの正しい伝統を守る貴重な店かもしれない。
 店の奥に置かれたリングには、すでに何人か集まってロボットの調整を行っていた。どうもこのリングは少し前までROBO-ONEで実際に使われていた四角のリングらしい。(ちなみに材質は木で、場外転落防止のアクリル板をはめこむ溝がついていた。) ついでにリングの横には、ロボワンスペシャルDoors用のドアも置かれていたが、荷物かけになっていた(笑)。
 とりあえず「いしかわさんはおられますか?」とたずね、幹事のいしかわさんにご挨拶をする。周囲の人も一応私の名前を知っていてくれたようで、ホッとする。(ロボットを作っているわけではないので、かなり場違いな人間でもあるし。)
皆さん、いろいろとロボを持ってこられたようだが、ある人がサンタのコスプレをしたパンダロボを取り出した。(よく知らないので、この人を仮に宇宙ロボコンファイターX氏としておく。) このサンタパンダ、両手に旗を持っていて、これで居酒屋ロボバトルのレフェリーをやるらしい。宇宙X氏(←その省略の仕方もどんなもんだ?)から「操縦やってみますか?」と言われたので、私もサンタパンダを動かしてみた。(実は私がロボットの操縦をしたのはこれが最初。) ラジコン用のコントローラーで操縦するのだが、なかなか楽しい。「赤の勝ぢぃー!」とか勝手に遊んでいた。
 ただ、サンタパンダは両腕と首が稼働するだけなので、私でも動かせたといえるのかもしれない。これに歩行がつくと、それを操作するコマンドを覚えるだけでも大変だ。実際、サンタパンダでいきなり「旗上げゲーム」をさせられたら、絶対にパニック起こして何もできなかったと思う。ほんのちょっとだけ、ROBO-ONE参加者の苦労が見えたような気がする。
 ところで、サンタパンダで遊んでいたりしたら、私の横で調整していたロボットがいきなりジャンプした。私には一センチぐらい飛び上がったように見えた。R-Blueシリーズで知られる吉村氏が開発したジャンプモーションプログラムを別の機体でも実現したということのようだが、一年前には二足歩行ロボットがジャンプするなど「ありえなかった」ことだ。それが私のすく横で実現してしまったのだから、技術の進歩とは恐るべきものだ。

☆バトルフィールドはひろしです
 忘年会の開始時間が迫ってきたので、同じ秋葉原にある呑み処「ひろし」に移動。会場にはすでにメタリックファイターの森永氏が来ていた。私は第三回ロボスクエア杯の時に福岡で森永氏と面識だけはあるのだが、落ち着いて話すのは初めてだ。
 なお、この日は筑波の国際会議場で計測制御学会があり、その学会にROBO-ONEに出場した何台かのロボットが参加している。それが終わってから筑波参加組もこの忘年会会場に来ることになっているが、さすがに筑波は遠いのでまだ来ていないようだ。
 ロボットバトルは筑波参加組を待ってから行われるため、とりあえず乾杯となった。料理は海鮮と鍋が中心。どこでも見られる飲み会だが、微妙に違う。たとえば基盤を取り出してきて「このハンダ、きれいだよねー」と感想を言い合っていたりするわけで、さすがはロボット好きの人間が集まっているだけのことはある。
 クリスマスが近いということもあってか、突然プレゼント大会が始まった。そのプレゼントはなんと「ネジ」。皆さん、そのプレゼントに群がってニコニコしていた。

☆筑波組、襲来
 そのうち筑波参加組が到着した。おおっ、ROBO-ONE皇帝・西村輝一氏(ROBO-ONE委員会代表)も来ているのかーと、ちょっと感動。
 7月のロボスクエア杯以来となるDrギィ氏とも挨拶。筑波でのバトル大会ではアリウスが優勝、ダイナマイザーが2位、ヨコヅナグレート不知火が3位、ランブル(←プロレスでいうバトルロイヤル)は不知火が取ったとの情報を聞く。
 その筑波参加組と一緒に産総研の大山英明氏も来ていた。大山氏にはひょんなことから研究の資料集めにご協力することになり、その縁で私が「よろしければご参加されませんか?」とお誘いしていたのである。大山氏とは「はたして援竜(テムザック社製の災害救助ロボ)は実用化されるのか」みたいなことを話していた。
 それから私のところにえまのん氏が来られて「サークル文庫も読んでましたよー」と言われたのには驚いた。(私はサークル文庫から「ノストラダムスの後継者」が一冊出ている。) もうサークル文庫自体が存在しないが、読んでいてくれた人もいたのだと少し感動した。

☆居酒屋ロボバトル開始
 最初は「バトルはどこでやりますか?」と幹事のいしかわ氏も迷っていたようだが、ものすごいスピードで料理を食べ尽くしてしまったため、とりあえず中央のテーブルを片づけて、そこにリングを設置することになった。リングはロボット王国にあったリングの四分の一の大きさのもの。ほぼテーブルと同じ大きさなので、リングから転落と同時にテーブル下へと転落という結構怖いものだったりする。
 参加ロボットは筑波参加組から、ダイナマイザー、グレートヨコヅナ不知火、HSWRの三台。ロボット王国組(?)からはパンダムと365式機龍の二台。計五台で史上初(←たぶん)の居酒屋ロボットバトルを戦うことになった。
 なお、当初はもう少し多くのロボットが参加する予定だったらしいが、調整がうまくいかず、この五台のみの参加となったようである。
 このバトルのルールだが、勝ち残り試合を続けて最後の試合に勝ったロボットが優勝という「最初の方に出たロボットほど不利になる」ルールだった。これは西村代表がノリで決めてしまったようで、さすがは酒の席(笑)。
 それからレフェリーは、ロボット王国にいたサンタパンダと宇宙X氏。今回一番やる気を見せていたのはサンタパンダだったような気がする。

☆パンダム、居酒屋に立つ
 最初の試合は、「ダブルシールド」HSWR対「パンダかよ!」パンダム。HSWRは腕が伸びるが、パンダムは「にゅいん」と足が伸びて「にゅいん」という感じで歩き出す。伸びるもの同士の記念すべき(?)居酒屋最初の試合は、パンダムがぼてっと倒れて、そのまま起きあがらず。さすがはパンダ、やる気なし。
 ところでレフェリーのサンタパンダにも意外な弱点が発覚した。サンタパンダの操縦をしていると、レフェリングができないのだ。したがってサンタパンダは主に試合と試合の間に動きまくっていたようである。

☆強豪同士の激突
 第二戦は、勝ち残ったHSWRと、「親子の絆」ダイナマイザーの対決。どちらもROBO-ONEの強豪ロボットで何度も対決している。(確か日本テレビの「ワールドレコーズ」でも対決するのではなかっただろうか?) どちらも強豪同士の対決なので白熱の試合となったが、HSWRの操縦者のテンションがミョーに高く、その勢いで試合を押し切ってしまった。
 なお、この試合でHSWRが、かなりはた迷惑な機体であることが判明。HSWRは起きあがりの時に腕を伸ばして起きあがろうとするのだが、そのために狭いリングのかなりの面積を占拠する。そのため、立っているロボットも引っかけられたりしていた。

☆史上初(?)の試合結果
 第三戦は二連勝のHSWRと「二代目スーパーロボット」ヨコヅナグレート不知火の対決。これも強豪同士の対決なので白熱した試合になるはずだったが、実に珍しい終わり方をしてしまった。ちょっとメモしているうちに試合の決着がついてしまったが、どうやらHSWRの伸びる腕がレフェリーのサンタパンダを攻撃し、「反則負け」になってしまったらしい。はた迷惑構造がここで炸裂してしまったのかー。
「反則」で勝敗がついたのって、たぶんロボットバトル史上初だろう。私は全日本プロレスのジョー樋口を思い出してしまった。

☆豪拳一閃!
 最終戦は、勝ち残りの不知火と「メカゴジラとは似てません」365式機龍の対決だ。結果は一撃でついてしまった。不知火の見事な中段正拳突きが機龍にヒット。機龍はリング下まで吹っ飛ばされ、不知火の勝利となり、同時に居酒屋ロボットバトルの優勝ロボットとなった。
 勝利を決めた不知火の一撃は、ロボットバトルの中でも有数の鮮やかな一撃だった。私の記憶の中では、アドマントを倒したR-Blueの一撃、ハヤブサを場外に吹っ飛ばした2325-RXの一撃に並ぶように思う。不知火は7月のロボスクエア杯の時に比べても相当安定性を増しており、確かに優勝しても不思議のない機体に仕上がっていた。
 ところでよく考えたら、不知火はこれがバトルにおける初優勝ではないだろうか。初めてのバトル制覇が「居酒屋バトル優勝」。むう、なんかおいしい経歴だぞ、不知火……

☆狭いぞ、ランブル!
 勝ち抜きバトル戦が終わった後、参加ロボットがリング上で一度に戦うランブルが行われた。しかし、ただでさえ狭いリングに四台のロボット(パンダムはいなかったような……)が集結。なんというのか、「そこそこ混んでいる通勤電車の中で客同士が乱闘始めた」に近いような気がする。(さすがにレフェリーのサンタパンダは場外に避難していたが。) 正直何がなにやらわからないが、狭いのですぐにロボットが落ちまくっている。
 確かこの時だったと思うが、不知火がリングから転落して木製の長椅子の上に、派手なフライングボディアタックをぶちかましていた。(無事だったようだが、大会前だったりしたら真っ青になっていただろう。)
 そして優勝したのはー、「占有面積デカいです」HSWRだった。この結果に思いっきり納得してしまったのはなぜなのだろう?
 戦いの後には調整の間に合わなかったロボットも含めて、参加ロボットと操縦者が並んでの記念撮影。ふと気がついたら、レフェリーのサンタパンダが蟹食ってた……(このサンタパンダ、口が開閉できます。)

☆最後に
 私は一次会が終わってすぐに秋葉原を後にしたが、なかなか面白い体験をさせてもらった。特にロボットを作っている人間の熱気を間近で感じられたのは、今までにない体験だったし、また大きな収穫だった。
 ROBO-ONEはこの熱気の中で一層大きく成長していくのだろう。

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参考・ROBO-ONE公式サイト



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