☆海底を突っ走れ!

※(福岡県北九州市〜山口県下関市・2004年5月23日)


☆はじめに
 山口県下関市と福岡県北九州市の間には、本州と九州を結ぶトンネルが三本ほどある。そのうち昭和三十三年に開通した関門国道トンネルの下には、人の通れる「関門人道トンネル」がある。つまり海の底を歩いて本州から九州に渡れるのだ。(自転車は有料だが、人間は無料。)
 私は何回か通ったことがあるが、この珍しい海底の歩道をデジカメで撮影したので、画像レポートとしてお届けする。

関門大橋と和刈利神社


和刈利神社から対岸の下関方面を望む。


やはり和刈利神社から下関市街地方面を望む。


☆海峡の社
 和刈利神社は門司の突端に建つ、関門海峡の守護神だ。地元では旧暦元日の早朝に海でワカメを刈って神前に供える「和刈利神事」の神社として知られている。人道トンネルの入り口は和刈利神社のすぐ近くにある。


人道トンネル門司側入り口


ここが海底の道の入り口その1


ここが海底の道の入り口その2


☆海底の道
 関門人道トンネルの壁には「海の中」をイメージさせる絵が描かれている。以前はなぜかリンゴの木の絵が描かれていたが、やはり海底に相応しいものになったのだろう。
 人道トンネルは海底を歩いているわけだが、すぐ上を国道が通っており、車の走る音がひっきりなしに聞こえている。(うるさいというほどではない。) 従って一番近いイメージは「永遠に続くガード下」だろうか。
 この歩道をよく利用するのは当然のように地元民らしき人が多い。それだけでなく、この道はある人々にとっては「日本の大動脈」でもあるのだ。「ある人々」とは「長距離を旅するサイクル野郎」たちである。自分の足で本州から九州に渡ることができるルートは、日本中にたった一つ、この関門人道トンネルだけだ。彼らは自分のマシーンと共に海底を越えるためにこの道にやってくる。今回もそれらしきサイクリストを何人か見た。


海底の県境その1


海底の県境その2


☆海底の県境
 関門人道トンネルは福岡県と山口県をつないでいるので、当然のように真ん中あたりに県境がある。このトンネルをよく利用する地元の人にとっては単に「真ん中まで来た」目安だと思うが、中には感慨深い思いを抱く人もいるだろう。特に遠くから来た人は。


現在地案内図(笑)


海底の県境を振り返ってみました。


少し暗くしてある部分もあります。


☆海底の星
 以前はなかったと思うが、わざと暗くしてある部分が存在する。これは単調なトンネルにメリハリをつけるためだろう。その部分の天井には星が描いてあったりする。海底の下に描かれた星というのも考えてみれば不思議なものだ。


これが海底の星だ!


案内プレートがフグ


下関への出口だ!


藤原義衛と林芙美子がウェルカム。


☆ちょっと説明
 藤原義衛は下関出身のオペラ歌手。林芙美子はいわずと知れた「放浪」作家。


人道トンネル下関側入り口


祇園精舎の鐘の音……


幕末の長州砲。ここは歴史の海峡です。


☆最後に
 関門海峡は、源氏と平家が戦い、幕末には長州藩と外国、また長州藩と幕府軍が戦った歴史の海峡である。その海峡の下を歩いていけるというのもなかなかに愉快なことではないだろうか。


※人道トンネル情報…関門人道トンネルは歩いて15分弱ほどかかる。門司港レトロ地区から和刈利神社までバスはあるが、本数が少ないので注意のこと。なお、門司港駅から人道トンネル入り口までは歩くと25分ぐらいかかる。


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