マーリンの呼び声


 じっと坐って神経を集中するのじゃ。
 さもないと、このサイトはおまえを殺すやもしれぬ。いや、おそらく幾度かそうなるだろうな。ここは魔法のサイトだ。
 サイト自体がひとつの長大な呪文になっておる。ひとつの長大な魔術の業にして、ひとつの長大な妖術の儀、はたまたウェブ上に編みこまれた強力な魔法……
 わしの魔法なのだ。
 本当だとも。わしの名はマーリン。
 とうの昔に死んでおるが、そんなことでうろたえてはならぬ。幽霊ではない。別の時代から話しかけておるのだ。その時代、いにしえの世にはちゃーんと生きておった。いや、つまり生きておる。達者でぴんぴんしとるわい、この歳の者にしてはな。
 ま、歳を食っておるのはたしかだ。こちらでは、ドルイドのマーリンで通っておる。大賢者マーリンと呼ぶ者もおるぞ。あるいは……そう、魔術師マーリンともな。

 さて、わしはいま呪文をかけておる。はっきりいえば、おまえに向けてだ。
 何もあわてふためくことはない。なかなか魅力的な呪文なんだから。要するに、おまえをわしの時代へ運んでくる呪文なのさ。
 こちらでは、おまえはピップという名の英雄で、ちょっとした有名人だ。魔術師討ちのピップとか、ドラゴン殺しのピップなどと呼ばれてな。
 おまえのいるつまらぬ時代よりは、はるかに夢があり、希望に満ちあふれ、真の冒険が待っておるぞ。勇ましい英雄が生まれるにふさわしい時代だ。
 いまは困ったことに、魔界の門が開いたままになっておる。誰かが閉めねば、アバロンの王国はほどなく滅びを迎えるであろう。邪悪が世にあふれ出してくるからな。
 おまえの助けが要るんだよ。
 さあ、わしの時代へさかのぼってこい……身体はいらぬ、心だけ……そうっと目を閉じて……精神を集中させて……


これまでの華々しき冒険


The Castle of Darkness


『暗黒城の魔術師』
新版グレイルクエスト第1巻

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The Den of Dragons


『ドラゴンの洞窟』
新版グレイルクエスト第2巻

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The Gateway of Doom


『魔界の地下迷宮』
新版グレイルクエスト第3巻

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Voyage of Terror


『七つの奇怪群島』
新版グレイルクエスト第4巻

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 新米だろうとベテランだろうと、勇ましい冒険者であると自負する気持ちがあれば、夢時間(掲示板)でメッセージを書きこむのだ。



初心者のためのサイト入門


管理者からの手抜き解説


 「マーリンの呼び声」はハービー・ブレナンのゲームブック〈グレイルクエスト〉をメインに扱ったファンサイトです。

 〈グレイルクエスト〉は、魔術師マーリンに呼び出された読者(きみ)がピップという若者の体に入り込んで冒険の旅に出る、というストーリー分岐型(行動選択式)のゲームと物語が合わさった本です(シリーズ全八巻+番外)。

 子供の頃に読んだかたが思い出せるように説明すると、E・Jという喋る剣(クモ嫌い)が相棒で、毎回ひどい詩を詠む魔神が登場し、自分が死ぬといつも「14へ行け」と宣告される、という内容です。アイルランドの皮肉なユーモア、ナンセンスなギャグ、印象に残る奇怪な挿絵などが特徴です。



 サイトを制作&管理しているのは、セプタングエースというややこしい名前の魔霊(設定上)です。2003年からは日向 禅(ひゅうが ぜん)という筆名で『RPGamer』という雑誌にゲームブック関連記事を連載しておりました。

 2004年には『RPGamer Vol.7』にてオリジナルFFゲームブックを制作しました。FFというのは「ファイティング・ファンタジー」のことで、『火吹山の魔法使い』や〈ソーサリー〉四部作に代表されるシリーズです。FFファンはもちろん、ブレナンのファンも思わずニヤリとしてしまう内容に仕上がっていますので、ぜひ御一読ください。

 新版『ドラゴンの洞窟』『魔界の地下迷宮』『七つの奇怪群島』では翻訳を手がけました。旧版では省かれていた原文の訳を補完、多かった誤訳を訂正、シャレの訳を増強、と変更が多数ありますので、旧来からのファンもお手元にどうぞ。




The Emblem of Septangues


Illustrated by HUGO HALL




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サイト管理者:セプタングエース(日向 禅)





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