着ぐるみ小娘闖入記


『狂王の試練場』と呼ばれるワードナの作り上げた大迷宮。
その最下層となる地下10階、ワードナの居室兼事務所にて…

「我が魔除けの研究の完成はもはや時間の問題。
 その暁には世界を自在に操ることすら思いのまま…のう、バンパイアロードよ…くくく」
「御意」

野望成就を目前にほくそ笑むワードナとその側近バンパイアロード。
しかしそのとき、事務所の扉が「バタン!」と乱暴に開くと何者かが飛び込んできた。

「クマっと参上!」

飛び込んできたのはなんと、作り物のカエルを持ちクマの着ぐるみを着込んだ
ノームの少女だった。あまりに場違いな格好の闖入者に一瞬固まるワードナたち。

「小娘が一人で、だと…!? 護衛はどうした!」
「だれが小娘!? コロナって名前があるクマ!」

コロナと名乗った着ぐるみ少女はそういうと、持っていたカエルを力を込めて握り締めた。
カエルは「ぐえっ」と嫌な声を出し舌が伸びたかと思うと剣の形に固定された。

「護衛はみーんなやっつけたクマ! 魔除けをもらうクマ!!」

「小癪な、喰らえッ!!」

ワードナは神速の詠唱でマモリトの呪文を完成させ力を解放させた。閃光とともに雷撃がコロナに襲い掛かる。
攻撃呪文の威力としては中程度だが、年端も行かぬ少女の肉体を黒コゲにするには充分、そうワードナは踏んでいた。
ところが…

「クマ熊くまKUMAクマ熊くまKUMA…」

マモリトの雷撃もさして効いていないような調子でコロナが呪文の詠唱を始める。
奇妙な調子の詠唱だが、何故かワードナには唱えようとしている呪文が伝わってきた。

「まずい、あの呪文を完成させては。護衛ども、あ奴を止めろ!」

しかし、バンパイアロードはまだ固まっていた。
バンパイアは辛うじて攻撃に動いたが、やはり動揺しているのか鋭い爪はカエルの舌先に阻まれた。
そして…

「クマ熊くま・・・KUMAーーッ!!」
「まさか、ワシがこんな小娘に!? ちょっまっtykjdsdfんmfdy〜〜〜〜・・・・」

呟きを残してワードナとその一行は掻き消えた。
レベルと引き換えに願いをかなえる禁呪、ハマンの効果で異空間に追放されたのだ。

事務室からは主がいなくなり、残されたのは魔除け一つ。
それをつかみ、ハマン詠唱による極度の疲労もものともしない元気な様子でコロナは叫んだ。

「コロナ、ひとりでできたクマ!!」
(おしまい)


一人旅企画「コロナの『ひとりでできるもん!』」においてGBC版#1をクリアした時の最終戦の様子を
マカーブル様と*シヴァ*様の掲示板への書き込みを参考にショートストーリー風に仕立ててみました。
マカーブル様、*シヴァ*様ありがとうございました!

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