
-------------------------------------------------------------------------------- 闇の覇者・真王たる者・王国崩壊(1) 投稿者:おんしー(on see) 投稿日: 9月 6日(水)22時45分34秒 10.王国崩壊 ネロとアクリラたちは無事に任務を果たし、ライゼーラの首都に戻ってきた。 だが、ネロは飛空艇に揺られている間、何も言わずただ窓から見える風景を見ている だけであった。 エクリマはネロを励ましたが何も言わないネロに呆れて一人寝室でふてねをしていた。 そんなネロをアクリラはじっと側に座って一緒に風景を見ているしかなかった。 そしてライゼーラに着いたあともしばらくネロとアクリラは部屋でぼうっとしていた のだった。 「アクリラ・・・・もう良いよ。一人にしておいてくれないかな?」 ネロは何か思い出したかのように側にいたアクリラに話しかけた。 「でも・・・・貴方がそれでは・・・・。」 「ありがとう。でも少し考えたいんだ。戦わずにすむ方法とかね。」 「マリエンさんの・・・・・事?」アクリラは彼女の名前を聞くたびに胸に痛みが 走っていた。その事をネロに言うのは忍びないと思いしばらく言わなかったのだ。 もちろん人間ならそれが何なのかは知っていると思うがアクリラはそれを 真剣に病気だと思っていたのである。だからネロに余計な迷惑をかけたくないと 思っていた。それでも側にいたのはネロの事が気になっているのだろう。 「無理をしないで下さいね・・・・。心配なんです、貴方が。」 「ははっ、ありがとう。でも大丈夫だよ。余計な心配はさせないから。」 「そうですか・・・では、またあとで。そうそう、お食事はいかが致しますか? こちらで食べていきますか?それともあとでちゃんとした所で?」 「う〜ん・・・・・・・・ここで食べていくよ。」 「そうですか?なら呼んで下さいね。用意しますから。」そう言ってアクリラは静かに 部屋を出ていった。 一方・・・・・シャリムはホルムと話をしていた。しかも内密の話である。 「あのネロという少年は何か封印がかけられているように見える。ホルム、 お前の意見はどうだ?」 「そうですね。私も何かかけられていると思うのですが・・・古い封印で・・・ でも間違い無くアクリラ様におかけになられてある封印とは同じタイプのもの だと感じております。」 「そうか・・・・・。やはりな。で、解き方というのはあるのか?」 「それは・・・・あのネロの両親の力をもって解除するのです。アクリラ様にかけられて ある封印と同じように。」 「そうか・・・・・。」 のちにネロとアクリラにかけられてある封印は解かれる事になるのだが それが解かれるのは2年後のことである。 しばらくして・・・・・ベッドで突っ伏したネロは泣いていた。 昔を思って泣いた。 誰にも知られずに・・・・ただ泣いた。 (続く) -------------------------------------------------------------------------------- 闇の覇者・真王たる者・王国崩壊(2) 投稿者:おんしー(on see) 投稿日: 9月 7日(木)22時28分24秒 10.王国崩壊 どのくらい泣いたのだろう・・・・・。ネロはふと目を覚ました。 あたりはもう暗く、ろうそくが必要なくらい暗くなっていた。 「ふう・・・・・。」ネロは身体を起こした。ところどころ、身体の節々が痛いのは 無理な姿勢で寝たからだろう。 「お腹空いたな・・・・もうみんな寝静まったかな。」 ネロは辺りの気配を探ってみたが起きている、という気配を感じたのは 見回りの兵士たちだけであとは寝ているようだった。 「ふう・・・・・・もう寝てしまおうかな。それに明日は・・・僕は・・・・ どうしたら良いのだろう・・・・。」 ネロはそんな事を小さな声で呟きながら暗くなった部屋をあちこち見ていた。 「僕は・・・・・・一体・・・・誰なんだ・・・ろう・・・・。」 ネロは毛布を被りながら誰もいない天井に向かって呟いた。 「そうですね・・・・貴方はネロという魔族の少年で、ネロ君以外何者でもありませんわ。」 「えっ・・・・。」ネロは驚いていた。誰もいないはずなのに・・・ いや、いた、まさにネロと身体を合わせるぐらいの所に、となりにアクリラが寝ていた のだった。 「どうして・・・・・。」 「だって、お食事だって言ったら寝ているんですもの、可愛い寝顔ですね。」 アクリラはコロコロ可愛い笑みを浮かべていた。 「えっ・・・・でも、僕は・・・・。」 ネロは戸惑っていたがアクリラがゆっくりと自分の方に顔を向けさせた。 「貴方はネロ君です。誰が何と言おうがネロ君です。だから貴方が本当にしたいことを なさってください。」 アクリラの両手がネロの頬を触るたびに何か暖かいものが流れ込んでくるかのようだった。 「僕は・・・・・・。」 「ふふふっ・・・・・。これからどうなるか分からないですが出来る事を 探して見ませんか?私と・・・一緒に。」 「でも・・・・君は・・・・。」 「私は・・・・このままで良いのかって思っているんです。もしかしたら有名な貴族と 結婚して・・・子供を産んで・・・。」 「幸せな事じゃないか・・・。」 「それが本当に幸せなことですか?私の意思はどこに行くのですか?それから どうするのですか?」 「えっ・・・・それから・・・結婚して・・・・子供を・・・。」 ネロは詰まってしまった。 「だから・・・・探そうって言っているんです。さあ、起きてください、 ご飯食べましょうよ。暖めればまだ大丈夫ですよ。」 アクリラはネロの手を取って起こした。そしてそのまま手を引いてテーブルにつかせた。 「今何か作りますね。私もずっと寝ていたので、お腹空いてしまって。」 「アクリラ・・・・・・さん。」ネロは何となく嬉しかった。そうしてくれた アクリラの暖かさが嬉しかった。 一方・・・・ガスタブルグ王国ダルドア城西門では。 門の前を二人の地獄の門番が守っていた。二人の背後には鉄球魔人が鉄球に 磨きをかけていた。 「おい、俺にもワックス貸してくれ。」地獄の門番の一人が鉄球魔人に話しかけた。 「何言っている、これは俺が持ってきた物だ。何でお前に。」 「良いじゃねえか。ちょっとぐらい俺の鎌にも塗っておきたいんだ。」 「まったく・・・しょうがねえな、あれ?あれは誰だ?」 鉄球魔人は向こうから歩いてくる者に気がついた。 「うん?誰だ・・・・!!あれは・・・・!!」 地獄の門番はその者の姿を見て驚くしかなかった。 だが、これがギルモアとミルルの運命を変えるとはこの時はまだ分からなかったのである。 (続く) -------------------------------------------------------------------------------- 闇の覇者・真王たる者・王国崩壊(3) 投稿者:おんしー(on see) 投稿日: 9月 8日(金)00時03分31秒 10.王国崩壊 ミルルは夢を見ていた。彼女は・・・・・・・・・何かその夢に引っかかるものが あった。でもそれが何か思い出せない。ただとても大切な気がして 誰にも話さずにいたのである。 「そういえば・・・・私は・・・・なんでこんな夢を見ているのでしょう・・・・。 私は確か・・・・この目の前の少年を知っているような気がします。 誰でしたっけ・・・とても・・・大切な・・・・でも・・・思い出せない。」 そう、この夢はネロの夢だったのだ。ただ彼女はその夢はあまりにも断片的な為 誰が誰なのか分からないだけなのだ。 「夢の中の少年はとても優しく、もう一人いるんだけどそれがたぶん私なんだと思う。 でも私じゃない。じゃあ、誰なのでしょう・・・・・。」 そう、私じゃないもう一人、というのは「マリエン」の事である。だが、 それが一緒になっているのは断片的な記憶の混乱のせいでそうなっているのである。 ただ、彼女はこの事を言わなかったのは父や伯母上に迷惑をかけたくなかった事が あった。 そうして・・・・今度は夢が変わって一人の少年が現れる。その少年は直立不動で 部屋の片隅に立っている。そんな彼を私はからかっている。だけど私は・・・・ 何か病気を患っていて外に出れない。あれ?どうして 出れないのでしょう?今は私は人間界に行っても別にどうってことないのに・・・。 どうして病気に罹っているのでしょう?あれ?この少年は・・・? でも私はこの人を知っている。じゃあ、誰ですか? そうこれは本当のミルルの記憶である。最初のは人間として生きた「エリス」の 記憶である。それが彼女の頭の中でごちゃごちゃになっているのである。 ただそれを・・・彼女は夢で見ている。本当はエリスとミルルが 「ミルル」にシグナルを送っているのである。 彼女はベッドの中で目が醒めた。まだ日が昇っていないようだが何故か目が醒めてしまった。 「・・・・・・最近この夢を見るようになったけど・・・でも・・・・何故か私は 全部知っているの・・・・どうしたのかしら・・・・・。」 彼女はシーツに包まりながら身体を起こした。そしてゆっくりと伸びをする。 彼女は外の風景を見ていたが考えがはっきりしないのか ただじっと見ていただけであった。 シーツから見える肢体は美しく、母パーンと良い勝負であった。 そう、彼女は寝るときに裸で寝るのである。 「・・・・・・・・・・・・・・・。」 その時であった。ドアを静かに叩く音がした。 「・・・・・・・・・・・アルファス?どうしたの?」彼女はゆっくりと起きあがると 着替え始めた。しかし普通の装備ではない、戦闘用の鎧を着込み始めた。 「・・・・・・・・・・ギルモア様がお呼びです。」 「分かったわ。すぐに行きます。」ミルルは銀製の扇を取り出した。 (続く) -------------------------------------------------------------------------------- 闇の覇者・真王たる者・王国崩壊(4) 投稿者:おんしー(on see) 投稿日: 9月 8日(金)00時17分07秒 10.王国崩壊 話は数時間に遡る。ミルルがまだ寝ているときである。ダルドア城も 静かで未だに王族は寝ている状態であった。 地獄の門番達は門に向かって歩いてくる者に鎌を向けた。 「何奴・・・・ってデリーン殿じゃありませんか!!どこに行ったのですか!! ギルモア様は探しておられたのですよ。それにミルル姫様も・・・ ご心配しておられたのですよ。ささっ、早く入ってください。」 地獄の門番はデリーンに話しかけたが何か夢を見ているのかしばらくして 地獄の門番に気がついた。 「ああ・・・・すまない。ちょっと気があって旅に出ていたのだ。私も少々殿に 報告したい事があって申し上げようと思っていたのだ。」 「ええ!!デリーン殿、お気を確かに。」 地獄の門番はデリーンの態度に驚いていた。と言うのもいつもなら「俺が、」とか 「俺様」と言っているのに「私」と言うのは信じられなかったのである。 「それよりも・・・・シャクス様がご心配されておられました。早く元気なお姿を ・・・・・・。」 「ああ、すまない。心配をかけたな。」 デリーンはそのまま門をくぐっていった。だが、二人の門番は不審な デリーンの態度に首を傾げ、密かに ギルモアに報告していたのだった。だが・・・・・ギルモアも ミルルもニュクスも知らなかった・・・・ガスタブルグのダルドア城に向かって 黒き飛空艇が向かっていた事に・・・・・。 (続く) -------------------------------------------------------------------------------- 闇の覇者・真王たる者・王国崩壊(5) 投稿者:おんしー(on see) 投稿日: 9月 9日(土)18時28分11秒 10.王国崩壊 ここは玉座の間。ギルモアとその家臣たちは平伏しているデリーンをじっと睨んでいた。 「そちは一体どこに行っていたのだ?まるで姿を見せないからどうしたのかと 思っていたのだぞ。」ギルモアに代わりアガレスが話しかけた。 「はっ。本当に申し訳無く思っております。私個人思うことがありまして 旅をしていたので御座います。ご無礼は幾重にもお詫びしますので。」 「ふ〜む。だがな、デリーン、あまり軽率な行動は控えてもらいたいものだ。 もしかしたらそちを洗脳し、敵の細作(スパイ)として送りこんでくることもありえる。 重々軽率な行動は控えるように。」 アガレスはデリーンに言った。 「もう良い、アガレス。とにかくデリーンが戻ってきたのだ。旅をしてきたと 言ったが何処に行って来たのだ?それに警備兵にお前の宿舎に向かわせたところ お前の部屋には誰もいなかった。ただ旅らしい装備も無しに 出掛けたのが気になったのでな。」 「・・・・・・・・・・・・。」デリーンはしばらく黙っていた。 「おい、デリーン、何か言ったらどうだ?騒がしいお前が黙っているなんておかしいぜ。」 駆け寄ったシャクスが心配そうにデリーンの肩を叩いたがデリーンは シャクスの方を見て二言三言呟くといきなりシャクスを突き飛ばした。 「何をするんだ!!デリーン!!」 シャクスは立ちあがったがデリーンは何か苦しんでいるように見えた。 「これは・・・!!」ギルモアをはじめ、そこにいたアガレスが何かの力を 感じ取った。 そして・・・・・デリーンの身体から何か草木の蔓みたいなものが這い出てくると あっという間にデリーンの皮膚を食い破りデリーンの脳に突き刺さった。 「ぐあ・・・・・・・・ふふふふふふ・・・・・。」デリーンが不敵な笑みを浮かべた。 その表情は覗えしれないが何か得たいのしれない力を感じ取った。 「デリーン・・・・どうしたのだ・・・・。」 「報告したい事というのは・・・・貴方の命が欲しいのですよ、ギルモア様。」 草木の蔓みたいなものがいきなり左腕に巻き付いて大砲みたいなものになった。 「死ね、シネ、死ね、シネ・・・・・ギルモアああああああああああああ!!!!!」 左腕に光が集まっていく。 「いかん!!ニュクス、ミルルお前達はすぐに逃げなさい。」ギルモアは思わず 叫んでいた。そして玉座にあるボタンを軽く押した。 「きゃっ!!お父様!!」 「ギルモア!!」二人の姿が消えていった。そう足元に落とし穴のような脱出用の 穴があったのだ。 「アルファス、アガレス、ガープ!!おぬし達はすぐにミルルたちの跡を追え。」 そして・・・・・・・・。 ダルドア城の左半分が吹き飛んだ。 (続く) -------------------------------------------------------------------------------- 闇の覇者・真王たる者・王国崩壊(6) 投稿者:おんしー(on see) 投稿日: 9月 9日(土)21時02分12秒 10.王国崩壊 「こ、これは・・・・・・・・?」ギルモアは瓦礫の中から出てきた。 彼の身体は青い魔力のバリアーが発生し、身を守っていたのだった。 「デリーン、これはどういうつもりだ!!事の次第によっては命はないぞ!!」 ギルモアは怒りの為か、身体中にスパークが走り怒気というのだろうか、 空気がみな震え始めていた。 「ぐああああ・・・・・・ごほっ、げほっ・・・・ギルモアの命・・・奪う・・・・ いや、ギルモア様に手は・・・・出さない・・・・ぞ・・・・・ぐるるるるぐあああ・・。」 「???????どう言う事だ?」ギルモアとデリーンは瓦礫の中対峙していた。 「あ〜あ・・・・上手くいくと思ったのになあ・・・・せっかく 改造してやったというのに・・・・ヘルバトラーじゃあ、こんなものかな? やっぱり出来損ないだね。」いきなりギルモアの背後に可愛らしい少女の声がした。 「なに!!いつからそこに!」ギルモアは後ろを振り返った。 「さっきからいたよ。それとももう耄碌しちゃったのかな〜。」少女は邪悪な笑みを 浮かべていた。 「きさま・・・・何者だ。デリーンに何か仕掛けたのだろう。」 「そうだよ。でももうデリーンは駄目だね。だってさっきのはデリーンの力を全部 使うようにコントロールしていたんだもん。」 「全部・・・・・どう言う事だ・・・?」 「だから・・・・命まで全部の生命エネルギーを使うように・・・・・。」 「!!!!!!!」ギルモアは後ろを振り返った。 デリーンはすでに・・・・・・塩の柱となっていた。もう生命の反応はない。 「貴様・・・・・・何をしたのか分かっているのか・・・・・。」 「うん。でも、もういらないね。それは。」少女は軽く手をかざすと あっという間に塩の柱は砕け散った。 「貴様・・・・・・・・何者だ。」 「私ちゃんの名前はあ、ルナっていうの。アガレス父さんに創り出された・・・・・ 「魔人」かな?」ギルモアは驚いていた。あっという間にギルモアとの 間合いを詰めていたからである。 「何と言う・・・・・アガレスめ、私に黙って・・・・・・。」 「でも〜悪いけど、ギルモア叔父ちゃんの相手をするのは・・・彼なの。さあ、 お兄ちゃん。さっさとこの古だぬき倒しちゃってよ。」 ルナはさっと身を引いた。そこには・・・・ギルモアにとって 一番良く知っている相手であった。 「・・・・・・ライ。貴様・・・・・生きていたのか・・・・おめおめと恥をさらして よく私のもとに帰ってきたな・・・・・。」 「ギルモア候。もう貴方の時代は終わったのです。いつまでも化石が生きていたら おかしいのです。」 「ふふふ・・・・だが、お前の強さは・・・・・・って何!!」ギルモアは 驚く暇が無かった。あっという間にライの剣がギルモアの心臓を貫いていた。 「ぐふっ・・・・・・・見事だな・・・・そうか、もうこの老いぼれにも 幕を引く・・・時が来たと言う事だな・・・・・。」 「貴方は・・・・長く生き過ぎた・・・・・これからは新しい世が築かれる。 黒剣士様の・・・世に。」 ライはそう言いながらギルモアの心臓を深く貫いた。 (続く) -------------------------------------------------------------------------------- 闇の覇者・真王たる者・王国崩壊(7) 投稿者:おんしー(on see) 投稿日: 9月 9日(土)21時18分39秒 10.王国崩壊 「お父様!!お父様!!」そんな時であった。倒れているギルモアに駆け寄る 少女がいた。 「うん・・・・?まさか・・・・どうして・・・・貴方が・・・・・。」 ライは驚くしかなかった。信じられなかった。目の前にいる少女は どう見ても自分がお守りしていた少女だったからだ。 「貴方は・・・・・お、おのれ・・・・・よくもお父様を・・・・・・。」 「あなたは・・・・一体・・・・・。」 「私の名前はミルル・ガスタブルグ!!このガスタブルグ王国ギルモアの娘です!! よくも・・・・よくも・・・・・・。」 「ちょっと待ってください、貴方は・・・どうして・・・その名前を・・・・。」 「問答無用!!食らえ、「竜牙桜!!」」彼女が口をあけた途端 そこには青い炎が見えた。 「いけない!!ドラゴン・ブレスだ!!ルナ、身を伏せろ!!」 「えっ・・・・・・。」ライはルナを抱えてさっと横に逃げた。 その瞬間!!大地が割れてそこにいた者がすべて炭化してしまった。 「はあ、はあ、さすがに・・・・・ここまで強くなっているなんて・・・・。」 「お兄ちゃん・・・・・。」 「さあ、次は外しません。パーンの力、受けてみなさい!!」 「お兄ちゃん、私が守る。だから・・・・。」ルナは立ちあがった。 「お兄ちゃんを虐めるものは・・・死んで・・・・・。」ルナはあっという間に 間合いを詰めた。 「!!!!!!!!!」 「いけー、竜をも切り裂く糸の凄さを!!」 「ぐっ・・・・げほっ・・・・・。」糸が剣のようになりミルルの心臓を貫いた。 そのままがっくりミルルはひざをついた。 「ほらほら・・・・苦しいでしょう・・・・・・何かおかしいな、貴方からは 何か合成された匂いというのがある・・・もしかしたら私の妹ってことかな? だとしたらアガレスお父様を探し出してこの子と合体すれば私は 竜の力を手に入れたって事になるのかな?だったら急いで・・・・。」 ルナは気を失いかけているミルルの髪を掴んで引きずり出した。 「ううう・・・・・。」 「さすが・・・生命力は魔王並み。でもすぐに私と一つになれば・・・貴方よりは もっと竜の力を生かすことができるもん。さあ、地下の実験場へと・・・・!!」 ルナはミルルを引きずったまま城壁のところまで来た。 「久しぶりだなあ・・・・・アガレス父さんったら私を捨てたのよ。もう憎くて 憎くて・・・・・・。」ルナが話をしようとした時、目の前に飛空艇が現れた。 「えっ・・・・・・・・。」 キャノピーには・・・・・・血まみれになったシャクスが乗っている。 (続く) -------------------------------------------------------------------------------- 闇の覇者・真王たる者・王国崩壊(8) 投稿者:おんしー(on see) 投稿日: 9月 9日(土)23時48分28秒 10.王国崩壊 「てめえ・・・・・・良い度胸しているじゃねえか。俺の名前はシャクス。四天王の シャクスだああああああ・・・・・・・。」 シャクスは重機関銃のスイッチを入れた。あっという間にルナが 硝煙に包まれる。だが、ルナは難なくそれを避けている。 「遅いなあ・・・そんな攻撃当たらないもん。甘い、甘い・・・くっ!!」 いきなりだった。ルナのわき腹に激痛が走ったかと思ったときには すでにわき腹に短剣が刺さっていた。 「誰・・・・だ・・・・。」ルナはミルルを放り投げた。そして身構えた。 「遅いのは・・・・貴様も同じだな。よくもまあ、デリーンを殺し、 殿まで倒すとは・・・見上げた根性だ。」ゆっくりと瓦礫を上手く避けつつ 一人の騎士がこっちに歩いてきた。しかも全くと言っていいほど身体に傷が ついていない。 「誰よ、貴方。」 「私はこの国の騎士団長を務めているガープと申す者。」 「ふふん、ガーディアンごときが私ちゃんの邪魔をしないでよ。私はこの子と 合体をして・・・・!!」 「だったら・・・・糸なんぞ使わずにもっと早く動け。」一瞬にして ガープはルナとの間合いを詰めてしまった。 「ふふん、なかなかやるじゃない。でもこれならどうかな?」 ルナは無数の糸を出して襲いかかった。 「蛇魅無数銀糸!!」ルナは無数の糸を出してガープに襲いかかったが それを・・・・・いとも簡単に避けてしまった。 「えっ・・・・・・・・。」 「お前から見たら早く見えるのだろう・・・だが、私から見たら・・・スローモーション で動いているように見える。だから・・・甘いのは貴様だ。」 「そんな・・・・助けて、お兄ちゃん!!」ルナは叫んでいたが ガープの剣戟の速さに追いつかない。 「早い・・・・・それに重い。全然違うじゃない!!こんな奴がいるなんて、黒剣士は 一言も言っていなかった。」 そしてその声を聞いてライがやって来た。 「大丈夫か!!ルナ。」 「あっ、お兄ちゃん、早くコイツ倒してよう。ムチャクチャ強いよう。」 「えっ・・・・・・!!!」 「ふっ、ずいぶんえらくなったな、ライ。またいつの日か遊んでやろうか。今度は 「殺し」という要素が入っているが・・・。」 「ガープ先輩・・・・・・・。」だが、ライの背中に鈍痛が走った。 「誰だ!!!!」ライは振り向いた。 「・・・・・・・・・四天王の一人、アルファス・・・・・・・。」ライの背後に アルファスが立っていた。 「くそっ・・・・・・こいつらがいたなんて・・・・・。」 二人は思わず後ずさりをした。 (続く) -------------------------------------------------------------------------------- 闇の覇者・真王たる者・王国崩壊(9) 投稿者:おんしー(on see) 投稿日: 9月10日(日)00時06分56秒 10.王国崩壊 「いまだ!!早く姫様を乗せるんだ!!」シャクスが叫んだ。 それを聞いたライとルナは慌ててミルルを抱きかかえようとしたが、すでに デュラハンによって助け出されていたのである。 「くそっ・・・・これが作戦だったのか!!だがなボーゼルがいるんだ、ダークナイトの ボーゼルがなあ。」ライは背中の痛みも気にせずに立ちあがった。 「はたしてそうかな・・・・?」 「何だと・・・・・・それはどう言う意味だ・・・・ガープ先輩。」 「すでに・・・・飛空艇に乗せたと言ったらどうする?」 「なにっ・・・しまった。ルナ、ミルル姫はその飛空艇だ!!早く攻撃だ!!」 「わかった、お兄ちゃん!!」ルナは攻撃しようとしたがわき腹の痛みのせいで 動きが悪かった。 「きゃあ・・・・ぐっ、げほっ・・・・・げほっ・・・・。」 ルナは敵弾を浴びてそのまま城壁の一部に叩きつけられた。 「ルナ!!くそっつ、今度は俺が!!」 「早く乗れ!!」シャクスは叫んでいたが目の前にライの剣戟が迫ると機体を上手く避けて 剣戟をやり過ごした。 そして・・・・・・・ライとルナが飛空艇に夢中になっている隙にミルルを抱いたデュラハン はガープたちと合流した。そして隠してあった別の飛空艇に乗り込んだ。 そこにはアガレスとニュクス、それから数人の兵士らがいた。 「早く乗るんじゃ。ミルル様はカプセルの中に。」服を脱がされたミルルはそのままカプセルの 中に入れられた。 そしてすぐに急上昇をかけてダルドア城から脱出した。 「へへへ・・・・・・あとは・・俺だけど。こいつら、しつこいな。姫様、本当は 俺、アンタのこと・・・好きだったんだ・・・・・。」血まみれになったシャクスが これだけ言うと息絶えた。だが、シャクスはそのまま飛空艇を突っ込ませ 自爆しようとした。だが、ルナの糸がコックピットごと 切り刻んだとき、もうすでにシャクスは生きていなかった。 そして・・・・城壁の下へと落下していった。そして・・・・爆発炎上した。 「あ〜あ・・・・・・ミルル皇女の身体欲しかったのに・・・・・。」 「しょうがないよ。でもこれでガスタブルグは落ちたな。」 「そうだね。」二人はそのまま黒き飛空艇に乗り込んだ。 だが、不思議な事に彼らは逃げた飛空艇を追わなかったのである。 (続く) -------------------------------------------------------------------------------- 闇の覇者・真王たる者・王国崩壊(10) 投稿者:おんしー(on see) 投稿日: 9月10日(日)12時37分26秒 10.王国崩壊 そしてガスタブルグ王国ダルドア城は陥落した。上空には黒き飛空艇が待機し、 そこから黒い鎧を身にまとった騎士が降りてきた。 ガスタブルグの騎士たちはそれに斬りかかったがまるで腕が違いすぎた。 あっという間に騎士たちの躯が広がるだけである。 そして主だった抵抗も終わり、城に降伏を示す白旗が掲げられたとき 城にいた兵士たちは全員降伏した。 ライは・・・・・ギルモアの目の前にいた。 瓦礫の中、ギルモアは横たわりライはそれをまるで物を見るかのような視線を送っていた。 「・・・・・・・・まだ生きている・・・・・。」 「・・・・・・・・・・ふふふふ・・・・・お前が・・・どうして追放されたか ・・・・知っているか・・・・・・。」ギルモアは息も絶え絶えにライに不敵な笑みを 浮かべた。 「どうしてだ・・・・。」 「それはな・・・・・・・・お前は国家と言うものの考え方がまるで出来ていなかった からだ・・・・・・騎士や剣士という考えにとらわれ、結局目の前の利益だけを追いかけ ている者だからだ・・・・・・・・・・・。」 「そんなバカな!!俺は・・・いつだって国家の為に・・・・。」 「いや・・・おまえの騎士推薦を取り下げたのはガープよ。何故だか分かるか?」 「どうして・・・・・。」 「ねたみや恨みだけではない。ガープは常日頃からお前のことをわしに話してくれていた。 だが、アイツは・・・言っておった。「騎士や剣士だけなら・・・勤まりますが 騎士団長や剣士隊長は彼には重荷です。」、とな。」 「・・・・・・・・嘘だ・・・・・・・・・・。」 「お前は・・・・・・・・・国という単位を見ていなかった・・・・・・・ 時として・・・・鬼となって命令を履行しなければならないということもある。 だが、お前は・・・義や孝を追いかけるあまりパーンを見殺しにした・・・・・ それが何を意味しているのか・・・お前は・・・・考えてみるのだな・・・・・。 一人の生の為に・・・・大勢の者が死に至ることもある・・・・のだ・・・・・・。 愛娘ミルル・・・・・・ニュクス・・・・・・すまんな・・・・・。 わしはこの程度の男じゃ。いつかはこんな日が来ると・・・・・・思っておった。」 ギルモアは・・・・・・・・息絶えた。 だがライの胸は・・・・・・・複雑であった。胸の内を見透かされていたような そしておのれの未熟さが・・・・ようやくわかったような感じがしていた。 そんな時キースがやって来た。 「ライ、こっちは全員終わったぞ。今黒剣士様がここに降りられる。降伏した文官たちは 全員黒剣士に忠誠を誓うそうだ。早くこっちに来てくれ。」 「わかった・・・キース、お前の竜の力でこの方を葬ってくれ。」 「うん・・・・・ギルモアか。なら惨たらしい死に方で・・・・。」 「いや、火葬にしてくれ。礼節をもって・・・・・きちんと葬ってくれ・・・・。」 「わかった・・・ライの旦那がそう言うなら・・・・。竜牙桜!!」 ギルモアの身体があっという間に灰となりライはそれを丁寧に埋めた。 「ライ・・・・お前とギルモアとの間に何があったんだ・・・・。」 「・・・・・・・・・。」 だが、のちにライはギルモアの言ったとおり自分の性格が災いして 元ライゼーラ帝国宰相ホルムの仕掛けた策にはまり 無残な死に方をするのだが・・・それは・・・・4年後のことであった。 それはギルモアの墓の目の前で・・・・・息絶えることになるのである。 (続く)