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闇の覇者・真王たる者・王国崩壊(11) 投稿者:おんしー(on see)  投稿日: 9月10日(日)20時11分05秒 

                10.王国崩壊

一方ライゼーラでは・・・・・。
緊急の会議が行われ、ネロを始め、エクリマやバロールと言った主だった魔族が
勢揃いしていた。
そしてラッパと共にシャリムと王妃メランナ、皇女アクリラが入り
会議が始まった。
会議は黒剣士となのる人物があっという間にガスタブルグに強襲をかけて
陥落させたと言う事と、ガスタブルグの姫君が重傷を負い、ライゼーラに入国を
求めている事、の二つであった。
文官たちの意見は占領してあるガスタブルグに皇女を引き渡し
ライゼーラと同盟を結ぶべきだと言う意見が多かった。
だが、ホルムとシャリム、それから一部の大臣の意見は全く反対のものであった。
「いま、ここでライゼーラと同盟を締結したとしても攻めてくるのではないか。
それについてどうなのだ?」ホルムはガスタブルグと締結を考えている文官の一派に
話しかけた。
「ですが、ここで新たに同盟を締結すればベルクファクスは二方面から敵を受ける事に
なります。そうすれば・・・・。」
「では、聞くがもしベルクファクスが制圧された場合、そこの国は誰が治めるのだ?
それに領土の分配もある。そうした事を考えているのか?」
「それは・・・・・・。」
このホルムの一言でこの一派は力を失い、結局ガスタブルグの姫君を受け入れる事に
なったのである。

「申し訳無い。このアガレス、貴公の恩は絶対に忘れぬ。」
そうして亡命してきたガスタブルグの群臣たちは平伏していた。
「アガレス候、頭をお上げ下さい。貴方には色々とお世話になったのです。
今度は私の番です。」ホルムはアガレスの身体を起こした。
「そうですか・・・・・・すまないのだが・・・・・ぜひとも・・・あの子を・・・・。」
「分かっております。」ホルムは頷いた。
「シャリム様。申し訳無いのですが・・・・施設を貸していただきたいのです。
今姫様に死なれては・・・われわれは精神的な支えを失ってしまいます。
ここは・・・・何卒・・・お貸し下さい。」アガレスは頭を下げた。
「・・・・・・・・分かりました。どうぞ使ってください。」
「有難う御座います、シャリム殿。」アガレスを始め、ニュクス、ガープらは
頭を下げた。

その時の事である。ネロが駆け込んで来た。
「ちょっと待ってください。僕は・・・・この国の人達に・・・酷い目に合ったのです。
どうして・・・・そんな事をこちらがしなければならないのですか!!」
「ネロ君・・・か。だがな、困っている人を放っておいて平気でいられるかね?」
「それは・・・・・。」
「大きくなったな・・・・・。」ガープは一言呟いた。
「え・・・・貴方は・・・・ガープ様・・・・・・・どうして・・・・。」
「私が頼み込んでいるのだ・・・・今ここで姫様を失ったら・・・私は恥を曝して
生きなければならない。それが・・・どんなに・・・・・・。もう誰も・・・・
失いたくない・・・・・のだ・・・・。」
「ガープ様・・・・・・。」ネロは黙ってしまった。そう、彼の子供時代の事を
聞いたからである。
「分かりました・・・・・その代わり・・・条件があります。」
「何かね?出来る事は限られているが・・・・・。」
「僕に剣を教えてください!!もっと強くなりたいのです!!」
「君に・・・・覚悟は出来ているのか・・・・・。」
「はい!!」そう言ったネロの瞳は何か吹っ切れた目をしていた。
「そうだな・・・・良い目だ。さてはここで何か失いたくない者がいるのかね。
ふふふっ。」ガープは兜を外した。そこには黒髪の美しい青年が立っていた。
「「何言っているんです(か)!!」」ネロとアクリラは同じ声をあげた。
「・・・・・・・ライはそうした目を持っていなかった。あいつはいつも剣だけを
追いかけ失う者など無いって言っていた。だが、それでは駄目なのだ。
誰かを守ると言う事はその分何かを失うと言う事でもある。だから・・・・
剣術を学ぶ前に剣士として、騎士として当たり前の事が出来なかった。」
「ライ・・・・・さんの・・・・・。」
「ふっ。私はこれでもライの師匠だからな。剣を教えたのも私、術を教えたのも私。
だから・・・・君は・・・責任が取れるか?アクリラ姫を君は守っていけるのかね?」
「どうして・・・・分かったのですか?」
「だって・・・君たちの瞳にはお互いの姿しか写っていない。それだけ信用していれば
何となくわかる。」
「・・・・・・・・・・・。」
「ふふふ・・・・・そうだな、私とアルファスが君を鍛え上げるとしたら・・・どうする?」
「えっ!!」
「二度も同じ事は言わん。」
「お願いします!!」ネロは頭を下げた。
(続く)