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闇の覇者・真王たる者・レコン・キスタ(1) 投稿者:おんしー(on see)  投稿日: 9月24日(日)19時56分26秒 

             14.レコン・キスタ

キャラクター紹介(1)
レコン・キスタ軍(レジスタンス)
ルシア・・・・・・・12歳。高等魔族「獣皇女」の名を持っている。小さい頃から
ベルクファクスのヤゲローに育てられた。もともとはギーガン国の皇女である。
侍衆、忍び衆のマスコット的存在を兼ねている。

ヤゲロー・・・・・・24歳。高等魔族「武列王」の名前を持っている。兄である
マクシナスを「売国奴」だと思い、追いかけている。民のほとんどが
彼のシンパである。レジスタンス「レコン・キスタ」の実質的リーダーである。

ホルム・・・・・・・36歳。元ライゼーラ帝国宰相。何とか身分を隠して
ベルクファクスまで落ち延びてきたライゼーラの宰相。ここではレコン・キスタ軍の
軍師を務めている。結構乱読家である。

バロール・・・・・・・37歳。同じく落ち延びてきたライゼーラ帝国の将軍。
のちにネロ帝に仕え、四魔将として活躍する事になる。

マリエン・・・・・・20歳。高等魔族「歌姫」と呼ばれている。メリクリウスや
ヨアヒム、ダールとは親友である。彼女の「歌」は「魔魅歌」とも言われ、
あっという間に戦闘レベルが低下していってしまう。
弓を使い、料理好きなところをみせる。

シルク・・・・・・20歳。高等魔族「司祭」と呼ばれている。彼女の両親は
ライゼーラ帝国の司祭を務めていたが「狩り」に引っかかり目の前で処刑されてしまった。
その時にバロールの手助けによって国外に出、そのままベルクファクスのレコン・キスタ
に参加する事になった。回復呪文をほとんど使いこなす事が出来る。
マリエン、メリルとは良い友達である。

メリクリウス・・・・20歳。高等魔族「傾国」と言われている上忍である。その腕は
大国だけでなく三国でも恐れ伝わっている。仮面をしているが外すと美人である。
その為に信用できる人の前では絶対に仮面を外さない。ヤゲローのことを好いている。

ヨアヒム・・・・・20歳。高等魔族「侍大将」と言われている。刀を主体に
戦う剣士で「小狐丸」という名刀を使いこなす。見た目、頑固一徹なところがあるが
結構冗談が好きで気さくな所を見せる好青年である。マリエンのことが好き?

ダール・・・・・21歳。高等魔族「侍」。ヨアヒムとは竹馬の友で彼は剣ではなく
槍や「こん」と呼ばれる武器を使って戦う。口の悪さは天下一品で悪態をみせるところが
あるがそれは照れくささの裏返しである。

キース・・・・・22歳。高等魔族「竜皇子」とも「邪竜王」とも。彼も負けず劣らず
口が悪い。だが、仁義をもって人と接するため中々憎めない所が或る。レコン・キスタ軍の
中核をしめる男である。かなりドジなところがあり、自分に酔ってしまうところを
治せば一国を任せられる実力をもっている。

ネロ・・・・・・20歳。まだ寝ている。何処に彼がいてどうなるかは不明。
アクリラ・・・・20歳。同じく。いまだ行方不明である。

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闇の覇者・真王たる者・レコン・キスタ(2) 投稿者:おんしー(on see)  投稿日: 9月24日(日)20時22分16秒 

              14.レコン・キスタ

キャラクター紹介(2)
アルファス・・・・・元四天王の一人。ガープらと同行していたがあの戦乱ではぐれ
レコン・キスタ軍人として戦う。ネロとアクリラを探している。

マオ・・・・・・ベルクファクス王国城下にあるお食事処「あばれ足鳥」亭の女将
を努めているが裏でレコン・キスタ軍の情報将校である。
太っ腹で豪快なおかみさんである。キースやダールの仲裁役をよくしている。

ボーゼル・・・・・39歳。黒騎士と呼ばれていたが最近は金や欲に溺れ
大勢の女性を囲っては贅沢の限りを尽くしている。その為か、民意は離れつつある。
剣も取らなくなった為、冴えない中年となってしまい腹も出てしまった。

グロウ・べガン・・・・・何とかレコン・キスタ軍の足取りを探しているが
見つからず、ゲリラ的に出てくるレコン・キスタ軍に手を焼いている。
のちにホルムの計にはまる。

デュラハン・・・・・・放浪を続ける騎士。ボーゼルだけを殺すと誓い、執拗に追いかけている。
ボーゼルはこの男から逃れようとより宮殿の奥へ下がってしまったのである。
(続く)

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闇の覇者・真王たる者・レコン・キスタ(3) 投稿者:おんしー(on see)  投稿日: 9月25日(月)22時05分57秒 

               14.レコン・キスタ

ここはベルクファクス王国「黄鶴都」城下街。
今ここは雨が降り、あたりを雨の霧が見えなくした。それでも家路に急ぐ者、
城へ向かう騎士たちが大通りを埋めていた。
そこから外れた所に一本の細い道があった。だが、こうした市場は道が
迷路のようになっておりあちこちには乞食や飢えた者が歩いていた。

昔は・・・・ギアが治めていた頃は人々には笑みがこぼれ、王家に対し尊敬と
羨望のまなざしで見られていたのだが・・・・いまでは・・・・圧政に苦しむ人々が
いるだけである。ボーゼルはここを治めたが文字も読めず、移植を目指す人々が
文字を読めないばかりに不当な契約を結ばれ不平の声をあげていた。
だが、ボーゼルはそんな事をお構いなしに大奥を作り、出てこなくなってしまった。
それと同じくして移民団に対する租税が厳しいものになっていった。彼らしか
いなかったのである。言葉や慣習がわかるのは・・・・。
こうした乞食たちはその移民団のなれの果てであった。

その大通りから外れたところに一軒の料理屋があった。この店は二階建てで
二階には寡黙なバーテンダーがいる、と評判の店であった。
さらに料理は美味く人々はここで酒を飲むのが唯一のたのしみとなっていった。
その店を「あばれ足鳥」亭と言った。
今一階の店は雨を避ける為人々が何人か入っていた。
「う〜参った、参った。雨は嫌だ。」などと言いながら客は空いたテーブルに腰掛けた。
「へい、いらっしゃい!!何にしますか!!」威勢のよい掛け声と共に
豪快なおばさんが店の奥から出てきた。
「え〜っと・・・・・そうだなあ・・・・じゃあ、まずは「エール」を。」
「はいよ!!「エール」だね!!エール一丁!!」
むこうの厨房から威勢の良い男の声がした。
「あいよ!!女将さん!!」向こうでは誰かが料理を作っているようだ。
「うん?どこかで聞いた事があるような・・・・。」客が首を傾げた。
「おや、わかるのかい!!うちのコックったらこの間の歌コンテストで優勝したんだよ!!」
「違うんだよ、マオおばさん。そのコックの声・・・どこかで聞いた事があるような・・・。」
マオは笑いながら答えた。
「じゃあ、誰だい?」
「う〜ん・・・・そうだ!!ヤゲロー様だよ。あのヤゲロー様だ!!」
「外れ。うちのコックはヤゲロー様じゃないよ。それに今そのお名前は不敬罪だよ。
今そんなもの名乗ったら私達路頭に迷っちまうよ。」
「それもそうだな。似ている人なんているもんな。ははははは・・・・・。」
客とマオの会話を聞きながら厨房ではヤゲローが少し笑っていた。
「まあ・・・・民に料理を作ってやるのも悪くないな。」
「似合っていますよ。」隣にはしっとりとした女性がニコニコ笑っていた。
「笑うな・・・シルク。」
「ふふふふ・・・・頑張ってくださいましね、ヤゲローコック長。」
シルクと呼ばれた女性はスタスタと注文を取りに行ってしまった。
「まったく・・・・・・。」
「ポンガム、これはあちらのお客様だ、早く行ってくれ。」
「はっ。畏まりました。陛下。」
「それはやめてくれ。ここではヤゲローではなくヤーンだ。分かったな。」
「御意。」
「・・・・・・・・・・。」ポンガムと呼ばれたウェイターが向こうのテーブルへ料理を
運んでいった。
「まったく堅物なのだからな・・・アイツは。でもこうしているのも
彼ら侍衆のおかげだよ。感謝しないといけないな。」
そう言いながらヤーン(ヤゲロー)は卵を割り始めた。
(続く)

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闇の覇者・真王たる者・レコン・キスタ(4) 投稿者:おんしー(on see)  投稿日: 9月25日(月)22時35分15秒 

              14.レコン・キスタ

そんな中・・・・・店に一人の客が入ってきた。そして辺りを見渡した。
「ここは何ができるのだ?」
「何が・・・というのはどう言う意味だい?」
殺伐にいう客を相手に威勢の良い掛け声をするマオは不思議そうに答えた。
「・・・・・・・すまない。ここは良い店だ。威勢がよい。」客はフードを取ると
二階に上がろうとした。
「どうした・・・・?まだ準備中か?」何も言わないマオに階段を上る途中であった
そのフードを被った男は不思議そうな顔をした。
「いやね・・・・・お客さまの名前を聞いていないからさ。そこはVIP専用と
決めているんだよ。お名前は?」
「・・・・・・サインか何かが必要なのか?」
「まあね。それにVIP専用と言う事はどう言う意味かわかるだろう?」
「・・・・・・・そうか。私の身分ということだな。」
「そう言う事。名乗らない客というのは信用がないのと同じだからね。あっ、これは
ちなみに私の爺ちゃんからの教訓でね。気を悪くしないでおくれ。」
「・・・・・・まあ、良いだろう。私の名前はグロウ・べガンだ。」
「じゃあ、こっちにサインをしておくれ。嫌うお客さんもいるからね。」
「うむ・・・・・・すまんな。」グロウはサインをし、上がっていった。

そこは静かな雰囲気のある場所だった。ネクタイを締めた女性がトレイをもって
歩いている。それに華やかな雰囲気などなく向こうの奥ではバーテンダーが
シェイカーをもってカシャカシャ音を立てていた。
「お客様は・・・・?」ウェイトレスが話しかけた。
「グロウと申す者だが・・・・今ここで飲みたいのだ。適当な席を頼む。」
「・・・・・・それでしたら、そこに武器を置いてください。その輝きを嫌うお客様も
いらっしゃいます。」
「わかった・・・・・・・。」グロウは正直に剣を近くのドアに置いた。
「では・・・こちらに。」ウェイトレスはグロウを案内した。
そしてバーテンダーの前の席に腰掛けた。
「すまないが・・・・苦味のあるカクテルを頼む・・・・。」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」
バーテンダーは珍しい事にライオネックであった。だが、何も言わない。
「・・・・・・おい、カクテルを、言っておるだろう!!」
「お客様・・・・この人は耳を戦争で・・悪くして聞こえないんです。ですから
紙に書いてください。」ウェイトレスがグロウに耳打ちした。
「そうなのか・・・・すまなかった。」グロウは頭を下げた。

そうしてグロウはカクテルを飲んでしばらくそこにいたが何もせず帰っていった。
だが、グロウは赤い顔をして愚痴をたれていた。ボーゼルの追求も厳しく
民に租税をしなくちゃいけない、とか官は我々を白い目で見る、などと
言っていた。それも涙を浮かべながら。相当堪えているらしく大泣きで泣いていたのである。
ウェイトレスが肩を静かに叩くとグロウは騒がせ賃と言って多めに払っていった。
その夜は何も無かった。ただ外は静かに雨が降っていた。

「何か・・・・中間管理職って感じでしたね。アルファスさん。」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・そうだな。
お前は・・・・・・・・・良いのか?ヨアヒム殿はどうした?」
「まだ・・・・・帰っていないようね。あともう少しここやっておくから。」
「そうか・・・・・・・・・・・では私はちょっと下がろう。
頼むぞ・・・・・・・・・・・・マリエン。」
「ここじゃ・・・・「メリエ」だよ。」ウェイトレスはマリエンだったのだ。
「そうだったな・・・・。」
アルファスはバーテンダーの服を着たまま下がっていった。
(続く)

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闇の覇者・真王たる者・レコン・キスタ(5) 投稿者:おんしー(on see)  投稿日: 9月26日(火)21時02分24秒 

               14.レコン・キスタ

そんな中・・・・・別の市場に通じる道ではマントを羽織り、フードで目元まで隠した
二人の男性が雨の中、走っていた。靴が濡れるのもお構いなしに。
そして・・・・人ごみを退かすように掻き分けて入っていく。
そのあとを黒い騎士たちが追いかけていく。
「まて、まてお前達何者だ。住民登録や移民団章はどうした?どこにつけている?」
先頭をいく黒騎士が何とか追いつこうと走っているが相手は身軽な軽装なのか
どんどん離されて行く。
「まさか・・・・反乱軍(レジスタンス)ではないだろうな!!」騎士が
息も絶え絶えに先頭を行く二人に怒鳴っている。だが、二人はそれを無視し
さらに先へ行こうとする。
「きさま・・・・・・・・・・・・レジスタンスだな、レジスタンスの
ヤゲローとその一味だな。お前達には賞金がかかっている。神妙に
縛につけい。」
「ふっ・・・・ばかやってんじゃねえよ。誰が貴様なんぞに・・・・。」
二人のうち後ろを走っていた男性はいきなり振り向くと背中に差してあった大剣を
引き抜き、先頭をいく5〜6人の騎士をあっという間に斬り殺した。
「おい、そんな奴ら気にするな。それよりも追っ手を何とか振り切るんだ。」
「ちっ・・・・・こんな奴らすぐにも殺してやるのに・・・運が良かったな。」
そう捨て台詞を言うと後からついてくる騎士たちを振りきってそのまま左の
ほうへ曲がっていった。
「ばかめ・・・・そこは行き止まりだ。追いこめ、奴ら今ごろは命乞いを
しているはずだ。」騎士の一人が左を曲がった時・・・・
そこには誰もいなかった。
「あれ・・・・・・・どうして・・・・だ?おい、この辺を徹底的にさがせ。
まだ遠くへは行っていないはずだ。」騎士はほかの騎士たちと共に
この辺を探し始めたが何も見つからない。
「早くしろ・・・・・くそっ・・・・このままではボーゼル様にお叱りを・・
受けてしまうぞ。早くするんだ・・・・。」
だが・・・・誰も見つからなかった。
「くそっ・・・・・・仕方が無い。別のほうへ逃げたのだろう。あっちへ行くぞ!!」
騎士たちはそのままあらぬ方向へ行ってしまった。
だが・・・・・・・・左側の壁の本当に小さな部分・・・・・・そこに
小さな穴が空いた。そこには先ほどの男性たちが覗きこんでいた。
そしてすぐに閉じてしまった。

わからないので話を少し戻してみよう。
「俺達、罠にはまったことになるようだな。」先をいく男性が後ろの男性に
話しかけた。後ろからは追っ手の声がする。
「ふっ・・・・・知らねえんだ・・・・まったくバカを相手すると疲れるぜ。おい、
頼むぜ。」先ほど騎士を殺した男性は側の壁をコンコンと叩いた。
そこには・・・・住民の一人が覗きこんでいた。
「早く・・・同志よ。自由はここにあり。」住民が二人に尋ねた。
「自由は己が心に宿る。自由は我にあり。」男性が答えた。
「おお・・・・我が同志。早くこちらへ。」
「すまねえ。」二人はその穴に入っていった。

「しかし・・・・・お前あそこで斬り殺さなくても・・・。」男性は小さな声で
さっきの男性に話しかけた。
「だがよ・・・ボーゼルのバカに一泡ふかせようと思ってさ。まあ、悪かったよ。
ちょっと図に乗りすぎた。わるい・・・。」
「・・・・・まったく・・・・しょうがないな・・・・。キース。」
「・・・・・・すまねえ。」二人はマントをとった。
彼らはあの「キース」と「ヨアヒム」だった。
二人は住民に頷くとそのまま地下随道を走っていった。
(続く)

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闇の覇者・真王たる者・レコン・キスタ(6) 投稿者:おんしー(on see)  投稿日: 9月28日(木)00時54分12秒 

                14.レコン・キスタ

一方ここはボーゼルが治めている王都「黄鶴都」
黒騎士たちは玉座の前に腰掛けている中年の男性に跪いていた。
とたんに何か油がついた鳥肉が黒騎士たちの鎧にあたり
ぬべぬべと線を引いて落ちていった。
「き、貴様ら!!私が寝ている間に捕まえると言っておきながら何もできないでは
ないか!!まったく惰眠を貪る事出来ないのか・・・・・。この出来損ないめ。」
「しかし・・・・・・・・。こう市場が迷路のように入り組んでいては・・・・。」
黒騎士の一人がボーゼルに進み出て言おうとした。だが、それは
ボーゼルを怒らせたに過ぎなかった。
「貴様らはそれを何とかすると言っていたではないか。あのキースが
ここに逃げ込み、あろう事かレコンキスタどもと行動を共にしている。しかも
キースは昔とは違って尻尾を出さない。あのくらい・・・怒って出てきても
良さそうなのに・・・・・。」
ボーゼルは中央からの連絡によりキースがこのベルクファクスの地に潜伏している
事を付き止めたがどんなに誘いや怒らせるような事をしても出てこなかったのである。
例えば・・・・キースの剣の腕の悪さや女グセの悪さなど
言って見ても普段なら怒り狂って出てきても良さそうなのに全く反応が無い。
さらに旧ガスタブルグ王国の四天王が紛れこんでいるという
情報まで仕入れたがこっちも反応が無い。まさに潜伏しているのである。
「あの・・・・・傾国や歌姫、さらに侍大将、侍と言った人材を手に入れれば
こっちもやりやすくなるのに・・・・。」
ボーゼルはそうした4人や有能な兵士に金や宝石などでなびかせようとしたが
全然反応がなかった。
「そう言えば・・・・グロウはどうした?あれは何をしているのだ?」
ボーゼルは辺りを見渡したがグロウの姿は無かった。
「何を仰っているのです。グロウ殿は仕事が終わったのでどっか飲みに行くと
言っておられましたよ。」
「誰だ・・・・そんな命令を出したのは・・・・。」
「貴方様です。ボーゼル殿。」
「うぐう・・・・・・・・・・・・。わかった、とにかく明日、グロウと共に
徹底的に捜索を開始せよ。もしこんなことがばれたら私はエスミル殿に申し訳
がたたぬ。良いな、早く探し出すのだ・・・ヤゲローの首を持って参れ。」
「はっ・・・・・。」黒騎士たちは引き上げたがその目には侮蔑か軽蔑の目が
こもっていた。どうやら黒騎士たちもレコンキスタに肩入れしているのが
いるようだ。
だが、ボーゼルはそれに気がつかない。むしろ玉座の側に侍らせている女性の
甘い声に誘われて向こうの部屋に行ってしまった。
今、ベルクファクスは・・・・・・・危険な国の一つになっていた。
そう近いうちに叛乱が起きるのではないかという嫌なにおいが漂っていた。
(続く)

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闇の覇者・真王たる者・レコン・キスタ(7) 投稿者:おんしー(on see)  投稿日:10月 2日(月)22時38分37秒 

               14.レコン・キスタ

地下水の染み出している地下道を二人の男が走っていく。足元には
水がたまり、バシャバシャと男たちの靴音だけが聞こえていた。
もともとベルクファクスの王都である「黄鶴都」は縦横無尽に地下道が張り巡らされて
おり、一つの道からどこにでも行けたのである。
もちろんボーゼルはいくつかの道を見つけたがとてもじゃないが全部とは
言いきれずレジスタンス達が通れないように道を塞いだが
今ではそれも意味をなさなくなっていた。あまりにも多すぎるのである。
二人は追っ手を振り切ると息が切れる事なく走りつづけた。
「はあ、はあ・・・・どうやら巻いたようだな。まあ、あのぐらいの軽い運動を
しても問題は無いだろう、キース。」
「ふっ・・・・俺のような美しい戦士があの程度の騎士どもを倒せないでどうする?
あんなのまあ、俺からしたら敵じゃないね。」
「そうだな・・・・。」
「それにお前だって向こうに暗殺部隊を回して全滅させたじゃないか。俺には
真似できないね。」
「そんなでもない。まあ、戦果はこんなものだな。そろそろ・・・・。」
「そうだな。じゃあ、行くか・・・・。」キースと呼ばれた男性は近く似合った
色違いのレンガを軽く叩いた。すぐにレンガが沈み穴が現れた。
そこからは一人の市民兵が出てきた。
「ああ、よかった、キースさん、ヨアヒムさん。連絡が遅かったから
どうしたのかと思っていたのですよ。」
「すまねえ・・・・・。ちょっとてこずった。」
「我々だけでも勝てるとは・・・・ベルクファクスを治めているボーゼルは
よっぽど軍備を増強していないと見える。」

二人は何をしていたかと言うと市民暴動を起こしていたのである。もちろん
最初から成功するとは思っていない。だが、住民に危機感を抱かせるのが
目的であり、二人は市民に紛れて市民運動を起こしたのである。
黒騎士団はもちろん出てきたが・・・・数人の騎士はレコン・キスタと繋がっており
例えば黒騎士団の副長を務めるグザファンなどはレコン・キスタから賂をもらい
そうしたレジスタンスの動きを見逃していた。それほど
軍というのをしっかりとしていなかったのである。
だが、親衛隊が出てきた時、市民をあっという間に逃げ、叛乱は失敗した。
二人は逮捕者が上手く逃げられるように自ら囮になって逃げていたのである。

そうして二人が入った後、壁は閉じられ二度と開かなかった。また別の出口が
出来たのである。どこかは知らないが・・・・。
(続く)

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闇の覇者・真王たる者・レコン・キスタ(8) 投稿者:おんしー(on see)  投稿日:10月 4日(水)00時25分33秒 

               14.レコン・キスタ

そうして・・・・二人はちょうどあばれ足鳥亭の地下にあたる場所に来た。
そこはあちこちに地下水が染みだしとてもじゃないが汚くて行けるような
場所ではなかった。そうした場所など現在の世界にはどこにもあるものだが・・・。
そして・・・・二人は石扉を軽く押した。ひっくり返るように扉が開いて
二人が入ると自動的に閉められた。
そこはあばれ足鳥亭の地下2階に通じていた。ここでは
野菜やジャガイモなど根菜類の皮の剥き出しをする場所であり別室には
ヤゲローやホルムの私室があった。
「おかえり・・・・どうでした?首尾は?」そこには一人の美しい女性と
少女が一生懸命ナイフ片手にジャガイモと格闘をしていた。
「うん?まあまあだな。」キースが答えた。
「危機感さえもてれば次は外さないさ。まあ、また市民グループや黒騎士団の
連中とクーデターの話でもするさ。」

・・・・・・・ここでどういうことかわからないだろう。黒騎士団の中には
ヤゲロー皇子の人柄にふれてボーゼルではなくヤゲロー皇子にベルクファクスを
ゆだねるのが妥当という派もいたのである。彼らは
帝国にあまり忠誠心というのがなく、むしろ知識人派と言えた。そうした
彼らはあまりに夢想的に国家を運営しようとしているライやマクシナスに
興味や忠誠心を無くしていったのである。ましてやあのボーゼルはもっと酷い。
王の気質がないに等しいと見られても当然であった。
中には黒騎士団を勝手に抜け出しレコン・キスタに参加しているものもいた。

「ほら、ルシア様。ちゃんと指を当てないと危ないですよ。」美しい女性が
優しくルシアの手を触りながらジャガイモにナイフを当てさせた。
「うん・・・・ごめん、メリクリウス・・・・。」
「いいんですの。それからルシア様、わたくしめの事はメリルとお呼び下さい。
ここにいるヨアヒムやキースは皆そう言っております。」
「うん、じゃあそうする、メリル。」
「はい、良く出来ました。」メリルは笑った。それにつられてルシアも笑い始めた。
「しかし・・・・奴さんも吃驚するだろうな、この目の前にいるごく普通の少女が
あの「傾国」メリクリウスなんてな。」
「誉めているのか・・・それとも貶しているのか?」
「そう目くじらたてるなって。誉め言葉としてだよ。」キースは両手をあげながら
のどもとに突き付けられた短剣を押し戻した。
「・・・・・・ふっ、それなら良い。それよりもヤゲロー様にきちんと報告だけはしておけ。
ヨアヒム、それからマリー(マリエン)が探していたぞ。行ってやったらどうだ?」
「うん・・・・そうだな・・・。」ヨアヒムはあまり気乗りがしない
中途半端な返事をした。むしろ生返事だったのだろう。
「どうした・・・・?」
「いやな・・・あいつやっぱり今でもネロの事気にしているんじゃないかって
思ってな。それに・・・・。」
「あいつは・・・・・・・・ほわんとした奴だからうっかりしていると
すぐにとられちゃうぞ、いいのかな?」メリルは最初きちんと話していたが
そのうち普通の少女の言葉が語尾に入っていた。まあ、彼女もまだ20歳だから、
いろいろなことに興味があるのだろう。
「それは・・・・困る。」
「だったら早く行ったら?ここにいても困るんだけど・・・・。」
「わかった。」ヨアヒムはそこにあった階段を登り始めたのだった。
(続く)

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闇の覇者・真王たる者・レコン・キスタ(9) 投稿者:おんしー(on see)  投稿日:10月 4日(水)20時25分42秒 

               14.レコン・キスタ

「あばれ足鳥」亭は地上二階立て、地下二階というふうになっていた。
地下二階は地下道と繋がっており、ここからレコン・キスタの者たちが
出てはあちこちでゲリラ戦を展開するのである。また索敵や
情報収集の為、上忍や下忍といったベルクファクスの忍び衆が
出撃する場所でもあった。
「ふう・・・・こんなんでいいのかな?ってちょっと待てよ、こら。」
ダールは皮袋に詰まったリンゴを下ろすと傍らで休んでいた男二人を
睨みつけた。
「まあ、こういうときは若い者がするものと相場が決まっていますからなあ。」
ダールより少し若いだろうか、一人は傍らにチェスの盤を置いて駒を置き始めた。
「フラームのおっさん、あんたまだ35〜6だと聞いていたけどよ、
もうそこまで耄碌したのかよ。あんたは肉体労働だと言っただろう、
殿下(ヤゲロー)がそう言ったじゃねえか。」
ダールは思わず怒鳴っていた。
「まあ、まあ、我々もさっきから動いてばっかだったのだ。ちょっと休もうじゃないか。
ダール殿。」もう一人の男性はキングの駒を置いただけであった。
「だけどよ・・・・バロールのおっさん、それは言いんだけどよ、
こんなところでチェスされたんじゃこっちは責任とれないから
マリエンがいる二階にでも行ってくれ。あそこは静かだぞ。」
「いや〜ずっと前に行ったらアルファス殿に睨まれてな・・・・・あそこまで
静かなのもちょっと・・・・・。」バロールは申し訳なさそうな顔をしていた。
「まったくしょうがねえなあ・・・・・・・。」ダールは黙々と仕事をはじめた。

そうダールやフラーム、バロールがいる倉庫は地下二階にあり、
地下一階にはホルムやガンド(旧ギーガン国の宰相)らがいたのである。
一階はマオ、ヤゲロー、シルク、その他女性の侍や忍びがおり、
二階はアルファス、マリエンが控えていたのである。情報収集は
一階と二階で行われていたのである。複雑に入り組んだこの地下道の
別の場所にヤゲローが率いるレコン・キスタの本部があった。

そして・・・・・・・。黄鶴都では・・・・・。
「いいか!!草の根わけても探し出せ!!それがお前達に課せられた使命だと思え。」
ボーゼルはあちこちに指示を出し始めた。
そんな脇ではバロールがもっとも信頼している副団長のグザファンが控えていた。
「お前はここを。それからお前はここ。いいか・・・・・。」
ボーゼルは部下に指示を出していた。それをゆっくりとグザファンは聞いている。
「それからグザファン、お前はこの北側を徹底的に捜索しろ。ここが
一番怪しい。」ボーゼルはそう言いながら「あばれ足鳥亭」の付近を指差した。
「畏まりました。お任せ下さい。」グザファンをはじめ部下たちはみなそそくさと
玉座の間をあとにした。

「そして・・・・ここ。そしてお前はここ。グザファンは北側のブロックを徹底的に
捜索せよ。」グザファンは丁寧にヤゲローに説明していた。
「あとは・・・・・ここ。それから怪しいのはここ。そして・・・・・。」
「ご苦労であった。グザファン卿。」
「いえ・・・・。私は殿下の人柄に惚れたのです。気になさいますな。それからここ。」
グザファンはバロールの時とは打って変ってにこやかにヤゲローに笑いかけた。
「これで・・・・大丈夫なのか。」
「大丈夫でしょう。グザファン卿のほかにも内務大臣、それから大臣クラスの者の
贈賄も成功しております。ですが、こう大規模なものですと攻めるのはあとにして今は
防禦に徹するべきでしょう。」ホルムはそう言いながらグザファンと綿密な打ち合わせに
入った。
(続く)

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闇の覇者・真王たる者・レコン・キスタ(10) 投稿者:メルトダウン  投稿日:10月 5日(木)20時07分12秒 

               14.レコン・キスタ

場所は変わって…
ここは、ガスタブルグの首都、ダルドアの城下町

理想的帝国主義を掲げるライが治める土地である。
地方政治に難を喫し、彼自身中々休まる日が来なかった。
彼が不眠不休で内政にあたってる甲斐あってか、中央は比較的落ちついていた。
もっとも、民衆は帝国という概念を好まんではいなかった。
ただ、制度事態に問題もなく、中央なら暮らしも上々、物価も税も安定…と言った理由から人が流出することは無かった。

そんな城下町にあるとある酒場

「いや〜、お客さん、よく飲むねぇ〜、そろそろ終わりにした方が良いんじゃない?」
バーテンダーと思われる店員がその客に30杯めの酒を注いでやる。
店の中は、すでに3人しかいなかった。
「ぬぁ〜にぃ…おれのぬぉみっぷるぃうわくぉんなむぉんじゃぬぇ〜ずぉ〜」
「兄ちゃん、良い飲みッぷりだね〜、気に入ったぜ!こいつは俺のおごりだ!」
側にいた中年の労働者らしき男がグラスに並々と注いでやった。
バーテンダーも男も、ライの放った間者だった。
彼は、こうした人間をあちこちにばらまくことで、民衆がどのようなことに不満を感じているか…などを調べようとした。
男の注いでやった酒は自白剤入りだった。

結局、旅の若者は知っていること全てを喋った。
それによると、ベルファクスではそろそろレジスタンスの決起が近いこと。
ボーゼルの黒騎士の中にも内応者が多数いること。
レジスタンスのアジトの在り処が「あばれ足鳥」亭であること。
そして、多数の高等魔族の仲間がいること
を聞き出した。

「ベルファクスでレジスタンスか…成るほどな…」
ライは間者からその報告を聞くと、さも当然だな…というような顔をした。
彼自身、ベルファクスの政治体勢のなってないことをいろいろなところから聞いていたからである。
彼に言わせれば今まで蜂起しなかったのが不思議なくらいであった。
「如何いたします?」
「とにかく、エスミル様にこのことを知らせてくる!それまで勝手な真似はするな」
「畏まりました!」

彼はテラスに出て、空を見上げた。
そこには、いつもの混沌とした魔界の空があった。
「愚かなことをしたものだ…」
それが、誰のことを指して言ったのか、彼自身にもわからなかった。
彼はルーラを唱えると、闇の中に消えて行った。