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闇の覇者・真王たる者・レコン・キスタ(11) 投稿者:おんしー(on see)  投稿日:10月 5日(木)21時27分41秒 

                14.レコン・キスタ

キースはぼんやり考え事をしていた。マオはそんな彼を見て肩をすくめただけだった。
天井にはランプが照らされ彼の影がふらふらと動いていた。
「そう言えば・・・・・・・・。」こんなときいつも彼はヤゲローとの
出会いの事を考えていた。

あれはいつの頃のことだろうか。
彼から「道」を教えてもらったんだ・・・・ルシア様、ヤゲロー様、そして
俺・・・・どこかで国家再建の夢を持っている。ヤゲロー様はいつも
民のこと、国の事、そして・・・周りのこと・・・それだけを考えている。
俺は何が出来た・・・・散り散りになっている俺の同志、仲間は
俺が出てくるのを待っている。昔・・・ライやマクシナスとつるんでいた時は
こんなだけを考えていた。だけど・・・・今は違う。俺には・・・
憧れている人がいる・・・・その名はヤゲロー・ベルクファクス。まるで王というのに
相応しくない王様。俺は・・・・・こうなりたい・・・どこかで・・・・
民と共に一緒に働き、そして泥まみれになってみたい・・・ヤゲロー様は
コックをやっていたんだから・・・・笑ってしまう・・・。
キースは含み笑いをしていた。

「おい、お前そんな所で何をしているんだ?」
それが俺にかけられた第一声だった。
俺はベルクファクスの城下街でふと立ち寄った酒場で簡単なおつまみを食べていたんだ。
俺にはもう金が無い。あの時啖呵をきって出てこなければよかったと
昔はそう思っていた。
その時だった、隣にいた男性が俺の代金まで出してくれた。
「ふっ・・・・気にするな。さっきから迷っているおまえを見ているとつい・・・・な。」
「お前は・・・・誰だ?」
「おい、お前は何をしているんだ?」
「何を・・・・・だと。貴様・・・・・・俺は・・・・・。」
「知っているさ。邪竜王だろ。」
「!!!!!」
「・・・・・・・俺を追ってきたのか・・・・。」
「だったら、お前さんを役所に突き出していているさ。」
「俺を・・・・どうする気だ。」
俺は覚えている。この男性は俺を興味或る目で見ている。それはライとも
マクシナスともあの黒剣士とも違う。俺を・・・・・じっと見ている。
それは戦士としての・・・剣士としての・・・・「目」だ。こいつは
出来る。凄腕の戦士だ・・・・・。俺は・・・・どうしたいのだろう・・・・
何が出来る・・・・俺には・・・・・。
キースはぼんやり考えているだけであった。
だが、目の前にいる剣士は手を差し伸べた。
「??????」
「ほら、どうした?俺は・・・・君が欲しい。どうだ・・・・・。」その男はそっと
耳打ちした。
(どうだ・・・・・ボーゼルを殺してみないか?)
「!!!!!!!!!!!あなたは・・・一体・・・・・。」
「ふふふふふ・・・・・知りたければあとで来い。私はここにいる。」
剣士はそう言って紙を手渡したあと酒場出ていった。

あとで知ったがあれが・・・・・ヤゲロー様だったんだ・・・・。
俺は・・・・・ヤゲロー様の為に参加することにしたんだ。
(続く)

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闇の覇者・真王たる者・レコン・キスタ(12) 投稿者:おんしー(on see)  投稿日:10月 6日(金)20時50分42秒 

               14.レコン・キスタ

ライはギーガン国の首都であり、エスミルの居城である皇都「ギーム」に来ていた。
ここにはエスミル帝国の主力が控え、各国の増援として機能していた。
ライはそんな主力部隊の威容を頼もしく思えながら宮殿の奥へと進んでいった。
そして・・・・どのくらい進んだだろうか、ライは何本も立ち並ぶ
大理石の柱の側に良く知っている人物が待っているのを見つけた。
「よう、マクシナス。お前も・・・・来たのか?」
ライはわざと明るく話しかけた。マクシナスはそんな彼に気がついたようだ、
すぐに返事をした。だが、すぐに暗い物になった。
「・・・・・・・俺の弟が・・・・・・・。」
「どうやらそうらしい。まあ、複雑な事になったな・・・まさかお前の弟が
敵となって黒騎士団を容赦なく倒している・・・情報ではたった7人の小部隊に
20万の精鋭部隊が全滅だ。あれではボーゼルものど元に突き付けられた剣を取り除くのに
時間がかかるだろう。」
「そうか・・・・・どうやら私の知らないところであの7人は恐ろしいほどまでに
成長したのか・・・・そうなると・・・お前の率いている「邪覇隊」は全滅をするぞ。」
「7人・・・・とは・・・・?」
「武烈王「ヤゲロー」、傾国「メリクリウス」、侍大将「ヨアヒム」、侍「ダール」、
竜皇子「キース」、司祭「シルク」、歌姫「マリエン」・・・・。得た情報から
すると・・・・・まさに凄かったと聞いている。
お前の部隊でもまず勝てない・・・だろう・・・・。」
「・・・・・・・・・・大丈夫だと思うが・・・・・・そんなに怖いか?
お前の弟だぞ。俺なら・・・容赦なく・・・殺してやるが・・・?」
「・・・・・・・・・・・・・・お前の剣の腕は認める。だが・・・人集めや
人材を集めるのはあいつのほうが我々よりもはるかに上だ!!
それに・・・・・あいつは・・・最強の侍にして総大将を歴任しているのだよ・・・
父上がそうしたのだから・・・あいつは・・・・侍大将の上をいく
武将だからだ・・・キースを引きこみ、マリエンを育て上げ、メリクリウスを
鍛え上げた。それが出来たのは・・あいつしかいない。だから・・・お前では
勝てない。」
「侍・・・のはるか上をいく・・・侍・・・・・。」
「ところで・・・・話に来たのは私ではなくてエスミル様だろう。私も行こうとしていた
ところだったのだ。」
「それなら一緒に行こう。」
二人はエスミルがいる宮殿の奥へと進んでいった。
だが・・・・・・・。

「ほう、それで?」ライとマクシナスが跪いている。だが、その報告を聞いている
宰相は今のセリフを言うだけで腕を組んだだけであった。
「宰相殿。今はエスミル殿に報告するのが筋なのではありませんか?それなのに
どうして貴方を通さなければならないのですか。説明を願いたい。」
マクシナスは宰相に言った。
「今、皇帝陛下は身体がよろしくない。だから一歩もいれるなとの仰せだ。
大抵の事は私が聞こう。不満か?」
「くっ・・・それでボーゼルのベルクファクスに増援の件はどうなりましたか?」
「はて・・・・・?お前達はずいぶん面白い事を言うのだな?」宰相は口髭を軽くしごいた。
「どう言う意味ですか?」
「ボーゼル自らここにくれば良いのだ。それをどうしてお前達が来るのだ?お前達が
来るとは一言も聞いておらぬ。さっきお前名義の稟議書が回ってきたが
ボーゼルでは無い以上、すぐに却下したわ。何か質問は?」
「それが・・・帝国のやり方ですか!!ボーゼルを見殺しにせよ・・・・と。」
ライは口の中が乾いていくのを覚えた。
(続く)

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闇の覇者・真王たる者・レコン・キスタ(13) 投稿者:おんしー(on see)  投稿日:10月 6日(金)22時37分46秒 

                14.レコン・キスタ

宰相はただ笑うだけで何も言おうとしない。どう見てもベルクファクスを
レジスタンスに売り渡そうとしているにしか見えなかった。
「では・・・我々は・・・一体どうすれば・・・・?」ライは喉の乾きを抑えながら
宰相に申し出た。
「それはボーゼルめがすることであってお前の仕事ではないだろう。何をグズグズしている
のだ?お前達とて人の国の事を心配している場合か?」
「どう言う意味です・・・それは?」マクシナスは尋ねた。
「もしかしたらお前達の国でも同じ事が起きるかも知れぬ。そうなってからは遅いのだ。
だから早急にレジスタンスの一斉摘発でもやったらどうだ?
ここはエスミル皇帝陛下とルナ様がお治めになられている場所、おぬし達のような
田舎者が来るような所ではないがそのぐらいの事言われなくてもやるものだ。
違うか?」
「くっ・・・・・き、貴様・・言わせておけば・・・・。」ライは剣の柄を握り
立ち上がろうとした。だが・・・・。
「止めておけ、ライ!!」マクシナスが背後から抑えつけた。
「何をする!!こうまで侮辱されて悔しくないのか!!マクシナス!!」
「後ろを見ろ!!ライ!!」マクシナスは思わず叫んでいた。
「えっ・・・・・・・・・・!!」ライは後ろを振り返った。
そこには・・・・・走ってきた近衛隊が剣を抜こうとしていたのである。
「どうした・・・・?お前達の仕事をきちんとまっとうするのがエスミル陛下の
ご恩に報いる時ではないのかね。」
宰相は高笑いをしているだけであった。二人は拳を握り締めるだけで頷くしかなかった。
「くっ・・・・・・こんな奴が宰相では・・・・帝国も・・・・。」
「舐めている・・・・バカにしている・・これが帝国のやり方なのか・・。」
二人はそれだけ言うと下がるしかなかった。

その時であった。背後から声がした。宰相である。
「そうそう、マクシナス君。君の弟もかなりあくどい事をしたそうだね。
この失態どうするのかね?それとも君自ら責任を取るかね。エスミル陛下も
この点に関しては立腹なされていてね、君にもいずれ処分が下ると
思うがまあ、楽しみにしていたまえ。」
「くっ・・・・・・・。」マクシナスは思わず顔を伏せた。
言われるのを・・・一番嫌がっていたのだろう・・・だからライと一緒に
行きたがったのである。

二人は宮殿を出た。二人は怒りと辱めを受けた屈辱感で拳を震わせていた。
まるで門前払いである。しかも国を与えられたのに全権委任されている
あの宰相に馬鹿にされさらには詰め寄る事もできなかったのである。
「くそっ・・・・これでは・・・ベルクファクスに手が出せないではないか・・・。」
「我々は・・・レコン・キスタの連中の思うが侭にされて蹂躙されてしまうのか・・・。」
「それは無いが・・・・・このままでは・・・・。」
「ではどうする・・・・・?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・ベルクファクスのレコン・キスタの目的は
最終目的は牢屋に寝ているネロとアクリラの復活だ・・・・。あの二人を
起こさずに別の場所に運び出せば・・・・レコン・キスタは目的を失うはずだ・・・。」
「なるほど・・・・・そこを突けば良いのだな・・・。」
「そうだ・・・・。」二人は互いに頷き合った。

だが・・・・・このマクシナスの計略はよりにもよってライの弟子であった
エクリマにやぶられてしまうのであるがこれはまた別の話にしよう。
(続く)