
-------------------------------------------------------------------------------- 闇の覇者・真王たる者・魔竜谷(11)キャラクター紹介 投稿者:おんしー(on see) 投稿日:10月10日(火)19時02分39秒 15.魔竜谷 キャラクター紹介 ミルル・・・・・・・20歳(ドラゴンの数え年で)エクリマとはぐれたあとアリテトに 救われる。そのまま王竜族の長として務めている。表では優しい皇女を 演じているが裏ではライの事を相当怨んでいる。原因はギルモアの事である。 アリテト・・・・・・40歳。パーンの兄で姪っ子にあたるミルルのことを可愛がっている。 王族らしく頭のうしろに竜角が生えている。老獪な武将で 竜皇族12氏族の一氏族を束ねている。 上級になればなるほど両耳に生えている竜角が増えていくのである。最高で6本。(ミルルと 同じ)盟友であるギルモアを殺された恨みからライを執拗に追い詰めようとする。 フセン・・・・・42歳。 邪竜族の武将。フランツ・キース(キースの父親)からして弟に あたる。力だけで物事を解決しようとするクセがある。だが、戦闘能力は 凄まじい。のちにライを追い詰めるのは彼である。邪竜族13氏族の 一派を兼ねている。今はミルルに絶対的な忠誠を誓っている。 竜角は上と同じ。 フグマ・・・・・24歳。相当な切れ者で彼女(ミルル)に皇帝を利用する事を 進言する。王竜族12氏族の一人。文官の出で中央にいた経歴がある。 サーラ・・・・・18歳。邪竜族13氏族の一人。ミルルの良き友達。フセンの 娘でもある。かなり慌てんぼうなところがある。 (続く) -------------------------------------------------------------------------------- 闇の覇者・真王たる者・魔竜谷(12) 投稿者:おんしー(on see) 投稿日:10月11日(水)20時13分38秒 15.魔竜谷 竜族の会合も終わり、ミルルは一人帰路についた。と言っても後ろにある 建物に入るだけだが。そうパーンが昔住んでいた住居こそミルルの住まいだったのである。 アリテトもここには入ってこない。 彼女一人で住んでいる。 「ふう・・・・・・・。」私はそうやって一息ついていた。最初のころは慣れない物が 多すぎてアリテトについ頼ってしまう事があったが今は違う。 ちゃんと皆の意見を聞いて一つ一つの物事に対応できるようになった。 それだけでも彼女が政治を勉強するようになったという証明にもなっていた。 この時だけは私は一人の少女になる。皇女という名前はここで終わり、 ここにいるのは母パーンと父ギルモアの面影を追い求める私がいるだけである。 でも私は母を見たことが無い。それでも想い出の中で会っている。 父は・・・・・・・目の前で殺された。今でも覚えている。 あのライという男に・・・・・私はいつもあいつを殺す事だけを考えてきた。 いつかこの手であいつの頚動脈をぷっと斬り、血の雨を降らしてやる・・・・ そして父の墓前にあいつの首を捧げ、竜族の誇りと共にガスタブルグ王国は 竜王国として栄える・・・・・。 それが私の夢・・・・父ギルモアを殺した重罪人に・・・死よりも重い罰を 与えてやる・・・それが竜姫のせめてもの哀れみだと思い知らせてやる・・・。 それから私は修行に明け暮れるようになった。本を読み、皆と話し、 机に明け方まで本を読むようにした。 いつの頃だろうか・・・・額に浮かんでいた魔法文字が消えてしまった。 その代わり・・・・私に新たな力が湧き出してきた。アリテトの話では どうやら最大の障害になっていた魔力が消滅したので 今まで封じられてきた竜族の力がよみがえったのでしょうと言っていた。 私は信じられず、竜翼を出して空を飛んでみた。するとどうだろう、私の身体は 羽根のように軽く、気持ちが良くなっていた。 私は今まで以上に稽古に精を出すようになった。そして・・・・ジュダ王国にいた 竜族も私の噂を聞いて馳せ参じるようになった。 そうパーンの再来だと・・・・。 ミルルは部屋の中央に立っていた。そこは書斎となっており 辺りの本棚には本がぎっしりと詰まっている。 ミルルは一呼吸おいて少し力を出し始めた。 「はあ・・・・・・・・・・・ああああ・・・・ぁぁぁぁ・・・・。」 途端にミルルのまわりから赤い竜気が溢れだし、まわりの本だながガタガタ震え出した。 竜気は波のようにミルルの身体を覆い尽くし、魔竜谷にいた竜戦士たちは ミルルから発せられる気配にただ怯えるだけであった。 (続く) -------------------------------------------------------------------------------- 闇の覇者・真王たる者・魔竜谷(13) 投稿者:おんしー(on see) 投稿日:10月12日(木)19時07分07秒 15.魔竜谷 ボーゼルはガスタブルグの国境を目指して逃げていた。もう彼に付き従う部下は いない。途中でベルクファクスの守備隊と交戦し憤死した者、あるいは ボーゼルに見切りをつけさっさとヤゲロー配下の部将に降伏した者、 さらにはボーゼルを売る者、あとが断たなかった。 「はあ、はあ・・・・・くそ・・・・・あと少しだ・・・あと少し・・・ あと少しで国境のはずだ・・・そうしたら奪還する為の兵をライ殿に貸してもらい 歌姫、傾国といった魔族をこの手に収めてやる・・・。」ボーゼルは卑下た笑いを浮かべたが それは別の理由もあってのことだろう。 ボーゼルは肩で息をしながら急斜面の崖を上っていた。 だが彼はあまりに宮中にいたあまり贅肉がつき、一山越えるのは 大変な苦労でもあった。 「はあ、はあ、はあ・・・・・・。」ボーゼルは一山をようやく越えた。 ボーゼルを追いかけていたのはアルファスであった。彼は守備隊を率い、 さらに近隣の村から応援として参加している自警団の若者も集め 山狩りをしていた。そして麓にはテントを張って国境を越える者を 厳しく監視していた。アルファスは山を見ながら腕組みをしていた。 「アルファス殿。」そんな時走ってきた兵士がアルファスの前で敬礼をした。 「・・・・・・・・・・どうした?見つかったのか?」 「いえ・・・・。ですが有力な情報を手に入れました。」 「何だ?言ってみろ。」 「1日前のことですが上半身裸の太った男性が山道を近くの村人に尋ねたそうなんです。」 「ほう・・・・それで?」 「村人たちはあまりに怪しいので2〜3日泊っていけと言った所、 すぐに出ていったそうなんです。やはり・・・・。」 「そうだろうな・・・・・。」 「それと・・・・あの山には・・・不気味な話があって・・・。」 「どうした・・・?」 アルファスは言いにくそうにしている兵士が気になったのか尋ねてみた。 「信じられませんが、あそこには首の無い騎士の亡霊がいて不用意に入った者を 容赦無く斬り殺すのだそうです。村人達は怖がって・・・・。」 「首の無い騎士・・・・・か。気になるな・・・。」 アルファスはじっと山を見つめていた。 (続く) -------------------------------------------------------------------------------- 闇の覇者・真王たる者・魔竜谷(14) 投稿者:おんしー(on see) 投稿日:10月12日(木)20時23分17秒 15.魔竜谷 「それでその道というのはどの道なのだ?ボーゼルはどこの道に入っていったのだ?」 アルファスは兵士に尋ねた。 ここは本部となっているテントの中、アルファスと兵士、部将、そして自警団の 村人の村長は一同にマップを見ていた。 「それはこの道です。」兵士はマップで示された道を指差した。 「何だ?大した事のない平坦な道ではないか。うん?ちょっと待てよ・・・。」 アルファスは思い当たる事があるのか黙ってしまった。 (・・・・・・そう言えばこういう道というのは一流の兵士が潜むのにちょうど良いな。) 指を当てながらアルファスは思った。 「アルファス殿?いかがなされた?何か思い当たる事でも?」 この地を治めている部将と村長が尋ねた。 「いや・・・・・・・一流の兵士が潜むのにちょうど良い平坦な道だなと 思ってな。」 「どう言う事です?」 「戦いなれた兵士というのは平坦な道の脇に潜んで相手の反撃を断つのも 仕事なのです。そうしなければ味方に被害が及ぶのです。」 「・・・・・・・・・もしそうなら・・・・。偽者ですか?」 「違いますね・・・・たぶん、亡霊はいるのでしょう。ですが・・・・哀れな事に 戦いが終わったと言う事が分からないのでしょう。」 「どうします・・・・?」 「道の入り口まで来たあと、そこで待機してください。あとは私が一人で入ります。 ボーゼルは一人。それに手負い。だとしたら私一人でも充分です。」 「わかりました。あとはお任せします。」 村長はテントを出ていった。 「では我々は山のふもとまで進軍する。あとはそこで退路を断て。」 アルファスは部将たちに命を下した。 ボーゼルは山の中を掻き分けながら進んでいた。 だが、次第にボーゼルはおかしい事に気がついた。 あたりに広がる死臭・・・・それは魔族だけにしかわからないものであるが さらに何か「森」がボーゼルをじっと「観ている」かのような雰囲気・・・・ そして・・・辺りにある血臭。それらがじっとボーゼルを舐めるように観ている。 ボーゼルは何か感じたのか剣を出しあたりを見渡した。 だが・・・・反応が無い。 「な、何だ・・・・これは・・・・・一体何が潜んでいるのだ!!ここは一本道!! どうして迷うのだ!!何がいるのだ・・・・。」 ボーゼルの声は震えている。 「俺は・・・・正常だよな・・・・我は狂っていない・・・大丈夫だ・・・・ 俺は・・・・・平気だ・・・・狂っていない・・・・・。」 カサカサと枯葉を踏むがそれがむしろ彼の心をさらに恐怖に誘っていった。 だが・・・・その瞬間。 ボーゼルはいきなりやってきた気配に振り向いた。 そしてボーゼルの顔が恐怖に変わる。 「うぎゃあああああああああああああ・・・・・・・・・・・誰だ・・・貴様は・・・・ 俺は・・・・・・・おれはああああああ・・・・・・・・・・・。」 そして静かになった。 そこにいたのは首の無い騎士。盾に顔が張りつきじっと魂が抜けた「抜け殻」をじっと見ていた。 「そこが貴様の死に場所だ。ようやく会えた、ボーゼル。私はここでお前がくるのを じっと待っていた。たとえ亡霊に成り果てても・・・・。」 盾がゆっくりと口を開いた。上半身裸のボーゼルは朽ち果てボロボロになっていった。 そこへ・・・・アルファスがやって来た。 「お前か!!首の無い騎士というのは・・・確かにない・・・うん?」 どうしたことだろう、道が一本道になっていた。 「これは・・・・お前は・・・・・!!」 (ふふふ・・・・アルファス殿、あとは貴殿にお任せします・・・・ようやく・・・ 私も眠れます・・・・ギルモア様、シャクス・・・お前とまた喧嘩ができるな・・・・。) そう、首の無い騎士というのは元ガスタブルグ第二騎士団長「デュラハン」であった。 「デュラハン殿・・・・・貴方だったのですね・・・ここで・・・・。」 アルファスは消えていくデュラハンが笑ったような気がした。 アルファスは虚空に敬礼をしていた。 (続く)