みずねことチビ竜   作・ぽっちさん


 とてもいいおてんきのある日、りゅうつかいの男の子と、
一ぴきのチビりゅうがあるいていました。
男の子は、おべんとうやメーサーほうをつめこんだリュックをせおい、
チビりゅうは、みちばたでひろった草をくわえて、
ふたりとも、にこにこ、たのしそうにあるいていました。

 お城への小さなみちをあるいていると、
とてもふかい、大きなみずうみのそばまで来ました。
男の子は言いました。
「チビ、気をつけるんだよ。おちたらだめだよ」

男の子は、チビがしんぱいでした。
なぜなら、男の子が大好きなチビは、元気で、おちつきがなかったからです。
みずうみはとてもきれいで、おもわず泳ぎたくなってしまいそうですが、
このみずうみはふかく、ちいさなりゅうも男の子も、
おちてしまったらひとたまりもありません。
「さあ、行こう」

ドポーン

言っているそばからこれです。
チビは、みずうみをおよぐおさかなをみつけると、
いっしゅんのためらいもなくだいびんぐしてしまいました。
まだ泳げないチビは、みるみるうちに沈んでいき、
男の子のかおは、みずうみのように、まっ青になってしまいました。
 男の子とはぐれたチビは、みずうみのそこで泣いていました。

りゅうの泣き声はとても大きく、めちゃめちゃうるさいのですが、
それは、みずうみの中でもかわりませんでした。
しばらくすると、泣き声にいいかげんうんざりしたのか、
一ぴきのみずねこさんがやってきて、チビにこう言いはなちました。

「泣くのをやめてたもれ。うるさくてかなわぬ」

このみずねこさん、なぜか口調がみやびでした。
みずねこさんは、チビに、泣いているわけをたずねました。
みずねこさんは、チビからくわしいことを聞くと、こう言いました。
「しかたがない、その子をさがすのを、このまろがてつだってたもれ」

みずねこさんのにほんごは、はげしくまちがっていましたが、
チビはうれしくて、やっぱり泣いてしまいました。

 こうしてふたりの、うんめいの男の子をさがすたびがはじまりました。