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| 真田太平記 二 秘密 池波正太郎
佐平次はもよを娶り、真田に落ち着く。昌幸は上田城築城を開始するが、列強大名の反発は必至。外的に加え、領内・家中も混乱。難問山積みの中、昌幸はどんな手を打つのか?大河小説十五分の二冊目。 |
○あらすじ (*エンディングまで入っています)
佐平次は、城の娘もよと結婚する。昌幸は煮え切らぬ徳川に見切りをつけ、上田へ築城を開始する。上田に注意が行った隙をついて上杉の息のかかった豪族、羽尾氏が中棚の砦に攻めかかったが、長男源三郎信幸はこれを見事に鎮圧する。
城内では樋口角兵衛が、山手殿の意を汲み、昌幸の愛人お徳と、その腹の子を殺害しようとする。この凶行は信繁によって防がれ、角兵衛は牢に繋がれたが脱走する。
強引に建設された上田城に異を唱え、北条が兵を挙げた。昌幸は対立関係にあった上杉景勝に和解を求める。そこで彼は隣国の君主の大きな度量を見せつけられるのだった。
○感想
やっぱりいいですね。なんといっても十五巻。先は長いのでのんびり行きましょう。長男と昌幸の関係が異様に強調されすぎなのが気になりますけど、正太郎先生のこと、納得行く回答を用意して下さってるでしょう。ところで、主人公は向井佐平次で良いのだろうか?一巻に比べて影が薄すぎるんですけど。今後の樋口角兵衛との戦いに期待。
◎◎◎○:真田城跡、行って来ました。山の上に風が吹いて、凄い気持ちがよい場所。お奨めです。
| 夜叉姫伝 赤い牙の章 菊池秀行 祥伝社ノンポシェット
高子を捜すせつらの前に吸血将軍カズィクル・ベイが立ちふさがる。区外からは陸自も出動、いよいよ非常事態の魔界都市。菊池秀行入魂の二巻目は、事を大きくする一方。(笑)これで収拾が着くのだろうか。とにもかくにも、魔界都市らしさあふれる出色の一冊。 |
○あらすじ (*エンディングまで入っています)
高子を探す秋せつらの前に、トルコの吸血鬼将軍カズィクル・ベイ(串刺し公=ヴラドのトルコ側の異名)が現れる。せつらは深手を負う。秀蘭はヌーレンブルクの僕、人形娘に止めをうたれるが、なお白き幽鬼となって劉貴将軍を見守る。また、区外からは陸上自衛隊の猛者が吸血鬼殲滅のために送り込まれた。
メフィストは自ら吸血鬼になる道を求め、夜香も美姫の軍門に下る。単身、高子をもとめ吸血鬼達の城へ乗り込んだせつらだが、今度は棋鬼翁の罠にはまる。陸上自衛隊は戸山団地の吸血鬼退治にのりだし、そのさなか人形娘が倒れた。
○感想
展開はともかく、キャラクターがたまらなく魅力的です。演出もよし。ストーリーの方はまあ、ここまで来ちゃうと、どうなっても許せるという感じ。吸血鬼はみんなかっこいいです。今回一押しは人形娘。とにかくけなげです。死んじゃった(壊れちゃった)けど。復活してほしい。
◎◎◎○:メフィストお前は何やってるんだ?
| グウィネド王国年代記 獅子王の宝冠
キャサリン・カーツ(米) 父王が突然暗殺され、政治の激流に放り込まれた14才の王子ケルソン。腹心モルガンの助けを得て、様々の困難に立ち向かいます。重厚感あふれる正当派レルムファンタジーの第一弾。年代記の扉が開きます。 一般お奨め度:◎◎ ファンタジー好きお奨め度:◎◎○ |
○あらすじ (*エンディングまで入っています)
魔力を持つデリニが異端として、人間から恐怖と嫌悪の対象となるこの世界。デリニ擁護派の国王は何者かに暗殺された。14歳の王子ケルソンは、デリニの有力者で前国王の腹心、モルガンに引き立てられて王位につく。それを阻止せんとするのはかつてのデリニ独裁者の娘、チャリサと伯爵イアン。モルガンを暗殺の犯人として告発し、反デリニ派の司祭や王妃をそそのかし、イアンは新国王に決闘を挑む。モルガンの助力と守護者の加護を得たケルソンはイアンとチャリサを撃退した。
○感想
いろいろ起こりそうな予感のする一冊目です。が、名君といわれた国王の死や王妃、なんだかきっちりかっちり型どおりすぎですよね。好きな人は好きでしょうが、これでいいのか疑問も。形式的・記号的にすぎ、事件の臨場感や奥行きが伝わってこないのが不満です。
それと、一番不満な点が、なんでもモルガンが、デリニの力で、というこの流れ。いかな少年王とはいえ、もっと広く意見を求めたりすればいいのに。重臣達から不満が出てもしかたない。客観的に見れば、ほとんど傀儡です。(のび太君ともいう。)
まだあります。気になったはデリニの魔法の万能さ。さすが人間から恐怖されるだけのことはある。相当な威力です。こんなに簡単に重要人物を暗殺されると、もう政治がどうこういう以前の問題。年代記よりヒロイックファンタジーになっちゃうんじゃないだろうか。
とにかく、まだ一冊目。濫発ぎみの設定が次巻以降でこなれてくることを期待&要望です。
◎◎○:名前が多すぎで、絞りきれない。一作目にありがちな欠陥ですけど、二冊目は読むかな?
| ロードス島攻防記 塩野七生 新潮文庫 イスラム教徒から「ロードスの毒蛇」と怖れられる騎士団。生地巡礼者の保護に始まったそれは、常に対イスラム戦の最前線だった。イタリアの小領主の息子アントニオの目を通じて、ロードス最後の戦いを描く。 一般お奨め度:◎◎◎◎ 塩野七生好きお奨め度:◎◎◎◎ |
○感想
やっぱりいいですね。ヴェネツィアとは性格が大いに異なりますが、この時期にはほぼ利害が一致してたんですね。だんだん参加者が減ってじり貧になっていくあたりはちょっと悲しい。山田長政を彷彿させます。イスラム海賊との戦いは、「バルバリア海賊盛衰記」や、「海賊大全」に詳しいです。
◎◎◎◎:面白い上に頭も良くなった気がするのがいいですね。
| ミッドナイトブルー ナンシー・A・コリンズ 吸血鬼と少女が同居する女性ブルー。彼女が吸血鬼になって知ったこと、この世界には人間のふりをしている者がやまほどいるのだ。ハードな設定と台詞がしびれさせる、異色の吸血鬼アクション。 一般お奨め度:◎◎○ 吸血鬼好きお奨め度:◎◎○ |
○感想
吸血鬼もの、というとアン・ライスや菊池秀行(?)に代表されるような、甘美な倒錯の世界を創造してしまいますが、そこからはだいぶ離れた位置にある小説です。主人公の吸血鬼ブルーは、孤独でハードボイルドでめっぽう強い。彼女は血に飢えているわけでもないし、美男との交わりを求めもしない。あるのはただ怒りと破壊の衝動、めちゃくちゃクールです。
本当に最初から最後まで彼女一人なので話としては物寂しい。続編が出てると言うことはこの先に期待して良いのかな?ストーリーも謀略や謎解きがあるわけでもなく、彼女が勝手に暴れてる感じ(しかも強い)。独特の世界観には惹かれますが・・、結局話が動かないまま終わってしまった印象。
◎◎○:主人公ブルーが理解できなかった。あと私はもう少しソフト路線かも。
| アドリア海の復讐(下) ジュール・ベルヌ アンテキルト博士ことサンドルフ伯爵の復讐が始まった。SFの巨匠ベルヌが贈る、子供も大人も楽しめるエンターテイメント小説。 一般お奨め度:◎◎◎ ベルヌ好きお奨め度:◎◎◎○ |
アンテキルト博士ことサンドルフ伯爵の復讐が始まった。ツィローネと郊外で銃撃戦を交わし、恩を受けたアンドレア・フェラートの遺族を助けると、今度はセウタに流されていたカルペナを強奪して復讐を遂げる。
いよいよ次はサルカニーとトロンタルだが、問題はサルカニーとの婚約が決まったトロンタルの娘サヴァだ。彼女は実はサンドルフ伯爵の長女だったのだ。彼女が遺産相続の年齢に達すると同時に結婚し、国から没収されずに残った分の遺産をせしめるのがサルカニーの計画だった。それを知った一同はトロンタル邸へむかい彼女を奪還した。しかしサルカニーは最後の恐ろしい手段を実行した。彼らの本拠地アンテキルタ島に向け、海賊を焚き付けたのである。激戦がかわされ、それが退治されたとき長い復讐は終わった。
○感想
面白かったです、が子供向けかなという感は否め無めませんね。(紹介文に偽りアリかな?)ペスカードはいい味だしてます。しかし、サヴァはよく優しい娘に育ったものだね。
◎◎◎○:OKでしょう。復讐オッケー。
| 魔界都市ブルース夜叉姫伝3 菊池秀行 祥伝社ノンポシェット いよいよ佳境に入った吸血鬼騒動。孤軍奮闘するせつらを救ったのはあの偉大な魔術師だった。百花繚乱の戦いもいよいよ収束方向に。魔界都市に朝は来るのか? 一般お奨め度:◎◎◎ 吸血鬼好きお奨め度:◎◎◎◎ |
○感想
ははは、もはやストーリーがどうだとか、そんなこと気にしてられるレベルじゃありませんね。あんなに死ななかった話なのに、ガレーンはさっさと死んじゃうし。最初はどうなんでしょうというところだったニューキャラ、ベイ将軍も、高子とのからみでだいぶいい感じが出てきて、めでたく成仏?しました。終わってみればなかなか良いキャラクターでした。
き鬼翁も夜香やメフィストとおもしろい立ち回りを演じ、すべてのキャラが生き生きと動き始めました。話しもようやく収束方向に向かいそうなので、次回作に期待大です。
◎◎◎◎:せつらが一人頑張って、メフィストは好き勝手やってる。好対照。
| 美しき姉妹の絆 上・下 アイリーン・グージ 新潮文庫 ドリーとイーヴリンの美人女優姉妹。イーヴリンの二人の娘、アニーとローレル。二組の美しい姉妹の美しい絆。姉妹の繰り広げる人間関係とロマンス。予想より面白かった一冊。 一般お奨め度:◎◎◎○ 美人姉妹好きお奨め度:◎◎◎○ |
○感想
あらすじだけでも、なかなかてんこ盛りみたいですね。主人公クラスが大勢いてストーリーが要約しにくかったのもありますが、実際分量もたいしたものです。女性一人一人はとても個性的で二つの姉妹、葛藤とかうまく描かれてると思います。ちょっと姉の方に重心置きすぎですけどね。妹には妹の苦労があるのだ。 都合よすぎるなあこいつら、とか思ってしまう部分もありますが、まあタイトルにもあるとおり、基本的に美しい、姉妹ですから?(かかるところ違う)何でもありです。
◎◎◎○:最後が大団円、やっぱりこれは基本です。
○感想
これはぜひ読んでもらいたい本ですね。目から鱗がとれる、というとちょっと違いますが、第二次大戦に対して、大きく捉え方が変わります。あ、こんな捉え方もあるのか、と一つ視野が開けるのは間違いないです。
ウェデマイヤーのこの本を執筆した動機。「第一次大戦の後には優れた検討がなされ、人々は熱情を持って迎えた大戦の現実を知り、興ざめしたものである。第二次大戦では今までそうした分析が知らされていなかった。」というあたり、共感を覚えるところは多いのではないでしょうか。とにかく、彼は公正な立場から第二次大戦を捕らえようと努めており、(むしろ、東西冷戦に至ったという反省からアメリカ批判に傾いているところはあるかもしれませんが。)彼の当時の立場とともにこの本の価値を非常に高めています。
◎◎◎◎○:うちの父は、もっと戦争の現場の話がいい、といってましたけど。
| アーサー王の死 トマス・マロリーの作品構造と文体
四宮満 法政大学出版局 トマス・マロリーの語る膨大なアーサー王の宮廷物語を、キャクストンの分析に基づいて一つにまとめた力作。アーサー王伝説をひととおり飲み込むには、実は最適ではないかと思う本。読んでみてみて。 一般お奨め度:◎◎◎◎○ 騎士道物語好きお奨め度:◎◎◎◎○ |
◎◎◎◎○:これを起点にもっとディープなアーサー王の世界を目指しましょう。
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