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このページで紹介する本の順位表:ウェデマイヤー回想録・上(アルバート・C・ウェデマイヤー )アーサー王の死(四宮満) レパントの海戦(塩野七生)ロードス島攻防記(塩野七生)コンスタンティノープルの陥落(塩野七生)魔界都市ブルース4(菊池秀行)戦闘機甲兵団レギオン・下(ウィリアム・ディーツ)魔界都市ブルース3(菊池秀行)レリック10魔界都市ブルース2(菊池秀行)11戦闘機甲兵団レギオン・上(ウィリアム・ディーツ)12美しき姉妹の絆(アイリーン・グージ)13真田太平記二(池波正太郎)14マジカルランド2(ロバート・アスプリン)15結城秀康(大島昌宏)16アドリア海の復讐・下(ジュール・ベルヌ)17図解・ハイテク飛行機(柳生一)18イラストで見る最新恐竜ハンドブック(ソバック&カリー)19グウィネド王国年代記1(キャサリン・カーツ)20ミッドナイトブルー(ナンシー・コリンズ )
真田太平記 二 秘密  池波正太郎

 佐平次はもよを娶り、真田に落ち着く。昌幸は上田城築城を開始するが、列強大名の反発は必至。外的に加え、領内・家中も混乱。難問山積みの中、昌幸はどんな手を打つのか?大河小説十五分の二冊目。

一般お奨め度:◎◎◎ 時代小説好きお奨め度:◎◎◎○

○あらすじ (*エンディングまで入っています)

 佐平次は、城の娘もよと結婚する。昌幸は煮え切らぬ徳川に見切りをつけ、上田へ築城を開始する。上田に注意が行った隙をついて上杉の息のかかった豪族、羽尾氏が中棚の砦に攻めかかったが、長男源三郎信幸はこれを見事に鎮圧する。
 城内では樋口角兵衛が、山手殿の意を汲み、昌幸の愛人お徳と、その腹の子を殺害しようとする。この凶行は信繁によって防がれ、角兵衛は牢に繋がれたが脱走する。

 強引に建設された上田城に異を唱え、北条が兵を挙げた。昌幸は対立関係にあった上杉景勝に和解を求める。そこで彼は隣国の君主の大きな度量を見せつけられるのだった。

○感想

 やっぱりいいですね。なんといっても十五巻。先は長いのでのんびり行きましょう。長男と昌幸の関係が異様に強調されすぎなのが気になりますけど、正太郎先生のこと、納得行く回答を用意して下さってるでしょう。ところで、主人公は向井佐平次で良いのだろうか?一巻に比べて影が薄すぎるんですけど。今後の樋口角兵衛との戦いに期待。

◎◎◎○:真田城跡、行って来ました。山の上に風が吹いて、凄い気持ちがよい場所。お奨めです。


夜叉姫伝 赤い牙の章 菊池秀行 祥伝社ノンポシェット

 高子を捜すせつらの前に吸血将軍カズィクル・ベイが立ちふさがる。区外からは陸自も出動、いよいよ非常事態の魔界都市。菊池秀行入魂の二巻目は、事を大きくする一方。(笑)これで収拾が着くのだろうか。とにもかくにも、魔界都市らしさあふれる出色の一冊。

一般お奨め度:◎◎◎ 菊池秀行好きお奨め度:◎◎◎○

○あらすじ (*エンディングまで入っています)

 高子を探す秋せつらの前に、トルコの吸血鬼将軍カズィクル・ベイ(串刺し公=ヴラドのトルコ側の異名)が現れる。せつらは深手を負う。秀蘭はヌーレンブルクの僕、人形娘に止めをうたれるが、なお白き幽鬼となって劉貴将軍を見守る。また、区外からは陸上自衛隊の猛者が吸血鬼殲滅のために送り込まれた。
 メフィストは自ら吸血鬼になる道を求め、夜香も美姫の軍門に下る。単身、高子をもとめ吸血鬼達の城へ乗り込んだせつらだが、今度は棋鬼翁の罠にはまる。陸上自衛隊は戸山団地の吸血鬼退治にのりだし、そのさなか人形娘が倒れた。

○感想
 展開はともかく、キャラクターがたまらなく魅力的です。演出もよし。ストーリーの方はまあ、ここまで来ちゃうと、どうなっても許せるという感じ。吸血鬼はみんなかっこいいです。今回一押しは人形娘。とにかくけなげです。死んじゃった(壊れちゃった)けど。復活してほしい。

◎◎◎○:メフィストお前は何やってるんだ?


グウィネド王国年代記 獅子王の宝冠  キャサリン・カーツ(米)

 父王が突然暗殺され、政治の激流に放り込まれた14才の王子ケルソン。腹心モルガンの助けを得て、様々の困難に立ち向かいます。重厚感あふれる正当派レルムファンタジーの第一弾。年代記の扉が開きます。

一般お奨め度:◎◎ ファンタジー好きお奨め度:◎◎○

○あらすじ (*エンディングまで入っています)

 魔力を持つデリニが異端として、人間から恐怖と嫌悪の対象となるこの世界。デリニ擁護派の国王は何者かに暗殺された。14歳の王子ケルソンは、デリニの有力者で前国王の腹心、モルガンに引き立てられて王位につく。それを阻止せんとするのはかつてのデリニ独裁者の娘、チャリサと伯爵イアン。モルガンを暗殺の犯人として告発し、反デリニ派の司祭や王妃をそそのかし、イアンは新国王に決闘を挑む。モルガンの助力と守護者の加護を得たケルソンはイアンとチャリサを撃退した。

○感想

 いろいろ起こりそうな予感のする一冊目です。が、名君といわれた国王の死や王妃、なんだかきっちりかっちり型どおりすぎですよね。好きな人は好きでしょうが、これでいいのか疑問も。形式的・記号的にすぎ、事件の臨場感や奥行きが伝わってこないのが不満です。
 それと、一番不満な点が、なんでもモルガンが、デリニの力で、というこの流れ。いかな少年王とはいえ、もっと広く意見を求めたりすればいいのに。重臣達から不満が出てもしかたない。客観的に見れば、ほとんど傀儡です。(のび太君ともいう。)
 まだあります。気になったはデリニの魔法の万能さ。さすが人間から恐怖されるだけのことはある。相当な威力です。こんなに簡単に重要人物を暗殺されると、もう政治がどうこういう以前の問題。年代記よりヒロイックファンタジーになっちゃうんじゃないだろうか。
 とにかく、まだ一冊目。濫発ぎみの設定が次巻以降でこなれてくることを期待&要望です。

◎◎○:名前が多すぎで、絞りきれない。一作目にありがちな欠陥ですけど、二冊目は読むかな?


ロードス島攻防記 塩野七生 新潮文庫

 イスラム教徒から「ロードスの毒蛇」と怖れられる騎士団。生地巡礼者の保護に始まったそれは、常に対イスラム戦の最前線だった。イタリアの小領主の息子アントニオの目を通じて、ロードス最後の戦いを描く。

一般お奨め度:◎◎◎◎ 塩野七生好きお奨め度:◎◎◎◎

○あらすじ (*エンディングまで入っています)
 ロードスの毒蛇とイスラム教徒から怖れられる騎士団。生地巡礼者の保護に始まったそれは、常にイスラム教徒との戦いの最前線であった。イタリアの小領主の息子アントニオはこの地にてトルコ軍との戦いを経験することとなる。押し寄せるトルコの大軍を、ヴェネツィアの天才技師の手による大城壁によって迎え撃つ。二度の戦いの果て、ロードスを開城することになった騎士団であったが、彼らの堂々とした姿は勝者であったトルコ軍をも感嘆させた。

○感想
 やっぱりいいですね。ヴェネツィアとは性格が大いに異なりますが、この時期にはほぼ利害が一致してたんですね。だんだん参加者が減ってじり貧になっていくあたりはちょっと悲しい。山田長政を彷彿させます。イスラム海賊との戦いは、「バルバリア海賊盛衰記」や、「海賊大全」に詳しいです。

◎◎◎◎:面白い上に頭も良くなった気がするのがいいですね。


ミッドナイトブルー ナンシー・A・コリンズ

吸血鬼と少女が同居する女性ブルー。彼女が吸血鬼になって知ったこと、この世界には人間のふりをしている者がやまほどいるのだ。ハードな設定と台詞がしびれさせる、異色の吸血鬼アクション。


一般お奨め度:◎◎○ 吸血鬼好きお奨め度:◎◎○

○あらすじ (*エンディングまで入っています)

 体の中に吸血鬼ブルーと少女デニーズが同居する彼女。彼女が吸血鬼になって知ったこと、この世界には人間のふりをしている者がやまほどいるのだ。ブルーは消えない破壊への衝動を、そうした擬装者達へ向けていく。自分を作り出した吸血鬼に出会えるときを夢見ながら。彼女を利用しようとした新興宗教の教祖が、やがて彼女の怒りにふれる。

○感想

 吸血鬼もの、というとアン・ライスや菊池秀行(?)に代表されるような、甘美な倒錯の世界を創造してしまいますが、そこからはだいぶ離れた位置にある小説です。主人公の吸血鬼ブルーは、孤独でハードボイルドでめっぽう強い。彼女は血に飢えているわけでもないし、美男との交わりを求めもしない。あるのはただ怒りと破壊の衝動、めちゃくちゃクールです。
 本当に最初から最後まで彼女一人なので話としては物寂しい。続編が出てると言うことはこの先に期待して良いのかな?ストーリーも謀略や謎解きがあるわけでもなく、彼女が勝手に暴れてる感じ(しかも強い)。独特の世界観には惹かれますが・・、結局話が動かないまま終わってしまった印象。


◎◎○:主人公ブルーが理解できなかった。あと
私はもう少しソフト路線かも。


アドリア海の復讐(下) ジュール・ベルヌ

 アンテキルト博士ことサンドルフ伯爵の復讐が始まった。SFの巨匠ベルヌが贈る、子供も大人も楽しめるエンターテイメント小説。

一般お奨め度:◎◎◎ ベルヌ好きお奨め度:◎◎◎○

○あらすじ (*エンディングまで入っています)

 アンテキルト博士ことサンドルフ伯爵の復讐が始まった。ツィローネと郊外で銃撃戦を交わし、恩を受けたアンドレア・フェラートの遺族を助けると、今度はセウタに流されていたカルペナを強奪して復讐を遂げる。
 いよいよ次はサルカニーとトロンタルだが、問題はサルカニーとの婚約が決まったトロンタルの娘サヴァだ。彼女は実はサンドルフ伯爵の長女だったのだ。彼女が遺産相続の年齢に達すると同時に結婚し、国から没収されずに残った分の遺産をせしめるのがサルカニーの計画だった。それを知った一同はトロンタル邸へむかい彼女を奪還した。しかしサルカニーは最後の恐ろしい手段を実行した。彼らの本拠地アンテキルタ島に向け、海賊を焚き付けたのである。激戦がかわされ、それが退治されたとき長い復讐は終わった。

○感想
 面白かったです、が子供向けかなという感は否め無めませんね。(紹介文に偽りアリかな?)ペスカードはいい味だしてます。しかし、サヴァはよく優しい娘に育ったものだね。

◎◎◎○:OKでしょう。復讐オッケー。


魔界都市ブルース夜叉姫伝3 菊池秀行 祥伝社ノンポシェット

 いよいよ佳境に入った吸血鬼騒動。孤軍奮闘するせつらを救ったのはあの偉大な魔術師だった。百花繚乱の戦いもいよいよ収束方向に。魔界都市に朝は来るのか?

一般お奨め度:◎◎◎ 吸血鬼好きお奨め度:◎◎◎◎

○あらすじ (*エンディングまで入っています)

 美姫の住処へ潜入した秋せつらを待ち受けていたのは、半身吸血鬼となった、血に飢えた高子だった。チェコの大魔術師ガレーン・ヌーレンブルグがそこに現れ、せつらを助け出す。だが、ガレーンはベイ将軍の凶牙によって倒れてしまう。吸血鬼となり美姫の膝下に下ったはずのメフィストだが、高子と夜香を正気に戻すようにせつらから依頼されると、それを承諾する。

 ベイ将軍はメフィストの提案によってせつら退治にむかう。対するせつらとベイ、高子の存在に心惑わすベイ将軍もついに、上智大学の十字架によって燃え果てた。政府は新宿区への核攻撃を指令し、ガレーンの妹トンブを抱える区長も決断を迫られるのだった。

○感想
 ははは、もはやストーリーがどうだとか、そんなこと気にしてられるレベルじゃありませんね。あんなに死ななかった話なのに、ガレーンはさっさと死んじゃうし。最初はどうなんでしょうというところだったニューキャラ、ベイ将軍も、高子とのからみでだいぶいい感じが出てきて、めでたく成仏?しました。終わってみればなかなか良いキャラクターでした。
 き鬼翁も夜香やメフィストとおもしろい立ち回りを演じ、すべてのキャラが生き生きと動き始めました。話しもようやく収束方向に向かいそうなので、次回作に期待大です。

◎◎◎◎:せつらが一人頑張って、メフィストは好き勝手やってる。好対照。


美しき姉妹の絆 上・下 アイリーン・グージ 新潮文庫

 ドリーとイーヴリンの美人女優姉妹。イーヴリンの二人の娘、アニーとローレル。二組の美しい姉妹の美しい絆。姉妹の繰り広げる人間関係とロマンス。予想より面白かった一冊。

一般お奨め度:◎◎◎○ 美人姉妹好きお奨め度:◎◎◎○

○あらすじ (*エンディングまで入っています)

 ドリーとイーヴリン、成功を目指す女優姉妹。妹のイーヴはどん欲で、映画監督と結婚しスターダムを上る。姉のドリーは、一歩譲ってしまう。ある日、知人にそそのかされ、ドリーはイーヴをスターから追い落としてしまう。自分の恋人ヴァルが妹と再婚することを知り、一瞬の気の迷いが生じてしまったのだ。

 時はたって、イーヴとヴァルの家庭は悲惨な有様になっていた。イーヴはアルコール中毒となり、生活力のないヴァルは貯金を食いつぶしていた。イーヴの二人の娘、前夫の子アニーとヴァルの子ローレルは、ヴァルとのいさかいから家を出てニューヨークにいた。生活は厳しく、二人はユダヤ人家庭に下宿していた。叔母ドリーは安否を気遣い、アニーを店員として働かせてる。ドリーは女優としては大成できず、今はニューヨーク随一のチョコレート業者となっていた。未だ独身の彼女は、フランスのジローの店長アンリとの愛人関係が続いていた。二人は愛し合うも一緒に住めない苦悩を抱えている。
 アニーは仕事の中で、ジョーという青年と知り合う。二人は意気投合し、互いに愛し合うようになった。だが気づいたときには、アニーはフランスへチョコレート修行に行くことが決まっていた。妹ローレルも、密かにジョーへの恋を募らせていた。フランスではエメットがアニーを支えてくれたが、アニーの思いはジョーから離れない。やがてアニーは帰国し、ジョーと愛を確かめ合う。
 ローレルはアニーに「自分がジョーの子を身ごもっている」と嘘をつく。アニーはジョーの弁解を寄せ付けず、彼を激しく非難する。はなから不実を信じているアニーの姿を見て、ジョーの心はローレルへと傾いていく。

 憐憫と同情の入り交じった愛情が、ローレルとジョーを挙式へと進ませた。子供も産まれるが、ローレルは、ジョーが姉のことを忘れられないように思えた。夫婦は別居にまで至る。一方アニーはドリーの店を離れ、自分のチョコレート店経営に熱中する。コンクールが開かれ、見事アニーは次点に輝く。しかし、次点ではアニーの店が契約を取り付ける条件を満たしてはいなかった。ドリーはアニーのために、契約を取り持とうとするが、交通事故にあって倒れてしまう。ドリーは若い頃にイーヴにした仕打ちをアニーに告解する。それをうすうす悟っていたアニーも、彼女を許した。ドリーの病床にはアンリが現れ、ジローの地位もなにもかも捨て、彼女との結婚を望む。ローレルとジョーの間のわだかまりもこの日に解決し、二人は再び歩みだした。アニーは、会社経営を続ける中、いつも彼女を優しく支えてくれたエメットの愛を実感する。そして再び現れたエメットとの愛を誓うのだった。

○感想

 あらすじだけでも、なかなかてんこ盛りみたいですね。主人公クラスが大勢いてストーリーが要約しにくかったのもありますが、実際分量もたいしたものです。女性一人一人はとても個性的で二つの姉妹、葛藤とかうまく描かれてると思います。ちょっと姉の方に重心置きすぎですけどね。妹には妹の苦労があるのだ。 都合よすぎるなあこいつら、とか思ってしまう部分もありますが、まあタイトルにもあるとおり、基本的に美しい、姉妹ですから?(かかるところ違う)何でもありです。

◎◎◎○:最後が大団円、やっぱりこれは基本です。


ウェデマイヤー回想録 第二次大戦に勝者なし (上) アルバート・C・ウェデマイヤー 妹尾作太男  講談社学術文庫

 第二次大戦でアメリカ側の作戦参謀を務めた将軍、ウェデマイヤーが語る手記。前編ではアメリカの参戦「ルーズベルトはその覇権主義から日本の開戦を促した」からマキャベリズムを掲げるイギリス、その指導者英雄チャーチルの戦略眼批判、ドイツに対する無条件降伏要求への批判、ノルマンディー作戦までの経緯を語る。

一般お奨め度:◎◎◎◎○ 第二次大戦記好きお奨め度:◎◎◎◎

○あらすじ

 第二次大戦でアメリカ側の作戦参謀を務めた将軍、ウェデマイヤーが語る手記。前編ではアメリカの参戦「ルーズベルトはその覇権主義から日本の開戦を促した」からマキャベリズムを掲げるイギリス、その指導者英雄チャーチルの戦略眼批判、ドイツに対する無条件降伏要求への批判、ノルマンディー作戦までの経緯を語る。

○感想
 これはぜひ読んでもらいたい本ですね。目から鱗がとれる、というとちょっと違いますが、第二次大戦に対して、大きく捉え方が変わります。あ、こんな捉え方もあるのか、と一つ視野が開けるのは間違いないです。
 ウェデマイヤーのこの本を執筆した動機。「第一次大戦の後には優れた検討がなされ、人々は熱情を持って迎えた大戦の現実を知り、興ざめしたものである。第二次大戦では今までそうした分析が知らされていなかった。」というあたり、共感を覚えるところは多いのではないでしょうか。とにかく、彼は公正な立場から第二次大戦を捕らえようと努めており、(むしろ、東西冷戦に至ったという反省からアメリカ批判に傾いているところはあるかもしれませんが。)彼の当時の立場とともにこの本の価値を非常に高めています。

◎◎◎◎○:うちの父は、もっと戦争の現場の話がいい、といってましたけど。


アーサー王の死 トマス・マロリーの作品構造と文体  四宮満 法政大学出版局

 トマス・マロリーの語る膨大なアーサー王の宮廷物語を、キャクストンの分析に基づいて一つにまとめた力作。アーサー王伝説をひととおり飲み込むには、実は最適ではないかと思う本。読んでみてみて。


一般お奨め度:◎◎◎◎○ 騎士道物語好きお奨め度:◎◎◎◎○

○感想 

 アーサー王伝説はいろいろと枝葉があって、名前や役割が異なっています。(アーサー王伝説事典を読めば、その雰囲気は伝わるでしょう)その真ん中にある太い幹が、このキャクストン版のアーサー王伝説。分量も少なく、わかりいい本だと思います。タイトルこそやや固い雰囲気だけれど、ふつうに読んでいて十分楽しめる一冊です。日本人好みのお約束の数々(伏線バリバリは私の好みでもあります)を堪能しましょう。
 アーサー王伝説事典と対になっている、小説版アーサー王伝説や、筑摩文庫のキャクストン版アーサー王の死もおすすめですけど、一通り理解するなら、この本のが良いように思います。もちろん、文庫のが手に入りやすいですし、ちくま版から読んでも十分楽しめますけどね。筑摩版は時代がかった言い回しがかっこよく、思わず読み上げたくなりますよ。うーん、自己満足。特に、本書では省略されているローマ皇帝を討つ、ウルリー卿の治癒、ガウェイン卿と緑の騎士は、ランスロットはもういいよって人に是非読んでもらいたいです。人名多出なので、自分の朗読能力の限界にも挑戦できます。

◎◎◎◎○:これを起点にもっとディープなアーサー王の世界を目指しましょう。


読書日誌2後編はこちらです。


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