実戦編1(01.01.26)


TOKUさんの実戦(アマ名人戦県予選)より


(TOKUさんのコメント)
この間の県名人戦準決勝から・・・
本局は途中まで優勢だったのですが,一失が出てしまい逆転負けとなりました。
ただ,内容的に参考になりそうでしたのでここで引用しました。
では本譜の進行に合わせて説明します。

いよいよ実戦編です。開戦してからの捌きが参考になります。全棋譜は棋譜コーナーにあります。この講座と合わせて見てみてください。


先手:Y四段
後手:TOKUさん

初手からの指し手
▲7六歩    △3四歩    ▲2六歩    △4四歩    ▲4八銀    △5四歩
▲5六歩    △1四歩    ▲2五歩    △3三角    ▲5八金右  △2二飛
▲4六歩    △6二玉    ▲6八玉    △7二玉    ▲7八玉    △6二銀
▲1六歩    △3二銀(第1図)

第1図
後手:居飛車
後手:TOKU
後手の持駒:なし
  9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂 ・v金 ・v金 ・v桂v香|一
| ・ ・v玉v銀 ・ ・v銀v飛 ・|二
|v歩v歩v歩v歩 ・ ・v角v歩 ・|三
| ・ ・ ・ ・v歩v歩v歩 ・v歩|四
| ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 歩 ・|五
| ・ ・ 歩 ・ 歩 歩 ・ ・ 歩|六
| 歩 歩 ・ 歩 ・ ・ 歩 ・ ・|七
| ・ 角 玉 ・ 金 銀 ・ 飛 ・|八
| 香 桂 銀 金 ・ ・ ・ 桂 香|九
+---------------------------+
先手:Y四段
先手の持駒:なし
手数=20  ▽3二銀  まで

(TOKUさんのコメント) 第1図までは,ほぼ基本通りの展開です。

先手の13手目の▲4六歩を省略して▲6八玉と上がるとすかさず△2四歩▲同歩△同角(王手)から飛車をス抜かれる。△2四同角に▲同飛△1五角と打つのが有名な反撃だがこの場合は△1四歩と突いてあるので,その受けは成立しない。


第1図からの指し手
▲7七角    △5一金右  ▲8八玉    △2四歩(第2図)

後手:TOKU
後手の持駒:なし
  9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂 ・ ・v金v金 ・v桂v香|一
| ・ ・v玉v銀 ・ ・v銀v飛 ・|二
|v歩v歩v歩v歩 ・ ・v角 ・ ・|三
| ・ ・ ・ ・v歩v歩v歩v歩v歩|四
| ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 歩 ・|五
| ・ ・ 歩 ・ 歩 歩 ・ ・ 歩|六
| 歩 歩 角 歩 ・ ・ 歩 ・ ・|七
| ・ 玉 ・ ・ 金 銀 ・ 飛 ・|八
| 香 桂 銀 金 ・ ・ ・ 桂 香|九
+---------------------------+
先手:Y四段
先手の持駒:なし
手数=24  ▽2四歩  まで

(TOKUさんのコメント) ここで離れ駒がでたので△2四歩と仕掛けました。
後手の駒組みもほぼ頂点に達しているのでタイミングとしては絶好でした。

△5一金右が駒組みのポイントです。金銀の連携が良く,大駒交換に強い形です。後手の形はこれ以上待つのが難しい形なので本譜と違い,先手の陣形に離れ駒がない場合でも行く一手かなぁ・・・。これ以上待つなら△9四歩か(後々の▲9五桂の防ぎ)。


第2図からの指し手
△2四歩    ▲同 歩    △同 飛    ▲2五歩    △2二飛    ▲3六歩
△4五歩    ▲同 歩    △7七角成  ▲同 桂    △3三桂    ▲2四歩
(第3図)

第3図
後手:TOKU
後手の持駒:角 歩 
  9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂 ・ ・v金v金 ・ ・v香|一
| ・ ・v玉v銀 ・ ・v銀v飛 ・|二
|v歩v歩v歩v歩 ・ ・v桂 ・ ・|三
| ・ ・ ・ ・v歩 ・v歩 歩v歩|四
| ・ ・ ・ ・ ・ 歩 ・ ・ ・|五
| ・ ・ 歩 ・ 歩 ・ 歩 ・ 歩|六
| 歩 歩 桂 歩 ・ ・ ・ ・ ・|七
| ・ 玉 ・ ・ 金 銀 ・ 飛 ・|八
| 香 ・ 銀 金 ・ ・ ・ 桂 香|九
+---------------------------+
先手:Y四段
先手の持駒:角 歩 
手数=35  ▲2四歩  まで

(TOKUさんのコメント) ここで先手▲2四歩でしたが▲6六角もあり難しいところ。
なお▲6六角には△4二金▲2四歩△2一飛▲3七桂△4六角(△6四角もある)となり一局の将棋。

△2四歩からの飛車のブッつけの後は,△4五歩と角交換を迫ります。この辺りはこの戦法の定跡ですね。


第3図からの指し手
△4六角  ▲3七桂    △2四飛    ▲同 飛    △同 角(第4図)

第4図
後手:TOKU
後手の持駒:飛 歩二 
  9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂 ・ ・v金v金 ・ ・v香|一
| ・ ・v玉v銀 ・ ・v銀 ・ ・|二
|v歩v歩v歩v歩 ・ ・v桂 ・ ・|三
| ・ ・ ・ ・v歩 ・v歩v角v歩|四
| ・ ・ ・ ・ ・ 歩 ・ ・ ・|五
| ・ ・ 歩 ・ 歩 ・ 歩 ・ 歩|六
| 歩 歩 桂 歩 ・ ・ 桂 ・ ・|七
| ・ 玉 ・ ・ 金 銀 ・ ・ ・|八
| 香 ・ 銀 金 ・ ・ ・ ・ 香|九
+---------------------------+
先手:Y四段
先手の持駒:飛 角 歩 
手数=40  ▽2四同角  まで

(TOKUさんのコメント) 本譜はすぐ▲2四歩だったので次の△4六角で飛車交換が実現しました。
ここまでくると一応成功型と考えています。


第4図からの指し手
▲2九飛    △2三歩(第5図)

第5図
後手:TOKU
後手の持駒:飛 歩 
  9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂 ・ ・v金v金 ・ ・v香|一
| ・ ・v玉v銀 ・ ・v銀 ・ ・|二
|v歩v歩v歩v歩 ・ ・v桂v歩 ・|三
| ・ ・ ・ ・v歩 ・v歩v角v歩|四
| ・ ・ ・ ・ ・ 歩 ・ ・ ・|五
| ・ ・ 歩 ・ 歩 ・ 歩 ・ 歩|六
| 歩 歩 桂 歩 ・ ・ 桂 ・ ・|七
| ・ 玉 ・ ・ 金 銀 ・ ・ ・|八
| 香 ・ 銀 金 ・ ・ ・ 飛 香|九
+---------------------------+
先手:Y四段
先手の持駒:角 歩 
手数=42  ▽2三歩打  まで

(TOKUさんのコメント) 飛車交換になったら居飛車側は▲2九飛(または▲2八飛)と打つ一手ですが,対して△2三歩には△2三飛も考えられるところです。
ただ,この形ではすでに桂跳ねられて(▲3七桂とされて)いるので、平凡に▲2五歩とされると打った飛車が押さえ込まれると判断し△2三歩としました。
なお,桂跳ねがない場合は角切りから▲2五飛とできるので△2三飛が成立していると思います。
さて,ここで終わってしまっては,成功型とはいえまだ不満がありますが・・・

飛車交換後に居飛車が自陣飛車を打つのは,よく出てくる形なので,そこで△2三歩と打つか△2三飛とするかの判断の仕方は参考になります。


第5図からの指し手
▲7八銀    △1五歩(第6図)

第6図
後手:TOKU
後手の持駒:飛 歩 
  9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂 ・ ・v金v金 ・ ・v香|一
| ・ ・v玉v銀 ・ ・v銀 ・ ・|二
|v歩v歩v歩v歩 ・ ・v桂v歩 ・|三
| ・ ・ ・ ・v歩 ・v歩v角 ・|四
| ・ ・ ・ ・ ・ 歩 ・ ・v歩|五
| ・ ・ 歩 ・ 歩 ・ 歩 ・ 歩|六
| 歩 歩 桂 歩 ・ ・ 桂 ・ ・|七
| ・ 玉 銀 ・ 金 銀 ・ ・ ・|八
| 香 ・ ・ 金 ・ ・ ・ 飛 香|九
+---------------------------+
先手:Y四段
先手の持駒:角 歩 
手数=44  ▽1五歩  まで

(TOKUさんのコメント) ここで端を突いた手が生きてきます。
すぐ△1五歩と端を突いて第2弾の攻めを開始します。

こういった一段落ついた局面から攻めを継続する方法は指し慣れた人の指し方が一番参考になります。
序盤の端歩の突き合いがこんなところで生きてくるとは・・・。


第6図からの指し手
▲同 歩    △1七歩    ▲5五歩(第7図)

第7図
後手:TOKU
後手の持駒:飛 
  9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂 ・ ・v金v金 ・ ・v香|一
| ・ ・v玉v銀 ・ ・v銀 ・ ・|二
|v歩v歩v歩v歩 ・ ・v桂v歩 ・|三
| ・ ・ ・ ・v歩 ・v歩v角 ・|四
| ・ ・ ・ ・ 歩 歩 ・ ・ 歩|五
| ・ ・ 歩 ・ ・ ・ 歩 ・ ・|六
| 歩 歩 桂 歩 ・ ・ 桂 ・v歩|七
| ・ 玉 銀 ・ 金 銀 ・ ・ ・|八
| 香 ・ ・ 金 ・ ・ ・ 飛 香|九
+---------------------------+
先手:Y四段
先手の持駒:角 歩二 
手数=47  ▲5五歩  まで

(TOKUさんのコメント) 先手もこのまま放っておくとひどくなる一方なので中央から反撃してきます。
いままでの実戦でもこの辺りで▲5五歩と中央から動いてくる事が多く,これが結構やっかいです。
ですので序盤に戻って△5四歩と突くのが得か損かは微妙なところと思われます。

△5四歩を突いてあると角筋は止められ難いので攻めにはメリットがあるが,中央から反撃を受けやすい,5三の空間が傷になりやすいなどのデメリットがあって損得は微妙なんでしょうね。


第7図からの指し手
△1五香  ▲5四歩    △1八歩成  ▲2四飛    △同 歩    ▲4四角
△5二歩  ▲2三歩(第8図)

第8図
後手:TOKU
後手の持駒:飛二 
  9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
|v香v桂 ・ ・v金v金 ・ ・ ・|一
| ・ ・v玉v銀v歩 ・v銀 ・ ・|二
|v歩v歩v歩v歩 ・ ・v桂 歩 ・|三
| ・ ・ ・ ・ 歩 角v歩v歩 ・|四
| ・ ・ ・ ・ ・ 歩 ・ ・v香|五
| ・ ・ 歩 ・ ・ ・ 歩 ・ ・|六
| 歩 歩 桂 歩 ・ ・ 桂 ・ ・|七
| ・ 玉 銀 ・ 金 銀 ・ ・vと|八
| 香 ・ ・ 金 ・ ・ ・ ・ 香|九
+---------------------------+
先手:Y四段
先手の持駒:角 歩二 
手数=55  ▲2三歩打  まで

(TOKUさんのコメント) ▲2三歩は先手の勝負手です。
本譜は△1九ととあせってしまい,一気に形勢を損ねてしてしまいました。
ここでは△4二金と一回受けておくべきでした。
こうなってしまうと玉形の薄い後手陣はどうすることもできません。
以下は順当に負けとなりました。(^_^;

※最後にポイントを以下にまとめてみました。
@駒組段階で・・・
・手待ちの意味で5四歩を突く場合は後の展開で必ず5筋から反撃してくるのでそれも考慮に入れて慎重に。
・端(後手の場合1筋)は必ず後で手にできるので可能な限り突いておく。
・玉の囲いは6二銀5一金型が理想と考えるが,場合によっては7一金型も考えられる。(研究課題)
A2四歩の仕掛けのタイミングとして・・・
・本譜のように離れ駒が出来たとき。
・3七桂と跳ねられる直前。
いずれにせよタイミングを逃がして持久戦模様になると玉形が薄い分不利になりやすい。
B2四歩と仕掛けた後の角打ちはお互いに急所・・・
・後手から見て6四,或いは4六に角を打つ筋が急所となりやすい。但し条件が揃えば先に説明した2七歩〜3八角の筋も狙える。
C自陣飛車を打たれた場合・・・
・3七桂と跳ねられている場合は2三歩と受け、跳ねられていない場合は2三飛も考えられる。(もちろん場合にもよる)
D局面が一段落したら・・・
・すかさず端(後手の場合1筋)に手をつける。特に3七桂跳ね型の場合は効果的。
E桂香を渡した場合は、・・・
・玉頭が薄いので注意が必要。(速攻型で玉が薄いので仕方ないですが・・・)後手の場合8三に桂香を集中されると早いので,早めに補強するか攻め切ってしまう。

以上になるかと思います。
まだ、現在も実戦研究中なので新手があったら補足します。

TOKUさんの残念譜でしたが,戦法的には十分成立していると思います。自陣に手をもどすタイミングさえ間違わなければ,主導権は握れて攻め続けることができる優秀な戦法と思います。
飛車交換後の居飛車の自陣飛車への対応や,端攻めで攻めを継続するところが指しこんでいないと見えてこないポイントなので参考になりました。


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