シルエット☆ストーリィズ
ギャルズパニック(アーケード)が好きだった
ジャンル メーカー機種 定価 客観評価
恋愛パズル KANEKOPS 5800円
3点
 
なれそめ


 未成年の頃、学校帰りのゲーセン。バイト絶対禁止の進学校に通い、金もない貧乏学生。 そんな自分達にとって、ワンコインで長く遊べるゲームは良いゲームだった。 ボンバーマン、タンクフォース…そして、ギャルズパニックのような作品。 ギャルズパニックなんて、一言で言えば単に往年の名作クイックス美女CGによるエサ釣り版なのだが、その明確すぎるコンセプトが好きだった。 本作=ギャルズパニック・アレンジ版と最近になってはじめて知り、それを理由に購入。 ワンハードに1つテトリスが欲しいような感覚で、持っていたいゲームなんですよね…クイックス系は。 ギャルズパニックにより貶められた感もあるクイックス系ですが、今ゲームデザインをパッと見ても その数秒(もしくは数回死ぬ)だけで把握できるゲーム性、動と静の織り交ぜ方などは斬新かつ 才気溢れる作品です。いや、ギャルズパニック好きが言うのもなんですが、絶対ギャルズパニックのせいで クイックスそのものが扱い低くなっちゃったよな(笑)。1000円で購入。


ストーリー


 ある日主人公の部屋にやってきた、謎のヒトデ型生物。そいつは自分の事をギャルズ星から やってきたパニィと名乗る。パニィは運命のイタズラをするバイキン、「運命キン」を 見やぶる力があるらしい。という事は、パニィと協力すれば運命を変えられるかもしれない!? 意気揚々と、新たな出会いを求めて町に出る主人公。その出会いをどのような結果にするかは 運命キンとの戦い次第なのだ。


レビュー前の説明&注目点


 恋愛アドベンチャーの要素と、名作「クイックス」のシステムを合わせた作品。 最初に行く場所を選び、そこで出会った相手とのストーリーが始まる。ヒロインは12人。 シナリオが始まれば、選択肢やクイックスで提示される攻略条件を達成したか否かなどで シナリオは分岐。100%クリアした女性に 関しては、着せ替えモードが追加される。
 クイックス(ギャルズパニック)部分の基本ルールは、シューティング気味の陣取りゲーム。 与えられた陣地の外周だけを動き回れる自機。 自機そこからはラインを伸ばし、新たに囲んだ部分も自分のものとできる。 囲んだ部分には敵は入ってこれず、囲んだ部分の中に女性の絵(シルエット)があれば%が上昇。 基本的には80%となればクリア。既に囲んだ部分の外周を動いていてもほぼ無敵だが、 ラインを伸ばした段階で敵や敵の攻撃に当たればミスとなる。


 2Dの止め絵一枚で着せ替えモードというのは、有難味があまりない。 また、毎回クリアごとに「ヒロインとの相性診断」がされるわけだが、これまた中身が…。


ギャルゲ限定・好きな女性キャラ


 絵で順位などは付けられるかもしれませんが、それ以前の問題です。


ギャルズパニックの思ひ出



 自分が最初に出会った「クイックス」系というのは、アーケードの実写ギャルズパニック。 脱衣要素が強い作品だった。とはいえ中学生の頃から「洋モノポルノは遠慮したい」というタイプだった ・・coming!等リアクションがわざとらしいくらい大きくて、五月蝿いじゃん(笑)・・だけに、その洋ポルノ臭マンマンの ギャルズパニックは、間違ってもHな気分で遊べるものではありませんでした。単に後に知る「クイックス」の 単純にして味わい深いゲーム性に魅せられていたと言っても過言ではないでしょう。 当時そのギャルズパニックは対戦?する女性をルーレットで選ぶゲームで、50%をゆうに超える ハズレを引かぬよう祈ったものです。まあ、結構引いたけど。 また、時間切れに対する扱いが素晴らしく、一定時間が過ぎていくと 女性のハダカがドロドロしたゲル状?になってしまったり、蜘蛛に覆われたり、カラスに覆われたり・・と そのセンスさえも極めてアメリカンポルノ的なケバケバしさ、エログロさ を誇っており、ある種ギャグとしても素晴らしい作品だったと断言できます。 女性が日本のカワイイ子だったら大傑作なのに(?)。 また、最初が実写だったせいかその後2D絵バージョンで遊んでもイマイチ面白くないんですよね・・ 2D絵に蜘蛛がへばりついてもグロくないというか、味わいがない(笑)。今もなお、真性 ギャルズパニックの登場を願う。


れびゅ



 ギャルズパニックの金子製作所が プレイステーションで生まれ変わらせたゲーム、それがシルエット☆ストーリィズ。 そもそもがエログロな作風であっただけに、セガサターン以上に表現に厳しいPSでギャルズパニック!というのは どだい無理な話です。それを踏まえ、1996年当時にあって隆盛の兆しを見せはじめていた 恋愛アドベンチャー要素を盛り込み、恋愛ストーリー仕立てにしよう!としたアイディアは それなりに評価できるでしょう。アイデアだけは


 選択肢や、攻略条件による分岐という要素はモチベーションに繋がる。 この点だけをとって、後に1500円や2000円で登場したクイックスよりも遊べる面は確かにある。 後発の家庭用クイックスはクリア→褒美絵というだけの繰り返しで、簡単に 閉塞感が漂ってしまいがち。それに対し 「線を300ドットひけ!」「敵を同時に4匹倒せ!」などといったランダム条件の数々は、 元々が淡々としたクイックスに彩りを与える意味で効果あり。ゲーム部分自体はそこそこ遊べる。 ・・・が、しかし。「自体は」などというもったいまわった言い回しでわかる通り、 本作にはゲーム部分を彩るべき他の部分が酷すぎる という事実も確かに存在するのでした。


 簡単に言って何がひどいのか。これはもう、漢字2つでいい。 が見事にひどい。自分で自分の事を分析して、絵や声をそう取り立てるタイプではないと思っていました。 それにしても、これはひどい。 1996年作品なんだから、と納得すべく励んではみた。 しかし考えてみても 絵と声優の演技に、時代はあまり関係ないと気付くだけ。 まず絵については、この程度でゲーム?なら俺も!という間違った希望 を多くの人に与える絵。色の塗り方や線の汚さなどは勿論、デッサンレベルからして 実力なのか手抜きなのかわからない部分がかなりある。 全体的に、プロフェッショナルな印象をまるで受けない。言い直せば 『安い』のが特徴。商品に値する出来には思えない。


 その『安さ』は音声にも…というよりは、音声にこそ当てはまる部分。 録音状況が悪いのか、全体的にこもった声。加えて、勿論下手。 個性的な演技として理解できる部分もあるか?と頑張ってみても、9割強はやはりアウト。 他人様に商品として出していいものではないですし、これで 『ビジュアルシーンでは、キュートな声でしゃべりまくる!(byパッケージ裏) 』なんてのは、もうほとんど虚偽表示の領域です。 おそらくプロの声優は皆無だと思われます。いや寧ろそう思いたい。 小学生の学芸会以下だ!と確信をもって断言しておきたい程であっただけに 、これにプロが関わっているなどと考えたくはありません。もしそうなら、あまりに悲しすぎる。


 それにしても本作の複雑な個性は、先述の「クリア条件」などの部分と 元のクイックス自体の面白味だけで、遊べない事はないという所。 絵を重視するなら廉価版クイックスを遊んだ方が数千倍マシではある。 あるが、絵や声のヒドさもとして認識できればどうか。 その場合記憶に残るのは、おそらく他のPSクイックスより、シルエット☆ストーリィズだと思われます。 正直に言ってクイックスにおんぶにだっこ、クイックスそのものの権威を下げるだけの 駄作もいいとこなのに、クイックスとしては遊べるという絶妙な?アンバランスさ。 名作クイックスのことを思うと悲しい気持ちになるのは否めませんが、ゲームデザインとして努力が見える分 スーパーライフシリーズのクイックスなどより、こちらをオススメしたい所ではあります。 もちろん、凡作・駄作ですがね。 こんな駄作をオススメせずに済むよう、一刻も早いギャルズパニックの正当後継者が出現する事・・ まったくもって、願ってやみません。


個人点数25点。 このゲームの収穫は、絵と音声の最下層を体感できた事と 「シルエット」という英語の綴りを知った事だ。てゆーか、それだけだ。
(2003・7/11)

まず商品レベルにしてから売ろうね☆