'02.02.16  
     
     
 
       

             
    《 タミヤ製 1/20 マクラーレンMP4/5B 再販版 》

 ・実車のマクラーレンMP4/5Bについて

  マクラーレンMP4/5B....1990年に故アイルトン・セナが生涯2度目となるワールドチャンピオンの
  栄冠を手にした記念すべきマシンである。
  だが、その年のF1グランプリはセナにとって必ずしも順風万帆なグランプリでは無かった。
  プロストとの確執はFIAをも巻き込み、ついにこの年、セナは政治的に孤立させられてしまう。
  さらにこの年のマシンのシャシーにはライバル達に対するアドバンテージがもはや皆無で、
  付け焼刃的に空力をイジった程度に止まっている。
  鳴り物入りで登場した「バットマンディフーザー」でさえも安定しないハンドリングを生み出すだけで、
  後半戦では、あっさりと取り外され前年仕様に戻されてしまうといった始末である。
  後半戦において、マクラーレンはホンダパワーとセナのドライビングを最低限、邪魔しないシャシーを
  作り上げるのが精一杯だった。
  そんな状況の中でもセナはMP4/5Bを駆って、どうしても欲しかったチャンピオンを手にする。
  前年からのしがらみを「世界一の速さ」をもって払拭し、名実共にワールドチャンプなる。
  あの温厚なセナでさえ「昨年から私を苦しませ続けてくれた人たちに捧げる勝利!」と言った程、
  セナにとっては辛く、苦しく、そしてどうしても勝たねばならなかった’90 F1グランプリ!!
  そんなF1グランプリを走り抜けたセナのマシン、そしてセナが生涯で手にした3度のワールドチャンピオンの中で
  最も価値のあり、最も意味を持つチャンピオンマシン!そんなMP4/5Bが今回のお題である。

       


 ・タミヤ製 1/20 マクラーレンMP4/5B キットについて

  ’90年、第2次F1ブームの真っ只中に発売されたタミヤのキットはタミヤスタンダードと言える1/20。
  この1/20サイズってその昔、タミヤがF1のキットを作るときにモーターライズ用の電池を入れるスペースを
  確保する為に設定されたサイズだってのは有名な話です。
  当時のF1キットはユーザーを無視して1/20と1/24が混在しておりました。(あっ!言っちゃった!)

  ところでこの頃の第2次F1ブームって、カーモデル業界(どんな業界やら...)にとって重要な時期で、
  今となっては当たり前のディテールアップパーツやら、今では手に入らないディテールアップパーツなどが、
  次々と発売され、まさにカーモデラーにとっては「わが世の春」状態!
  ただ、その使い方についてはまだまだ発展途上で、「ただ使えば精密!」といった盲目的評価でした。
  
  さらにマクラーレンの蛍光レッドには、「研ぎ出し」するとデカールやクリアー部に蛍光成分が浮いてしまうという
  致命的な問題と、天候やTV写りによって色味が大きく異なる蛍光色の色味を堂再現するかといった技術的問題があり、
  当時のカーモデラーを大いに苦しめたものでした。

  タミヤのキット自体はさすがに10年以上前のキットということもあり、今の目で見ちゃうとちょっと辛いかな〜。
  特に分割線が残ってしまうフロントのサス周りと完全に形状が違うリヤサスアームの基部は何とかしたいところ!!

  ところで、今回のMP4/5Bってどうやって仕上げていきましょうか???
  ちなみにキットはシリーズ前期のモナコ仕様!このまま作ってもOKなのですが...マシンの完成度がね〜...
  個人的にはシリーズ後半戦の鬼神の追い上げを見せワールドチャンプを決めた後期仕様の方が好みで〜す!!
  ちなみにMP4/6にしちゃうってのも考えたんですが、どこかフェラーリに媚を売る様なあのラインはね〜...
  (どうせ、大改造は覚悟の上だし、決して嫌いという訳では無いのですが...)
  っと言うわけで今回のMP4/5Bはドイツ以降の後半戦!マルボロロゴつきのべルギー仕様って事で決定!!!!
  とは言っても細かい仕様にツッコミを入れないのが大人のカーモデラーのお約束って事でお願いします。


 ・いよいよ作成!後半戦仕様に改造編

  まずは、基本改造から...モナコGP仕様を後半戦仕様に改造する!
  前半戦と後半戦の違いは?っと

  1.フロントウイング翼端板がMP4/6以降と類似形状
  2.フロントウイングの2段目がやっぱりMP4/6以降と類似形状
  3.フロントノーズのHマークの上にNACAダクトが追加
  4.ドライバーシールドがカーボン製に変更
  5.サイドポンツーンカバーが斜めのカットの物に変更
  6.リヤウイングがダウンフォースの少ないが高速仕様に変更
  7.バットマンディフーザー廃止
  8.7に伴いカウル後端形状変更...etc

  う〜む、思ったより多いし、お手軽改造って訳にも行かなそう...(すでに誤算!!)
  とは言っても、出来ない訳でもないので、一箇所づつ手をつけていきましょう。
  逆にいうと、これだけやれば後半戦ができる訳だし...
  (人と違ったMP4/5Bを作りたいって人にはお勧め!...クロコダイズノーズって手もあるけどね)

 ・まずはフロントウイング翼端板から...

  翼端板自体は強度と薄さを考えて0.3の洋白板から切り出してます。(当然、プラ板でもOKです。)
  形状は資料とにらめっこしながらタミヤのMP4/7かガレキのMP4/6のをゲージに決めました。
  モールドは0.3のプラ板で作っておいて、瞬着で接着してから段差が薄くなる様に削り込みます。
  あとはパテで段差にRをつければ出来上がり〜!!
  内側に曲がっているパーツは0.3のプラ板にPカッターでスジをいれて曲げた所に瞬着を流し込んだ物を
  それっぽく形にすれば問題無しっす!

  
    [ 左が後半戦仕様、右がキットのパーツってさすがにわかるでしょ? ]
  
 ・次にフロントウイングの2段目を...
  一見簡単な形状に見えるこのパーツですが、実は複雑な形状をしています。
  最初はキットのパーツにプラ板を貼って削っていたんですが、どうにも満足な形にならない...
  う〜む、っと悩んだ挙句にタミヤのMP4/7のフロントウイングを切り飛ばし形状を合わせてみると、
  あ〜ら簡単に出来てしまった!...MP4/7はご愁傷さまって感じでジャンクキットに...

 ・フロントノーズのNACAダクトは?...
  フロントノーズのNACAダクトはっと...
  なんか移植できそうなキットは無いかしらん??っと探していると...
  タミヤのF40のリヤカウル!...早速、切り出して当ててみましたが大きすぎ!!
  仕方が無いのでプラ板にNACAダクト形状を削り込み、厚みをくさび型にしてから
  裏からプラ板でふさぐといった荒業で製作しました。
  ...F40の立場は??...ご愁傷さまです。...本当に...

  
    [ フロントセクションはこんな感じ!洋白板の薄さが良い感じ〜と思いません?? ]

 ・カーボン製シールドは...
  ここが後半戦仕様で一番目立つ所じゃないかな〜?
  ここは簡単に資料を見ながらポリパテで形状を変更していきます。
  最上部の形状をプラ板で作って張り付けてからパテ盛りすればシンメトリー取るのも簡単です。
  キットの説明ではセナ仕様シールドに整流板を付ける様になっていますが、
  私の資料では付いてないんですが?...まっ、どっちでもいいか、細かいことは言いっこ無しっ!

  
  [ こんな感じになりました。カウル側には薄薄攻撃炸裂!! ]

 ・サイドポンツーンの形状変更...
  サイドポンツーンのカバーは後半戦仕様への改造では一番簡単な所でしょう。
  キットのカバーから削り出しても良かったんですが、厚みを気にして0.3のプラ板から削りだしました。

    
  [ カバーは簡単!カウルとのフィッティングの方が大変でした。 ]


 ・リヤウイングを高速仕様に...
  ここは時間が無ければ、やらなくっても気付く人は少ないでしょう?(・_・;)
  私も翼端板を洋白板にするついでに、やったちゃった程度のものです。
  
  ところで洋白板って、近くで売ってない!って人に...
  実は私も通販で買ってます。(Be−Jだったかな?)0.2,0.3あたりが使いやすそう。
  ただ、固いです...100円ショップのダイヤモンドやすりは必需品!!って感じです。

  今回はウイングステーも洋白板に変更しています。でも薄すぎてプラ板を貼りました...(-。−;)

   
  [ 別に洋白板で苦労しなくてもプラ板でも出来るんですが... ]


 ・バットマンディフーザーを取り外す...
  これをやらねば後半戦仕様は語れない!!...でも、いったいなんだったんでしょうね〜これって??
  実車では前年型のアンダーカウルに変更って事の様ですが...???
  まぁ、気にしないでレーザーソーでガシガシ切り落としてやり、ヤスリでガンガン修正してやります。
  切り離す位置はエンジン後部のジャッキアップマウントがぎりぎり干渉しない位置でOKでしょう!

  
    [ 実は短くしすぎてプラ板で延長しています。なんてマヌケな... ]

  あとは、これに合わせてカウル後端部の形状を変更してやれば、MP5/4B後半戦仕様のできあがり〜!
  まぁ、そんなに簡単でも無いけど、難しくも無い改造なんで、素組みしかしたこと無い!って人にはお勧め!っかな??
  (失敗しても、責任は取れませんが...)


 ・続いて徹底工作!!編

  タミヤのディスプレイキットとはいえ、なにせ10年以上前に設計されたキットなんで、
  最近の目で見るとツライ所もちらほら...
  もちろん、その間にもいろんな所からディティールアップパーツや材料が発売されていましたが、
  これがなかなかキチンとディティールアップされた作例を見たことが無い!!
  それならば、やってみようじゃないっすか!超絶フルディティールアップ!!
  ストラトスだって出来たんだもん、MP4/5Bだってなんとかなるって...きっと...っね?(割と弱気)

 ・まずはモノコックから手を入れる!!...
  このキットの最も悩ましいところがこのモノコックのフロントセクション!
  キットのままでは分割線が丸出し!しかも実車とは異なる大胆なパーツ分割!!
  ディティールアップするには、まずここから手をつけないと...
  っと言うわけで、サスアーム周りのパーツ分割を変更、アンダーカウルの前部を最後に接着できる様に
  しておけば後ハメが可能になります。

   
    [ 後ハメするにはどこで切り離すかを十分に考えて...っと ]

  切り飛ばしたサスアームは0.5の真鍮線で位置決めし強度を確保しておきます。
  あと、ブレーキが取り付くパーツとサスアームの組み付けは1/12を参考に精密ネジに変更しておけば、
  仮組みの際に誤って折ってしまうこともありません。
  最近は近所のDIYショップでもM1.2の精密ネジを適当な長さがごちゃ混ぜで売ってたりします。

       
    [ こうしておけば後ハメ可能!!ただし位置決めは慎重にしないと... ]

  あとは、なんだか良く分からないダンパーの部分をくり貫き、スプリングから作ったダンパーを組み込みます。
  ダンパーはストラトスの時と同様ですが、今回のスプリングはDIYショップで買ってきた物を使用!

    
  [ ダンパー自体は真鍮線で!!トップのパーツはキットを加工して使用!! ]

  最後にモノコック最前部のフロントウイングをはめ込む溝がキットでは抜きの関係からオミットなので再現、
  中央の窓から見えるステアリングシャフトをジャンクパーツ(スーパーセブンのドラシャ)を移植してやれば
  とりあえず、モノコックのフロントセクションのディティールアップは完成です。

     
  [ この角度ではスプリングがほとんど見えないけど、違う角度でもあんまり見えない?? ]

 ・いよいよエンジンセクションの仕込み...
  さてさて超絶ディティールアップモデルの最大の見せ場となるエンジンセクション!!
  パーツを仮組みしてみると、精密感にバラツキが...特にサスアーム関係はちょっと...
  ここは最後にパイピング等で仕上げてやるつもりなんですが、それを見越して精密感を調整しておきます。

  まずはエンジン上部に接着する小さなアームパーツは0.3の真鍮線とエッチングパーツでリンクを再現!

     
  [ どこのパーツかはキットで確認してみてね。実は本当に可動します。 ]

  エギゾーストパイプは形状が抜きの関係で全くダメダメです。
  ここはフレキチューブ等で新製してやろうかとも思ったんですが、集合部の造形がキツそう...
  っという訳で今回はキットのパーツを削り込んでいます。
  この時にはmine−TEC製の板ヤスリと針ヤスリが大活躍!!ちょっと高いけどね...
  実は最後にこのエキパイの間をエンジン固定用のワイヤーを通しますので、そこの確認は十分に行ってます。
  あと、アンダーフロアのパーツと一体になっているエキパイ後端部を適当なパイプで再現!
  これに合わせてアンダーフロアパーツも追加工しています。(↑の写真参考っね)

      
  [ あとで溶接跡とか吊り上げ用マウントとかも再現しましょうね ]

  ミッション後部とサスアームはフロントと同じく分割線がデタラメ!...(組みやすく作ってあるんだってば!)
  っという訳でリヤもフロントと同様に後ハメ加工を施した後でダンパーを新製!!

   
      [ でも、たぶん見えなくなっちまうんだろうな〜?? ]

  キットのカムカバーの造形は結構まともなんですが、その後ろが...なんです。
  抜きの関係でつぶれている基部の三角の部分はY形状に修正してやるのはMUSTの基本工作でしょう!
  また、サスアームの基部はH断面をしているんですが、全く再現されていません。
  0.3のプラ板を細き切ったものを接着し紙やすりで形状を修正して再現してやりました。
  あと、ダンパーにつながるアームには調整部分を金属パーツを使って再現しているんですが
  はたしてどの程度効果があるのやら...??

        
    [ ここは本気で大変でした...あ〜!疲れた疲れたっと ]

  あと、ファンネルなんかはモデラーズのディティールアップパーツから拝借!
  なんか大きさが合わずに修正に苦労しましたよ???...なんで???

  まぁ、いろいろと手をを入れたところでエンジンセクションを仮組してみました。

     
    [ ざ〜っと、こんな感じなんですが、いかがなもんでしょう?? ]


 ・もうひとつの主人公「アイルトン・セナ・ダ・シルバ」...

  MP4/5Bといえば、そのパイロットは当然、アイルトン!!(ベルガーファンの方、申し訳ありません)
  語りたいことは、たくさんありますがそこは専門のサイトにおまかせするとして...
  タミヤのドライバーセットに入っているのは、全く誰だか分からない...ベネトン用とかにも使えるって書いてあるし...
  そこで、モデラーズのフィギュアの登場となるんですが、1/20ドライバー1のアイルトンは、
  なんとも能天気に手をお振りになっていらっしゃる...???
  前にも書いたけど、この年のアイルトンはと〜っても悩んでいた筈なのに...
  っという訳で同じくモデラーズのビルヌーブと2個いちにしてポーズ替え!!
  頭だけでなく、裾やショルダーパッドも移植しておきました。

     
   [ こっちはモデラーズの1/20アイルトンとビルヌーブ(どちらも絶版) ]

               
           [ そんでもってこんな風になりました。 ]

  今回はせっかく頭をのせかえるんで、ちょっと遊び心を出して、ポリパーツで首を振れる様にしてみました。

         
      [ まぁ、どうってことはないんですが....なんか嬉しい。 ]


 ・とりあえず仮組みしてチェック!!...

  ここまでセクション毎に作業をしてきましたが、ここら辺で仮組みしてみて全体をチェックしてみます。


   [ とりあえず、こんな感じになってますが、あんまり変わってないかも....(・_・、) ]


   [ 割と大変だったリヤ&エンジン周り...なんかちょっとホッっとした様な...(^_^) ]


 ・っという訳で今回の締め!!...

  あ〜ぁ、また、やっちまった感がありますが、初めて2ヶ月近く...いまだサフすら吹けてない状況です。
  いったい、いつになったら完成することやら...
  とか、言ってても始まんないので、まぁ、楽しんで作って行くこととしましょうか??
  まぁ、先の長い連載になりそうですが、末永く付き合ってやっておくんなさいまし。
  最近再販になって手にされた方も多いと思いますんで、1人でも参考にしていただければ幸いです。

 
           [ とりあえず、今回はここまで出来ました... ]


       [ カウルを開けるとこんな感じ...カウル置くヤツも作ろっかな〜?? ]



                      つづく...