レポート No.16

Call of Cthulhu(クトゥルフの呼び声) Edition 5.1

製作: Chaosium INC.
出版社: Hobby Japan
価格: 3,800円
入手難易度:



<世界観>

思うに、今なおこの地球上のどこかには、想像を絶した巨大な力と形を持つ太古の生き残りが潜伏しているはずである……
        《アルジャーノン・ブラックウッド》

フングルイ・ムグルウナフー・クトゥルフ・ル・リエー・ウガ=ナグル・フタグン
(死せるクトゥルフが、ル・リエーの家で、夢見ながら待っている)
        《エスキモーの呪術僧の誓言》

永遠の憩いにやすらぐを見て、死せる者と呼ぶなかれ
果て知らぬ時ののちには、死もまた死ぬる定めなれば
        《アブドル・アルハズレッド「ネクロノミコン」》

 ほとんどの人間は知らないが、この地球には人間の価値観などまったく通じない、強力なモンスター(旧支配者)とそれらを崇める秘密教団が厳然と存在している。人間社会は、旧支配者中でもひときわ強力な神官クトゥルフとその眷属が封印により眠りについているために発展できた、脆い文明に過ぎない。そして、いつかクトゥルフとその眷属たちは目覚め、地球上の文明は破壊され、人間の弱い精神には耐えることのできない狂気の支配する世界になるだろう。そして、そのクトゥルフでさえ、この宇宙を創造した、名を呼ぶのもはばかれる狂気の神々(外なる神々)、アザトース、ニャラトテップ、ヨグ=ソートスなどにつかえる神官に過ぎない。
 

<システム>

 クトゥルフの呼び声のジャンルは、ホラーRPGです。時代設定は、1890年代〜現代の世界で、PC(探索者と呼ばれる)は当然人間で、現実の社会と同じようにその年代に合った生活しています。探索者の能力は、肉体や精神や教育度などを表す能力値と、能力値と選んだ職業(教授、警察官、ジャーナリストなど)により決まってくる技能値(考古学、拳銃、聞き耳など)であらわされます。技能値は0〜99までの数字で記載され、D100を振り成否を決めるシステムで、技能値の値がそのままどのくらい成功するかのパーセンテージを表す、わかりやすいシステムになっています。そして、このゲームの一番の特徴はSAN値と正気度と呼ばれる能力値があることです。
 

<正気度のルール>

 普通の人間は、非常に怖いものや、人間が惨殺されたのを見たときには、精神的なショックを受けるはずです。この精神的ショックをルール化したのがSANチェックです。能力値SANは、探索者がどれほど精神的ショックに強いかをあらわします。正気度は、どれほど多くの精神的ショックに耐えられるかを表した数値です。そして、一度のある大きさ以上の精神的ショックを受けると、探索者は一時的な狂気に陥り、その場でヘラヘラと笑い出したり、ブツブツとつぶやくようになります。このルールがあるからこそクトゥルフの呼び声が、ホラーRPGとして成り立つのです。
 

<探索者の強さ>

 このゲームの探索者たちは、旧支配者達と比べると非常に弱い存在です。例えは、クトゥルフの攻撃によりダメージを受けると、一人の探索者が5回ほど死ねるダメージを一発で受けます。最も弱いモンスター達でも、数発ダメージを受けると死に至ります。つまり非常に死にやすく、現実と同じように死んだ探索者は二度と生き返りません。
 多くの探索者の末路は、見るだけで正気を失っていく、恐るべき旧支配者やその手先と遭遇し、正気度を失っていき完全な狂人となり精神病院送りとなるか、モンスターの攻撃により惨殺されるかのどちらかになります。
 

<参考資料>

 クトゥルフの呼び声の背景世界は、H.P.ラヴクラフトとその仲間達が書いた、一連の恐怖小説が元になっています。このRPGのルールブックを手に入れることができて、キーパー(GMのことです)をしてみようという方は、本屋に並んでいる、ラヴクラフト全集(創元推理文庫)や、暗黒神話体系シリーズ クトゥルー(青心社)などを読んでみると良いと思います。また、絶版になってなかなか手に入らないですけれど、日本語のキャンペンーンシナリオのサプリメントが出ています。また、英語力に自信がある人は、原本の英語版の「Call of Cthulhu」が発売元であるChaosium Inc.のホームページで通信販売をしているので、そこで手に入れることができます。
 

<まとめ>

 クトゥルフの呼び声は、一番メジャーなホラーRPGのシステムだと思います。キーパーのシナリオ次第で、強力な旧支配者達を、弱い探索者がうまく退け生き残るという遊び方も出来ますし、逆にラブクラフトの小説のように、探索者が真実を知っていくうちに、どんどん破滅に向かっていくような、遊び方も出来ます。また、背景世界のクトゥルフ神話を使わなくても、ただのホラーRPGとしても遊ぶことができます。手に入れることができた人は、ぜひ遊んでみてください。


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