カフナ研究講座   ’kahuna’


第一回 「危険と安全の公理」  
第二回 「防御の論理と攻撃の論理」
第三回 「第一投の定理」 
第四回 「日本語訳ルールブックの補足」
第五回 「アラバナ−イキバチ(Arabana-Ikibati /カフナの前身)について」
第六回 「バリアントルール考察」
第七回 「カードドローについての考察」

第八回 「相手の手札を知ること」
第九回「手札カードを知られる危険さの度合い」


第一回
  「危険」と「安全」の公理  (2000/11/8)
 

この講座では、カフナの戦術・戦略を研究していきます。

カフナ研究を進めるにあたって、まずは当たり前のことを整理します。

カフナのメインとなる行動は、ボードに杖を置くことです。
杖を置く行動には、2種類の分類があります。

1つの分類は、「危険」か「安全」かです。
「危険」は、置いた杖が相手に消される可能性があること。
「安全」は、置いた杖が相手に消される可能性がないこと(「2枚のカードによって消す」という特別の行動をとらない限り)。

さらに、「危険」と「安全」はそれぞれ、程度により分類できます。

「危険」の分類には2つの尺度があります。

1つの尺度は「消されやすさ」です。
これに従うと、「危険」は下記の通り4つのレベルに分類できます。
・「とても危険」−相手が1つ置くと消される
・「そこそこ危険」−相手が2つ置くと消される
・「すこし危険」−相手が3つ置くと消される
・「ほんのすこし危険」−相手が4つ置くと消される

「危険」のもう1つの尺度は「消される杖の数」です。
2つのレベルに分類できます。
・「危険*2」−杖が2つ消される
・「危険*1」−杖が1つ消される

「安全」も程度により分類できますが、目下の議論には直接関係しないため、ここでは分類しません。

杖を置く行動のもう1つ目の分類は、「有効」か「有効でない」かです。
「有効」は、相手の杖を消すことができる行動。
「有効でない」は、相手の杖を消すことができない行動。

「有効」もまた、程度によって尺度があります。
消すことができる杖の数によって2つのレベルに分類できます。
・「有効*2」−相手の杖を2つ消せる
・「有効*1」−相手の杖を1つ消せる

「有効でない」も程度により分類できますが、ここでは分類しません。
 

以上の「危険−安全」「有効−有効でない」の分類を島ごとに表すと、下記の通りになります。
この分類を本研究講座のベースとしていきます。

(注)
下記では、「有効でない」の表記、「危険*1」「有効*1」の「*1」の表記は省略しています。
もちろんのことですが、カード(手持ち・オープン)の情報は考慮に入っていない分類です。カードの情報についての議論は、しばらく先になります。



<3の島>
 相手が置いていないときに1個置くことは、そこそこ危険
 相手が置いていないときに2個置くことは、安全
 相手が置いていないときに3個置くことは、安全
 相手が1個置いているときに1個置くことは、とても危険
 相手が1個置いているときに2個置くことは、安全・有効
 相手が2個置いているときに1個置くことは、安全

<4の島>
 相手が置いていないときに1個置くことは、すこし危険
 相手が置いていないときに2個置くことは、安全
 相手が置いていないときに3個置くことは、安全
 相手が置いていないときに4個置くことは、安全
 相手が1個置いているときに1個置くことは、そこそこ危険
 相手が1個置いているときに2個置くことは、安全
 相手が1個置いているときに3個置くことは、安全・有効
 相手が2個置いているときに1個置くことは、とても危険
 相手が2個置いているときに2個置くことは、安全
 相手が3個置いているときに1個置くことは、安全

<5の島>
 相手が置いていないときに1個置くことは、すこし危険
 相手が置いていないときに2個置くことは、すこし危険*2
 相手が置いていないときに3個置くことは、安全
 相手が置いていないときに4個置くことは、安全
 相手が置いていないときに5個置くことは、安全
 相手が1個置いているときに1個置くことは、そこそこ危険
 相手が1個置いているときに2個置くことは、そこそこ危険*2
 相手が1個置いているときに3個置くことは、安全・有効
 相手が1個置いているときに4個置くことは、安全・有効
 相手が2個置いているときに1個置くことは、とても危険
 相手が2個置いているときに2個置くことは、とても危険*2 
 相手が2個置いているときに3個置くことは、安全・有効*2
 相手が3個置いているときに1個置くことは、安全
 相手が3個置いているときに2個置くことは、安全
 相手が4個置いているときに1個置くことは、安全

<6の島>
 相手が置いていないときに1個置くことは、ほんのすこし危険
 相手が置いていないときに2個置くことは、ほんのすこし危険*2
 相手が置いていないときに3個置くことは、安全
 相手が置いていないときに4個置くことは、安全
 相手が置いていないときに5個置くことは、安全
 相手が置いていないときに6個置くことは、安全
 相手が1個置いているときに1個置くことは、すこし危険
 相手が1個置いているときに2個置くことは、すこし危険*2
 相手が1個置いているときに3個置くことは、安全
 相手が1個置いているときに4個置くことは、安全・有効
 相手が1個置いているときに5個置くことは、安全・有効
 相手が2個置いているときに1個置くことは、そこそこ危険
 相手が2個置いているときに2個置くことは、そこそこ危険*2 
 相手が2個置いているときに3個置くことは、安全
 相手が2個置いているときに4個置くことは、安全・有効*2
 相手が3個置いているときに1個置くことは、とても危険
 相手が3個置いているときに2個置くことは、とても危険*2
 相手が3個置いているときに3個置くことは、安全
 相手が4個置いているときに1個置くことは、安全
 相手が4個置いているときに2個置くことは、安全
 相手が5個置いているときに1個置くことは、安全



→ 第二回予定
 「防御の論理」と「攻撃の論理」
   第三回予定
 「危険と安全の公理」から導き出される「第一投の定理」
 


カフナ研究講座
第二回
  「防御の論理」と「攻撃の論理」  (2000/11/28)

「防御の論理」とは、自分の杖が消されないことを第一の目的とする戦術。
「攻撃の論理」とは、相手の杖を消すことを第一の目的とする戦術。

どちらの論理が有効かは状況によります。これはカフナの基本的な問題です。
勝つためには、状況に応じてこの2つを使い分ける必要があります。
状況は、時期と情勢によって決定されます。

時期は3つに分けられます。
序盤(1山目)、中盤(2山目)、終盤(3山目)です。
情勢の方は4つに分けられます。
優勢、劣勢、対当、不明です。
(優勢−劣勢の尺度についての説明はここでは保留します。)

今回からの数回の講義においては、時期が序盤、情勢が対当または不明という状況に限定して議論を展開していきます。

第1回の講座の中心概念は、「危険−安全」と「有効−有効でない」でした。
実は、前者の「危険−安全」の分類の概念は、「防御の論理」をベースとしたものです。
というのも「危険−安全」の尺度は、相手から見て自分の杖がどの程度「危険」か(どの程度「安全」か)であり、受身の概念だからです。
後者の「有効−有効でない」の分類の概念は、「攻撃の論理」をベースにしたものです。
その尺度は、相手の杖をどれだけ消すことができるかだからです。

次に実際のプレーの話に移ります。
プレー開始直後、杖がまだ置かれていない状況(序盤・対当)でとるべき戦術は「防御の論理」と「攻撃の論理」のどちらでしょうか。
答えは前者です。まずは「防御の論理」に従ってプレーすることになります。
相手の杖が出ていないかぎりは「攻撃」できないからです。
「防御の論理」に従うと、手札が5枚になるまでは杖を置きません。
置かれた杖は、多かれ少なかれ消される可能性があるからです。
そして、その後も杖は毎ターン1個ずつ置いていき、常に手札は5枚を維持することになります。

「防御の論理」に従うと、杖を置く場所はもっとも「危険」の少ない場所であらねばなりません。
次回の講義は、このもっとも「危険」の少ない場所についてです。
「攻撃の論理」についての講義はもう少し先になります。



→ 第三回予定(2月中旬)
 「危険と安全の公理」から導き出される「第一投の定理」について
  第四回予定

 「ボードの洗い出し」



カフナ研究講座
第三回
  「第一投の定理」 
    (定理…公理から論理的に導き出される命題) (2001/2/10)



 第1回の講義では、島ごとに「危険」の度合いを分類しました。
しかし実際には、どの杖も2つの島に属しています。
その観点から今回は、杖ごとの「危険」の度合いを分類します。
特に、一番始めに置く杖の「危険」度合いを導き出します。

 一番始めに置く杖の「危険」の度合いは、第1回の講義の内容をまとめると以下の通りです。
 @3の島に置くことは、「やや危険」(相手が2つ置くと消される)。
 A4、5の島に置くことは、「すこし危険」(相手が3つ置くと消される)。
 B6の島に置くことは、「ほんのすこし危険」(相手が4つ置くと消される)。

 しかしAについては、カードを要素に加えると細分できます。
 4の島に置かれた1つの杖を消すためには、3枚のカードが必要です。
その3枚のカードは、7枚〜8枚存在しています。
 同様に、5の島に置かれた1つの杖を消すためには、3枚のカードが必要です。
その3枚のカードは、9枚〜10枚存在しています。
 つまり、5の島の杖の方が、4の島の杖よりも消されやすい(「危険」ということです)。

 一番始めに置く杖の「危険」の度合いを、危険な順に並べると、下記の通りになります。
(また、同時に危険度数字で表してみました。この数字は、著者の経験的によるものであり、実証されているわけではありません。参考のために表記します。)
 @3の島 危険度A (危険度数:8)
 A5の島 危険度B (危険度数:6)
 B4の島 危険度C (危険度数:5)
 C6の島 危険度D (危険度数:3)

ここから、島と島の間に置かれる杖の「危険」度合いが導き出されます。

3と4の島の間  「危険度A」*「危険度C」 (危険度数:8+5=13)
3と5の島の間  「危険度A」*「危険度B」 (危険度数:8+6=14)
4と4の島の間  「危険度C」*「危険度C」 (危険度数:5+5=10)
4と5の島の間  「危険度C」*「危険度B」 (危険度数:5+6=11)
4と6の島の間  「危険度C」*「危険度D」 (危険度数:5+3=8)
5と5の島の間  「危険度B」*「危険度B」 (危険度数:6+6=12)
5と6の島の間  「危険度B」*「危険度D」 (危険度数:6+3=9) 

従って、下記の定理が導き出されます。

「第一投の定理」
 1つだけ杖を置くのであれば、3の島に置いてはいけない(3と5の島の間が最も危険)。
 1つだけ杖を置くのであれば、6の島に置くべきである(4と6の島の間が最も安全)。

 確認しておくと、この定理は、「防御の論理」の基に立っています。
 そしてまた、手札や場に見えているカードの情報は考慮に入っていません。


→ 第四回予告
 「ルールブックの翻訳補足」…日本語訳(メビウス)の間違いと追加。
   第五回予告
 「バリアントルールとArabana-Ikibiti(カフナの前バージョン)紹介」



カフナ研究講座
第四回
  「日本語訳ルールブックの補足」  (2001/2/26)

今回は、メビウス発行の日本語訳の間違いと補足について述べます。
間違いといっても、ルールに関わるものではありませんので安心してください。
(なお、新しい日本語訳バージョンでは、以下の誤訳は修正されているかもしれません)

<翻訳の間違い>
「(ルールブック後半の)バリアントルール」

 正しい訳は以下の通りです(下線部)。
不意打ちの要素を減少させ、もっと長期的なプランを立てるゲームをプレイしたい者は、以下のルール変更をすればよい。
 ・相手のカフナゴマが置かれていない島にのみ、橋を置くことができる(橋の置きたい両方の島のうち1つでも相手に支配されていたら、橋は置けない)。
 ・2枚のカードを使って相手の橋を除去した時には、代わりに自分の島を置くことができる(もちろん、相手のカフナゴマがある橋は除去できない)。」

<翻訳の追加>
「作者紹介」
G.Cornettは、1960年にフレンツブルグで生まれ、現在はベルリンに住んでいます。彼は、トラックの運転手・庭師・ゲームの小売業などの職業に携わってきました。彼は、ゲーム批評やマルチメディアの分野で活動中です。趣味は、カヤック(カヌー)、インターネット、小さなゲーム会社(Bambus Spielverlag)の運営です。


→ 第五回予告
 「Arabana-Ikibiti(カフナの前バージョンのゲーム)紹介」
  第六回予告
 「バリアントルール考察」



カフナ研究講座
第五回 
  「アラバナ-イキバチ(Arabana-Ikibati)について  (2001/4/30)

 実は、アラバナ-イキバチというゲームがリニューアルされて、カフナが作られました。今回は、このアラバナ-イキバチについて解説します。
 アラバナ-イキバチは、1997年にBambus-Spielverlagというメーカーから発売されました。このメーカーは、カフナ(アラバナ-イキバチ)のデザイナーであるG.Cornettが運営している会社です。
 
アラバナ-イキバチは結局あまり売れませんでした。後になって、コスモスがアラバナ-イキバチのルールを若干修正して発売します。

 次に、アラバナ-イキバチとカフナのルールの違いについて述べます。
違いは2点だけです。1つは杖の配置に関して、もう1つは得点計算に関してです。
 アラバナ−イキバチの杖の配置のルールは、カフナのバリアントルールとして紹介されているものです。いったん相手に支配された(カフナストーンが置かれた)島には、自分の杖を置くことができません(カフナではできます)。
 アラバナ−イキバチの得点計算は、ターン数に関わらず、ターン終了時のカフナストーンの差となります(カフナでは、1ターン目は1点、2ターン目は2点、3ターン目はカフナストーンの差となっています)。
 ルールの変更に関しては、アラバナ−イキバチが輸出されたときに添付された英文ルールブックの訳が不十分であったというエピソードが背景にあります。英語のルールブックでは、杖の配置ルールが正確に訳されていませんでした。結果として、相手の支配下の島にも杖が置けるという現在のカフナのルールでプレイされました。その間違ったルールの方がよいと評価され、カフナで適用されました。アラバナ−イキバチの杖の配置ルールはシビアで、いったんできたリードを覆すことが難しかったからです。また、アラバナ−イキバチはスキルの高いプレーヤーが勝ちやすいゲームでした。得点計算の方法が変更されたのも、同様の理由からです。

 結果としてカフナは売れたので、ルールの変更は成功であったのかもしれません。しかし、これはルールの変更によるものというよりは、うまく売り出したためでしょう。コスモスの2人用ゲームとしての宣伝効果と、美しくなったコンポーネントによるところが大きいです。 ルールについて言及すると、杖の配置ルールはアラバナ−イキバチの方が優れいると思います。得点計算ルールはカフナの方が優れていると思います。



→ 第六回予告
 「バリアントルール(アラバナ−イキバチのルール)考察」
→ 第七回予告
 「アメリカのボードゲームサイトでのカフナに関する議論紹介」 




カフナ研究講座
第六回 
  「バリアントルール考察
 (2001/7/20)

 前回と前々回で少し触れたバリアントルールについて論じます。カフナはバリアントルールでプレイするべきです。これまでの連載では基本ルールによるカフナを研究してきましたが、方針を変えます。今後はバリアントルールによるカフナを研究します。というのも私は連載の当初はバリアントルールによるプレイをしたことがなく、それがいかに優れているかを知らなかったためです。

 バリアントルールのカフナが基本ルールのものよりも優れている点は以下のとおりです。

・1 戦略性が高い
・2 プレイ時間が短い
・3 シミュレーション性が高い

それぞれを説明します。
・1 戦略性…ビジョンを持ってプレイしないと勝てません。基本ルールで可能であった橋を強引に壊して島を奪取することはできません。橋はプレイが進むにつれどんどん置けなくなっていきます。このゲームの一番の醍醐味は、早く展開して島を確保することと、相手が展開した後に反撃してダメージを与えることのバランスです。基本ルールの世界では後者の戦略が有効なのでそれに比重をおいてプレイするべきなのですが、バリアントルールの世界では前者と後者のどちらが有効とは言えません。両者のバランスが重要です。のんびりと構えていたら手が出せないまま負けてしまいます。
 
・2 プレイ時間…相手が制圧した島へは橋を架けることができないため、プレイが進むにつれ選択肢がせばまっていきます。早い時には、2ラウンド目で勝負は決まります(一方が投了する)。

・3 シミュレーション性…いったん制圧した島へは自分の橋が架けられない点が現実的です。祈祷師同士の戦いがよりリアルに表現されます。シミュレーション性が高いということは、世界の構築が実感できるということであり、面白さに通じます。またそれは状況が分かりやすいということであり、ルールの説明しやすさ(初心者の引き入れやすさ)に通じます。

 逆に基本ルールの方が優れている点を挙げます。

・プレイが容易…運の要素が強いため楽にプレイできます(多少ミスをしても覆すことが可能。技量の低いプレーヤーが技量の高いプレーヤーに勝つことが可能)。



参考:
http://www.boardgamegeek.com/viewitem.php3?gameid=394
http://kumquat.com/cgi-kumquat/funagain/04481
http://www.spiritgames.co.uk/review.html



→ 第七回予告
 「序盤のテクニックの考察」



カフナ研究講座
第七回 
  「カードのドローについての考察
   (2002/1/2)

 バリアントルールのカフナについての考察を続けます。なお多くの部分はノーマルルールのカフナでも言えることです。

 手番の最後には、@場からカードをドローする、A山札からドローする、Bカードをドローしない、の3つの選択肢があります。もちろん、場のカードはプレイヤーに見えており、山のカードは見えていません。

@場からカードをドローすることのメリットは、確実にそのカードが獲得できること(=相手に獲得されないこと)。デメリットは、相手にドローしたカードが知られること、新しいカードが山から引かれてオープンにされることです。
A山札からドローすることのメリットは、ドローしたカードが相手に知られないこと、新しいカードが山札から引かれてオープンにされないこと。デメリットは、獲得するカードの不確実さです。
Bドローしないという選択がされることはめったにありません。よって、例外の選択肢とします。これに関しては後日考察します。

@とAの二者択一として、Aよりも@の方が有効でありうる場合は、以下のとおり7つ考えられます。

1.島の支配権を得、かつ相手の杖を消すことができるカードが、ドローできる場合
2.島の支配権を得ることができるカードが、ドローできる(相手の杖は消せない)場合
3.相手が使えば島の支配権を得、かつ自分の杖が消されるカードが、ドローできる場合
4.相手が使えば島の支配権を得るカードが、ドローできる(自分の杖は消されない)場合
5.相手の手札を使えなくさせるカードが、ドローできる場合
6.山札よりも場のカードの方がよいことが予想される場合
7.6の島がドローできる場合

 それぞれについて解説します。

1.相手の杖を消すことができるカード
 このカードは、ドローして構いません。
 しかし注意すべき場合はあります。前回の相手の手番において、相手がそのカードをドローすることができたのにドローしなかった場合です。それは相手の罠またはミスです。例示します。
 5の島で相手の杖が2つ、自分の杖が2つの状況にある場合、相手はその島に杖をもう1つ置けばその島を確保できます。それができるカードが場に出ているにもかかわらず、相手がそのカードをドローしない場合は、同じことができるカードを相手は持っている可能性が高いと考えられます。その場合、こちらがそのカードをドローしても、相手の杖を消すためには使わせてもらえません。つまり罠にはまります(相手の作為というわけではないのですが)。
 それが、相手の手番が終了した後に山札から引かれて場に出たカードであれば、ドローしても構いません。

2.島の支配権を得ることができるが相手の杖を消すことはできないカード
 このカードをドローするかどうかは微妙です。状況によります。
 ぜひとも確保したい島であればドローしてもよいでしょう。しかしドローしたカードが相手に知られるため、それを使わせてもらえなくなる危険があります。基本的には、序盤であればドローは我慢するべきです。これは特にバリアントルールのカフナで言えることです。
 
3.相手が使うことで自分の杖が消されるカード
 自分の杖が消されることを妨害する他の手段がない場合は、このカードはドローすべきです。手段がある場合は、このカードはドローしなくてもよいです。
 なおこのカードを相手がすでにドローを見送っているならば、注意すべきです(上記の1.の例と同様の理由)。

4.相手が使うことで島の支配権を得ることができるが自分の杖は消されないカード
 このカードをドローするかどうかは微妙です。状況によります。
 次の相手の手番でその島が確保され、ドローしたカードが使えなくなる危険があるため、ドローしない方がよいことも多いです。しかし危険を犯してドローする価値もあります。

5.相手の手札を使えなくさせることができるカード
 このカードは、ドローすべきです。
 これは上記の2.(島の支配権を得ることができる)のカードであり、そのうえ相手の手札が殺せます。相手の手札を殺すことは、バリアントルールのカフナの重要な戦術ですので、これが可能なカードは有効です。

6.山札よりもよいカード
 今までに晒されたカードから山札のカードを予想することができる場合です。山札よりも場のカードが欲しい場合で、かつ、続いてオープンされて場に出るカードが相手に獲得されてもまずくないのであれば、場のカードをドローすべきです。
 なお、中盤から終盤にかけては、使えないカードが増えるので、確率的に場のカードを引く方がよいことが多いです。

7.6の島
 6の島のカードは、特に序盤では柔軟性が高いのでドローしても構いません。また、6の島が相手に支配されて、この6の島のカードが使えなくなることは少ないです。 
 

 以上、場のカードをドローしてもよい場合について簡単に考察しました。基本的には、序盤から中盤にかけては、場よりも山札からドローする方が無難です。しかし、場からドローするリスクを犯すことも時には必要です。

 次回以降は、上記の分類をもとに、もう一歩踏み込んだ戦術を述べていきたいと思います。



→ 第八回予告
 「手札カードを知られるリスクの大きさ」



カフナ研究講座
第八回 
  「相手の手札を知ること
   (2002/8/14)

 相手の手札が分かれば有利に戦えます。

 相手の手札は、以下の場合に知ることができます。
1.相手が場からカードを引いた時
2.山札がなくなり、相手の手札が消去法で分かる時
3.相手の行動(杖の置き方等)から予想する

 1.と2.は明白です。このためには、カードを記憶することが必要となります。1.は容易ですが、2.は出てきたすべてのカードを把握しなければならないため難しいです。2.には情報処理の能力が多く要求されると言えます。

 ここで少し寄り道をさせていただきます。2.のように、出てきたカードを記憶すると有利になること、つまり情報処理の能力が要求されることは、ゲームとしてどうなのでしょうか。過度に情報処理の能力が要求されるゲームはバランスがよくないのですが、カフナで要求される情報処理の能力については、適度であると思います。
 その理由の1つは、カードは
各島2枚ずつで合計24枚しかないため、全部を把握することはそれほど骨が折れることでもないからです。もう1つの理由は、このゲームで勝つためには、情報処理よりも戦略の方が重要だからです。カフナでは考えることがたくさんあり、自分のメモリ(CPU)を情報処理にあまり振り分けてしまってもいけないのです。なお、ボードゲームにおける情報処理についての考察は、当ホームページの週刊ボードゲーム通信(ウエブ版、まぐまぐ版)でなされておりますので、参考にしてください。
 もう少し寄り道をします。カードを記憶することについての話ですが、捨て札を全部見ることができれば、記憶する必要はなくなります。はたしてこれは許されるのでしょうか。ルールブックには、捨て札を確認してもよいかどうかは書かれていないので、判断は難しいです。他のゲームを例に出すと、マジックザギャザリングでは捨て札を見ることはルール的にOKです。しかし、捨て札の確認について言及されているゲームは他に思い当たりません。したがって、他のゲームから判断することも難しいです。結論としては、捨て札を確認してもよいかどうかは、どちらでもよいと考えます。当事者同士で決めればよいでしょう。しかし、ゲーム中にいちいち捨て札を確認するのは、時間がかかってテンポが悪くなるし、また多少の情報処理の要素もあった方がゲームの厚みが出て面白いので、私としては捨て札の確認は不可とする方を好みます。なお、ルールブックに載っていない事柄についての考察は、当ホームページの週刊ボードゲーム通信(ウエブ版)でなされておりますので、参考にしてください。

 話を戻します。3.の相手の行動から手札を予想することは、とても難しいです。相手のカードの使い方、相手が引くカード、相手が好む戦術パターン(行動パターン)などが判断材料となります。これに関しては、上級者の領域ですので、議論は先延ばしにします。


 さて、相手の手札が分かればどのように有利に戦えるのでしょうか。それに関しては、次回で述べることにします。
 
 



→ 第九回予告
 「相手の手札カードの妨害」



カフナ研究講座
第九回 
  「手札カードを知られる危険さの度合い
   (2002/9/2)

 相手の手札が分かったときの戦術について述べます。

 有効な戦術は、そのカードを殺すことです。相手が場からカードを引いた時には、すかさずそのカードを使えないようにするのです。つまりその島を自分が支配するということです。そうすれば、相手はそのカードが使えなくなります(一般ルールではこれは言えないのですが、この講座ではオプションルールのカフナを論じてています)。
 相手のカードを使えなくすると、杖を消すのと同じでくらいのダメージを与えることができます。

 ところで、島によって殺されやすさ(確保されやすさ)は異なります。3の島は、2本の杖で(カード2枚で)島は確保されます。4の島と5の島は、3本の杖で島は確保されます。6の島の場合、確保するには4本の杖が必要となります。
 では、4の島と5の島とではどちらが殺されやすいでしょうか。どちらも3本の杖で確保されますが、5の島の方がその候補となるカードが多いため、確保されやすいと言えます。

 
まとめると、相手に知られたカードの殺されやすさの順位は、以下の通りです。
1、 3の島
2、 5の島
3、 4の島
4、 6の島

 言えることは、3の島を場から引くのはリスクが大きいと言うことです。また、6の島はいちばんリスクが少ないと言えます。
 

 ところで以前、 「第一投の定理」として、1つだけ杖を置くのであれば3の島に置いてはいけない(3と5の島の間が最も危険)、1つだけ杖を置くのであれば6の島に置くべきである(4と6の島の間が最も安全)、ということを言いました。上記の結論は、この考え方と同じです。



→ 第十回予告
 「3の島のジレンマ」


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