アイゼンガルド

・オークたちからの脱出(「二つの塔上」第三章「ウルク=ハイ」、第四章「木の鬚」より)

 ピピンとメリーを捕まえたオークたちは、やがて二手に分かれて仲間割れを始めました。白い手サルマンの手下であるウグルクをリーダーとする戦闘部隊ウルク=ハイと、赤い目サウロンの手下であるグリシュナッハをリーダーとする暗黒の塔の部隊です。最終的に指揮権を勝ち取ったのはウグルクでしたが、そこへローハンの騎士たちが攻め込んできます。どさくさにまぎれてグリシュナッハはピピンとメリーを連れ出しますが、途中騎士に見つかって殺されてしまいます。難を逃れた二人はファンゴルンの森に逃げ込み、そこで森の住人、木の鬚とエントたちに出会い、エントの飲み物を振舞われます。

・ファンゴルンの森の白い人影(第五章「白の乗手」より)

 一方、オークの軍勢を追ってファンゴルンの森までやってきたアラゴルンとレゴラスとギムリでしたが、そこで見つけたのはローハンの騎士たちによって全滅させられたオークたちの死骸だけでした。わずかな手がかりを頼りに森に入り込んだ三人の前に現れたのは、白い人影。サルマンかと思いきや、それは白の賢者として復活したガンダルフでした。ガンダルフはエルフの三つの指輪の一つ、ナルヤの持ち主でもありました。四人は、サルマンに操られているというローハン国王セオデンに助力を求めるため、ローハンの谷へと向かいます。

・サルマンの軍勢(第九章「漂着物」より)

 その頃ピピンとメリーは、サルマンに対して怒りを爆発させたエントたちとともにアイゼンガルドへ向かっていました。到着すると、ちょうどサルマンの軍勢がヘルム峡谷へ向けて出撃したところです。エントたちは手薄になった城壁を破壊しますが、サルマンは火と蒸気を使って反撃しました。仲間を燃やされてさらに激昂するエントたちですが、オルサンクの塔は堅固で手が立ちません。木の鬚は戦法を変えて、アイゼン川の水を集めてダムを作ります。そこへローハンから一人ガンダルフが到着し、ヘルム峡谷への援軍を頼み込みます。援軍を送り出した木の鬚は、残ったエントたちとともにダムを決壊させてアイゼンガルドを水攻めにしてしまいました。

・サルマンの声(第十章「サルマンの声」より)

 アイゼンガルドがオルサンクの塔をのぞいて瓦礫になった後、サルマンの貯蔵していたパイプ草を樽ごと見つけて楽しむピピンとメリーのもとへ、ヘルム峡谷での戦闘を終えたガンダルフたちが戻ってきます。アラゴルン、レゴラス、ギムリ、そしてセオデン王とエオメルをはじめとするローハンの騎士たちも一緒でした。オルサンクの塔の下に立ったガンダルフがサルマンに呼びかけると、耳に快い響きの声が返ってきます。サルマンの声には人を呪縛して支配下に置く魔力があるのです。

・呪文の戦い(第十章「サルマンの声」より)

 サルマンはその声の力を存分に駆使して、一人一人に話しかけます。まず初めはセオデン王でした。サルマンの一言一言に、ローハンの騎士たちは動揺します。この声を聞いていると、ローハンを救えるのはサルマンだけで、ガンダルフはかえって国を滅亡へ追いやっているかのように思えてきます。王の甥であるエオメルが異議を唱えると、サルマンは今度はエオメルに向かって話し始めました。これが王の呪縛を説いたのか、セオデン王はサルマンとの決別をはっきりと口にします。

・サルマン(第十章「サルマンの声」より)

 最後の力を振り絞ってガンダルフに呼びかけるサルマンの声に、冷静でいられるものはいませんでした。みなは今にもガンダルフは塔に上っていってサルマンと手を結ぶだろうと思いましたが、そのとき突然ガンダルフが笑い出します。もはや白の賢者ではなくなったサルマンの声の力は衰え、新たに白の賢者としてよみがえったガンダルフの敵ではなかったのです。ガンダルフはサルマンに投降を奨めますが、サルマンはそれを断り塔に立てこもります。ガンダルフはサルマンの杖を折り、賢人会議からの追放を宣言しました。オルサンクの塔に保管されていたパランティアの石によって、サルマンがサウロンに支配されていたことがわかります。

戻る