モルドール

・サム、フロドを救い出す(「王の帰還下」第一章「キリス・ウンゴルの塔」より)

 シェロブを追い払ったサムですが、すでにフロドは冷たくなっていました。一人で旅を続ける決断を下し、指輪を持ってトンネルを抜けたサムでしたが、そこへオークの警備隊が前後からやってきます。思わず指輪をはめて身を隠したサムの耳に、彼らの会話が入ってきました。なんと彼らは仮死状態だったフロドを見つけて、キリス・ウンゴルの塔へ連れて行ってしまったのです。自分の勘違いに気づいたサムはフロドを救うため単身塔へと乗り込みました。手柄を奪い合う二人のオーク隊長シャグラトとゴルバグの仲間割れもあり、サムはなんとかフロドのもとへ辿りつきます。

・ナズグルの魔王との戦い(「王の帰還上」第六章「ペレンノール野の合戦」より)

 一方、アイゼンガルドでサルマンを屈服させたガンダルフは、ピピンを伴いミナス・ティリスへゴンドールの執政デネソールを訪れます。来るべきサウロンとの戦いに備えるためです。
 また、アラゴルンとレゴラスとギムリも、決戦に備えて死者の道へと向かいます。ここは昔サウロンとの合戦時、イシルドゥアに忠誠を誓いつつも召集に応じなかった諸部族が呪われて暮らすところです。道を進むに連れ、誓いを破ったために眠れぬ死者となった王たちが軍勢を率いて現われて、過去の誓言を果たすためにアラゴルンに従いました。
 他方、ローハンには盟邦ゴンドールより赤い矢が届けられました。危急存亡のゴンドールを助けるため、セオデン王は騎士を率いて出陣します。置き去りにされたメリーですが、デルンヘルムという騎士の厚意で密かについていくことに成功します。途中、野人の酋長ガン=ブリ=ガンの助けを受けたローハン軍はかろうじて合戦に間に合いましたが、そこに「人間の男によっては殺されない」というナズグルの魔王が現われます。倒れるセオデン王の前にデルンヘルム、もといエオウィンが立ちはだかります。指輪の幽鬼にとどめをさしたのはメリーでした。

・ペレンノール野の合戦(第六章「ペレンノール野の合戦」より)

 総大将ナズグルの魔王は倒したものの、モルドール軍は副官ゴスモグを中心に陣を立て直し、猛攻撃をかけてきます。まさかりを持つ東夷たち、ハンドのヴァリアグたち、緋色をまとった南方人たち、そして遠いハラドから白い目と赤い舌を持った黒いハラドリムたちが、ムマキルという獣とともに軍団を構成しています。そこへさらに海から大河アンドゥインを伝って、ウンバールの海賊たちの帆船がやってきました。望みを失いかけたエオメルに、帆船の旗印が目に入りました。なんとそれはアルノールの王の証であるエレンディルの星を額に、折れたる剣ナルシルを鍛えなおしたアンドゥリルを手にしたアラゴルンのものだったのです。死者の軍勢を率いたアラゴルンの加勢により、ペレンノール野の合戦はゴンドールの勝利に終わります。

・暗黒の塔の死者、サウロンの口(第十章「黒門開く」より)

 ガンダルフは、モルドールに侵入したフロドとサムからサウロンの目をそらすために、残りの兵力を率いてモルドールの黒門に進軍することを提案します。会議の結果、アラゴルンやエオメルの率いるわずか七千騎の軍勢が、モルドール目指して出発することになりました。レゴラス、ギムリ、ピピンも一緒ですが、負傷したメリーはミナス・ティリスに残ることになります。ゆっくりと北上して黒門の前についた一行の前に現われたのは、暗黒の塔バラド=ドゥアの副官、サウロンの口として知られる人間でした。彼は、フロドの身に着けていたミスリルの鎖かたびらやエルフのマントを取り出し、降伏を勧告します。ガンダルフは動揺しながらもそれをはねつけ、ここに最後の合戦の幕が切って落とされました。

・サウロンの軍勢に包囲される(第十章「黒門開く」より)

 黒門の大きな扉が開け放たれ、モルドールの軍勢が一斉に飛び出してきました。黒門の両側の丘陵からも数知れないオークたちが雪崩をうって下りてきます。サウロンは罠を用意していたのでした。アラゴルンには戦陣を整える時間はほとんどなく、たちまち周りを囲まれてしまいます。さらに一行の前に進み出てきたのは、巨人のような山トロルの大部隊でした。フロドとサムの運命もわからず、最盛期のゴンドールの前衛部隊にも及ばないたったの七千騎でモルドールの大軍勢に包囲され、旅の仲間はここに進退窮まったのでした。

・指輪は私のものだ!

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