ーーーーーーー−−−−−−−−−−−−−

ヴァン・ダム映画「ヘル」観賞記(2003/11/03)

【内容】世界各国の凶悪犯たちが収容されるロシア・クラヴァヴィ刑務所に収容
された石油工場エンジニア・カイルの地獄の日々と脱獄までの過程を描く映画
「ヘル」(主演:ジャン=クロード・ヴァン・ダム/監督:リンゴ・ラム/20
03年アメリカ作品)の観賞レポート。

■ヘル公式サイト
http://www.hell-movie.jp/

■U.G.S.インターネット駐屯地に戻る
http://www3.alpha-net.ne.jp/users/namo/

ーーーーーーー−−−−−−−−−−−−−
《戸塚の感想》

■当初は「舞台が刑務所ってことは、どーせ強くてエリートなヴァンダム様が潜
入捜査目的で服役囚になりすまして刑務所内の悪を叩くって話じゃないの? っ
て、そりゃまんま『ブルージーンコップ』だよ!」と真性ヴァンダムファンに
しかわからない一人ツッコミをしていたわし。しかし、映画が始まり話が進んで
いくごとに、その期待(?)は脆くも崩れ去っていく。

■従来のヴァンダム映画は、ヴァンダムが演じるキャラクターに、いい意味での
能天気さがあった。それを観て「しょうがないなあ、ヴァンダムは」と緩笑す
るのが醍醐味のひとつでもあったわけだが、今回はそれがまったくといっていい
ほどなかったのだ。刑務所に収容された理由にまったく救いようがない時点でお
かしいとは思ったが、スコットランド一汚いトイレ”を思わせる劣悪な環境の独
房の中で、容姿がみるみるジーザス・クライスト化していくさまは、なんつーか
ショックだった(絶望極まり首吊り自殺しようとした時、首吊り用の布が立派な
体格に負けてちぎれるところが、唯一のヴァンダム映画らしさか)。中盤から本
格化するお約束のマーシャルアーツシーンにしても、「肉体的な強さの背後にあ
る虚しさ」しか感じられないという異常事態。その衝撃は『ファイトクラブ』が
さわやかケンカ映画に思えてくるほどだった(わかりにくい例え)。

■今回の作品は、今までのヴァンダム映画とは一線を画する内容だった。しかし
それは、一ファンとしての失望を意味する感想ではない。むしろ、これまでハリ
ウッドで成功してきた肉体派俳優が避けてきた領域−−マッチョ思想の闇の領
域と限界の体現−−にヴァンダムが踏み込もうとしているんじゃないだろうか、
という新たな期待を感じさせるものだ。……とはいえ、ヴァンダム自身はバリバ
リのタカ派らしいので、次回作では何事もなかったように従来の芸風を披露する
のかもしれない。それはそれでいいんだけどね。

おまけ1……映画を観にいった
のは、公開初日のお昼の回。映
画館の入り口には、妙なコスプ
レをした人が立っていた。我慢
できずに「それはいったいどう
いうわけなんですか?」と訊ね
たら、「お客さんをしっかり監
視するためです」との答え。配
給会社の人も大変だなと思っ
た。映画が始まってしまばらく
すると、さっきの人とクリソツ
な看守キャラが登場するではな
いか。映画キャラに似ている人
も大変だなと思った。その看守
キャラは、ラスト付近でかなり
「痛い目」に遭っていた。帰り
際にそのシーンのことを彼に指
摘すると、なぜかちょっと照れ
ていた。
おまけ2……客の入りは3〜4
割といったところ。とはいえ、
そのハコ自体がちょっと豪華な
ホームシアタールーム風の規模
だったので、絶対数は推して知
るべし。エンドロールが終わ
り、さあ帰ろうって時にはこん
な人がいるしで、自分達がいか
に世の中に取り残されているか
を痛感した。
                    
ーーーーーーー−−−−−−−−−−−−−

《佐々木の感想》

■我らがジャン=クロード・ヴァン・ダム(以下バンダム)の最新主演映画「ヘ
ル」(原題・IN HELL)を、さっそく公開初日に戸塚氏と鑑賞しに行っ
た。事前に内容の情報を見ずに行ったため(見たくとも、公式サイトですらさほ
ど詳細が書かれてない)、物語の冒頭でバンダムの妻が殺され、その犯人が逮捕
されたくだりで「ああ、この仇をとるために監獄へ向かうんだな」と最初は思っ
た。ところが犯人が賄賂で無罪を勝ち取り、それに逆上したバンダムが警備員の
銃を奪ってその場でそいつを射殺。そして自分自身が殺人罪で監獄へ……という
展開を開始10分ほどで済ませてしまった。

■いつものバンダム映画みたいに、わかりやすいカタルシスを用意したアクショ
ンだと思っていただけに、これには呆気にとられた。意外にも監獄での人間ドラ
マを描く大真面目な映画だったのである。たとえるなら、エロを期待して入っ
たなんとか式マッサージが、実はノーマルなマッサージ店だったというくら
い予想だにしない出来事だったといえよう。しかも「あー、でも肩こってるから
まあいいか」と、そのまま身を預ける流れだ。なんか違うけど。

■とはいえ作品自体の出来は良く、リンゴ・ラム監督とバンダムの名を冠してい
なければ(というか、有名監督と有名二枚目俳優だったら)、そこそこのヒット
作になる可能性はあったかと思われる。

おまけ……映画を見終わって戸塚氏と熱く感想を語るべく外へ出ると、すかさず「ぴあ」の出口調査員から声をかけられ、本誌に掲載する例の鑑賞者コメントを求められた。その時は観たばかりで、自分の中でも感想をまとめきれていなかったものの、フリーライターの体面を守れる程度には答えておいた。ちなみに数日後の「ぴあ」(2003年11月10日号)をチェックしてみたところ、かなり小さいが私のコメントが掲載されており、戸塚氏と共に大ウケさせてもらった(画像を参照)。肝心のコメントの下段半分くらいは自分で言った覚えのない内容だったが、ライターの身にはよくある事なのでまあ良しとしよう。
 さらにつけ加えれば、以前『レプリカント』(やはりバンダム映画)を有楽町で観た時に受けたぴあアンケートでは戸塚氏のほうが掲載されたので、UGS的には2戦2勝の大勝利といっていいだろう。実際のところはバンダム映画でアンケートに協力できる人が少ないからなのは分かっているが、ここまできたら次回以降のバンダム映画でもアンケートチャレンジすることが我々に課せられた任務といえよう。

■U.G.S.インターネット駐屯地に戻る
http://www3.alpha-net.ne.jp/users/namo/

ーーーーーーー−−−−−−−−−−−−−
              U.G.S.