
ビデオゲームには「アクション」という分野があります。簡単に説明すると、プレイヤーがキャラクター(主に人間系)を操作し、設定されたノルマを達成するべく飛んだり跳ねたり闘ったりするゲームのことです。しかし単に「アクションゲーム」とは言っても、その中には色々なテイストを持ったものが存在します。例えば、「ゼルダ64」のようにキャラクターが3Dフィールドを自由に動き回り、謎解きを楽しむといった物もありましょう。ここで紹介する「ゲイングランド」のテイストを一言で紹介するとすれば、「超硬派戦略シミュレーション」となるでしょうか? そう、このゲームは「攻略法を編み出す楽しみ」をメインに置くという独特のテイストを持ったアクションゲームなのです。 ゲイングランドは、1988年にセガから発表されたアーケード用ゲームです。その後、メガドライブに移植されましたが、この移植版、残念ながらアーケードの緻密さ(後述)が消え失せていて若干難易度が低くなってしまっています。画面はフィールドを上から眺めた感じで、当時最高クラスの解像度で非常に美しく描画されているのが特徴的です。ゲーム内容は、各面に配置された様々な敵の軍隊を一定時間内に全滅させることを目的としています。その面数、何と全40面! 10面毎に「古代」「中世」といった時代が割り当てられており、そのバリエーションに富んだ美しい風景や敵配置は一見の価値ありです。 もう少しゲーム内容を詳しく説明していきましょう。まずこのゲームの何処が「戦略シミュレーション的」なのか? このゲーム、プレイヤーが操作できる登場キャラクターがなんと20人もいます。ゲーム開始時における持ち駒は3人。ゲームを進めていくと、フィールドに「助けて!」と捕虜みたいな状態になっているキャラクターが次々と登場してきます。こいつらを救出してフィールドの脱出ゲートに入れてやると次の面からそいつを使えるようになる訳です。ここで、この20人はそれぞれ特徴的な攻撃手段を持っており、誰を使うかによって戦況が180度変わってしまうのがこのゲームのミソ。敵配置に合わせて持ち駒(20人の登場キャラ)を臨機応変に使い分けなくてはならない。このゲームが「アクション」でありながら「戦略シミュレーション」と呼んでいるのはこのためです。 更にこのゲーム、フィールド内に高低差が存在するのが注目すべき特徴です。高い所にいる敵は、ライフルなど白兵戦用の武器では倒せないようになっています。つまり、キャラクターによっては絶対に倒すことのできない敵が存在する訳です。これに対応して、高い所を狙い撃つことのできる武器(弓矢やミサイルなど)を装備したキャラが登場しますが、当然これらのキャラはライフルなどを乱射しながら突進してくる白兵戦野郎に対処するのは苦手としています。このような設定のために、ゲーム攻略における作戦の構築が必須であることは容易に想像できると思います。 さて、ここでそのバリエーション溢れるキャラクターの一部を紹介しましょう。
ところで、このゲームを紹介するにあたり、もう一つ触れなくてはならないポイントがあります。それは、ゲーム設定における異常なまでの緻密さです。例えば、各キャラクターの武器は当人が右手、左手、または両手で持っているように描かれているのですが、弾はちゃんと武器の座標から正確に放たれ、その持ち手の違いによって数ドットずれて飛んでいきます。弾の当たり判定が非常に小さいため、驚くべきことにプレイヤーは武器の持ち手を意識してプレイしなくてはなりません。また、弓矢など高い所を撃てる武器に関しては、リアルタイムに弾の軌跡が計算されているらしく、弾の最高到達点付近では地上の敵には当たらず、着地点ではきちんと当たり判定を持っている、等です。とにかく、「こんな昔に('88)よくこれだけ緻密なゲームを作ることができたものだ!」と驚くばかりの出来映えです。 ゲームをクリアするためには、各場面における最適人物を試行錯誤しながら作戦を組み立てなければなりません。実はこのゲーム、「レイディアントシルバーガン」に非常に似たタイプのゲームなのです。クリアまでの道は非常に長く険しいのですが、攻略パターンが完成して各キャラクターが的確に仕事をこなしていくのを眺めると、まるで自分が凄腕の指揮官になったような感動が得られます。さらにこのゲーム、2人プレイがメチャクチャ面白いです。2人で作戦を練りながら団結してゲームを攻略する。気の合った相手とのコンビプレイは最高の一言です。 このような「ゲイングランド」ですが、さすがに10年以上前のゲームであるため、めったにお目にかかれないかもしれません。しかしながら、老舗のゲーセンは「名作ゲーム」として「ゲイングランド」を置いてくれている所が結構多いと思います。一度腰を据えてプレイしてみてはいかが? 古さを少しも感じさせない傑作ですよ!
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